デジタルファブリケーションとメディア

メディアテクノロジーシリーズ 6

デジタルファブリケーションとメディア

専門家だけでなく,自らの手で何かを創り出すことに興味や情熱を持つすべての方々へ!

  • 口絵
ジャンル
発行年月日
2024/05/10
判型
A5
ページ数
208ページ
ISBN
978-4-339-01376-4
デジタルファブリケーションとメディア
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定価

3,520(本体3,200円+税)

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本書は、デジタルファブリケーションとメディアを支える技術や概念、応用分野を「離散的設計」「コンピュテーショナルデザイン」「インタラクティブなものづくり」「パーソナルファブリケーション」といった4つに分け、それぞれを独立した章で解説します。

第1章では、「デジタル」本来の意味に立ち返り、離散的設計によるものづくりの本質を追求します。広義のデジタルファブリケーションから、デジタルマテリアル、アーキテクティッドマテリアル、セルフアセンブリシステムと言った狭義の離散的ものづくりまでを網羅し、最先端の幅広い実例とともに、その意味と意義について議論します。そして、デジタルファブリケーションが地球環境問題に立ち向かうことができる技術でもある可能性を示します。

第2章では、コンピュテーショナルデザインを主題とし、従来は属人的であった設計のプロセスを数理的な最適化問題としてモデル化する手法、および数理技術と計算機を駆使することによって、人間の思考力の限界を超えた高度な設計、あるいは効率的な設計プロセスを達成しようとする試みを紹介します。設計を最適化問題の視点から捉えるという姿勢を徹底し、機能性に着目したものづくりを実現するためのアプローチを手描きイラストとともに解説します。

第3章では、インタフェース技術やインタラクションデザインの観点からデジタルファブリケーション領域を概観し、その事例や展望を整理して紹介します。そのなかでは、ものの造形だけではなく、センサやアクチュエータと一体化して、形状を動的に制御しインタラクションに用いる研究を複数取り上げます。さらに、形状ディスプレイあるいは形状変化インタフェースと呼ばれる研究領域の兆しや課題について議論し、デジタルファブリケーションおよびメディアアートの未来像を示します。

第4章では、ユーザー視点からのデジタルファブリケーションを取り上げ、一般市民が手軽にものづくりに関わることができる社会づくりへの取り組みを紹介します。大量生産された商品の中から自分の欲しいものを選択するのではなく、欲しいものを自分でデザインして使うことが当たり前の世の中になったとき、私たちが自分の欲しいものを設計・制作するために必要な支援ツールのあるべき姿を模索します。

それぞれの章は、各分野の第一線で活躍する著名な研究者が執筆しています。デジタルファブリケーションとメディアという共通のテーマを掲げながらも、それらをどのような視点から捉え、考察するか、そしてどのように整理しまとめるかは執筆者ごとに大いに異なるものとなっています。本書では、このような執筆者ごとの独特なスタイルを統一することをせずに敢えて残すことで、それぞれが長年にわたり取り組んできた研究に基づく深い知識と情熱を感じられるものとなっています。本書を手に取った読者の皆様が、各章を読み進めることで、デジタルファブリケーションの幅広い領域に触れることができることでしょう。

私たちの日常生活やビジネス環境におけるデジタル技術の進化には驚くべきものがあります。それは,ものづくりにおいても例外ではありません。特に「デジタルファブリケーション」というデジタルデータをもとに制作を行う技術は,製造からメディア,アートまでの多岐にわたる領域において,大きな変化をもたらしています。本書『デジタルファブリケーションとメディア』では,この新しいものづくりの潮流の起源と,それらを支える技術,そしてその背景にある思想と今後の可能性について詳しく探っていきます。

デジタルファブリケーションの歴史は,コンピュータ支援設計,通称CAD(computer aided design)の発展とともに始まりました。初期の段階では,大企業や研究機関だけが持つ技術であり,ソフトウェアや製造機器は高価で限定的なものでした。しかし,技術の進化とハードウェアの低価格化に伴い,デジタルファブリケーションは徐々に身近なものとなりました。小規模な工房や教育機関,そして個人の手にもこの技術は渡り,新しいクリエイティブな表現や革新的な製品開発が広がりを見せています。これらはニール・ガーシェンフェルドらが提唱する「パーソナルファブリケーション」といった概念の登場につながり,パソコンやデジタル加工機を利用して『(ほぼ)あらゆるものを』自分でつくる時代の幕を開けることになりました。また,芸術と技術を融合させた現代のアート,「メディアアート」に無くてはならない要素となっています。

本書は,デジタルファブリケーションとメディアを支える技術や概念,応用分野を「離散的設計」「コンピュテーショナルデザイン」「インタラクティブなものづくり」「パーソナルファブリケーション」といった四つに分け,それぞれを独立した章で解説します。

1章では,「デジタル」本来の意味に立ち返り,離散的設計によるものづくりの本質を追求します。広義のデジタルファブリケーションから,デジタルマテリアル,アーキテクティッドマテリアル,セルフアセンブリシステムといった狭義の離散的ものづくりまでを網羅し,最先端の幅広い実例とともに,その意味と意義について議論します。そして,デジタルファブリケーションが地球環境問題に立ち向かうことができる技術でもある可能性を示します。

2章では,コンピュテーショナルデザインを主題とし,従来は属人的であった設計のプロセスを数理的な最適化問題としてモデル化する手法,および数理技術と計算機を駆使することによって,人間の思考力の限界を超えた高度な設計,あるいは効率的な設計プロセスを達成しようとする試みを紹介します。設計を最適化問題の視点から捉えるという姿勢を徹底し,機能性に着目したものづくりを実現するためのアプローチを手描きイラストとともに解説します。

3章では,インタフェース技術やインタラクションデザインの観点からデジタルファブリケーション領域を概観し,その事例や展望を整理して紹介します。その中では,ものの造形だけではなく,センサやアクチュエータと一体化して,形状を動的に制御しインタラクションに用いる研究を複数取り上げます。さらに,形状ディスプレイあるいは形状変化インタフェースと呼ばれる研究領域の兆しや課題について議論し,デジタルファブリケーションおよびメディアアートの未来像を示します。

4章では,ユーザー視点からのデジタルファブリケーションを取り上げ,一般市民が手軽にものづくりに関わることができる社会づくりへの取り組みを紹介します。大量生産された商品の中から自分の欲しいものを選択するのではなく,欲しいものを自分でデザインして使うことが当たり前の世の中になったとき,私たちが自分の欲しいものを設計・制作するために必要な支援ツールのあるべき姿を模索します。

それぞれの章は,各分野の第一線で活躍する著名な研究者が執筆しました。デジタルファブリケーションとメディアという共通のテーマを掲げながらも,それらをどのような視点から捉え,考察するか,そしてどのように整理しまとめるかは執筆者ごとに大いに異なるものとなっています。本書では,このような執筆者ごとの独特なスタイルを統一することをせずに敢えて残すことで,それぞれが長年にわたり取り組んできた研究に基づく深い知識と情熱を感じられるものとなっています。本書を手に取った読者の皆様が,各章を読み進めることで,それぞれの視点や文体の違いを楽しみながら,デジタルファブリケーションの幅広い領域に触れることができることでしょう。さらに,このテクノロジーがメディアやアートの領域にもたらす影響にも,各章ごとに焦点を当てています。デジタル技術を活用した新しいメディアアートの形成,クリエイティブな表現の多様性,そしてその背後にある技術,ときにはその思想について,深く考察しています。

この本がデジタルファブリケーションの奥深い世界を探るきっかけとなり,そしてそれを日常に取り入れ,新しい価値を創出するためのインスピレーションとなることを願っています。最も重要なのは,デジタルファブリケーションがもたらす可能性が,専門家だけでなく,私たち一般の人々にも開かれているということです。私たち一人ひとりが,自らのアイデアを形にし,それを共有するための手段としてこの技術を利用できるのです。

本書が特に適していると読者層としては,3Dプリンタやレーザーカッターなどのデジタル加工機を使ったものづくりや,メディアアート,そして新しい技術そのものに興味を持つ学生,研究者,アーティスト,ビジネスの新しい可能性を求める企業家やマーケターなど,幅広い方々が該当します。そして,自らの手で何かをつくり出すことに興味や情熱を持つすべての方々に,本書が有益であると感じていただけると信じています。

デジタルファブリケーションというフィールドは,これからも私たちの生活や文化,ビジネスに大きな影響をもたらし続けるでしょう。新しいデジタル技術と人々の生活との間に生まれる新しいものづくりの姿は,私たちの住む世界を大きく変える可能性を秘めています。本書を通じて,デジタルファブリケーションと新しいメディアの,過去と現在,そして次に来る姿を展望していただければ幸いです。

2024年3月
編者 三谷純

第1章 ものの離散化とディスクリート離散的設計の可能性
1.1 デジタルファブリケーションとは何か
 1.1.1 「デジタル」を捉え直す
 1.1.2 広義のデジタルファブリケーション
 1.1.3 ものづくりの民主化と分散型製造
コラム:オープンデザインの成熟
 1.1.4 デジタルファブリケーションの拡張
 1.1.5 狭義のデジタルファブリケーションへ向けて
1.2 「離散性」の意味と意義
 1.2.1 クロード・シャノンによる「通信のデジタル化」
 1.2.2 「製造のデジタル化」とは何か
 1.2.3 最小単位を基本としたものづくりの歴史
コラム:東京2020オリンピック・パラリンピック表彰台
 1.2.4 デジタルマテリアル
 1.2.5 アーキテクテッドマテリアル
コラム:ボクセルモデリングとセルラーアーキテクテッドマテリアル
 1.2.6 セルフアセンブリシステム
1.3 「地球環境問題」に向き合うためのデジタルファブリケーション
 1.3.1 サンゴ着生具のデザイン
 1.3.2 菌糸ユニットを用いた森のドーム
 1.3.3 ジャイラングル構造体による都市冷却
 1.3.4 「環境メタマテリアル」の可能性
1.4 デジタルファブリケーションと呼応する思想・美学
 1.4.1 オープンシステムサイエンス
 1.4.2 ハーネス計算
1.5 むすびに

第2章 出力物体の機能性に着目したコンピュテーショナルデザイン
2.1 コンピュテーショナルデザイン
 2.1.1 コンピュテーショナルデザインとは
 2.1.2 最適化問題とは
 2.1.3 設計問題と最適化問題
2.2 デジタルファブリケーションにおけるコンピュテーショナルデザイン
 2.2.1 デジタルファブリケーションにおける設計変数
 2.2.2 機能性を最適化問題に組み込む方法
2.3 出力物体の機能性の種類と研究事例
 2.3.1 出力物体の壊れにくさ
 2.3.2 特定の用途で使う際の性能
 2.3.3 利用時の使い心地
2.4 最適化の対象となる設計変数の種類
 2.4.13 次元形状
 2.4.2 物体表面の凹凸
 2.4.3 部品の配置
 2.4.4 微細構造・パターン
2.5 発展的な話題
 2.5.1 機能性以外の設計指針
 2.5.2 コンピュテーショナルファブリケーション
2.6 むすびに

第3章 インタラクティブなものづくり
3.1 身近になるものづくり
3.2 デジタルファブリケーションを取り巻くインタフェース
 3.2.1 デジタルファブリケーションのプロセス
 3.2.2 対話的なファブリケーション
 3.2.3 デジタルファブリケーション装置の直接操作
 3.2.4 対話的な3Dプリント:設計と造形の作業空間を重ねる
 3.2.5 手作業を支援・拡張する道具
3.3 即興的なファブリケーション
 3.3.1 高速化する3Dプリンタ
 3.3.2 「プレビュー・プレタッチ」のためのファブリケーション
 3.3.3 大きさや重さに着目したプロトタイピング
 3.3.4 素材を使い回せる即興的造形手法
3.4 造形後に姿・形を変えるもののファブリケーション
 3.4.14 Dプリンティング
 3.4.2 造形後に膨らみ形を変える4Dプリント
 3.4.3 「食べられる」4Dプリント
 3.4.4 Unmakingと素材の経時変化を取り込むデザイン
3.5 ものの造形から変形を操るインタフェースへ
 3.5.1 形状変化インタフェースとは
 3.5.2 形状変化インタフェースのデザインスペース
 3.5.3 形状変化インタフェースの現状と課題
 3.5.4 ユーザー体験の設計と応用に向けて
コラム:エラーから広がる?デジタルファブリケーション表現
3.6 むすびに

第4章 パーソナルファブリケーション
4.1 初心者がデザインをすることは簡単か
4.2 プリンタ
4.3 3Dプリンタ
4.4 レーザーカッター
4.5 カッティングプロッタ
4.6 切削加工機(ミリングマシン)
4.7 刺繍ミシン
4.8 編み機
4.9 ヒューマンハンド
コラム:自分でデザインしてみたいものを身の回りで探してみよう
4.10 むすびに

引用・参考文献
索引

読者モニターレビュー【 N/M 様(業界・専門分野:総合情報学[情報科学])】

本書は「メディアテクノロジーシリーズ」の6巻目に位置する書籍である.本巻では「デジタルファブリケーション」というデジタルデータを基にしてモノを創り出す技術についての記述がなされている.

本書は,全4章で構成されているが,それぞれ独立した形で記述されているため,興味のある章から読むという自由度がある点も本書の特徴である.

1章では,「デジタルファブリケーション」とは何かということを理解する上で,そもそも「デジタル」というものを改めて考えていくことから始まり,「デジタルファブリケーション」の定義などの解説がなされている.1.2節「離散性」の意味と意義では,通信のデジタル(離散)化を考える上で,クロードシャノンの「通信デジタル化」の箇所は,情報理論でおなじみの内容であり,デジタルファブリケーションの分野でも関連性があるのかと興味深く読ませていただいた.

4章の「コラム:自分でデザインしてみたいものを身の回りで探してみよう」にも解説してあるように,デジタルデータを基に何かモノを作ってみたいけど,何を作っていいのかアイディアがいまいちピンとこない方いると思われるが,現実の日常生活で,こういうモノがあればより便利なのにという,発想のヒントみたいなものがこのコラムから得られるようにも感じた.

読者モニターレビュー【 ソラ 様(業界・専門分野:建築)】

デジタル化という離散的な技術においてアナログ方式がもつ本質的な問題を当時では電話という離散的な事例を通して学ぶことができた.。またこのようなデジタル化における革新はメディアにおいて人間の身体を超えた通信の拡張ともいえるだろう。
3Dプリンタにおける出力物における最適化問題では軽量性やヤング率等をはじめとした素材としての目的関数だけでなく、用途に応じた機能性
を組み合わせた技術が必要であり、逆設計に戻づく設計手法から構成される重要性を再認識できた。
HCIにおける設計ではユーザーにおける使用条件・使用目的においてユーザーの問題点をデジタルファブリケーションでどう解決していくか、そのような人間中心のデザインに加わるデジタル化が問題点だけでなく人間の新たな使用目的を拡張させるのではないかと思った。

三谷 純

三谷 純(ミタニ ジュン)

筑波大学システム情報系 教授.
2004年, 東京大学大学院 工学系研究科 博士課程修了. 博士(工学).
理化学研究所研究員を経て2005年より筑波大学に勤務.
コンピュータグラフィックスおよびCADにおける形状モデリングの研究に従事.折紙のための形状生成などに取り組んでいる.
主な著書に『立体折り紙アート(日本評論社)』『曲線折り紙デザイン(日本評論社)』などがある.

田中 浩也

田中 浩也(タナカ ヒロヤ)

慶應義塾大学SFC 環境情報学部 教授
2003年, 東京大学大学院 工学系研究科 博士課程修了. 博士(工学).
東京大学生産技術研究所助手等を経て2005年より 慶應義塾大学SFC 環境情報学部 専任講師 ,2008年より同准教授,2016年より現職.デザイン工学の研究を推進しながら、日本におけるファブラボ、ファブシティの普及に従事。
主な著書に 『FabLife―デジタルファブリケーションから生まれる「つくりかたの未来」』(オライリー・ジャパン、2012年 ) 『SFを実現する―3Dプリンタの想像力』(講談社、2014年)『コンピュテーショナル・ファブリケーション~折る・積むからはじまる計算と造形~」』(彰国社、2020年)など

小山 裕己

小山 裕己(コヤマ ユウキ)

産業技術総合研究所 主任研究員.
2017年,東京大学大学院 情報理工学系研究科 博士課程修了.博士(情報理工学).
2017年より産業技術総合研究所に勤務.
コンピュータグラフィクスとヒューマンコンピュータインタラクションを専門とし,特に最適化計算などの数理的手法に基づくデザイン支援技術の研究に従事.
また,2021年より株式会社グラフィニカにて技術顧問を兼務し,映像制作のための研究開発にも従事している.

筧 康明(カケヒ ヤスアキ)

五十嵐 悠紀

五十嵐 悠紀(イガラシ ユキ)

お茶の水女子大学 理学部 情報科学科 准教授
2010年, 東京大学大学院 工学系研究科 博士課程修了. 博士(工学).
日本学術振興会特別研究員DC2, PD, RPDを経て2015年より明治大学総合数理学部専任講師,2018年より同専任准教授,2022年より現職.
ヒューマンコンピュータインタラクションおよびインタラクティブグラフィックスに関する研究に従事.
主な著書に『縫うコンピュータグラフィックス: ぬいぐるみから学ぶ3DCGとシミュレーション(オーム社)』『スマホに振り回される子 スマホを使いこなす子(ジアース教育新社)』『AI世代のデジタル教育 6歳までにきたえておきたい能力55(河出書房新社)』などがある.

fabcross 掲載日:2024/02/19

fabcross様のニュース記事(2024/02/16 06:30)にて,お採りあげいただきました。

掲載日:2024/05/07

Facebook広告2024年5月7日

掲載日:2024/05/07

Instagram広告2024年5月7日

掲載日:2024/05/01

電子情報通信学会誌2024年5月号

掲載日:2024/04/30

日刊工業新聞広告掲載(2024年4月30日)

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