書き込み式 ヒューマンコンピュータインタラクション入門

書き込み式 ヒューマンコンピュータインタラクション入門

HCIやHIの初学者が,HCIの基礎知識やその評価方法について学ぶことができる一冊

ジャンル
発行年月日
2022/04/11
判型
B5
ページ数
160ページ
ISBN
978-4-339-02927-7
書き込み式 ヒューマンコンピュータインタラクション入門
在庫あり

定価

2,860(本体2,600円+税)

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【読者対象】
ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)やヒューマンインタフェース(HI)を勉強してみたいと考える初学者、学生。

【書籍の特徴】
本書の各ページは、解説部分、スライド部分、メモ部分に分かれています。スライド部分では、重要なキーワードが空欄になっていますので、皆さんは解説部分を読みながらスライド部分の空欄にキーワードを埋めていってください。メモ部分は、皆さん自身で調べたことや、先生や講師がプラスアルファで話してくれたことをメモしておいてください。
なお、コロナ社の書籍紹介ページより、教科書採用者・セミナー主催者向けに、空欄部分にキーワードが書かれた PowerPoint のスライドを提供しています。

【各章について】
本書は、HCI の勉強を進めていくうえで重要となる観点から、第 1 部:人間に関すること、第 2 部:HCI の基礎知識、第 3 部:HCI の評価方法、という三つのカテゴリーに分かれています。
第 1 部の人間に関することでは、HCI を考えるうえで、まさに主人公となる「人間」を人間工学の観点からとらえます。生き物である人間、人間を測る方法、色と人間の関係、人的過誤(ヒューマンエラー)について説明します。第 2 部の HCI の基礎知識では、HCI を様々な観点から掘り下げていきます。具体的には、ハードウェア、ソフトウェア、認知構造、設計原則について述べます。最後の第 3 部の HCI の評価方法では、これまでに用いられてきたおもな評価方法を取り上げて紹介します。HCI の定量的評価であるフィッツの法則、眼球運動計測や、ヒューリスティック評価法、ユーザテストについて詳しく説明します。

製造技術や情報処理技術が飛躍的な進歩を遂げたことで、多くの工業製品が多機能化・高機能化しています。このような工業製品のおかげで、私たちの生活はとても便利で快適なものになってきました。その一方で、皆さんがこれらの製品を実際に使っているときに、その操作に不自然さを感じたり、使いにくいと思ったりしたことはありませんか。その原因の一つに、人間の特性と機械(コンピュータ)の特性を総合的にとらえるヒューマンコンピュータインタラクションの考え方が反映されていないことがよくあります。

ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI:human computer interaction)は、「人間が使用するための対話型コンピュータシステムのデザイン、評価、実装に関連し、それら周辺の主要な現象に関する研究を含む学問分野」とHCIに関する国際的活動を行っている学会組織(ACM SIGCHI)において定義されています。ヒューマンコンピュータインタラクションとよく似た言葉で、ヒューマンインタフェース(HI:human interface)がありますが、インタフェース(interface)だけであれば「界面、接面」という意味ですから、HIは人間とシステムのやり取りをする境界となる部分(ハードウェア・ソフトウェア)の意味合いが強くなります。一方で、HCIのインタラクション(interaction)は「相互作用」という意味ですから、HCIはHIを介した人間とコンピュータのやり取りといった大きな系をとらえていることになります。HCIとHIの二つを学問分野として見てみると、多くの内容がオーバーラップしているというのも頷けます。

本書は、HCIの勉強を進めていくうえで重要となる観点から、第1部:人間に関すること、第2部:HCIの基礎知識、第3部:HCIの評価方法、という三つのカテゴリーに分かれています。

第1部の人間に関することでは、HCIを考えるうえで、まさに主人公となる「人間」を人間工学の観点からとらえます。生き物である人間、人間を測る方法、色と人間の関係、人的過誤(ヒューマンエラー)について説明します。

続いて、第2部のHCIの基礎知識についてです。HCIを様々な観点から掘り下げていきます。具体的には、ハードウェア、ソフトウェア、認知構造、設計原則について述べます。

最後の第3部のHCIの評価方法では、これまでに用いられてきたおもな評価方法を取り上げて紹介します。HCIの定量的評価であるフィッツの法則、眼球運動計測や、ヒューリスティック評価法、ユーザテストについて詳しく説明します。

本書の対象読者は、HCIやHIを勉強してみたいと考える初学者です。そのような皆さんに、少しでも興味を持続して、効率的に勉強を進めてもらうために、本書ではいくつかの工夫をしています。本書の各ページは、解説部分、スライド部分、メモ部分に分かれています。スライド部分では、重要なキーワードが空欄になっていますので、皆さんは解説部分を読みながらスライド部分の空欄にキーワードを埋めていってください。メモ部分は、皆さん自身で調べたことや、先生や講師がプラスアルファで話してくれたことをメモしておいてください。

本書の使い方は、次の二つを想定しています。
(1)個人で本書を使って勉強する:まず解説部分を読んでみましょう。スライド部分の解答のヒントになることが書いてある場合もあります。そして、巻末の解答を見ながら、スライド部分の空欄にキーワードを記入してみてください。
(2)授業やセミナーで本書を使って勉強する:授業を担当する先生や、セミナーの講師が、空欄部分にキーワードが書かれたPowerPointのスライド(コロナ社の書籍紹介ページより、教科書採用者・セミナー主催者向けにPowerPointのスライドを提供)を使いながら、解説をしてくれます。スライドを見ながら、空欄部分にキーワードを書き写していってください。

どちらの使い方も、自分の手を動かしてキーワードを空欄に記入していきますので、本書の内容に集中しながら頭の中を整理できると思います。また、皆さんがキーワードを実際に書くことで、少しでも記憶の片隅に知識として残ることを期待しています。空欄部分の記入がすべて終わったら、今度は本書をHCIの参考書として利用してもらえると考えています。

さらに、各テーマには演習課題を用意しています。演習課題を解くことによって各テーマの内容についてより理解が深まると思います。ぜひ、チャレンジしてみてください。

最後になりましたが、本書を執筆するにあたり、ご助言ご協力賜りました、甲南大学 山中仁寛先生、東京工科大学 相野谷威雄先生、東京都立大学 瀬尾明彦先生、笠松慶子先生、福井隆雄先生、岡本正吾先生に、深く感謝申し上げます。

また、出版にあたり、大変お世話になりましたコロナ社の皆様に厚く御礼申し上げます。

2022年2月
西内信之

第1部 人間に関すること
テーマ1 生体システム
1. 人間の構造と機能
2. 人間に関するいろいろな名称
3. インタラクションデザインと関連する器官系

テーマ2 生体計測
1. 人体寸法の測定
2. 運動の測定
3. 生理的機能の測定
4. 心理的機能の測定

テーマ3 色と人間
1. 色とは
2. 色の分類・属性・伝達・混合
3. 色の視覚効果・心理効果
4. 色を考慮した設計

テーマ4 ヒューマンエラー
1. ヒューマンエラーとは
2. ヒューマンエラーの要因
3. ヒューマンエラーの抑止

第2部 HCIの基礎知識
テーマ5 ハードウェア
1. 入力装置(inputdevice)
2. 出力装置(outputdevice)

テーマ6 ソフトウェア
1. CUIとGUI
2. GUI設計におけるタスク指向とオブジェクト指向

テーマ7 HCIと認知構造
1. 人間の認知構造
2. 行為の7段階理論
3. よいデザインの原則

テーマ8 HCIの設計原則
1. 設計原則
2. デザインガイドライン

第3部 HCIの評価方法
テーマ9 HCIの定量的評価
1. GOMSモデル
2. ヒックの法則(Hick’slaw)
3. フィッツの法則(Fitts’law)
4. 眼球運動解析

テーマ10 ヒューリスティック評価法
1. 分析的手法
2. ユーザビリティに関する10のヒューリスティクス

テーマ11 Webヒューリスティクス
1. Webの基礎知識
2. インタラクションデザインにおけるWeb特有のポイント
3. Web特有のヒューリスティクス

テーマ12 ユーザテスト
1. 実験的手法
2. プロトタイピング

引用・参考文献
空欄箇所・演習課題の解答

読者モニターレビュー【N/M 様(ご専門:総合情報学(情報科学))】

本書は,ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI: Human Computer Interaction)やヒューマンインタフェース(HI: Human Interface)についての入門的な基礎についての記述がなされている.

まず,本書の大きな特徴として,PowerPointのスライド画像をベースに解説していくという形式で記述されている.所々に重要な定義や用語等の重要なキーワードや数式が空欄になっており,それらを穴埋めしていくワークシート(ワークブック)のような形式になっている.個人で自習される方,及び講義・セミナー等で学ぶ方のどちらの立場においても,読んだり,話を聞いているだけでは,学習が単調になり,途中で飽きてしまう可能性もあるので,少しでも記憶に残るように手を動かしながら学べるという趣向の少し変わった書籍である.あまりこういった類の書籍は見かけないので,斬新ではないだろうか?[とは書いたが,私自身,学生時代にオペレーションズ・リサーチ(OR)の書籍で,演習問題の部分が誘導式の空欄になったものを見かけたことがある(担当者自身が書かれた書籍なので,今回の書籍のようにPowerPointが存在したし,更にORの書籍の場合,PowerPointをHTML形式として保存したものが,eラーニングで閲覧できた記憶が・・・)]また,解説の文章自体も,論文や専門書でよく見かける,所謂「である調」ではなく,著者の講義を受けているような話し言葉で解説されているので,親近感のようなものが湧きやすいのも本書の特徴である.

それに加えて,1テーマごとに,それほどページ数も多くなく内容量も適切なので,例えば,寝る前の数十分で学習したり,予習・復習するなど,空き時間で気楽に学習できるのも,本書の特徴として挙げることができるだろう.また,Memo欄も適宜用意されているので,書籍内に「調べてみてください」と記載があるものや,本書をベースにして自身で更に調べたこと,先生やセミナー担当者が補足で話されたり,説明されたこと等を書き留めて,「世界で一つだけの自身専用の参考書」として逐一アップデートしていくことにより,実りの多い参考書(というか,ノートと呼ぶ方が適切かもしれない)になるだろうと思われる.なお,採用される教員・指導者向けに,講義・セミナー等で教える際の空欄部分に回答が記入されたPowerPointファイル(pptx形式,全12ファイル)を,本書籍のWebページ(https://www.coronasha.co.jp/np/isbn/9784339029277/)から申し込めるので,昨今(2022年3〜4月現在)の疫病に際して,(コロナ社や著者に許諾の上で)オンライン講義等でも活用できるのではないかと思われる.

他にも,コロナ社の他の書籍である『データベースの基礎(改訂版)- MariaDB/MySQL対応-』(https://www.coronasha.co.jp/np/isbn/9784339029192/)のように,YouTubeなどの動画配信サービスにて,PowerPointを用いた講義形式の動画を用意するなど,講義と動画との複数のメディアを組み合わせたブレンディッドラーニング(ハイブリッド型学習)への応用も可能ではないだろうか.

内容としては,大きく分けて全部で3つのカテゴリーに分類されており,「人間に関すること」,「HCIの基礎知識」,「HCIの評価方法」という構成になっている.以下にいくつかのテーマについて,感じた点を中心に述べていく.

テーマ1では,人間の構造や機能,各器官系に関する知識として,生物学や人間工学をベースに解説されている.具体的には,高等学校の生物や保健でよく見かける骨,筋肉,目,耳などの構造を中心に記述されているので,これらの科目で習ったことを忘れていたりする方には,復習にもなるのではないかと思う.ただ,錐体細胞と桿体細胞や,神経系については,図があるとより理解しやすいように思えた.

テーマ3では,色と人間として,人間が色を感じる仕組みや,色に関する分類・属性・混合,色の視覚効果・心理効果,そして,色を意識した設計というテーマで解説されている.具体的には,「色」と言うと,中学校での美術で習う「明度・彩度・色相」,「マンセルの色立体」等から基礎的な知識が無理なく理解できるように解説されている.

テーマ11では,Webヒューリスティクスとして,Webの基礎知識から始まり,インタラクションデザインにおけるWeb特有のポイントを抑えつつ,ヒューリスティクス(経験則)から,Webサイトを制作する際,HCIを考える上で,どのように考慮しないといけないかといったことが解説されている.

テーマ12では,ユーザテストについて解説されている.ここで登場する「プロトタイピング」の手法は,HI評価だけではなく,ソフトウエア工学との関連性もあるので,これらの分野の方にも参考になるのではないだろうか.

それに加えて,PowerPointスライド部分が,デザイン面で若干,統一性(x.x節の配置や左揃え)がないのと,文章が冗長であり,区切りが中途半端に改行されていて少し残念であった.また,使用フォントも解説部分のように少し柔らかいフォントを,スライド部分でも使う方が良かったのでは,と思った次第である(ゴシック体で,かた苦しさや威圧感を少し感じる).スライド部分では,デザイン面での改良の余地が残されていると正直思った次第である.

最後に,各章末には,演習課題が用意されている.これらの演習課題に諦めずにチャレンジすることによって,各テーマの内容を深く理解できるだろうと思われるので,時間がかかっても,納得のいく読者自身の回答が出せるように,じっくりと考えると良いのではないかと思った次第である.

西内 信之(ニシウチ ノブユキ)

ヒューマンインタフェース,ユーザビリティ,ユーザエクスペリエンス,バイオメトリクスなどの研究を行っています.

掲載日:2022/04/18

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掲載日:2022/04/01

「電子情報通信学会誌」2022年4月号広告

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