CAD/CAM

機械系 教科書シリーズ 28

CAD/CAM

3Dプリンターによるモノづくりからデータ管理,PDM/PLMまでの一連の流れを解説

ジャンル
発行年月日
2021/04/30
判型
A5
ページ数
224ページ
ISBN
978-4-339-04478-2
CAD/CAM
在庫あり

定価

3,190(本体2,900円+税)

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  • 内容紹介
  • まえがき
  • 目次
  • 著者紹介

本書は3D-CADを中核に,CAM,CAE,AM,PDMなどのソリューションと結び付け,実践的な機械設計の教育や実務型の技術者養成を目指した全11章構成の書籍です。授業・研修の進捗状況,カリキュラム,シラバスに合わせて各章を組み合わせてご活用いただけます。

【本書をご活用いただきたい皆様】
・機械設計やCAD/CAMの講義を担当する教員・教諭
・企業内新人教育のご担当者
・CAD/CAMを基礎から実践までしっかり学びたい学生・技術者
・3D-CAD利用技術者に必要な知識を学びたい方

【本書の特徴】
工学系の学習は,理論と演習を反復することで理解を深めます。演習問題や教科書の例題で示したモデルは,学校講義でご採用の先生向けにSolidWorksの最新バージョン2019-2020(教育版)のCADデータをご用意しています。また,演習問題の解答となるCADデータは中間フォーマット(STEPとParasolid)をご用意しています。いずれもコロナ社ウェブサイトからご請求およびダウンロードいただけます。

これまでの機械図面の教育では,製図や機械要素の表し方が主なものでした。本書では,3D-CADでモデリングしたソリッドボディにデータム,基準寸法,寸法公差,幾何公差を定義する学習や,機械図面を読解して幾何公差を検査する機能ゲージの設計も学習いたします。本書を学習されるとモノづくりの実践力が身につきます。

力学と3D-CADでは,構造解析,振動解析,機構解析,熱流体解析を実践し,力学で学んだ理論を設計に役立てることができますので,実務で役に立つと考えています。

CAMでは,CNC,穴加工,輪郭加工,サーフェス加工について,実務の視点から内容を考えました。CAMのソフトウェアを開発している技術者の苦労が理解できます。

さらに,現在では,金属3Dプリンターによるモノづくりが始まりましたので,アディティブ製造を活用した機械設計についても記述いたしました。

【学校教育の皆様へ】
これまで,多くのCAD/CAMの書籍が出版されてきました。その多くがコマンドの解説,モデリングのスキルなどであり,学校教育の中で教科書として使用することを目的に出版された書籍がありません。機械工学系の教育機関では設計の授業が必修です。CAD/CAMは機械設計や機械工作を支援するもので,実務では不可欠なものです。

CAD/CAMによる支援とは何か,それをどのように活用して実務を行うか,これまで,だれもが執筆しなかった設計教育やモノづくり教育を正面から捉えたCAD/CAMの書籍です。機械工学系の教科書として執筆いたしましたので,教育現場ですぐに役立つものです。

【モノづくり企業の皆様へ】
モノづくり企業では,新人の企業内教育にご利用できる書籍です。各章の内容を学習することで,学生の時に受講した製図や力学の理解を深め,再確認することができます。機械工学系の学科を卒業・修了され,新規採用されました多くの皆様が,学生のときに3D-CADでモデリングした経験を持っておられます。しかし,モデリングの考え方やその方法については,自助努力で習得されたと思います。本書は,著者が25年以上の教育経験をもとにモデリングの方法や思考をわかりやすく執筆いたしました。

本書は機械設計やモノづくりに関する多くの内容をとりあげましたので,教育の中でいろいろな利用ができます。是非,皆様にご活用していただきたくお願い申し上げます。

CAD/CAMの研究がスタートしてから半世紀以上が経過した。コンピュータの技術開発に追随するようにCAD/CAMの開発も進展し,特に,3D-CADが設計に使われるようになった2000年以降は急速に発展し,工学教育にも広く普及した。機械工学ではCAD/CAMを導入する以前から,製図を主体とする設計教育を実践してきた。その教育によって多くの技術者が育ち,モノづくりを支えてきた。製図の道具がドラフタから製図システムに移行すると,曲線や接円など手書きでは上手に描くことが難しい図形要素をだれでも簡単に作図できるようになり,製図教育は,本来の目的であるモノづくりのための図面に多くの時間を費やすことができるようになった。一方,機械設計の授業は,編集設計的な内容が多く,教育内容に大きな変革は見られないままであった。機械設計には,工業力学,材料力学,熱力学,水力学など機械工学特有の力学が不可欠で,それらの解析が必要である。工学教育では,力学と機械設計の教育を結び付ける試みが繰り返し行われており,創造的な設計教育も実施されている。

そのような環境の中に3D-CADが導入され,設計教育や製図教育のイノベーションを含め,産業界から大きな期待が寄せられている。これまで,多くのCAD/CAMに関する書籍が出版されているが,その多くは,スキルアップを目的とする教材である。そこで,本書を執筆するにあたり,設計教育,製図教育,モノづくり教育で,どのようにCAD/CAMを使えばよいか,そのことをつねに考えた。CAD/CAMはモノづくりを支える道具である。その道具の使い方を教えても設計力やモノづくり力は高まらない。

設計力やモノづくり力を高めるためには,個別に教育する専門科目を横断する教育が必要である。それには,設計製造を支援するCAD/CAMが不可欠で,CAD/CAMをうまく利用して設計やモノづくりを教育することである。例えば,材料力学で学ぶ断面二次モーメントは,その力学的な意味や計算が理解できれば,CADの断面特性の演算は形状設計で有益なツールになる。

設計と解析は表裏一体である。形状寸法を決めるために解析し,その結果をもとに形状を修正し,再度,解析する。この繰返しが設計本来の形である。CADには解析やシミュレーションの機能が備わっているので,設計と解析を繰り返すことで,しだいに,設計力や工学的な鋭い勘が生まれてくる。そして,部品の形状が決まれば,モノづくりの情報である幾何公差や寸法公差を図面やモデルに定義することになる。このとき,重要なものがデータムである。モノづくりでは,部品のどこを基準にするか,どのように公差を定義するか,それができなければ部品は加工も検査もできない。換言すれば,加工や検査で基準が不明な図面はモノづくりでは不適切なものということである。この基準に基づいて加工が始まる。数値制御の工作機械では,工具の動きを理解しないと正しい加工ができない。それには,CAMの命令や演算を理解する必要がある。このように,モノづくりは設計・解析・製図・加工と一連の流れで進行している。したがって,工学教育では,この流れに沿って学ぶことが求められ,それを支援するCAD/CAMも教育の中で同時に理解する必要がある。

そこで,本書ではモノづくりとCAD/CAMの関係を中心に,3DプリンタによるモノづくりやCAD/CAMにおけるデータ管理とPDM/PLMまでの一連の流れを説明し,章末には演習問題を付け,設計・製図やモノづくりの授業で教材として活用できるように工夫した。

なお,本書は白黒印刷のため,Web上のカラーの図については,色の違いや,寸法・文字がわかりにくいものがある。そこで,掲載したすべての図をPDF形式で閲覧できるようにした。そして,演習問題を解答するときに使用するCADモデルはSTEPとParasolid形式でダウンロードできるようにした。図の閲覧や演習問題の解答に使用するCADデータを希望する読者は,コロナ社のホームページをご覧いただきたい。また,授業や講義を担当される教員には,掲載したすべてのCADデータをSOLIDWORKS 2019(SOLIDWORKS教育版やSOLIDWORKS Student Premium,SOLIDWORKS 学生版の2019-2020 Versionに相当)のファイルでダウンロードできるようにした。ダウンロードを希望する教員もコロナ社のホームページをご覧いただきたい。今後,コロナ社のホームページには,演習問題を含め,CAD/CAM教育に役立つ情報を追加する予定である。

最後に,本書の読者対象は,機械工学を専攻している高等専門学校の3年生以上,または大学1,2年の学生であるが,機械設計やモノづくり教育を担当している教員にもぜひ一読していただきたい。

2021年2月
望月達也

1.モノづくりのソフトウェア
1.1 モノづくりとソフトウェア
1.2 3次元の形状モデル
1.3 ソリッドモデルとサーフェスモデル
1.4 3D-CADのデータ構成
1.5 3D-CADのデータ形式
1.6 図面と3D単独図
演習問題
引用・参考文献

2.ソリッドとサーフェスのモデリング
2.1 ソリッドの生成と編集
2.2 サーフェスの生成と編集
2.3 フィーチャとモデリング
2.4 モデリングの履歴
演習問題

3.機械部品のモデリング
3.1 プロファイルとデータ構造
3.2 プロファイルの作図
3.3 三面図と立体のモデリング
3.4 補助投影が必要な立体のモデリング
3.5 回転体のモデリング
演習問題

4.機械要素とアセンブリ
4.1 自由度と合致の拘束
4.2 締結(ボルト,ナット,座金)
4.3 軸と軸受
4.4 軸継手
4.5 歯車
4.6 カム
4.7 ばね
演習問題

5.3D-CADと力学
5.1 質量特性
5.2 断面特性
5.3 応力解析
5.4 機構解析
5.5 固有値解析
5.6 流体解析
演習問題

6.ソリッドと幾何公差
6.1 モノづくりの情報
6.2 幾何公差と最大実体公差
6.3 MMCのある幾何公差
6.4 データムにMMCがある幾何公差
6.5 機能ゲージの設計
演習問題

7.機械加工とCNC
7.1 機械加工と工作機械
7.2 アップカットとダウンカット
7.3 直線補間(G01)と工具移動(G00)
7.4 円弧補間(G02,G03)
7.5 座標系
演習問題

8.穴・輪郭加工とCAM
8.1 CAMとは
8.2 穴加工
8.3 輪郭加工
8.4 凹凸のある輪郭加工
8.5 工具径の補正(G40,G41,G42)
演習問題

9.サーフェスとCAM
9.1 切削点と工具軌跡
9.2 工具中心の経路
9.3 3軸加工
9.4 5軸加工
演習問題

10.additive manufacturing(AM)
10.1 積層造形の方法
10.2 PBFとAM
10.3 DEDとAM
演習問題

11.CAD/CAMのデータ管理
11.1 ドキュメント管理
11.2 構成管理
11.3 PDMとPLM
演習問題

演習問題解答
索引

望月 達也(モチヅキ タツヤ)

日本大学 大学院理工学研究科 博士後期課程 航空宇宙工学専攻修了 工学博士。

1977年4月に静岡県工業試験場(現 静岡県工業技術研究所)の技師(研究職)になりました。機械研究室に配属になり,機械設計,解析,精密測定,NCなどについて,静岡県内の企業への指導や,試験,研究開発に携わってきました。1984年に通産省工業技術院機械研究所で3か月の研修を受けることになり,そのとき,3D-CADの開発の手伝いをいたしました。3D-CADとの付き合いは36年になります。研修終了後,職場で製図システムや3D-CADで設計に役立つアプリケーションを開発していました。その中の一つが,精密工学会の論文賞を受賞いたしました。

1993年4月に,東京都立工業高等専門学校に助教授として赴任いたしました。当時,都立高専では生産システム工学を新設するためにCAD/CAM,生産システムの専門家が集まりました。校舎の建て替えと同時に3D-CADとCAEを導入し,高専の3年生と4年生に3D-CADによる設計教育を実施いたしました。そのときの教育内容を社会人教育用にアレンジしたものが,型技術協会の奨励賞を受賞いたしました。また,3DCAD利用技術者試験の立ち上げにも参加させていただき,資格試験のあり方や試験問題のレベル,採点方法など,教育現場で築き上げたノウハウが役に立ちました。

2000年4月に,出身地である静岡県が浜松市に公設民営の静岡文化芸術大学を新規に設立いたしました。デザイン学部の助教授として赴任いたしました。大学での研究教育と同時に,大学内で「デジタルモノづくり塾」を開講し,地元企業の技術者への社会人教育を行いました。静岡大学工学部様,静岡理工科大学様にもお世話になりました。

静岡県立浜松工業高等学校が国のSSH(スーパーサイエンスハイスクール)に採択されたときには,副委員長としてサポートさせていただきました。若い技術者の育成です。2020年3月 定年退職となり,現在,大学の名誉教授になりました。

このように40年以上,モノづくりや教育研究に従事してきました。その間,多くの先生や企業の皆様にお世話になりました。長い間,現場を重視した教育を実践してきましたので,その経験をもとにCAD/CAMの教科書を執筆いたしました。

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