音楽情報処理
コンピュータ上で音楽を何かしたい!何ができる?と考えるすべての方へおすすめの1冊
- 発行年月日
- 2023/08/31
- 判型
- A5
- ページ数
- 240ページ
- ISBN
- 978-4-339-01372-6
- 内容紹介
- まえがき
- 目次
- レビュー
- 広告掲載情報
【読者対象】
本書は,音楽を対象とした情報処理に興味を持つ幅広い読者を対象としています。入門的な内容から専門的な内容まで含んでいるので,大学生や大学院生だけでなく,高校生,社会人,研究者など,幅広い読者が楽しめる内容となっています。
【書籍の特徴】
「音楽情報処理」は,コンピュータ上で音楽のあらゆる側面を扱う研究分野で,身近で魅力的な研究成果の宝庫です。本書は,その研究分野名を書名に冠して日本語で初めて書かれた書籍です。音楽情報処理に関する基礎的な解説に加えて,代表的な研究テーマに関して,第一線で活躍中の研究者が具体的な研究事例を交えながら紹介しています。
本書は,読者がパラパラとめくって,興味を持った章から読み始められるように工夫してあります。各章を理解するために前の章まで読んでいる必要はありません。興味に応じていろいろな章を読み進め,最終的に本書全体を読むことで,音楽情報処理の研究分野に対する理解を深めていくことが可能です。
【各章について】
本書は6章で構成されています。
1章では,「音楽情報処理の基礎」として,研究分野の全体像やコンピュータ上での音楽のデータ表現を解説します。(北原鉄朗担当)
2章では,コンピュータが音楽を生成する「自動作曲」について,発展の歴史や創造性に対する考え方と実現方法,機械学習を用いたさまざまな自動作曲事例を紹介します。(深山覚担当)
3章では,人間が作曲をしたり即興演奏をしたりする際のコンピュータの支援方法について,「作曲支援・即興演奏支援」の具体的な研究事例を交えて紹介します。(北原鉄朗担当)
4章では,楽器に焦点を当て,その演奏を支援する「楽器演奏支援」について,演奏者が演奏を学ぶ支援からレッスンで教師が指導する支援まで幅広く紹介します。(竹川佳成担当)
以上の2~4章が,音楽の創作に関連したトピックだったのに対し,5~6章では,音楽の鑑賞に関連したトピックを扱います。
5章では,コンピュータが音楽を自動的に解析する「自動採譜」について,問題の定式化から出発し,ビートやコード,歌声のような主要な音楽要素の推定方法を紹介します。(吉井和佳担当)
6章では,そのような音楽解析技術が,実際に人々の音楽の聴き方をどのように豊かにするのかについて,具体的な「音楽鑑賞インタフェース」の事例を交えて紹介します。(後藤真孝担当)
【著者からのメッセージ】
スマートフォンで音楽を聴いたりコンピュータで音楽を制作したりできるのは,音楽情報処理が発展したおかげで,音楽の鑑賞や創作の多くの場面で研究成果が利用されています。音楽情報処理は人気が高く,学術的にも重要で多くの研究者の関心を集めてきました。その結果,新しい音楽技術やサービスが次々と生まれ,一般の方々も興味を持ちやすく,産業的な重要性も増しています。本書を通して音楽情報処理の魅力を多くの方々に知っていただけると嬉しいです。
【キーワード】
音楽情報処理,自動作曲,作曲支援・即興演奏支援,楽器演奏支援,自動採譜,音楽鑑賞インタフェース
「音楽情報処理」は,コンピュータ上で音楽のあらゆる側面を扱う研究分野である。身近で魅力的な研究成果の宝庫で,とても人気が高い。スマートフォンで音楽を聴いたり,コンピュータで音楽を制作したりできるのは,音楽情報処理が発展したおかげであり,すでに音楽の鑑賞や創作の多くの場面で研究成果が利用されている。さらに,未来の音楽体験を切り拓くような新しい研究成果もつぎつぎと生まれており,研究者ではない一般の方々も音楽に関連した技術には興味を持ちやすい。音楽がディジタル化され,音楽情報処理の力でつぎつぎと新しいサービスや体験が生まれていく中で,その産業的な重要性は増している。
音楽情報処理は,学術的にも重要で多くの研究者の関心を集めてきた。それは,音楽が人の創意工夫が込められた多様で複雑な現象であり,それを情報処理するうえで,挑戦的で未解決な問題が多いからである。例えば,人間が音楽を聴いて理解できることの,まだごく一部しかコンピュータで自動的に解析できないし,人間が創作する魅力的な音楽に匹敵するような楽曲を自動的に生成することはまだできない。それでも,多くの研究者の貢献で着実に研究分野は進展し,ひと昔前から考えたら夢のような技術が数多く実現されてきた。
本書は,そうした研究分野について,「音楽情報処理」と題して日本語で初めて書かれた書籍である。音楽情報処理への学術的・産業的・社会的・文化的な関心の高さから,これまでさまざまな学会誌等で解説記事が書かれてきたが,研究分野名を書名に冠した書籍はなかった。そこで,本書では,音楽情報処理に関する基礎的な解説に加え,代表的な研究テーマに関して具体的な研究事例を交えながら紹介することとした。そうした書籍では著者も重要となるので,本書では,実際に当分野で長年研究開発をしてきて,かつ,現在も活躍し続けている現役の研究者たちが,それぞれの専門性を活かして執筆することとした。
本書は,6章で構成されている。1章では,「音楽情報処理の基礎」として,研究分野の全体像や,コンピュータ上での音楽のデータ表現を解説する(北原鉄朗担当)。2章では,コンピュータが音楽を生成する「自動作曲」について,その発展の歴史や,創造性に対する考え方と実現方法,さらには機械学習を用いたさまざまな自動作曲事例を紹介する(深山覚担当)。3章では,人間が作曲をしたり即興演奏をしたりする際のコンピュータの支援方法について,「作曲支援・即興演奏支援」の具体的な研究事例を交えて紹介する(北原鉄朗担当)。4章では,楽器に焦点を当て,その演奏を支援する「楽器演奏支援」について,楽器演奏を演奏者が学ぶ支援から,レッスンで教師が指導する支援まで含めて幅広く紹介する(竹川佳成担当)。以上の2~4章が,音楽の創作に関連したトピックだったのに対し,5~6章では,音楽の鑑賞に関連したトピックを扱う。5章では,コンピュータが音楽を自動的に解析する「自動採譜」について,その問題の定式化から出発し,ビートやコード,歌声のような主要な音楽要素の推定方法を紹介する(吉井和佳担当)。6章では,そのような音楽解析技術が,実際に人々の音楽の聴き方をどのように豊かにするのかについて,具体的な「音楽鑑賞インタフェース」の事例を交えて紹介する(後藤真孝担当)。
ぜひ,本書をパラパラとめくって,興味を持った章から読み始めてみていただきたい。本書の特長として,各章は関連しているものの独立して書かれており,その内容を理解するうえで,前の章まで読んでいることは前提としていない。いろいろな章を読み進め,最終的に本書全体を読むことで,音楽情報処理の研究分野に対する理解を深めていくことが可能となっている。
音楽情報処理の研究開発は楽しいので,本書を読んで興味を持った方々には,ぜひ取り組んでいただきたいと願っている。本書を読んだ後に,より発展的に学びたい方々に向けたメッセージも「あとがき」に記している。最後に,本書執筆の機会を与えてくださった「メディアテクノロジーシリーズ」編集委員会ならびにコロナ社の担当者各位に,著者一同を代表して感謝の意を表する。
2023年7月
編著者 後藤真孝
第1章 音楽情報処理の基礎
1.1 音楽情報処理へのいざない
1.1.1 音楽情報処理とは
1.1.2 音楽情報処理の歴史
1.1.3 音楽情報処理の分類
1.1.4 音楽情報処理で用いられる技術やプログラミング言語
1.1.5 音楽情報処理の研究を知ることができる学会・国際会議
1.2 コンピュータにおける音楽データの表現方法
1.2.1 信号と記号
1.2.2 音響信号
1.2.3 スペクトログラム
1.2.4 MIDI
1.2.5 ピアノロール
1.2.6 Music XML
第2章 自動作曲
2.1 自動作曲とは
2.1.1 創造的な行為の自動化としての自動作曲
2.1.2 創造性の考え方の分類
2.1.3 自動作曲の創造性の実現方法
2.2 機械学習を用いた自動作曲
2.2.1 音楽と確率・統計
2.2.2 自動作曲の定式化
2.2.3 自動作曲の解法
2.2.4 自動作曲の評価
2.3 機械学習を用いた自動作曲の研究事例
2.3.1 再帰的ニューラルネットワークを用いた研究事例
2.3.2 変分オートエンコーダを用いた研究事例
2.3.3 敵対的生成ネットワークを用いた研究事例
2.3.4 トランスフォーマを用いた研究事例
第3章 作曲支援・即興演奏支援
3.1 作曲支援
3.1.1 「誰」が行う「何」を支援するか
3.1.2 ユーザも含めて作曲システムと考える
3.1.3 曲線に基づく作曲支援の研究事例
3.1.4 ループシーケンサに基づく作曲支援の研究事例
3.2 即興演奏支援
3.2.1 即興演奏支援における課題
3.2.2 鍵盤型UIを用いた研究事例
3.2.3 旋律概形を用いた研究事例
3.2.4 専用デバイスを用いた研究事例
3.2.5 音楽と無関係の行動を用いた研究事例
3.2.6 多様なジャムセッションを実現する
第4章 楽器演奏支援
4.1 楽器演奏支援とは
4.2 独習支援
4.2.1 運指学習を考慮したピアノ学習支援
4.2.2 リズム学習を考慮したピアノ学習支援
4.2.3 視線情報を用いた打鍵支援からの離脱
4.2.4 曖昧情報・虚偽情報の提示によるポジショニング支援からの離脱
4.2.5 視覚と聴覚を用いたポジショニング学習支援とその離脱
4.2.6 モチベーションを考慮したピアノ学習支援システム
4.3 レッスン支援
4.3.1 気づきのアノテーション機能を持つピアノレッスン支援
4.3.2 悪癖発見機能を持つピアノレッスン支援
4.3.3 カメラスイッチング機能を持つオンラインピアノレッスン支援
第5章 自動採譜
5.1 基本的な枠組み
5.1.1 問題設定
5.1.2 統計的アプローチ
5.1.3 性能評価
5.2 ビート・ダウンビート推定
5.2.1 ビート・ダウンビートの定義
5.2.2 ビート・ダウンビート推定の手がかり
5.2.3 深層推論モデルに基づくアプローチ
5.2.4 深層生成モデルに基づくアプローチ
5.3 コード・キー推定
5.3.1 コード・キーの定義
5.3.2 コード・キー推定の手がかり
5.3.3 深層推論モデルに基づくアプローチ
5.3.4 深層生成モデルに基づくアプローチ
5.3.5 変分オートエンコーダによる統合
5.4 歌声採譜
5.4.1 ピアノロール推定と楽譜推定
5.4.2 歌声採譜の手がかり
5.4.3 深層推論モデルに基づくアプローチ
5.4.4 深層生成モデルに基づくアプローチ
第6章 音楽鑑賞インタフェース
6.1 技術が切り拓く音楽鑑賞インタフェースの発展
6.2 楽曲の鑑賞インタフェース
6.2.1 音楽構造解析に基づく音楽鑑賞インタフェース
6.2.2 自動音楽同期に基づく音楽鑑賞インタフェース
6.2.3 音源分離に基づく音楽鑑賞インタフェース
6.2.4 能動的音楽鑑賞インタフェース
6.2.5 音楽理解力拡張インタフェース
6.3 音楽コレクションの鑑賞インタフェース
6.3.1 音楽検索インタフェース
6.3.2 音楽探索インタフェース
6.3.3 音楽推薦インタフェース
あとがき
引用・参考文献
索引
読者モニターレビュー【 中村賀与子 様 (業界・専門分野:マルチメディア・音楽・映像)】
テクノロジーの発展と共に音楽は目覚ましい進化を遂げている。本書は、コンピュータを使用した音楽の革新的な研究が網羅されている。研究者や専門家だけでなく、音楽家、音楽指導者、電子音楽に興味を持つ人などにおすすめの一冊である。興味のある研究テーマから読むのも楽しいが、「音楽情報処理とは何なのか?」という初歩的な疑問を知るべく、体系的にわかりやすく書かれた第1章―音楽情報処理の基礎―を読んでから、様々な研究事例のページを開くと理解もより深まると思われる。自動作曲、作曲支援・即興演奏支援、楽器演奏支援、自動採譜、音楽鑑賞インタフェースとテーマは幅広いが、どの事例も音楽の概念そのものを拡張する研究だと感じた。
第2章―自動作曲―では人工知能を用いた自動作曲の事例などが紹介されている。著者がMagentaを使って生成された音楽の特徴など詳しく述べられていて大変興味深い。本章の初めに自動作曲の歴史として、モーツァルトの音楽のサイコロ遊びについて書かれているが、これは現代音楽のジョン・ケージが提唱した「偶然性の音楽」や「不確定性の音楽」と通じる。ケージもまたサイコロやラジオ受信機を用いて音楽に偶然性を取り入れた。機械学習を用いた自動作曲も偶然性に寄与するところが多いと思われるので、作曲に興味のある人は人工知能で生成されたフレーズを組み合わせて音楽を創るのも面白いと思う。
第3章―作曲支援・即興演奏支援―この章では、音楽知識のない人でも作曲できるシステムや楽器の演奏ができない人でも即興演奏ができる研究事例が多く紹介されている。即興演奏は音楽家にとってもあらゆる専門知識が要求される非常に難易度の高いパフォーマンスと言えるが、このような誰でも即興演奏できる支援があれば、音楽によるコミュニケーションが今までとは違った形で表現できるのではないだろうか。言葉の代わりに即興演奏で気軽にコミュニケーションを楽しむことも可能だと思う。
第4章―楽器演奏支援―プロジェクション・マッピングを用いたピアノ学習支援など楽器演奏を習得するための事例が書かれている。まず、プロジェクション・マッピングを使用すると聞いただけで、個人的には「楽しい練習」と推察するので、初めからモチベーションが上がると思う。運指学習など、子供たちに最初にきちんと教えると無意識で正しい運指による演奏をする場合が多いが、大人が独習する場合は本章に書かれているような丁寧な運指学習支援があれば大きな助けになるだろう。ピアノ学習支援として様々な事例が紹介されているので、音楽学習の裾野を広げる力強い研究だと思う。視覚、聴覚を用いた支援が多いが、演奏家にとっては触覚も演奏時に大きな役割を果たしているので(楽譜を見て弾いているときは指の感覚で5度や8度など音程を把握している)さらなる研究を期待したいものである。
第5章―自動採譜―この自動採譜研究はコンピュータが得意とする分野だと思われる。研究が進めば人工知能を用いた大量の音楽分析、楽曲分析が可能になるので非常に注目している。キー推定だが、手作業では楽譜の左に書かれた調号の数(シャープやフラットなど)を確認して、主音を探すために最初と最後の小節を見てキーを判断することが多いと思う。また、伝統的な作曲は一定のルールのもとで作られているので、ディグリー・ネームでコード進行(IV-V-IやII-V-Iなど)を確認して楽曲分析をするが、キー推定やコード推定の研究が進めば、数秒でこのような分析結果を導き出してくれると推察する。大量の音楽分析によって、音楽史に埋もれた名曲や作曲家が発掘される日を心待ちにしている。
第6章―音楽鑑賞インタフェース―本章では、人間の音楽の聴き方を受動的聴取から能動的聴取に変える画期的な研究事例が書かれている。音楽の作り手にとっては、驚愕以外の何ものでもない。何故なら、聴き手がいきなり楽曲のサビの部分ばかり3回聴いたり、間奏を飛ばしたり、ベースのパートだけを聴いたり、自由自在に好きな方法で好きな箇所だけを聴くのだから。しかし、楽器演奏学習者が難しいフレーズだけを何十回も聴いて練習したり、合奏練習のためにあるパートだけを抜き出して一緒に演奏できれば、それは非常に有益な聴き方と言える。また、紹介されているように演奏と共に楽譜のどの部分を演奏しているのか表示が出るなどのインタフェースは非常に便利である。逆に聴きたい楽譜の箇所をクリックして、その部分の音楽を聴く事ができるのであればなお重宝しそうである。このような音楽鑑賞インタフェースを使った聴き方は、聴き手が従来の聴き方から解放され、自由を手にして、音楽を提供する側と対等に渡り合う、とでも言うべきだろうか?非常に興味深い研究である。
「音楽は人類の共通言語である」と米国詩人ヘンリー・ワズワース・ロングフェローは書いた。その共通言語は、音楽情報処理の発展で驚くべき進化を遂げるであろう。煌めくような研究事例をワクワクしながら読んでほしい。
読者モニターレビュー【 sonido 様 (業界・専門分野:IT・ソフトウェア開発)】
研究事例について、実際にWEBサイトで体験したり聞いたりできる情報も掲載されていて楽しみながら学べました。冒頭ではカラーページで、本の中で紹介されているインターフェースやシステムの配色を確認できた点も良かったです。
音楽情報処理という分野についての導入や研究の分類について、用語定義や分かりやすい図も活用し、体系的に学べるように構成されていました。手法についても古典的内容から機械学習、そして音楽ならではの用語や理論の解説も必要に応じてあり、「本分野についてもっと学びたい」と感じられる1冊だと感じました。
各章に分かれた、自動作曲、作曲支援・即興演奏支援、楽器演奏支援、自動採譜、音楽鑑賞インターフェースを理解するための基本情報を網羅でき、研究事例も古いものから最近のものまでピックアップされているので、研究トピック探しや関連研究調査にも役立つと思います。
読者モニターレビュー【 山口 直彦 様 東京国際工科専門職大学(業界・専門分野:情報学)】
本書のタイトルである「音楽情報処理」の研究は、日本国内では主に情報処理学会音楽情報科学研究会(SIGMUS)にて議論が行われています(私も会員のひとりです)。本書はSIGMUSで活躍される、精鋭5名の先生方によってまとめられた決定版の研究ガイドブックといえるでしょう。
一口に音楽情報処理といっても広範なサブテーマがありますが、本書は現在精力的に研究が進められている主要5分野(自動作曲、作曲・即興演奏支援、楽器演奏支援、自動採譜、音楽鑑賞インタフェース)にフォーカスしています。理解のために必要な最低限の前提知識と、基礎技術が読みやすくコンパクトにまとめられており、これから音楽情報処理を勉強しよう、チャレンジしようと思っている人におすすめできます。
特筆すべき点として、本書内で紹介されている各種手法やアルゴリズムについて参考論文がたくさん示されており、その多くが英語文献です。日本人にとって、英語の文献を探して読む事は非常にハードルが高い事ですが、本書を参考に論文をたどっていくことで、自分が必要としている情報により早くたどり着くことができるでしょう。
新しい音楽体験を作り出そうとしている人に(もちろんすでに研究に取り組んでいる人も)、ぜひ手に取っていただきたい一冊です。
読者モニターレビュー【 陣内悠人 様 (業界・専門分野:音楽愛好家)】
ボカロが世間を賑わしている。
本書は、ボカロも使用可能な自動作曲、自動演奏、自動採譜等に関するテクノロジーについて詳説している。
文章の分野でいえば、AI によるChat GPTが筆頭にあげられる。文章を作成する、文章を読み上げる、文字起こしを行う。Chat GPTの台頭に伴い、ある懸念が叫ばれている。AIが人間の仕事を奪うのではないかということである。
これについは、音楽の世界で証明した先人がいる。イエロー・マジック・オーケストラ。彼らは、音楽制作にコンピュータを取り入れた。コンピュータに頼るだけではなく、自ら演奏をすることにより、テクノロジーとの共存をはかったといえる。
音楽制作は、テクノロジーの進歩により、より簡単になった。ボカロがDTM で曲をつくることができるのは、その恩恵にあずかっているからである。本書で取り上げられている技術は、進化の賜物である。
本書を読み、音に関するテクノロジーを知る。それを自分の感性と共存することにより新しいものを作り上げる。
そう思わせてくれる1冊である。
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