自動運転

モビリティイノベーションシリーズ 5

自動運転

自動運転を構成する技術的要素とそれに伴う法制度まで解説した,自動運転を網羅した一冊。

ジャンル
発行年月日
2021/01/25
判型
B5
ページ数
288ページ
ISBN
978-4-339-02775-4
自動運転
在庫あり

定価

5,280(本体4,800円+税)

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交通事故,渋滞,環境破壊,エネルギー資源問題などの自動車の負の側面を大きく削減し,人間社会における多方面での利便性がより増すと期待される道路交通革命がCASE化である。CはConnected(インターネットなどへの常時接続化),AはAutonomous(またはAutomated,自動運転化),SはServicized(またはShare & Service,個人保有ではなく共有によるサービス化),EはElectric(パワートレインの電動化)を意味し,自動車の大衆化が始まった20世紀初頭から100年ぶりの変革期といわれる。

第5巻「自動運転」は,CASE化のAに焦点を当て,世界的なブームとなっている自動車の自動運転について,カメラやセンサなどによる周辺環境や運転者の状況認識,それらをもとにした走行軌道の計画,計画に対して正確に走行するための制御という,自動運転の実現に必要な技術的要素だけでなく,それに伴う法制度についても解説するなど,現状や実用化を可能にした技術のポイント,社会実装に向けての技術,社会的な課題について最新の情報を網羅した。

本書は,第1巻「モビリティサービス」,第2巻「高齢社会における人と自動車」との関連領域を含みながら,以下の構成で解説した。

まず,1 章では自動運転の概要として,仕組みや歴史,さらにその現状と課題について解説した後,2 章から8章で,自動運転の構成要素について詳細な解説を行う。具体的には,2章で自動運転の情報処理の入力となるセンサを,3章で高精度地図の具体的な内容と地図の利用に必須となる位置姿勢推定を,4章で歩行者の位置などの空間情報を把握するための空間理解を中心とした走行環境認識を,5章で自動運転車の走行状態や経路を決定するための判断および行動計画に関する技術を,6章で走行軌跡計画により設定された車両の走行経路や走行速度を実現するための制御計画を詳説した後,7章ではドライバの視認行動と認知・知覚に関する基礎的な知見やHMI(human machine interface)に課せられる用件を整理する。続いて8章では,7章までに紹介してきた自己位置推定や環境認識など自動運転システム向けのアルゴリズムをROSのノードで実装したオープンソースの自動運転プラットフォームであるAutowareを例に,実装について解説する。

9 章では,自動運転の技術に加えて重要になる社会的な側面について,法制度の観点で現状と課題を,10 章では,人を運転から解放した自動運転で新たに生まれた人との関係性や,エンタテイメントなどについて詳細に解説する。
最後に11 章では,本5 巻のまとめとして,自動運転がもたらすモビリティ社会や産業構造の変化という大きな視点からの議論を行う。

自動車はパワー源を馬などに依存していた馬車から,車自らの力で移動するモビリティとして誕生し,瞬く間に陸上交通を席巻する存在となった。自動車は自らパワー源をもつが,移動のためには人の運転操作が必要になる。運転操作はスキルを習得する必要があるが,人のすばらしい認知・判断・操作能力と,道路整備によって,数多くの自動車が高速に整然と移動する陸上交通を実現できた。しかし,運転操作は人の疲労を生み,人のミスによる事故も社会問題に発展した。そんな運転操作を機械側で実現する夢は,自動車誕生から間もなく語られ,さまざまな方式の実車実証も継続的に行われてきた。そして機械がパワー源のみならず,運転のための知能をもつ自動車へと発展した自動運転は,今世紀に入って目覚ましい発展を遂げ,2010年代には現実となって大ブームを迎えるに至った。自動運転は,これまでの自動車のもつ事故や渋滞・エミッションの問題の解決のみならず,運転操作から人を開放し,さらに人だけでなく物流を含むモビリティの変革なども大きく期待されている。また,今後の自動車の変革は自動運転のみならず,CASEと呼ばれる,コネクテッド化(Connected),自動化(Autonomous),シェア・サービス化(Shared&Service),電動化(Electric)が絡み合ったシステムとして進むと予想されている。

「自動運転」の関連内容で『モビリティサービス(第1巻)』,『高齢社会における人と自動車(第2巻)』,『つながるクルマ(第3巻)』については本シリーズですでにまとめられているため,本書は自動運転の技術的な仕組みを中心として,第1~3巻との関連領域を少し含む内容で構成した。

まず1章では,自動運転の概要として,仕組みや歴史,さらにその現状と課題について解説する。

2~7章で,自動運転の構成要素となる,センサ,地図と位置推定,認知,判断・行動計画,制御,HMIについて詳細な解説を行う。

2章ではセンサとして,自動運転の目となる主要な外界センサとして,RADAR,LiDAR,カメラについてその役割や原理を説明する。

3章では,高度な自動運転の実現に欠かすことができない認知機能の一つとして,地図と位置姿勢推定について,その信号処理の基礎理論から,実際に地図を構築する技術や,多くのアプローチがある位置姿勢推定技術について説明する。

4章では,認知機能の中核となる外界センサに基づく走行環境認識について,機能の整理を行い,深層学習を中心に目覚ましく進化している認識技術について詳細に説明する。

5章では,自動運転の判断部分となる,判断・行動計画機能について,その定義から課題を整理し,現状手法を詳細に説明する。

6章では,自動運転車両を計画された軌道に対して正確に動かす制御について,自動運転に関わる読者を対象に,その理論基礎から,現状利用されている技術について詳細に説明する。

7章では,自動運転のレベル2やレベル3で顕在化し,世の中でも多くの議論が行われている人と自動運転システムの役割分担で,特にHMIについて数多くの研究例を紹介しながら詳細に説明する。

8章では,自動運転の実装に関して,オープンソースソフトウエアであるAutowareを題材に紹介する。

9章では,自動運転の技術に加えて重要になる社会的な側面について,法制度の観点で現状と課題を詳細に説明する。

10章では,人を運転から解放した自動運転で新たに生まれた人との関係性や,エンタテインメントなどについても説明する。

11章では,本書のまとめとして,自動運転がもたらすモビリティ社会や産業構造の変化という大きな視点からの議論を行う。

本書では,執筆時点での最新の状況に基づいて記述するようにしたが,自動運転を取りまく状況の変化は速く,読者の手に届くときには,古くなっている記述があることはご容赦いただきたい。本書が,自動運転の発展と普及の一助になれば幸いである。

最後に,お忙しいなか執筆をお引き受けいただいた著者の皆様,本書の出版にあたりご尽力いただいたコロナ社の皆様,名古屋大学COIにおける出版事務局やその他の関係者の皆様に厚くお礼を申し上げる。

2020年11月
5巻編集委員 二宮 芳樹

1.自動運転概論
1.1 自動運転とは
 1.1.1 自動運転の定義と分類
 1.1.2 運転自動化レベル
 1.1.3 自動運転のその他の分類
 1.1.4 自動運転の用語
1.2 自動運転の歴史
 1.2.1 自動運転の幕開けとインフラ型の展開
 1.2.2 自律型の展開
 1.2.3 自律型とインフラ型の統合による現在の自動運転ブーム誕生
1.3 自動運転の現状
 1.3.1 二つのシナリオ
 1.3.2 オーナーカーシナリオの現状
 1.3.3 サービスカーシナリオの現状
1.4 自動運転への期待
 1.4.1 自動車の負の側面の解決
 1.4.2 新たな社会課題の解決
 1.4.3 交通社会やビジネスモデルの変革
1.5 自動運転の課題
 1.5.1 人とシステムの協調
 1.5.2 安全性の課題
 1.5.3 開発戦略の課題
引用・参考文献

2.センサ
2.1 センサの役割と種類
 2.1.1 人の五感とセンサ
 2.1.2 一般道路での自動運転レベル4で必要なセンシング機能
2.2 RADAR
 2.2.1 RADARの現状
 2.2.2 RADARの仕組み
 2.2.3 RADARの課題と今後
2.3 カメラ
 2.3.1 カメラの現状
 2.3.2 カメラの課題と今後
2.4 LiDAR
 2.4.1 LiDARとは
 2.4.2 LiDARの動作原理
 2.4.3 LiDARの課題と今後
引用・参考文献

3.認知:地図と位置姿勢推定
3.1 自動運転にとっての地図と位置とは
 3.1.1 地図と位置推定の関係
 3.1.2 自動運転における位置推定の役割と,必要となるセンサ
3.2 自動運転で活用される高精度地図の概要
 3.2.1 自動運転で活用される高精度地図
 3.2.2 位置推定のための地図
 3.2.3 認識のための地図
 3.2.4 経路計画・制御のための地図情報
3.3 点群ベースの照合技術
 3.3.1 ICPスキャンマッチング
 3.3.2 NDTスキャンマッチング
3.4 センサ融合
 3.4.1 ベイズフィルタ
 3.4.2 カルマンフィルタ
 3.4.3 パーティクルフィルタ
3.5 GNSSと慣性センサ
 3.5.1 GNSSの概要と自動運転との関係
 3.5.2 GNSSの欠点
 3.5.3 自動車におけるGNSSと慣性センサの統合
3.6 Mobile Mapping System(MMS)
 3.6.1 MMSの概要,利用されているセンサ
 3.6.2 絶対位置を基準とした三次元復元
 3.6.3 MMSで作成した地図とSLAMで作成した地図の違い
引用・参考文献

4.認知:外界センサによる走行環境認識
4.1 環境理解とは
4.2 歩行者・車両の検出
 4.2.1 データセット
 4.2.2 検出窓走査型の歩行者検出
 4.2.3 候補提案型の歩行者検出
 4.2.4 直接回帰型の歩行者検出
 4.2.5 まとめ
4.3 歩行者属性認識
 4.3.1 歩行者属性の分類
 4.3.2 静的属性
 4.3.3 動的属性
 4.3.4 応用
4.4 走行環境の詳細認識
 4.4.1 画像の領域分割と認識
 4.4.2 条件付き確率場によるセマンティックセグメンテーション
 4.4.3 深層学習によるセマンティックセグメンテーション
 4.4.4 最近の動向
 4.4.5 まとめ
4.5 センサフュージョン
 4.5.1 センサフュージョンの必要性
 4.5.2 情報の利用方法に基づくセンサフュージョン技術の分類
 4.5.3 情報の統合段階に基づくセンサフュージョン技術の分類
 4.5.4 センサ間のキャリブレーション
 4.5.5 まとめ
引用・参考文献

5.判断・行動計画
5.1 運転行動計画の階層
 5.1.1 広域経路計画
 5.1.2 行動判断
 5.1.3 走行軌跡計画
 5.1.4 目標軌跡への追従制御計画
5.2 判断・行動計画とリスク評価法
 5.2.1 顕在リスク
 5.2.2 潜在リスク
 5.2.3 人工リスク評価関数
 5.2.4 潜在リスクの発生確率
 5.2.5 リスク評価法の分類と特徴
5.3 最適経路探索法
 5.3.1 移動コストの評価
 5.3.2 グラフに基づく最短経路探索
 5.3.3 リスク場・確率場に基づく経路探索
5.4 運転行動判断
 5.4.1 決定論的行動判断
 5.4.2 機械学習による運転行動判断
5.5 走行軌跡生成
 5.5.1 運動曲線による運動軌跡生成
 5.5.2 評価関数最適化による軌跡生成
引用・参考文献

6.車両の制御
6.1 自律走行における走行目標実現のための車両制御
 6.1.1 車両制御の概論
 6.1.2 本章における「車両制御」の範囲について
 6.1.3 対象とする車両
6.2 車両制御に用いられる座標系
6.3 目標軌道実現のための車両の簡易モデル
 6.3.1 車両モデルを考える必要性
 6.3.2 システムモデリング
 6.3.3 車速制御のためのモデル
 6.3.4 車両の横方向モデル
6.4 PID制御を用いた車両制御
 6.4.1 PID制御の基礎
 6.4.2 PID制御による車速制御
 6.4.3 PID制御による軌跡追従制御
 6.4.4 PID制御による舵角目標値の計算
 6.4.5 前方の先読み点を用いたPID制御:look ahead controlと点追従制御
6.5 車両のダイナミクスを考慮した軌跡追従制御
 6.5.1 状態空間モデル
 6.5.2 DBMに基づくパス追従誤差システム
 6.5.3 安定性と極配置法によるゲインの設計
 6.5.4 線形二次レギュレータによるゲインの設計
 6.5.5 モデル予測制御
 6.5.6 拘束条件なしの線形二次モデル予測制御に対する簡易的な解法
6.6 制御手法の違いによる経路追従誤差の評価
6.7 車両制御の今後
引用・参考文献

7.自動運転(レベル2とレベル3)のHuman Machine Interface(HMI)
7.1 ドライバの視認行動と知覚・認知リソース
 7.1.1 ドライバの視認行動
 7.1.2 ドライバの知覚・認知リソース
 7.1.3 ドライバの知覚・認知リソースに関するリスク管理
7.2 システムの動作を示すHMIとモダリティの選択
 7.2.1 モダリティの選択:視覚・聴覚・触覚
 7.2.2 視覚モダリティ
 7.2.3 聴覚モダリティ
 7.2.4 触覚モダリティ
7.3 レベル2におけるドライバの運転行動とHMI
 7.3.1 システム開始時のHMI
 7.3.2 システム動作中のドライバの周辺認知レベル(situational awareness)
 7.3.3 システムの運転制御に割り込むとき(オーバーライド)のHMI
 7.3.4 システムへの抵抗感とHMI
7.4 レベル3におけるドライバの運転行動とHMI
 7.4.1 レベル3とHMIの要件
 7.4.2 RTIとHMI
 7.4.3 RTIを安全に行うHMIのさらなる改善
7.5 システム利用時の安全性
 7.5.1 過信
 7.5.2 眠気
7.6 まとめ
引用・参考文献

8.実装技術
8.1 オープンソースソフトウエアAutoware
 8.1.1 Autowareの概要
 8.1.2 ROS
 8.1.3 自己位置推定
 8.1.4 環境認識
 8.1.5 経路生成
 8.1.6 経路追従
 8.1.7 その他のAutowareの機能
8.2 GPU・メニーコアへの実装
 8.2.1 Drive PX2への実装
 8.2.2 メニーコアへの実装
引用・参考文献

9.自動運転社会の法制度
9.1 自動車と法の関わり
 9.1.1 法とは何か
 9.1.2 わが国の法体系
 9.1.3 私法について
 9.1.4 法令の理解
 9.1.5 自動車は,どのように法と関わるか
 9.1.6 交通事故
 9.1.7 交通事故を未然に防ぐための法律(規制法)
 9.1.8 交通事故後の対処のための法律(法的責任に関する法律)
 9.1.9 自動車についての法の変容
9.2 自動車が備えるべき安全性
 9.2.1 自動車(車両)の設計・製造に関する法的責任
 9.2.2 自動運転車に何を求めるか
 9.2.3 自動車が備えるべき安全性
9.3 自動車に関する現行法規と自動運転の社会実装に伴う変容
 9.3.1 概観
 9.3.2 国際法規
 9.3.3 国内法規
引用・参考文献

10.自動運転技術と人との関わり方
10.1 自動運転技術とインタラクション
 10.1.1 HMIとHCI
 10.1.2 完全自動運転技術が完成したとしても残る問題
10.2 自動運転車両に乗る
10.3 自動運転車両を用いたサービスとその利用
 10.3.1 SecretSign
 10.3.2 CarBuddy
10.4 自動運転におけるエンタテインメントの可能性
10.5 完全自動運転車におけるインタラクションの未来
引用・参考文献

11.自動運転で変わるモビリティ社会・産業構造
11.1 自動運転とモビリティ社会の前提になるVehicle IoT
11.2 なぜ,日本でのみ「車載」カーナビが普及したのか
11.3 さらなる地図の重要性
11.4 地図とVehicle IoTによる見えない世界への対応
11.5 半導体が車の安全性を高めた
11.6 「コネクテッド」でさらに安全性を高める
11.7 自動運転のもう一つの分類:Operational Design Domain
11.8 自動運転の開発方向性と市場方向性の二極化
11.9 モビリティ社会の変貌:MaaSへの発達
11.10 サービスカーで変わる産業構造
引用・参考文献

索引

読者モニターレビュー【ari23様(専門:信号処理,機械学習など;業務内容:研究開発)】

本書は自動運転の技術だけでなく,法制度やビジネスモデルなど内容は多岐に渡り,非常に読み応えがある。

取り上げる技術は,センシングや認識,制御などの主要技術だけでなく,従来とは異なる「自動運転ならでは求められるHMI」にも焦点を当てている。

なお,技術的内容といっても,自動運転の素養がある者であれば十分理解できるレベルである。

オムニバス形式の講義を聞くイメージに近く,たとえば自動運転をテーマに持つ大学の研究室の輪講や,企業の勉強会の題材に最適である。

また,初版発行年が2021年に対し,引用文献で最も新しいものは2020年であり,本書は最新の技術に基づいてまとめていることがわかる。

エンジニアでなくても自動運転に少しでも関わる人であれば,まず初めに読むことをオススメしたい書籍の1つである。
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より詳しいレビューをari23様のブログにご掲載いただきました。
下記URL先にてご覧いただけます。
https://ari23.hatenablog.com/entry/automated-driving-coronasha

読者モニターレビュー【wat様(所属:自動車業界,業務内容:CAEシミュレーション)】

本書は自動運転の歴史から始まり,実現のためのセンサや認識技術,制御モデル,実装,法制度に至るまで最新情報が網羅的に書かれています。

必要に応じて式が使われ,関連技術をこれから深く学ぶ読者には入門書として最適だと思います。

近年100年に1度の変革期を迎えている自動車業界ですが,本書は最新のディープラーニングの技術が全体のどこで使われるのかも学べ,自動車業界以外のエンジニアにもオススメできる内容でした。

読者モニターレビュー【カマキリ様(所属;自動車安全部品(製造業))】

本書では,自動運転技術の歴史でもある「センサー,カメラ,道路整備,法的整備,衝突安全,人と車の付き合い方」について順を追って解説している。

自動運転を考えたとき,安全な運転には「認知,判断,操作」を正しく行う必要がありこれらを全て機械に任せることになる。
認知には「センサー,カメラなどで物体の位置情報や走行環境」を,判断には「どのように判断をモデル化するか」かが現状の課題であり詳しく書かれている。

さらに,自動運転は法的整備と安全性の担保も必要になる。
例えば衝突事故のほとんどが運転手の判断ミスであり,この場合カーメーカーの責任が問われることはない。
自動運転では責任の所在が変わる。
また,安全面では乗っている人の姿勢が変わるためエアバッグとシートベルトという安全装置も変わる。
安全装置が変わるということは衝突安全の法律やNCAPも変わる。

自動運転は着実に進歩している技術であり人と車の付き合い方が今後も変わってくる。
車社会の現代において,自動車関係に携わる全ての人に読んでいただきたい一冊。
そのような人にとって今後の自分の仕事がどのように変わってくるかというヒントにもなる書籍だと感じた。

二宮 芳樹(ニノミヤ ヨシキ)

武田 一哉(タケダ カズヤ)

目黒 淳一(メグロ ジュンイチ)

竹内 栄二朗(タケウチ エイジロウ)

村瀬 洋(ムラセ ヒロシ)

出口 大輔(デグチ ダイスケ)

新村 文郷(シンムラ フミト)

平山 高嗣(ヒラヤマ タカツグ)

川西 康友(カワニシ ヤストモ)

久徳 遙矢(キュウトク ハルヤ)

赤木 康宏(アカギ ヤスヒロ)

奥田 裕之(オクダ ヒロユキ)

萩原 亨(ハギワラ トオル)

安積 卓也(アヅミ タクヤ)

加藤 真平(カトウ シンペイ)

清水 綾子(シミズ アヤコ)

中川 由賀(ナカガワ ユカ)

石黒 祥生(イシグロ ヨシオ)

野辺 継男(ノベ ツグオ)

「土木学会誌」2021年4月号 掲載日:2021/04/06

掲載日:2021/03/09

「日本機械学会誌」2021年3月号広告

掲載日:2021/03/03

「自動車技術」2021年3月号広告

掲載日:2021/02/26

日刊工業新聞広告掲載(2021年2月26日)

掲載日:2021/02/08

読売新聞広告掲載(2021年2月8日)

掲載日:2021/01/28

日刊工業新聞広告掲載(2021年1月28日)

掲載日:2021/01/19

読売新聞広告掲載(2021年1月19日)

掲載日:2021/01/06

「電子情報通信学会誌」2021年1月号広告

掲載日:2020/12/14

「計測と制御」2020年12月号広告

掲載日:2020/12/03

応用物理学会誌「応用物理」2020年12月号広告

掲載日:2020/12/02

「土木学会誌」2020年12月号広告

掲載日:2020/11/16

情報処理学会誌「情報処理」2020年12月号広告

『モビリティイノベーションシリーズ』ラインナップ
  1. 1.モビリティサービス
  2. 森川高行・山本俊行 編著 
  1. 2.高齢社会における人と自動車
  2. 青木宏文・赤松幹之・上出寛子 編著 
  1. 3.つながるクルマ
  2. 河口信夫・高田広章・佐藤健哉 編著 
  1. 4.車両の電動化とスマートグリッド
  2. 鈴木達也・稲垣伸吉 編著 
  1. 5.自動運転
  2. 二宮芳樹 編著/武田一哉 編 

刊行のことば

人は新たな機会を得るために移動する。新たな食糧や繁殖相手を探すような動物的本能による移動から始まり,交易によって富を得たり,人と会って情報を交換したり,異なる文化や風土を経験したりと,人間社会が豊かになるほど,移動の量も多様性も増してきた。しかし,移動にはリスクが伴う。現在でも自動車事故死者数は世界で年間130万人もいるが,古代,中世,近世における移動に伴うリスクは想像を絶するものであったであろう。自分の意志による移動を英語でtravelというが,これはフランス語のtravailler(働く)から転じており,その語源は中世ラテン語のtrepaliare(3本の杭に縛り付けて拷問する)にさかのぼる。昔は,それほど働くことと旅することは苦難の連続であったのであろう。裏返していえば,そのようなリスクを取ってまでも,移動ということに価値を見出していたのである。

大きな便益をもたらす一方,大きな苦難を伴う移動の方法にはさまざまな工夫がなされてきた。ずっと徒歩に頼ってきた古代でも,帆を張った舟や家畜化した動物の利用という手段を得て,長距離の移動や荷物を運ぶ移動は格段に便利になった。しかし,何といっても最大の移動イノベーションは,産業革命期に発明された原動機の利用である。蒸気鉄道,蒸気船,蒸気自動車,そして19世紀末にはガソリンエンジンを積んだ自動車が誕生した。そして,20世紀初頭に米国でガソリン自動車が大量生産されるようになって,一般市民が格段に便利で自由なモビリティをもたらす自家用車を得たのである。自動車の普及により,ライフスタイルも街も大きく変化した。物流もトラック利用が大半になり,複雑なサプライチェーンを可能にして,経済は大きく発展した。ただ,同時に交通事故,渋滞,環境破壊という負の側面も顕在化してきた。

いつでもどこにでも,簡単な操作で運転して行ける自動車の魅力には抗しがたい。ただし,免許を取ったとはいえ素人の運転手が,車線,信号,標識という物理的拘束力のない空間とルールの中を相当な速度で走るからには,必ずや事故は起きる。そのために,余裕を持った車線幅と車間距離が必要で,走行時には1台につき100平方メートル近い面積を占有する。このため,人が集まる,つまり車が集まるところではどうしても渋滞が起きる。自動車の平均稼働時間は5%程度であるが,残りの時間に駐車しておくスペースもいる。ガソリンや軽油は石油から作られ,やがては枯渇する資源であるし,その燃焼後には必ず二酸化炭素が発生する。世界の石油消費の約半分が自動車燃料に使われ,二酸化炭素排出量の約15%が自動車起源である。

このような自動車の負の側面を大きく削減し,その利便性をも増すと期待される道路交通革命がCASE化である。CはConnected(インターネットなどへの常時接続化),AはAutonomous(またはAutomated,自動運転化),SはServicized(またはShare & Service,個人保有ではなく共有によるサービス化),EはElectric(パワートレインの電動化)を意味し,自動車の大衆化が始まった20世紀初頭から100年ぶりの変革期といわれる。CASE化がもたらすであろう都市交通の典型的な変化を下図(立ち読みページ参照)に示した。本シリーズ全5巻の「モビリティイノベーション」は,四つの巻をCASEのそれぞれの解説にあてていることが特徴である。さらに,CASE化された車を使う人や社会の観点から取り上げた第2巻では,社会科学的な切り口にも重点を置いている。

このような,移動のイノベーションに関する研究が2013~2021年度にわたり,文部科学省および科学技術振興機構の支援により,名古屋大学COI(Center of Innovation)事業として実施されており,本シリーズはその研究活動を通して生まれた「移動学」ともいうべき統合的な学理形成の成果を取りまとめたものである。この学理が,人類最大の発明の一つである自動車の革命期における知のマイルストーンになることを願っている。

2020年3月

編集委員長 森川高行