システム制御工学シリーズ 22
マルチエージェントシステムの制御
マルチエージェントシステムをシステム制御の視点から体系的にまとめた一冊。
- 発行年月日
- 2015/09/18
- 判型
- A5
- ページ数
- 232ページ
- ISBN
- 978-4-339-03322-9
- 計測自動制御学会賞著述賞を受賞いたしました。
- 内容紹介
- 目次
- レビュー
- 広告掲載情報
複数のエージェントの局所的な相互作用をもとに大域的な機能を発現するシステムをマルチエージェントシステム と呼ぶ。本書では,このシステムの制御理論を体系的にまとめ,基礎的な概念と研究成果を初学者向けに紹介している。
1. 序 論
1.1 マルチエージェントシステムとは
1.2 動物の協調行動モデル:ボイド
1.3 ビークル群の協調制御
1.4 センサネットワーク
1.5 エージェント間の情報交換
1.6 ネットワーク構造のモデル化
1.7 関連分野におけるマルチエージェントシステム
2. 数学的基礎
2.1 線形代数の基礎
2.1.1 有限次元実ベクトル空間と行列
2.1.2 行列の固有値
2.1.3 行列指数関数
2.2 代数的グラフ理論
2.2.1 グラフ
2.2.2 グラフの演算
2.2.3 グラフラプラシアン
2.2.4 ペロン行列
2.2.5 重み付きグラフの場合
演習問題
3. 合意制御
3.1 合意問題
3.1.1 ネットワークと分散制御器
3.1.2 合意の定義と種類
3.2 連続時間システムの合意制御
3.2.1 合意を達成するための分散制御器
3.2.2 無向グラフの場合
3.2.3 一般のグラフの場合
3.3 離散時間システムの合意制御.
3.4 スイッチングネットワークにおける合意制御
3.4.1 離散時間システムの場合
3.4.2 連続時間システムの場合
演習問題
4. 被覆制御
4.1 被覆問題
4.2 ボロノイ図と勾配系
4.2.1 ボロノイ図
4.2.2 勾配系
4.3 被覆制御
演習問題
5. 分散最適化
5.1 分散最適化問題と扱われる最適化問題の例
5.2 最適化の基礎
5.2.1 劣勾配法
5.2.2 双対問題と劣勾配法による解法
5.3 双対分解による分散最適化
5.3.1 問題設定
5.3.2 双対分解による分散最適化
5.4 合意制御による分散最適化
5.4.1 問題設定
5.4.2 制約無し問題の場合
5.4.3 制約付き問題の場合
演習問題
付録
A.1 動的システムの安定性
A.1.1 リアプノフ安定性
A.1.2 ラサールの不変性原理
A.2 定理と補題の証明
A.2.1 定理 2.21 の (i) の証明と (ii) の必要性の証明
A.2.2 定理 2.29 の必要性の証明
A.2.3 定理 2.30 の証明
A.2.4 定理 3.1 (iii) の証明
A.2.5 定理 3.2 (iii) の証明
A.2.6 補題 4.4 の証明
A.2.7 定理 5.6 の証明
A.2.8 補題 A.3 の証明
引用・参考文献
演習問題の解答
索引
amazonレビュー
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掲載日:2020/12/14
マルチエージェントシステムとは,複数のエージェントの局所的な相互作用をもとに大域的な機能を発現するシステムのことである.システム制 御分野では,近年のスマートグリッド,自動運転,システムバイオロジなどへの関心を背景に, 2000年以降,最も重要な研究対象に成長してきている.
このような背景のもと,本書は,マルチエージェントシステムをシステム制御の視点から体系的にまとめた初の邦書として出版されたものであり,以下の特徴を有している.
1.マルチエージェントシステムの制御を,勉強してみたい,使ってみたい,研究してみたい,と思う読者のた めに「最初にこれだけは押さえておきたい事項」を厳選して解説.
2.システム制御分野において,マルチエージェントシステム研究の最前線にいる6人の若手研究者によって執筆.
3.本書を読み進めるにあたって必要となる数学や制御工学の知識を他の文献にゆずることなく,本書中に整理して記述.
本書は,システム制御の研究者の一助になることを期待している.