視聴覚融合の科学

音響サイエンスシリーズ 11

視聴覚融合の科学

ジャンル
発行年月日
2014/11/06
判型
A5
ページ数
224ページ
ISBN
978-4-339-01331-3
視聴覚融合の科学
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定価

3,410(本体3,100円+税)

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本書では視聴覚情報の融合過程に関わる諸科学を多角的に解説するとともに,その背後にある脳内メカニズムに迫り,視聴覚メディアの可能性を示した。映像メディアや環境デザインの制作現場に従事する方にもおすすめしたい1冊。

第1章 非音声知覚における視聴覚情報の統合処理
1.1 はじめに
1.2 多感覚統合の法則
1.3 聴覚と視覚の相互作用の空間的要因
1.3.1 腹 話 術 効 果
1.3.2 視聴覚の空間的一致の可塑性
1.4 聴覚と視覚の相互作用の時間的要因
1.4.1 同時性を測定する代表的な方法
1.4.2 同時性の時間窓
1.4.3 主観的同時点
1.4.4 時間的な知覚における聴覚の優位性
1.5 視聴覚による運動知覚
1.6 感覚モダリティ間対応
1.7 視聴覚統合による行動の促進効果
1.7.1 反応時間の短縮
1.7.2 あいまい性の解消
1.7.3 検出課題の促進
1.8 感覚モダリティの優位性
1.9 おわりに
引用・参考文献

第2章 音声情報の視聴覚統合処理
2.1 はじめに
2.2 顔と声による音声知覚
2.2.1 読唇情報による音声知覚の向上
2.2.2 マガーク効果
2.2.3 マガーク効果の頑健性
2.3 言語経験の影響
2.3.1 発達的変化
2.3.2 母語によるマガーク効果の違い
2.3.3 言語差の発達的起源
2.4 乳児における視聴覚音声知覚
2.4.1 音声-口形マッチング
2.4.2 知覚狭小化をめぐって
2.4.3 音韻情報の視聴覚統合
2.5 脳活動から見た視聴覚音声統合
2.5.1 視聴覚音声統合に関わる脳部位
2.5.2 視聴覚音声処理過程の時間的推移
2.6 加齢の影響
2.7 おわりに
引用・参考文献

第3章 映像メディアにおける視聴覚融合
3.1 はじめに
3.2 映像メディアにおける音と映像の関係に関する分析的考察
3.2.1 音と映像の関係についての分析モデル
3.2.2 音楽(映画音楽)の役割
3.2.3 映像美学の観点から見た音の選択と構成
3.3 音が映像の印象,解釈に及ぼす影響
3.3.1 映画やテレビドラマにおける音楽が映像の印象に及ぼす影響
3.3.2 「笑い」を誘発する効果音,音楽
3.3.3 音楽が映像の展開の予想,解釈,記憶に及ぼす影響
3.4 テレビゲームにおける音の効果
3.5 視聴覚融合をもたらすメカニズム
3.5.1 構造的調和
3.5.2 意味的調和
3.5.3 音と画の対位法―あえて意味的調和を崩す手法の効果―
3.5.4 音と映像の変化パターンの調和
3.5.5 視聴覚融合のモデル
3.6 おわりに
引用・参考文献

第4章 視聴覚融合をデザインする現場
4.1 はじめに
4.2 映像に伴う音響の過去と未来
4.2.1 映画とラジオの黎明期について
4.2.2 「音響効果」の誕生と初期録音技術に関して
4.2.3 トーキー映画とラジオ放送
4.2.4 黎明期の音響効果技術について
4.2.5 日本初のトーキー映画『黎明』
4.2.6 映画館やホームシアターで再生される立体音響の成り立ちと現行の再生形式
4.3 音響制作2000年から2010年にかけての実務例
4.3.1 実写劇映画,テレビドキュメンタリーの録音
4.3.2 ドラマにおける台詞の整音
4.3.3 生音(Foley)について
4.3.4 音響効果ライブラリーの構築
4.3.5 映像に対する音楽について
4.3.6 ファイナルミックスへ至るプロセス
4.4 音が観客に届くとき
4.4.1 録音スタジオと映画館との音量差
4.4.2 年齢層による聴取音量差
4.4.3 映画とテレビの違い
4.5 音をデザインしながら考えていること
4.6 おわりに
引用・参考文献
付表
索引

岩宮 眞一郎(イワミヤ シンイチロウ)

北川 智利(キタガワ ノリミチ)

高木 創(タカギ ハジメ)

笠松 広司(カサマツ コウジ)