ヒト心身状態の計測技術 - 人に優しい製品開発のための日常計測 -

ヒト心身状態の計測技術 - 人に優しい製品開発のための日常計測 -

高齢化社会において,身体のあらゆる数値をデータ化し,異常な徴候を発見する技術の開発が注目されている。本書は,生体計測に必要な電子回路の基礎技術から生体センサ,近未来の生体計測を解説した,健康計測分野の入門書である。

ジャンル
発行年月日
2010/10/28
判型
A5
ページ数
236ページ
ISBN
978-4-339-07226-6
ヒト心身状態の計測技術 - 人に優しい製品開発のための日常計測 -
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定価

3,300(本体3,000円+税)

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高齢化社会において,身体のあらゆる数値をデータ化し,異常な徴候を発見する技術の開発が注目されている。本書は,生体計測に必要な電子回路の基礎技術から生体センサ,近未来の生体計測を解説した,健康計測分野の入門書である。

1章「はじめに」では,日常生活における各種生体信号の計測の目的,方法,留意点について説明する。生体の内部で起こっている種々の現象の計測は,非常に複雑であり,物理学,化学などで行われる計測とはずいぶん様子が異なる。生体計測の難しさに留意しながら本章を読み進めて欲しい。
2章「生体の電気の安全」では,電気ショック事故(電撃事故)について,そのメカニズムと防止対策について解説した。日常生活計測における電気ショック事故が起きないことを願って,この章を本書の前半に配置した。この章を飛ばして読み進めても以後の理解に支障は生じないが,必ず一度は内容を理解して欲しい。
3章「基礎電子回路」では,抵抗,コンデンサ,コイルを中心に,生体計測に不可欠な電子回路の基礎技術について解説した。
4章「生体計測のための電子回路」では,OPアンプを用いたアナログ回路の設計法と,生体計測でよく使用する回路について解説した。
5章「生体電極と生体センサ」では,まず日常計測の対象とされることが多い生体電気現象について,信号発生メカニズムと計測方法,電極,雑音除去について解説し,次にセンサを使った生体計測について解説する。なお,日常生活における身体活動の計測の重要性を考え,運動センサに関して独立した節を設けた。
6章「日常生活モニタシステム」では,日常生活のさまざまな場面での生体計測を可能とするための携帯型ディジタル計測システムの設計方法について解説した。
7章「日常生活計測」では,これまでのまとめとして,4つの日常生活計測の事例を紹介する。第1の例は睡眠計測,第2の例は家庭内での生活行動計測,第3の例は筋電図を用いた日常活動の推定,第4の例はジョギング支援システムである。いままでの学習の総まとめであり,適宜,前の章の該当部分を参照して欲しい。
8章「おわりに」では,本書のまとめとして,近未来の生体計測を解説した。

1.はじめに
1.1 日常計測の目的
1.2 日常計測システムの概要
1.3 生体計測方法の分類
1.4 生体センサの分類
章末問題

2.生体の電気の安全
2.1 エネルギーに対する人体反応と極限値
2.2 電気ショック事故のメカニズム
2.3 電気に対する安全確保の方法
2.4 計測機器の安全と設備の安全
章末問題

3.基礎電子回路
3.1 抵抗
 3.1.1 オームの法則とキルヒホッフの電流/電圧則
 3.1.2 重ね合わせの理と鳳-テブナンの法則
 3.1.3 ブリッジ回路とひずみゲージ
 3.1.4 抵抗の交流応答
3.2 コンデンサ
3.3 コイル
3.4 複素インピーダンス
章末問題

4.生体計測のための電子回路
4.1 OPアンプとは
4.2 差動増幅器
4.3 フィルタ回路
4.4 生体計測でよく使うその他の回路
章末問題

5.生体電極と生体センサ
5.1 生体電気信号の計測
 5.1.1 心電図発生のメカニズムと心電図計測法
 5.1.2 筋電図の発生メカニズムと筋電図計測
 5.1.3 脳波の発生と脳計測
 5.1.4 眼電位の発生と眼電位計測
 5.1.5 胃電図の発生と胃電図計測
 5.1.6 電気インピーダンスの計測
5.2 電極
 5.2.1 皮膚表面電極
 5.2.2 静電容量結合型電極とドライ電極
5.3 雑音の発生と対策
5.4 生理計測センサ
 5.4.1 血圧の計測
 5.4.2 容積脈波,酸素飽和度,血流の計測
 5.4.3 呼吸計測
 5.4.4 体温計測
5.5 日常歩行計測を例とした運動センサ
 5.5.1 慣性センサ
 5.5.2 関節運動の計測
 5.5.3 外力の計測
 5.5.4 活動量の計測
章末問題

6.日常生活モニタシステム
6.1 ワンチップマイコンを使った日常生活モニタ装置
6.2 アナログ回路との結合
 6.2.1 グラウンドの取り方
 6.2.2 A/D変換と接続方法
6.3 どこまでアナログ回路による前処理を行うか
 6.3.1 シグナルコンディショニングと較正
 6.3.2 PCとの連携
6.4 近距離ディジタル通信とBSN
 6.4.1 近距離ディジタル通信
 6.4.2 BSN
6.5 電池と長時間計測
章末問題

7.日常生活計測
7.1 睡眠計測
 7.1.1 PSG計測
 7.1.2 PSG計測による快適寝具の評価
 7.1.3 簡易な睡眠計測手法
 7.1.4 呼吸計測による睡眠状態の推定
7.2 焦電型センサ,ドアスイッチなどを組み合わせた日常生活モニタリングシステム
7.3 筋電図を用いた日常生活における下肢筋活動量の評価身体活動計測
7.4 身体活動計測
 7.4.1 ジョギング支援システムへの応用
 7.4.2 加速度データを用いた歩行中の体重心軌跡の算出方法
章末問題

8.おわりに

付録
A.1 JIS C 0617電気用図記号(1997)
A.2 医用機器,設備の表示記号

引用・参考文献
章末問題解答
索引

吉田 正樹(ヨシダ マサキ)

南部 雅幸(ナンブ マサユキ)

塩澤 成弘(シオザワ ナルヒロ)

掲載日:2022/03/02

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