循環系のバイオメカニクス

ME教科書シリーズ B-8

循環系のバイオメカニクス

本書は,循環系の酸素輸送効率についてシステム分析し,血液,心臓,血管系,毛細血管網などの機能的最適化が,機械的応力に対する適応制御系で達成されていることを示し,内部機序を分子生物学的,組織学的手法により検証している。

ジャンル
発行年月日
2005/11/28
判型
B5
ページ数
204ページ
ISBN
978-4-339-07148-1
循環系のバイオメカニクス
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定価

3,850(本体3,500円+税)

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本書は,循環系の酸素輸送効率についてシステム分析し,血液,心臓,血管系,毛細血管網などの機能的最適化が,機械的応力に対する適応制御系で達成されていることを示し,内部機序を分子生物学的,組織学的手法により検証している。

1. 循環系のシステム生理学
1.1 はじめに
1.2 酸素輸送体としての血液
1.3 心臓のポンプ機能
1.4 血管系の分岐構造
1.5 毛細血管・組織系の酸素供給機能
1.6 ミトコンドリア内燃料電池のATP産生機能
1.7 静脈帰還と循環平衡に関するシステム効率解析
1.8 肺における酸素摂取(外呼吸)
1.9 おわりに

2. 血管内皮細胞のバイオメカニクス
2.1 血管内皮細胞の働き
 2.1.1 物質透過性の調節
 2.1.2 血管のトーヌスの調節
 2.1.3 血液の凝固・線溶の調節
 2.1.4 血管新生とリモデリング
 2.1.5 他の細胞との相互作用
2.2 内皮細胞が受けるメカニカルストレス
 2.2.1 血流刺激(壁ずり応力)
 2.2.2 血圧刺激(伸展張力と貫壁性圧力)
2.3 メカニカルストレス負荷実験法
 2.3.1 流れ負荷装置
 2.3.2 張力負荷装置
2.4 ずり応力に対する内皮細胞応答
 2.4.1 形態・配列の変化
 2.4.2 細胞骨格の変化
 2.4.3 内皮再生能
 2.4.4 内皮増殖能
 2.4.5 内皮透過性
 2.4.6 血管のトーヌス
 2.4.7 抗血栓活性
 2.4.8 増殖因子とサイトカイン
 2.4.9 血管新生
 2.4.10 アポトーシス
 2.4.11 酸化ストレス
 2.4.12 白血球との接着
 2.4.13 ずり応力に対する内皮細胞の時間別応答
 2.4.14 定常流と拍動流の効果
 2.4.15 乱流と動脈硬化
2.5 ずり応力に対する遺伝子応答
 2.5.1 ずり応力応答遺伝子
 2.5.2 遺伝子発現調節のメカニズム
2.6 伸展張力に対する内皮細胞の応答
 2.6.1 形態・配列
 2.6.2 細胞増殖
 2.6.3 血管のトーヌス
 2.6.4 線溶活性・酸化ストレス
 2.6.5 細胞外マトリックス
 2.6.6 遺伝子発現
 2.6.7 ずり応力と伸展張力の同時負荷の効果
2.7 ずり応力の情報伝達
 2.7.1 情報伝達の仕組み
 2.7.2 ずり応力で動く情報伝達因子
 2.7.3 増殖因子受容体の活性化
 2.7.4 カベオラ
 2.7.5 カルシウム説
 2.7.6 細胞膜説
 2.7.7 インテグリン説
 2.7.8 テンセグリティモデル説
 2.7.9 その他のずり応力センサー分子
2.8 伸展張力の情報伝達
 2.8.1 形態・配列変化
 2.8.2 生理活性物質産生
 2.8.3 内皮増殖能
 2.8.4 転写因子の活性化

3. 血流負荷による血管組織変化
3.1 生体内の血流
3.2 生体内で血流を変化させる実験
 3.2.1 動静脈吻合あるいは大動脈静脈吻合を用いた実験的血流増大
 3.2.2 頚動脈の結紮あるいは狭窄を用いた実験的血流変化
 3.2.3 AVFとAVF閉鎖を用いた実験的血流変化
 3.2.4 総頚動脈の結紮とAVFを用いた脳動脈の実験的血流変化
3.3 血流増大による動脈の組織形態変化
 3.3.1 動脈拡張リモデリングにさきがけて生じる内皮細胞の増殖
 3.3.2 内弾性板ギャップの発生
 3.3.3 内弾性板ギャップ内の内皮細胞の増殖
 3.3.4 内皮細胞と平滑筋細胞の接触
 3.3.5 中膜平滑筋細胞のリモデリング
3.4 血流減少による動脈の組織形態変化
3.5 血流増大によりリモデリングした動脈の血流減少による組織形態変化
3.6 血流増減による形態変化
3.7 実験をもとにしたヒト動脈病変の解釈
3.8 血流増大による動脈リモデリングの意義
3.9 新しい地平
 3.9.1 “急速に増殖する内皮細胞”の発見
 3.9.2 “内弾性板ギャップ”は“急速に増殖する平滑筋細胞”
 3.9.3 血流増大動脈リモデリングの仮説
 3.9.4 今後の課題

4. 微小循環と物質交換
4.1 はじめに
4.2 微小循環の概念
4.3 微小循環系血管の分類
 4.3.1 細動脈
 4.3.2 毛細血管
 4.3.3 細静脈
 4.3.4 短絡血管
4.4 微小循環での物質移動
 4.4.1 水分の濾過吸収および小さな水溶性物質の透過
 4.4.2 大きな水溶性物質の透過
 4.4.3 酸素輸送と組織への酸素供給
4.5 微小循環の生体顕微鏡観察
 4.5.1 慢性的変化の観察法
 4.5.2 微小循環の三次元観察法
4.6 骨格筋の微小循環と酸素輸送
 4.6.1 骨格筋微小循環の観察
 4.6.2 骨格筋微小循環の血流調節
 4.6.3 毛細血管血流と組織酸素分圧
 4.6.4 酸素輸送の動的解析
 4.6.5 微小循環酸素分圧の計測
 4.6.6 細動脈から組織への酸素供給
 4.6.7 細動脈血管壁での酸素消費
4.7 おわりに

5. 人工臓器を応用した新しい血液・血漿粘度計測法
5.1 ホローファイバー人工肺を用いた血液粘度計測法の原理
5.2 方法
5.3 血液粘度計測への応用
5.4 本手法の特徴

引用・参考文献
索引



神谷 暸(カミヤ アキラ)

安藤 譲二(アンドウ ジョウジ)

増田 弘毅(マスダ ヒロタケ)

柴田 政廣(シバタ マサヒロ)

辻 隆之(ツジ タカユキ)

佐久間 一郎(サクマ イチロウ)