高校数学でマスターする 計測工学 - 基礎から応用まで -

高校数学でマスターする 計測工学 - 基礎から応用まで -

「わかる編」「ナットク編」「役立つ編」の3編から構成され、計測工学の基礎から応用まで対応している。

ジャンル
発行年月日
2016/03/11
判型
A5
ページ数
204ページ
ISBN
978-4-339-04646-5
  • 内容紹介
  • 目次
  • 著者紹介

本書は,3編から構成され,「わかる編」では単位,測定誤差などの基礎を,「ナットク編」では「わかる編」で理解したことをしっかり納得するためにその理論的裏付けを,「役立つ編」では代表的なセンサとセンシング方法を解説した。

Part I【わかる編】
1SI 単位と測定誤差を「わかる」
1.1 国際単位系
1.1.1 SI 基本単位とSI 組立単位
1.1.2 SI 基本単位
1.1.3 SI 組立単位
1.1.4 SI 単位と併用できる非SI 単位
1.1.5 単位の接頭語
1.1.6 単位の次元
1.2 測定の誤差と精度
1.2.1 測定の種類
1.2.2 有効数字
1.2.3 計算誤差
1.2.4 アナログ測定器とディジタル測定器の許容差
1.2.5 微小量εの計算の近似
1.2.6 許容差と四則演算
1.2.7 測定誤差と統計的処理

2最小二乗法による関数近似を「わかる」
2.1 最小二乗法とは
2.2 平均y = a
2.3 直線近似y = ax + b
2.4 多変数一次式y = a0 + a1x1 + a2x2 + ・・・ + amxm への近似
2.5 最小二乗法の適用範囲の拡大
2.5.1 指数関数
2.5.2 高次方程式
2.5.3 微分方程式
2.5.4 差分方程式

3フーリエ変換による周波数解析を「わかる」
3.1 周波数解析とは
3.2 相関関数
3.2.1 自己相関関数
3.2.2 相互相関関数
3.2.3 相関係数と最小二乗法
3.2.4 正弦波の相関関数
3.3 フーリエ解析
3.3.1 フーリエ級数
3.3.2 フーリエ変換
3.3.3 フーリエ変換による周波数解析

4計測回路を「わかる」
4.1 計測制御システムとは
4.1.1 計測制御システムとしての電気自動車
4.1.2 計測システムとしての電子体温計
4.2 ひずみゲージとブリッジ回路によるひずみ計測
4.3 オペアンプを用いた計測回路によるアナログ信号処理
4.3.1 オペアンプとは
4.3.2 実際のオペアンプ
4.3.3 非反転増幅器
4.3.4 反転増幅器
4.3.5 ボルテージフォロワ
4.3.6 電流電圧変換器
4.3.7 加算器
4.3.8 D-A 変換器とA-D 変換器
4.3.9 差動増幅器
4.3.10 計装アンプ
4.3.11 計装アンプの応用例
4.3.12 アイソレーションアンプ
4.3.13 フォトカプラ
4.3.14 シュミットトリガ
4.3.15 整流回路
4.4 ノイズ除去で役立つフィルタ
4.4.1 フィルタとは
4.4.2 パッシブフィルタ
4.4.3 オペアンプを用いたフィルタ回路
4.4.4 二次以上のLPF とHPF
4.4.5 バンドパスフィルタとバンドエリミネーションフィルタ
4.4.6 ノッチフィルタ121
4.5 ノイズ対策124

Part II【ナットク編】
5わかる編を理論的に裏付けて「ナットク」する
5.1 1 章のSI 単位と測定誤差を「ナットク」する
5.1.1 微分と積分
5.1.2 確率分布の離散型から連続型への変換
5.1.3 正規分布から標準正規分布への変換
5.1.4 極座標への座標変換とヤコビアン
5.1.5 正規分布の全面積が1 になることの証明
5.1.6 正規分布のμ が母平均であることの証明
5.1.7 正規分布のσ が標準偏差であることの証明
5.1.8 ガウスの誤差伝播則の導出
5.2 2 章の最小二乗法による関数近似を「ナットク」する
5.3 3 章のフーリエ変換による周波数解析を「ナットク」する
5.3.1 sinAsinB =1/2(cos (A -B) - cos (A + B)) の証明
5.3.2 フーリエ級数から複素フーリエ級数への変形
5.4 4 章の計測回路を「ナットク」する

Part III【役立つ編】
6各種センサとセンシングが「役立つ」
6.1 センサ
6.1.1 センサシステム
6.1.2 人間とセンシングシステム
6.2 A-D 変換器によるセンサデータの計測
6.2.1 計測対象との接続
6.2.2 量子化とその誤差
6.2.3 入力方式
6.2.4 サンプル周波数の決定
6.2.5 変換時間とチャネル数
6.3 抵抗変化型センサ
6.3.1 ひずみゲージの原理
6.3.2 ひずみゲージを利用した力計測
6.3.3 温度センサ
6.4 加速度センサ
6.4.1 加速度センサの基本原理
6.4.2 ひずみゲージ式加速度センサ
6.4.3 圧電型加速度センサ
6.4.4 ピエゾ抵抗型加速度センサ
6.4.5 静電容量型加速度センサ
6.5 光計測
6.5.1 光の性質とその利用
6.5.2 光を利用したセンシング
6.6 超音波センサ
6.7 RFID
6.8 画像計測
6.8.1 動画とは
6.8.2 画素とは
6.8.3 画像処理
6.9 オペアンプや差動増幅器の生体計測への応用例
6.9.1 生体電気信号とは
6.9.2 生体計測の問題点
6.9.3 筋電図計測回路の実例
6.10 複数のセンサを用いた計測
6.10.1 センサフュージョン
6.10.2 アクティブセンシング
引用・参考文献
索引

小坂 学

小坂 学(コサカ マナブ)

私の専門は「フィードバック制御」、その研究一筋30年以上になります。
 「フィードバック制御」とは機械に望ましい動きをさせる技術です。家電や自動車など多くの機械に、この技術が採用されています。フィードバック制御は、機械の脳に当たる部分と言えます。例えば、エアコンは室温に応じて空気を冷やしたり、暖めたりして室温を設定温度に保ちます。室温を計測し、それに基づいて室温を調節する仕組みがフィードバック制御です。2001年には、ダイキン工業との共同研究でエアコンのモータの回転を効率よく制御する装置の開発に成功しました。私は研究の醍醐味は、「自分で考え思いついたことによって、機械の性能が向上すること」にあると思います。
 研究者としての原点は、幼少期にテレビで見た「人造人間キカイダー」にあり、その登場人物、頭の内部にある「脳」が透けて見える「ハカイダー」にワクワクしました。また、「ルパン三世」に登場した、本体が巨大な「脳」である「マモー」にも引きつけられました。「脳」への興味は、高校生になると人工知能への興味となり、「機械が人間のように知能を持ち、いろいろなことができるようになるのだろうか」と考え、大学は工学部に進みました。
 大学の研究室配属では、制御工学研究室を選びました。これが機械の制御との出会いでした。ロボットが目標の位置でピタッと正確に停止するためには、動作の基となる「数学」が重要となることを学びました。「数学」によって機械の性能を高める、「フィードバック制御」に魅了されました。
 これまでの研究では、エアコン制御、モータ制御、油圧制御などに関わりました。2007年には、脳卒中や脊髄損傷によって麻痺が残った人の足に、電気刺激を与えて筋肉を収縮させ、つま先を強制的に持ち上げるシステムに対し、足首が曲がる角度を計測し、その結果に応じて刺激の強さを決めるフィードバック制御技術を考案しました。私は人の役に立つものを作ることに、大きな喜びを感じます。
 現在は、機械の性能を限界まで高めるフィードバック制御理論の構築を目指して、日々研究に取り組んでいます。