生体計測工学入門

生体計測工学入門

生体計測への応用を意識し,単位系,計測環境,センサ,信号の伝達・定量・増幅,情報の保存・表示等の工学的基礎を記述。形態,座標系,変形性,流体圧,流速,電気・磁気信号,生体感覚,死の判定,人工臓器の計測等について解説。

ジャンル
発行年月日
2000/04/07
判型
A5
ページ数
206ページ
ISBN
978-4-339-00720-6
生体計測工学入門
在庫あり

定価

2,860(本体2,600円+税)

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生体計測への応用を意識し,単位系,計測環境,センサ,信号の伝達・定量・増幅,情報の保存・表示等の工学的基礎を記述。形態,座標系,変形性,流体圧,流速,電気・磁気信号,生体感覚,死の判定,人工臓器の計測等について解説。

序文

本書は,学生向けの入門讃として曹かれたものである。内容は,著者が大学工学部1年生の計測の講義で取り扱っている事柄が,中心となっている。

生体工学や人工臓器のことに興味をもった学生から,何から勉強を始めたらよいかという質問を受けることが多い。その際,何でもいいから基礎となる学問を地道に修めてほしいと答えることになる。しかし,基礎のみの学習の単調さに耐えるのは,なかなかたいへんである。応用分野を意識しながら,基礎の学習を進めていくほうが効果的な場合がある。

本書では,生体計測を入門的に紹介しながら,生体に限らず,一般の計測に共通する基礎的な事柄を学習するという形式をとっている。1章では,計測の全体像を概観する。2章から9章では,生体計測への応用を意識しながら,計測システムの各要素について順番に工学的基礎を学習する。10章から15章では,生体計測を系統別に分類し,実例について学習する。順序を変えても学習できるように,参照箇所を明示した。章末の問題は,各章のポイントを確かめるのに活用してほしい。

生体の計測といっても,生体を構成する原子・分子レベルの計測から個体の集団レベルの計測まで,客観的な計測から感性のような主観的な計測まで,さまざまな計測がある。本書では,細胞より大きいレベルの客観的な計測を中心に,生体計測を工学的に理解することを目的としている。

例えば,人工臓器の分野では,生体の一部分を人工物で鷹き換えて,その機能を代行させる試みがなされている。こうした分野では,生体あるいは各器官が有している機能を工学的に計測できなければ,人工臓器をつくったり制御したりすることはできない。逆に,人工臓器を生体と接続する試みを通じて,生体の機能を従来とは異なる側面から計測していくことも可能になる。

本書は,将来,医療機器を扱う人や生体計測を研究する人のみを対象としているわけではない。生体関連の問題は自分自身を知ることでもあり,だれでも考えやすいものである。本書では,研究成果や解答を与えるという形よりも,問題点を指摘する形をとっている。本書を読むことによって,生体計測を工学的に工夫していくきっかけをつかみ,今後の学習の視野を広げていかれることを期待する。

なお,読者のなかには,電気,機械,化学,材料,システムなどの工学をはじめとして,医学,看護学などのさまざまな分野を専攻される方がいると思う。本書では,説明をできるだけ基礎的なレベルから始めるようにしたので,自己の専攻分野に関しては,さらに進んで,各専門書を参照されることを希望する。諸兄のご批判を賜れば幸いである。

2000年2月
著者

1章 計測と生体
 1.1 計測の構成要素
 1.2 単位系
  1.2.1 SI単位
  1.2.2 単位の書き方
  1.2.3 標準のトレーサビリティ-
 1.3 生体計測の特徴
 章末問題

2章 生体の信号
 2.1 信号の種類
 2.2 信号源への接近
 2.3 生命活動の特徴
 章末問題

3章 生体への刺激
 3.1 刺激の種類
 3.2 刺激の安定性
 3.3 生体への影響
 3.4 計測の環境
 章末問題

4章 生体信号の検出
 4.1 センサの種類
 4.2 センサと生体との境界
 4.3 信号に対する応答
  4.3.1 感度
  4.3.2 応答時間
 章末問題

5章 生体信号の伝達
 5.1 信号伝達における損失
  5.1.1 Q値
  5.1.2 プローブ
  5.1.3 表皮効果
  5.1.4 4端子法
 5.2 信号伝達における制御
 5.3 信号の転送
 章末問題

6章 生体信号の定量
 6.1 信号定量法の種類
 6.2 偏位法
  6.2.1 電気信号計器の動作原理
  6.2.2 電圧・電流計の内部抵抗
 6.3 差動法
  6.3.1 直流ブリッジ
  6.3.2 交流ブリッジ
  6.3.3 電位差計
 章末問題

7章 生体信号の調整
 7.1 信号調整の種類
  7.1.1 雑音の除去
  7.1.2 整流
  7.1.3 フィルタ処理
 7.2 測定範囲の拡大
  7.2.1 分流器
  7.2.2 倍率器
  7.2.3 測定条件変化分の補正
 7.3 信号の拡大
  7.3.1 信号の増幅
  7.3.2 デシベル
  7.3.3 部分拡大法
  7.3.4 信号の組合せ
  7.3.5 力率
 章末問題

8章 生体信号の保存
 8.1 アナログ量とディジタル量
 8.2 情報量
 8.3 情報の整理
 章末問題

9章 生体信号の表示
 9.1 誤差と平均値
  9.1.1 誤差の伝ぱ
  9.1.2 有効数字
  9.1.3 計器の等級
  9.1.4 平均値
 9.2 多現象表示
 9.3 表示の認識
  9.3.1 表示法
  9.3.2 報告書
 章末問題

10章 生体における形態の計測
 10.1 座標系
 10.2 表面形態
 10.3 深部形態
  10.3.1 内視鏡
  10.3.2 超音波
  10.3.3 X線
 章末問題

11章 生体における物性の計測
 11.1 密度・濃度
 11.2 変形性・摩擦
 11.3 破壊強度
 章末問題

12章 生体における音,流れの計測
 12.1 音波
 12.2 流体圧
 12.3 流速・流量
 章末問題

13章 生体における電気,磁気の計測
 13.1 導電性
 13.2 電気信号
 13.3 磁気信号
 章末問題

14章 生体反応の計測
 14.1 生体反応の特徴
 14.2 生体感覚の計測
 14.3 生体の変化の計測
  14.3.1 物性変化
  14.3.2 時間経過に伴う反応
  14.3.3 生命の計測
 14.4 生体を利用した計測
 章末問題

15章 人工臓器の計測
 15.1 人工臓器の種類
 15.2 人工臓器の生体との関係
 15.3 人工臓器の制御と計測
 章末問題

問題解答例
索引