化学系学生にわかりやすい 電気化学

化学系学生にわかりやすい 電気化学

電気化学の基礎から,電気化学測定法,腐食と防食,工業電解,表面処理,光電気化学他,広範にわたる電気化学の応用を解説。

ジャンル
発行年月日
2019/10/03
判型
A5
ページ数
176ページ
ISBN
978-4-339-06649-4
化学系学生にわかりやすい 電気化学
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定価

2,530(本体2,300円+税)

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電気化学は,物理化学において化学熱力学,化学平衡論および化学反応速度論とともに重要な領域を占めており,さらに現在では,電池,エレクトロニクス,工業電解,腐食・防食,表面処理,電気化学計測分野の発展とともに多くの研究者・技術者らが興味を持って研究している分野でもある。このような広範にわたる電気化学の基礎から応用を一人で執筆することはとても難しいため,執筆者3 名がそれぞれの得意分野や講義している分野をもとに分担執筆し,以下の構成とした。

1章「電気化学の基礎」では,電気化学の位置づけ,歴史および取り扱う分野から始まり,電気分解,溶液の電気伝導,電池,電極電位,さらには電気化学平衡論および電極反応速度論について詳説する。
2章「電気化学の応用」では,電気化学がどのように応用されるかということとともに,それらがどのような現象に基づいているのかについて学んでいくことを目標とし,電気化学測定法,腐食,工業電解,表面処理,エレクトロニクス,バイオエレクトロケミストリー,光電気化学,電気分析化学,エネルギー変換デバイス,有機および高分子化学での広範囲における電気化学の応用を紹介している。

本書の特徴は,電気化学の基礎から測定法,応用まですべて網羅していることである。また,読者の理解の一助となるよう,各章の序論に内容の体系を示す表を設け,各項の冒頭にはその項の要旨を掲載している。さらに,本書の本文ページの見開き両端には〔memo〕欄を設けている。本書で電気化学を学ぶ読者の方々は,関連・補足事項や自分で気がついた点などを是非この〔memo〕欄にどんどん書き込みしていただき,本書を自分だけの電気化学のノートとして仕上げていただくことをお勧めする。

本書は,大学の学部・大学院で電気化学およびその関連科目について講義している井手本,板垣および湯浅が,電気化学を学ぶ学生諸氏のために書いたものである。電気化学は,物理化学において化学熱力学,化学平衡論および化学反応速度論とともに重要な領域を占めており,さらに現在では,電池,エレクトロニクス,工業電解,腐食・防食,表面処理,電気化学計測分野の発展とともに多くの研究者・技術者らが興味を持って研究している分野でもある。このような広範にわたる電気化学の基礎から応用を一人で執筆することはとても難しいため,執筆者3名がそれぞれの得意分野や講義している分野をもとに分担して執筆している。

本書の特徴は,電気化学の基礎から測定法,応用まですべて網羅していることである。1章では,電気化学の基礎と題して,電気化学の位置づけ,歴史および取り扱う分野から始まり,電気分解,溶液の電気伝導,電池,電極電位,さらには電気化学平衡論および電極反応速度論について紹介している。さらに2章では,電気化学測定法,腐食,工業電解,表面処理,エレクトロニクス,バイオエレクトロケミストリー,光電気化学,電気分析化学,エネルギー変換デバイス,有機および高分子化学での広範囲における電気化学の応用を紹介している。

本書には読者の理解の一助となるよう,各章の序論に内容の体系を示す表を設け,各項の冒頭にはその項の要旨を掲載している。また,本書の本文ページの見開き両端には〔memo〕欄を設けている。本書で電気化学を学ぶ学生諸氏は,関連・補足事項や自分で気がついた点などを是非この〔memo〕欄にどんどん書き込みしていただき,本書を自分だけの電気化学のノートとして仕上げていただくことをお勧めする。学生諸氏には電気化学を興味深く理解し,本書を長きにわたって電気化学の参考書として利用していただければ幸いである。

本書の執筆に当たり,企画の段階から内容の検討など,刊行に至るまで,コロナ社の皆様に多くの助言をいただいた。コロナ社の関係諸氏に心より感謝申し上げる次第である。
2019年8月
井手本 康 
板垣 昌幸 
湯浅  真

1. 電気化学の基礎
1.1 序論
1.2 電気分解
 1.2.1 電気分解とは
 1.2.2 電気分解の歴史
 1.2.3 電気分解の方法,実験など
 1.2.4 電気分解の将来
 1.2.5 電気化学反応
 1.2.6 ファラデーの法則
 1.2.7 電流効率
 1.2.8 電流密度
 1.2.9 電量計
1.3 溶液の電気伝導
 1.3.1 電気伝導とは
 1.3.2 電気伝導におけるパラメーター
 1.3.3 電気伝導度の測定法
 1.3.4 当量導電率
1.4 電池と電気化学平衡
 1.4.1 電池の起電力
 1.4.2 標準電池
 1.4.3 不可逆電池と可逆電池
1.5 電極電位
 1.5.1 化学ポテンシャルと電気化学ポテンシャル
 1.5.2 電極電位の尺度
 1.5.3 電極電位の規約
 1.5.4 標準電極電位
 1.5.5 単極(電極)電位の測定
 1.5.6 参照電極
1.6 電極反応速度論
 1.6.1 電極反応速度
 1.6.2 電極反応の素過程
 1.6.3 分極と過電圧
 1.6.4 過電圧の測定法
 1.6.5 分極曲線
 1.6.6 抵抗過電圧
 1.6.7 濃度過電圧
 1.6.8 活性化過電圧
 1.6.9 過電圧のまとめ
演習問題

2. 電気化学の応用
2.1 序論
2.2 電気化学測定法
 2.2.1 電気化学セル(二電極法,三電極法)
 2.2.2 作用極
 2.2.3 対極
 2.2.4 参照電極
 2.2.5 ポテンシオスタットとガルバノスタット
 2.2.6 さまざまな電気化学測定法
 2.2.7 クロノアンペロメトリー
 2.2.8 ボルタンメトリー
 2.2.9 電気化学インピーダンス法
2.3 腐食
 2.3.1 金属材料と環境
 2.3.2 電位-pH図
 2.3.3 平衡電位と混成電極電位
 2.3.4 腐食電流の決定法
 2.3.5 電気化学インピーダンス法による腐食電流の決定
 2.3.6 全面腐食と局部腐食
2.4 工業電解プロセス
 2.4.1 工業電解プロセスとは
 2.4.2 重要なNaCl水溶液電解プロセスとその技術革新
 2.4.3 アルミニウム溶融塩工業電解の新規な検討
2.5 表面処理と機能化
 2.5.1 さまざまな表面処理と期待される機能
 2.5.2 電気めっき
 2.5.3 無電解めっき
 2.5.4 陽極酸化
 2.5.5 化成処理
2.6 エレクトロニクスと電気化学
 2.6.1 半導体デバイスと電気電子材料
 2.6.2 注目される磁気記録材料,表示材料
2.7 バイオエレクトロケミストリー
 2.7.1 電気化学と生物のかかわり:バイオエレクトロケミストリーの始まり
 2.7.2 各種の細胞と電気化学
 2.7.3 生体表面での電気的現象とその医療分野への応用
 2.7.4 生体でのエネルギー変換
 2.7.5 生体系での電気化学
 2.7.6 葉緑体の電気化学
 2.7.7 生物電気化学計測
 2.7.8 サイボーグテクノロジー
 2.7.9 生物電池
 2.7.10 人工神経回路
2.8 光電気化学
 2.8.1 光電気化学とは
 2.8.2 太陽とそのエネルギー
 2.8.3 太陽電池
2.9 電気化学分析
 2.9.1 電気化学分析とは
 2.9.2 イオンセンサー
 2.9.3 活性酸素センサー
 2.9.4 バイオセンサー
 2.9.5 電位,電圧,電流密度などの二次元分析
2.10 エネルギー変換デバイス
 2.10.1 エネルギー変換デバイスとは
 2.10.2 一次電池
 2.10.3 二次電池
 2.10.4 燃料電池
2.11 有機化学と高分子化学における電気化学
 2.11.1 有機電解合成および高分子電解重合
 2.11.2 scCO2環境における合成
 2.11.3 scCO2環境で得られる導電性高分子
 2.11.4 得られた導電性高分子ナノ粒子
 2.11.5 得られた導電性高分子ナノ粒子含有薄膜
演習問題

引用・参考文献
演習問題解答例
索引

板垣 昌幸(イタガキ マサユキ)

掲載日:2021/02/17

「現代化学」2021年3月号広告

掲載日:2019/10/01

月刊「化学」2019年10月号広告