SOLIDWORKSによるCAE教室 - 構造解析/振動解析/伝熱解析 -

SOLIDWORKSによるCAE教室 - 構造解析/振動解析/伝熱解析 -

機械系の4力(材料力学,機械力学,流体力学,熱力学)理解のためのCAEによる解析

ジャンル
発行年月日
2020/03/25
判型
B5
ページ数
206ページ
ISBN
978-4-339-04666-3
SOLIDWORKSによるCAE教室 - 構造解析/振動解析/伝熱解析 -
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定価

3,630(本体3,300円+税)

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 近年、製品開発競争のグロバーバル化により、その技術は高度化、低コスト化、開発期間短縮化になる傾向にあります。そのため大手企業のみならず中小企業でも、ものづくりにシミュレーション技術を用いる企業が年々増加しています。それに伴い、シミュレーション技術を活用できる人材育成も急務になっています。
 本書は大学のCAE(computer aided engineering)の講義で行なう資料を教科書としてまとめたものになります。CAEをはじめて操作する学生向けに本書を作成しました。本書は大学の15回(1コマ90分)の講義を想定し、全15章から構成されています。90分の講義および自習で学習できる内容になっています。
 これまでのCAEの教育は、CAEの本質を理解するため、主にソフトウェアのアルゴリズムや高度な数学的な手法の解説が主でした。本書は、そのような掲載を極力避け、CAEの基本的な操作や、CAEによる解析結果がなにを意味しているかに注力しました。一般にCAEソフトは製品の改善や改良などに用いますが、本書は座学で勉強する基礎理論(材料力学,機械力学,伝熱工学)を理解するため、CAEによる解析を実施しています。

大学で機械工学の分野を専攻すると,2年生あたりから,材料力学,機械力学(振動工学),流体力学,熱力学(伝熱工学)からなる4力などの聞きなれない言葉が講義で飛び交うようになります.教科書を見ると,これらの概念が理路整然とした理論式でまとめられているのですが,このような式が結局のところ,何を意味しているのか,よく理解できずに苦しむ学生を多く見かけます.教える側の教員は,教科書にある挿絵を見せながら,どのような現象かを説明しますが,なかなか学生の理解が得られません.例えば,機械力学(振動工学)の重要なキーワードに固有振動モードという言葉があります.教科書をみると,必ず梁の振動モードの説明があり,梁のどこが節でどこが腹か?(節は動きがない位置を示し,腹は最も揺れ動く位置)などの詳細な説明があります.しかし,教科書の挿絵(静止した絵)を見ながらの講義では,学生の反応はいまひとつであることが多いように感じられます.

本書の作成のきっかけは2015年ごろで,新カリュキュラムにCAE教育を取り入れたいとの教室会議での議論でした.企業でのCAEの役割は“試作や試験の回数を減らして開発コストを削減すること”でした.著者が企業で勤務した20年くらい前は,“CAEソフトの使い勝手が悪い”,“何をやっているかわからない”など,設計現場からのクレームが多く,CAEソフトを設計に役立てる企業は一部に限られていたように思います.また,著者が大学に入学した時代は1990年代であり,当時はパソコンやCAEソフトといったものはありましたが,非常に高価で一般の学生がすぐに入手できるといったものではありませんでした.しかし2020年現在において,20年前のCAEソフトウェアと比較し,思った以上にSOLIDWORKSの操作性が向上し,学部学生でも難なく使いこなせることがよくわかりました.またCAEソフトは非常に安価(もしくはフリー)になり,さまざまなセミナー(CAE懇話会:http://www.cae21.org/)や,CAE技術者資格認定(https://www.jsme.or.jp/cee/)などが整備されたのも相まって,近年,企業への導入がますます加速しています.企業採用担当者との会話などを通し,著者がイメージする20年前のCAEとまったく状況が異なっていることがよくわかりました.このようなCAEを取り巻く社会背景の中,CAEソフトを利用し,この4力を学生にスムーズに理解させることができないかと考えるようになりました.

CAEソフトがすばらしいのは,グラフィカルな可視化により,どのような物理現象が生じるか,何となくですが,直観的に見てわかるところです.また,CAEソフトを用いた演習系の授業であれば,形状やメッシュ,もしくは解析結果のグラフなどを作成する作業が必要になります.それらの作業を通し,座学による講義では集中力が維持できない学生が4力に興味を持ってくれるのではないかと期待し,本書を執筆しました.一般にCAEソフトは製品の改善や改良などに用います.本書では座学で勉強する理論を理解するため,CAEによる解析を実施している点が大きく異なります.そのため,実機形状などの複雑な形状の解析は行いません.円柱や長方形などの簡易形状を対象にFEM解析を行います.それらの解析結果の理解を深めてもらうため,解析結果を必ず,理論値と比較します.

本来ならば,理論を実証するために実験を通して計測する方法が一般的で,中学校などでは実験を行うことが義務付けられています.中学校で実施する実験は限定的な簡易実験であるため,限られた時間内で実施することができます.一方で大学は,幅広い分野で内容も高度であるため,限られた時間内で,教科書記載の理論式を1つ1つ実験で実証する時間はありません.しかしCAE機能を駆使すれば,実験器具を用いずに,短時間で簡単に美しいアニメーションやコンター図で4力の物理現象を再現できます.このような実験をCAEで実施したいということで,本書のタイトルをCAE教室としてみました.

ソフトウェアとしてSOLIDWORKSを用いた理由は,教育機関であれば非常に安価な価格設定であるからです.CAEのみならず,CADのマニュアルも豊富でユーザー数も多く,使い勝手がよいためです.また2018年においてはSOLIDWORKSにCAM機能が搭載されました.そのためSOLIDWORKSは,2次元図面,3次元図面,解析・シミュレーション・評価,機械工作までの作業を一貫して実施できるCAD/CAM/CAEソフトウェアになりました.すべてSOLIDWORKSにて実施できるということは,煩雑な操作方法の学習時間を軽減し,効率的にCAD/CAM/CAEの本質について学生への教育を施すことが可能であることを意味します.SOLIDWORKSは,CAE初心者が取り組みやすいソフトだと思います.煩雑なパラメータの設定を必要とせず,SOLIDWORKSがすべて自動的に処理します.そのため必要最低限の操作手順さえ行えば,何かしらの結果が得られます.ただし一方でSOLIDWORKSのデメリットもあり,解析ができないものもあります.例えば,衝突解析はできません.すでに部材と部材が接触しているような接触解析については,解析可能です.しかし,初期状態において,部材と部材が接触しておらず,時間が経過した後に,それらの部材がたがいに衝突し,接触するような弾塑性解析をSOLIDWORKSで実施することはできません.また大規模並列解析などの機能がないため,計算精度の向上にも限界があります.実際のものづくりの開発現場で用いられる高機能CAEソフトについて,参考までにいくつか挙げておきます.
ANSYS, Nastran, Marc, LS-DYNA, ABAQUS, Altair RADIOSS
本書を通して,一人でもCAEの分野に興味を持ってもらい,CAEの普及促進の一助になればと思っています.CAE教育においてソフトウェアの使い方に終始するのではなく,各種力学の知識の重要性を前提に,シミュレーションを体感しながら,知識の定着を図るというコンセプトを理解し,本書出版に尽力いただきましたコロナ社に感謝申し上げます.
2020年1月 篠原主勲

1.CAE
1.1 CAEとは
1.2 CAE専門用語
 1.2.1 FEM
 1.2.2 メッシュ
 1.2.3 節点と要素
1.3 なぜ相対誤差が生じるのか?
1.4 ベクトルと行列

2.共通操作
2.1 マウス操作
2.2 プリントスクリーン
2.3 SOLIDWORKSの画面構成
2.4 メニューバー
2.5 CommandManagerメニューバー
2.6 ビューツールバー
2.7 共通操作

3.引張り(線形静解析)
3.1 円柱の引張り
3.2 応力とひずみ
3.3 静解析(線形静解析)
3.4 線形静解析による円柱の引張りを解析してみましょう
3.5 操作手順
3.6 課題解答例

4.引張り(非線形静解析)
4.1 材料非線形解析による円柱の引張り
4.2 非線形解析
4.3 線形と非線形
4.4 陽関数と陰関数
4.5 材料非線形の計算
4.6 非線形静解析による円柱の引張りを解析してみましょう
4.7 操作手順
4.8 課題解答例

5.梁のたわみ(線形静解析)
5.1 梁のたわみ
5.2 梁のたわみの理論
5.3 梁のたわみや曲げ応力を求めてみましょう
5.4 操作手順
5.5 課題解答例

6.円柱のねじり(線形静解析)
6.1 円柱のねじり
6.2 ねじり応力の理論
6.3 ねじり応力と最大主応力
6.4 円柱のねじり応力とねじり角を求めてみましょう
6.5 操作手順
6.6 課題解答例

7.ばね(線形静解析)
7.1 ばね
7.2 ばねの理論
 7.2.1 ばね断面に負荷するせん断応力
 7.2.2 ばねの伸び
7.3 ばねのせん断応力および伸び量を求めてみましょう
7.4 操作手順
7.5 課題解答例

8.ヘルツ接触応力(非線形静解析)
8.1 接触解析
8.2 ヘルツ接触理論
 8.2.1 球と球が接触している状態
 8.2.2 球と板が接触している状態
 8.2.3 円柱と円柱,円柱と板が接触している状態
8.3 接触する構造物を解析してみましょう
8.4 操作手順
8.5 課題解答例
8.6 付録(メッシュサイズの調整)

9.一自由度系の振動(過渡応答解析)
9.1 振動解析
9.2 線形動解析
9.3 一自由度系の減衰自由振動
9.4 減衰がない一自由度系の振動
9.5 減衰係数の求め方
9.6 ばね定数の求め方
9.7 一自由度系の自由振動を解析してみましょう
9.8 操作手順
9.9 課題解答例

10.一自由度系の振動(周波数応答解析)
10.1 周波数応答解析
10.2 一自由度系の減衰強制振動
10.3 一自由度系の強制振動の減衰の求め方
10.4 一自由度系の周波数応答を解析してみましょう
10.5 操作手順
10.6 課題解答例

11.梁の振動(線形動解析)
11.1 梁の振動解析
11.2 梁の固有振動数
11.3 梁の振動を解析してみましょう
11.4 操作手順
11.5 課題解答例

12.円環の振動(線形動解析)
12.1 円環の振動解析
12.2 円環の固有振動数
12.3 円環の振動を解析してみましょう
12.4 操作手順
12.5 課題解答例

13.斜面を滑る物体の運動(非線形動解析)
13.1 非線形動解析
13.2 斜面上を滑る物体の運動方程式
13.3 斜面を滑る物体の解析モデルを作成してみましょう
13.4 操作手順
13.5 課題解答例

14.熱の伝わり方(伝熱解析)
14.1 伝熱解析
14.2 3次元伝熱解析における支配方程式
14.3 熱伝導率(フーリエの法則)
14.4 熱伝達率(ニュートンの冷却の法則)
14.5 窓ガラスの解析モデルを作成してみましょう
14.6 操作手順
14.7 課題解答例

15.熱応力(構造-熱連成解析)
15.1 熱応力
15.2 構造-熱の連成解析
15.3 熱応力の定式化
15.4 三層帯板
15.5 三層帯板の解析モデルを作成してみましょう
15.6 操作手順
15.7 課題解答例

索引

篠原 主勲

篠原 主勲(シノハラ カズノリ)

日刊工業新聞 技術科学図書(2020年8月28日) 掲載日:2020/08/28

掲載日:2020/05/11

「月刊 トライボロジー」2020年5月号広告

掲載日:2020/05/08

「日本機械学会誌」2020年5月号広告

掲載日:2020/04/23

日刊工業新聞広告掲載(2020年4月23日)