理工系学生のための キャリアナビゲーション - 就職活動準備ワークブック -

理工系学生のための キャリアナビゲーション - 就職活動準備ワークブック -

様々な資料や図解を交えキャリアの考え方を話し口調で平易に解説。キャリアについて再考したい社会人,教育に携わる指導者にも最適。

ジャンル
発行年月日
2018/09/27
判型
A5
ページ数
136ページ
ISBN
978-4-339-07819-0
理工系学生のための キャリアナビゲーション - 就職活動準備ワークブック -
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定価

1,980(本体1,800円+税)

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歩む道や生き方は皆違うからこそ自分の責任で選択をしなければならない。本書は様々な資料や図解を交えキャリアの考え方を話し口調で平易に解説。キャリアについて再考したい社会人,キャリア教育とは何かを考える指導者にも最適。

いまでこそ,多くの大学でキャリア教育が導入されていますが,何十年も前,私が大学生のときには,キャリア教育という言葉すらありませんでした。

企業人から大学人として,大学教育に関わるようになって,キャリア教育とはなにか,キャリア教育は本当に必要なのか,学生のみなさんにとっての意義はなんだろうか,大学教育におけるキャリア教育が目指すものはなにかということを自分なりに考えてきました。
『理工系学生のためのキャリアナビゲーション』は,工学院大学ほか,さまざまな大学での「キャリアデザイン」の講義や講座で,話をした内容をまとめたものです。講義録に近いもののため,ニュアンスが伝わるように,話し口調で書かれています。キャリア論をベースに,自分の社会人経験を照らし合わせ,試行錯誤しながら,学生にとっての意味を伝えてきたもので,就活スキル本ではありません。キャリアについての考え方や就職活動における考え方を理解するために使ってください。就職活動における詳しいスキルを知りたい人は,インターネットに数多くの情報が掲載され,書店に多くの参考書が並べられていますのでそちらを参照してください。

キャリアには正解がないといいますが,キャリア論は普遍であっても,解釈は人によりさまざまです。どう考えるかは,人それぞれです。キャリア論を理解するうえで大事なことは,キャリア発達論の前提となっている考え方です。人間はひとりひとりがかけがえのない存在であり,ひとりひとりが生きる価値がある存在であるということです。人が歩む道や生き方はひとりひとり違います。だからこそ,自分の人生,歩むのは自分の責任であり,自分で自分の道を選ばないといけないということです。これを読んだみなさんにとって,自分のキャリアについて考えるうえで,少しでも役立てていただけることを願っています。学生のみなさんに向けての言葉ですが,社会に出たばかりのみなさんで,あらためて自分のキャリアについて考えていこうとされる方にもこのような考え方もあるのだということで,参考の一つにしていただければと思っています。また,大学にとってのキャリア教育とはなにかを考えている大学人のみなさんにもご一読いただき,ご意見いただけましたら幸いです。

それでは,これからキャリアについて考えをめぐらせていきましょう。

2018年7月 二上武生

1. 「キャリア」について考える
1.1 夢ややりたいことがないのは悪いことなのか?
1.2 「キャリア」にアップもダウンもない
1.3 「キャリア」は「デザイン」できない
1.4 「キャリア自律」とは
1.5 生涯にわたって「キャリア選択」をしていくこと
理論編
 1.キャリア
 2.キャリア発達論
 3.キャリア・アダプタビリティ
 4.計画的偶発性理論
 5.日本型キャリア「筏下りと山登り」
 6.キャリア自律
 7.自律的キャリア形成
 8.ジャック・ウェルチの名言

2. 「キャリア選択」について考える
2.1 「キャリア選択」は「興味・関心」「価値観」「能力」から考える
2.2 「やりたいこと」が見つからなかったら「できること」から考える
2.3 選択に「意味づけ」する
理論編
 1.パーソンズ:職業選択理論
 2.ホランド:パーソナリティタイプ(1)
 3.ロー:パーソナリティタイプ(2)
 4. シャイン:キャリア・アンカー
 5.バンデューラ:自己効力感
 6.ジェラット:意思決定理論

3. 「キャリア教育」について考える
3.1 「キャリア教育」とは就職活動のためのもの?
3.2 「キャリア教育」とは社会に出る準備をするためのキッカケ
理論編
 1.米国の「キャリア教育」の登場
 2.わが国における「キャリア教育」の経緯
 3.「キャリア教育」の義務化
 4.「キャリア教育」「職業教育」の定義

4. 「普段の生活で必要なこと」について考える
4.1 「キャリア開発」すること
4.2 「社会人基礎力」とは
4.3 大学生活でできるようにすること―あたり前のことをあたり前にやり続ける―
4.4 雇われ続ける力―人と関わる力―
4.5 能力開発には「自己目的的な態度」
理論編
 1.OECD:キー・コンピテンシー(主要能力)
 2.企業が求める人材像
 3.文部科学省:学士力,経済産業省:社会人基礎力
 4.社会的・職業的自立や社会・職業への円滑な移行に必要な力
 5.企業が採用選考時に重視する要素
 6.企業が求める人材
 7.採用に際して大学生に期待する素質・態度,知識・能力
 8.企業が採用選考時に重視する要素
 9.エンプロイアビリティ
 10.若者の早期離職の理由

5. 「世の中に目を向けること」について考える
5.1 キャリア選択は「自己理解」と「社会理解」から
5.2 「社会貢献する」とはボランティアやNPOだけなのか
5.3 専門分野と社会とのつながりについて考える
理論編
 1.厚生労働省:若者の意識に関する調査(2013)
 2.渋沢栄一:論語と算盤

6. 「就職活動」について考える
6.1 就活ノウハウを気にする前に
6.2 就職活動にのぞむにあたって
 6.2.1 大学で養うべき力
 6.2.2 就職活動にのぞむ基本スタンス
6.3 就職活動でやるべきこと
 6.3.1 「就職活動スケジュール」をおさえよう
 6.3.2 「インターンシップ」をおさえよう
 6.3.3 「就活ロールモデル」をおさえよう
 6.3.4 「業界・業種」をおさえよう
 6.3.5 「職種」をおさえよう
 6.3.6 「求められる人材像」をおさえよう
 6.3.7 「コミュニケーション能力」とは
 6.3.8 「チームワーク」とは
6.4 就職活動準備はなにをすればよい?
 6.4.1 質の高い経験
 6.4.2 世の中に目を向ける
 6.4.3 就活スキル編
6.5 大学院卒業後の就職
 6.5.1 大学院卒業生に求められること
 6.5.2 大学院進学で迷っている人
6.6 まとめ
理論編
 マズロー:欲求階層説

あとがきに代えて
引用・参考文献
索引

二上 武生(ニカミ タケオ)