これなら書ける!特許出願のポイント 研究開発を経験した大学教授と弁理士が語る

これなら書ける!特許出願のポイント - 研究開発を経験した大学教授と弁理士が語る -

  • 涌井 伸二 東京農工大大学院教授 博士(工学)
  • 金子 宏 東京金子特許事務所所長

工学系学生や若い技術者が,はじめて特許出願書類を書こうとするときの導入書。それぞれに研究開発を経験し,実際に特許出願を行ってきた大学教授と弁理士が,互いの経験をもとに実践的な特許出願への取り組みをわかりやすく解説。

ジャンル
発行年月日
2011/12/28
判型
A5
ページ数
160ページ
ISBN
978-4-339-07794-0
  • 内容紹介
  • 目次
  • 著者紹介
  • 書籍紹介・書評掲載情報

【書籍の特徴】
工学部の講義科目あるいは新卒技術者の新人社員教育には,特許が含まれている。前者の学生達は,研究技術者になったとき特許を勉強すればよいと思う。そのため履修者数は多くない。後者の新人技術者の場合,これから実務に就くのであって,この修得に優先順次があると考える。そのため,単位数を稼ぐために履修した学生達と新人教育を受ける初級技術者の両者の場合,特許条文の解説に終始した講義・研修は面白味にかけると感じる。講師の特許に関する知識伝授は,受講者にとっては素通り状態となる。そのため,いざ明細書を執筆するとき,学生時代に単位を取得した特許の講義はほぼ役に立たない。研究技術者の場合だって同様だ。研修では「特許出願から20年で特許権は消滅する」という講義を受けたことは覚えているものの.いままさにモータの制御装置に関する明細書を書いているとき,このような知識は全く役にたたない。
 本書では,工学部学生が,特許出願を意識して数々の科目を履修していく楽しみを述べている。同様に,新人技術者にあっては,日々の,なんと失敗を含めた研究開発のなかに,特許出願のネタがごろごろと転がっていると主張している。このような記載が本書の最大の特徴となっている。なお,特許条文の解釈に過誤があってはならない。そのため弁理士の先生が共著になっている。
【各章について】
1章では,国際的にみて日本の技術開発の状況は,「前門の虎,後門の狼」のごとく逼迫していることを説明している。2章では,ごくたまには化けて大儲けにつながる特許の面白さを説明している。3章では,特許が重要視されている社会的背景を,例えば特許侵害訴訟の具体的事件を使って説明している。4章では,実務に携わる研究開発者が知っておきたい最低限の条文を示し解説している。具体的に,法の精神をうたう第1条,発明の定義を行う第2条,そして特許の資格を定める第29条などである。5章では,明細書を記述するときの留意点を述べている。この留意点を守って記載した。つまり,自信満々の特許出願をしたにも関わらず拒絶査定となることに意気消沈してはならない。6章では,特許出願とその後の処理について説明している。7章では,一匹狼的に,特許のアイディアの捻出から,実際の出願まで行ってもよいが,衆知を集めて出願に結び付ける仕掛けを説明している
【著者からのメッセージ】
特許明細書は,権利文章と技術文書の二つの特徴を合わせ備えねばならない。そのため多少読みにくい。しかるに,この記載内容は,研究技術開発にとって宝の宝庫である。他人のアイディアに触発されて,自身のアイディアをより高度化できる。つまり,原石を見つけだし,それを磨き上げればよいのである。玉磨かざれば光なし。

1. 序論
1.1 前門の虎,後門の狼
1.2 エンジニアの魅力
1.3 特許とは
1.4 特許教育の実態
1.5 本書の目的

2. 特許の面白さ
2.1 氷山の一角ではあるが儲けた話
2.2 ばける特許の話(その1)
2.3 ばける特許の話(その2)
2.4 研究開発者としての力量強化

3. 特許をめぐる世の中の動き
3.1 意識面の施策
3.2 プロパテント時代
3.3 職務発明事件
3.4 特許侵害訴訟
3.5 サブマリーン特許
3.6 ビジネスモデル(BM)特許
3.7 技術移転機関(TLO)
3.8 大学人の意識変化

4. 知っておきたい特許法の条文
4.1 工業所有権制度
4.2 法の精神をうたう第1条
4.3 発明の定義を行う第2条
4.4 第1条と第2条の理解のための関連条文
4.4.1 発明の「実施」を独占すると定める第68条
4.4.2 第68条を強固にする独占禁止法第21条
4.4.3 他社の実施を止められる第100条
4.5 特許の資格を定める第29条
4.6 論文を量産する研究者が知るべき第30条
4.7 仕事としての発明は第35条
4.8 発明は書面にせねばならない第36条
4.9 補正の要件を定める第17条の2

5. 特許出願書類の書き方
5.1 権利文書と技術文書
5.2 特許出願書類の記載項目
5.3 記載項目の詳細
5.3.1 「特許請求の範囲」の記載
5.3.2 「明細書」の記載
5.3.3 「図面」の記載
5.4 具体的な記述内容の留意点
5.4.1 数式・化学式の記載
5.4.2 方法の記載
5.4.3 多用するフレーズ
5.5 特許出願書類の書き方四つ

6. 特許出願とその後の処理
6.1 特許出願後の処理
6.1.1 審査請求
6.1.2 特許庁の審査
6.1.3 意見書・補正書提出
6.2 拒絶理由通知への対応
6.2.1 拒絶理由通知
6.2.2 拒絶理由通知への対応の方針
6.2.3  補正
6.2.4 第29条第2項による拒絶理由通知の対応
6.3 外国への出願
6.3.1 外国出願の基礎
6.3.2 日本出願書類の基礎となる留意点

7. アイデア発掘
7.1 出願の場面
7.2 アイデア会議
7.3 パテントマップ
7.4 研究開発者の日頃の行動
7.5 インターネットの活用

引用・参考文献
おわりに
索引

金子 宏(カネコ ヒロシ)

「Electoronic Journal」 2012年2月号

「Book Review」欄に当書籍の書評が掲載されました。

特許出願は研究開発の重要な成果発表の場であると同時に、技術者にとって重荷にも成り得る作業である。本書は、実際に特許出願を行った大学教授と弁理士が、その経験を基に特許出願の実践的なポイントをわかりやすく解説している。特許とは何かといった基礎や特許をめぐる世の中の動きを概観した後、特許の条文、出願書類の書き方、出願とその後の処理やアイデア発掘に至るまで、様々な角度から特許出願をサポートしてくれる。特に、学生や若い研究者に向けて書かれており、初めて出願書類を書こうとする読者に最適な入門書である。

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日刊工業新聞2012年2月23日 「話題の本」

肩、肘張らずに特許を書く方法とは?日常のアイデアを強い特許にするには?大学教授と弁理士のタッグだからなるほど納得。特許出願のノルマを課された若い技術者を救う1冊です。(営業担当Y)

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