
エイジングと日常生活
急速な少子高齢化の進展に見られる構造変動や介護保険・年金などの制度改革といったマクロな時代状況を背景にして,今日のエイジングの問題を家族・介護・健康・生き方・孤独といった日常的な視点から論じた五つの論考から成る。
- 発行年月日
- 2003/11/28
- 判型
- B6 上製
- ページ数
- 184ページ
- ISBN
- 978-4-339-07837-4
- 内容紹介
- 目次
急速な少子高齢化の進展に見られる構造変動や介護保険・年金などの制度改革といったマクロな時代状況を背景にして,今日のエイジングの問題を家族・介護・健康・生き方・孤独といった日常的な視点から論じた五つの論考から成る。
目 次
1 高齢者介護問題からみる現代家族の変容――後期親子関係と介護
〔1〕は じ め に 1
〔2〕わが国における高齢者と家族 3
〔3〕「晩年型同居」と家族規範 7
〔4〕高齢者介護と世代 14
〔5〕近代家族とケア 20
〔6〕お わ り に 25
2 ジェンダーと家族介護――グループ・インタビューにみる男女の介護意識
〔1〕は じ め に 29
〔2〕グループ・インタビューの概要 32
〔3〕グループ・インタビューにみる男女の介護意識 35
(a)実際の介護者は女性 35
(b)なぜ女性が介護役割を担うのか 36
(c)七 十 代 女 性 39
(d)六 十 代 女 性 42
(e)五 十 代 女 性 45
(f)男 性 介 護 者 47
(g)将来の介護への希望――家族介護の限界と女性に対する期待 51
〔4〕お わ り に 55
3 生の肯定――高齢社会の健康
〔1〕は じ め に 60
〔2〕健康をめぐる現況 61
〔3〕健康とはなにか 66
〔4〕健康生成論と首尾一貫感覚 69
〔5〕「物語としての自己」と健康 76
〔6〕物 語 を 読 む 80
〔7〕おわりに――生の肯定 89
4 高齢者にとっての移動――高齢社会の選択肢
〔1〕は じ め に 92
〔2〕意外に多い高齢者の転居 94
(a)これまでの「移住」についての考え方 94
(b)移動する高齢者 96
〔3〕「呼び寄せ高齢者」 99
〔4〕「定年帰農」は終の棲み家か?――地方移住者の陥穽 103
(a)一九五五年の高齢者の田舎暮らし 103
(b)年をとってから本当に田舎暮らしをしていいのか? 107
〔5〕「介護移住」という移動 112
〔6〕「アメニティ・ムーバー」 116
〔7〕結局は地域福祉の充実いかんの問題でもある 118
5 高齢者の自殺とコミュニケーション過程
――死(自殺)に関するコミュニケーションの活性化を
〔1〕高齢者自殺大国日本 122
〔2〕自殺に関するコミュニケーション論 125
(a)自殺とコミュニケーション 125
(b)自殺におけるPUSHPULL要因 127
〔3〕自殺の社会的側面と個人的な側面 129
(a)デュルケムの自殺類型と高齢者の自殺 129
(b)自殺と自己決定、行為論的な側面 132
〔4〕自殺における文化的背景 133
(a)コミュニケーション過程の前提としての文化 133
(b)日本における文化的要因 134
(c)戦 争 と 自 殺 136
〔5〕自殺のコミュニケーション過程への介在 138
(a)展望のない生活からの解放、孤立からの解放 138
(b)自殺意志の再確認、孤立しない社会 143
(c)誤解に基づく自殺の抑制・除去 148
(d)コミュニケーションを通じての意味伝達の達成 152
(e)コミュニケーションを通じての支援的資源への接続 156
〔6〕むすび――生前のコミュニケーションを活性化させる方策 160
(a)死後から生前へ 160
(b)遺書の執筆、生前における遺書の公開 162
引用・参考文献 165
刊行のことば 169
索 引 171