エイジングと公共性
人間が年をとること(エイジング)によってさまざまな問題が生じてくる。本書ではエイジングによる世代間関係,メディア,労働,生命倫理,医療費,保険などの問題を公共性の視角から検討し,多様な現代的課題について詳しく論じた。
- 発行年月日
- 2002/11/07
- 判型
- B6 上製
- ページ数
- 230ページ
- ISBN
- 978-4-339-07836-7
- 内容紹介
- 目次
人間が年をとること(エイジング)によってさまざまな問題が生じてくる。本書ではエイジングによる世代間関係,メディア,労働,生命倫理,医療費,保険などの問題を公共性の視角から検討し,多様な現代的課題について詳しく論じた。
目 次
1 「生命倫理」におけるエイジングと公共性
―画一化に向かう「生命(いのち)の文脈」に抗して―
〔1〕 は じ め に●1
〔2〕 優生思想における「命の文脈」の画一化●5
(a) 古典的優生学―強制された「命の文脈」●5
(b) 「新しい」優生学―自発的な「命の文脈化」と「生命倫理」●8
〔3〕 「生命倫理」とは何か●11
(a) 生命倫理(バイオエシックス)の基本理念●11
(b) 「生命倫理」における「生命」●14
〔4〕 画一化に向かう「命の文脈」の現状●17
(a) 命の選別と画一化●17
(b) その背景にある「考え方」とは何か●20
〔5〕 社会観としての「命の文脈」の多様性●23
(a) 社会的な「負担」とは何か●23
(b) 社会観の具体化に向けて●25
〔6〕 お わ り に●28
引用・参考文献●33
2 高齢者と新しいメディア―そのイメージと現実―
〔1〕 は じ め に●36
(a) 情報通信技術の発達●36
(b) 日本におけるIT革命の状況 36
(c) IT革命の恩恵と陥穽【せい】●38
〔2〕 高齢者と新しいメディア●39
(a) メディアの発達と消費者情報量の変化●39
(b) 高齢者と新しいメディア●41
(c) 高齢者のメディアとしてのインターネット●42
(d) 消費者として注目される高齢者●44
(e) 高齢者自身の取組み●45
〔3〕 インターネットを利用できる高齢者像●47
(a) 高齢者間の収入格差●47
(b) インターネットを利用している階層●49
(c) インターネットを利用する要因●52
(d) インターネットに関する高齢者の意識●54
〔4〕 高齢者とデジタルデバイド●56
(a) デジタルデバイド●56
(b) デジタルデバイドと高齢者●58
(c) 高齢者のイメージ●59
(d) 対抗的公共圏としてのインターネットと高齢者●60
引用・参考文献●64
3 エイジングサバイバル―「高齢社会」における雇用の理念と実際―
〔1〕 は じ め に●66
〔2〕 日本的経営のセオリー●70
〔3〕 雇用されうる能力―人生の新規巻き直し?●75
(a) エンプロイアビリティ●75
(b) 年齢とエンプロイアビリティ●83
〔4〕 アクティブエイジング●89
〔5〕 「もう、うんざりだ!」――むすびに代えて●93
引用・参考文献●98
4 保険社会とエイジング―動員から個人化へ
〔1〕 は じ め に●101
〔2〕 保険社会と公共性●102
〔3〕 保険と動員●107
〔4〕 個人化する保険●114
(a) 社 会 保 険●114
(b) 民 間 保 険●117
〔5〕 個人化する高齢者●121
〔6〕 アクティブな高齢者―結語に代えて●126
引用・参考文献●130
5 エイジングと医療費問題―医療制度はこれでいいのか―
〔1〕 は じ め に●133
〔2〕 老人医療赤字言説●136
〔3〕 老人医療における包括点数制度の不合理性●144
〔4〕 医療保険制度における問題点●150
(a) 公共性としての医療保険制度とは●152
(b) 医療保障を含めた社会保障の権利とは●162
〔5〕 二〇〇二年以降の医療改革の施策について●168
〔6〕 お わ り に●173
引用・参考文献●181
6 高齢者アイデンティティをめぐるポリティクス
〔1〕 はじめに―「新しい高齢者像」●184
〔2〕 高齢者とはだれか●188
〔3〕 日本型企業社会における高齢者●193
〔4〕 ネオリベラリズムと「高齢」カテゴリーの再編●198
〔5〕 世代間のコンフリクトをどう考えるか●201
〔6〕 むすびに代えて●210
引用・参考文献●212
索 引●217