未来を拓く宇宙展開構造物 - 伸ばす、広げる、膨らませる -

新コロナシリーズ 61

未来を拓く宇宙展開構造物 - 伸ばす、広げる、膨らませる -

構造・宇宙インフレータブル構造を中心に解説した。宇宙技術をよく知らない人でも楽しく読める一冊。

ジャンル
発行年月日
2015/07/03
判型
B6
ページ数
176ページ
ISBN
978-4-339-07711-7
未来を拓く宇宙展開構造物 - 伸ばす、広げる、膨らませる -
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定価

1,320(本体1,200円+税)

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どうすれば宇宙をもっと有効に利用できるのか,手段と目的から考える。折り畳んだ構造物を宇宙で展開させる方法を軸として,大形宇宙構造・宇宙インフレータブル構造を中心に解説。宇宙技術をよく知らない人でも楽しく読める一冊。

1.宇宙の中の地球を考える
地球の未来は宇宙にある
宇宙に生命を求めて
宇宙での生活

2.宇宙を「視る」こと,宇宙から「観る」こと
望遠鏡で視えるようになった宇宙
地球から天体を視る
宇宙から宇宙を観る
宇宙から地球を観る
ポテトチップの袋でアンテナをつくる

3.宇宙利用の目的と手段
「目的」と「手段」を意識しよう
新しくて意義のある「目的」
宇宙開発と宇宙利用―「目的」の変遷
人工衛星の「目的」と「手段」―ミッション系とバス系
「手段」を手に入れるのには時間がかかる

4.性能と機能
性能と機能の関係
機能の背後に隠された性能―携帯端末を例に
性能の向上に間接的に貢献する機能―クルマを例に
性能向上に直接貢献する機能―デジタルカメラを例に
宇宙構造物の性能と機能
大きければ大きいほど高性能―アンテナ
打ち上げコストと収納スペースは無視できない

5.大形化が求められる宇宙構造
電波を中継する静止通信衛星
地球をくまなく観察するための地球観測衛星
宇宙を知るための人工衛星と宇宙探査機
太陽エネルギーを使うための宇宙太陽光発電システム
宙に浮かんでみえるテンセグリティ構造

6.軽くて折り畳める宇宙構造
月や火星の探査のために
設計条件は緩すぎず厳しすぎず
本当に宇宙で使えるか―宇宙実験での技術実証

7.宇宙に開く展開構造物
かたい構造物、やわらかな構造物
ヒンジやメカニズムを使った構造物
膜材料の活用
宇宙インフレータブル構造の登場
ふわりと開くメッシュ反射鏡アンテナ
メッシュ反射鏡アンテナを搭載した人工衛星
どのようなメッシュ材料が使われているのか
メッシュ反射鏡アンテナはどのように展開するのか
膨らませてアンテナに―宇宙インフレータブル構造
エコー衛星
集光鏡
パラボラアンテナの反射鏡
インテリアにもなる金箔アンテナ
インフレータブルチューブでアンテナをまっすぐ伸ばす
スピン軸方向にアンテナを伸ばす
インフレータブル式アクチュエータ
インフレータブルチューブで支持した膜面による平面構造物
宇宙で日傘を広げる
太陽の光を推進力に―ソーラーセイル
太陽電池アレー
柔軟に曲げられる太陽電池
人工衛星用の太陽電池アレー
平面アンテナ―合成開口レーダー
月や火星で探査ローバーを走らせる
着地時の衝撃を吸収するエアバッグ
月や火星を走るためのホイール
エアバッグの機能をあわせもつホイール
和紙で作ったホイール
火星探査用飛行機の小さく折り畳めるウィング
長い歴史がある折り畳み式ウィング
膜材でウィングをつくる
高い収納性と超軽量なウィングを目指して
インフレータブル構造のさまざまな用途への展開
宇宙での活動のための居住スペース
大気圏突入のための減速機
ごぼう袋でつくる簡易インフレータブル飛行機

8.宇宙構造物で使える便利な「膜」
部材への力のかかり方
曲がりにくい「かたち」を作る
膨らませて「かたち」を作る
宇宙インフレータブル構造
作りやすいかたち
なにを入れて膨らませるか

9.使いやすいインフレータブルチューブ
インフレータブルチューブとは
インフレータブルチューブの展開
展開したインフレータブルチューブの形状維持
昆虫の羽化を凌ぐのは難しいけど,パイなら誰でもつくれる

10.ミッションを成功へ導くために
展開の不具合
宇宙へ持っていくものは特注品ばかり
予備系で信頼性を高める
部品数を減らして信頼性を高める

あとがき
参考文献
索引

日本航空宇宙学会会誌(2017.8, Vol.65, No.8) 掲載日:2017/08/21