設計のための発想力

設計工学フロンティアシリーズ 11

設計のための発想力

設計において複雑な問題を解決し新たな価値を提供する人工物を創造するための発想力を解説

ジャンル
発行年月日
2026/08/03
判型
A5
ページ数
192ページ
ISBN
978-4-339-04711-0
設計のための発想力
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定価

3,300(本体3,000円+税)

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【本書の紹介】
より良い生活や社会の実現,産業競争力の向上のための,新しい人工物の創造には,これまでにも増して優れた発想力が必要となっている。そこで筆者は本書を,設計やデザインのための発想力はどのような思考内容や過程であるかの“what is”と,発想力を高め発揮するにはどうすればいいかの“how to”の,2つの興味に応えることを意図して執筆した。
本書において筆者は,発想力を潜在的発想力と発想顕在化力という二つの要素でモデル化する。そして,意識と無意識,論理と直感などが組み合わさった複雑な思考活動である発想について理解するために,設計工学,認知心理学,認知神経科学などのさまざまな分野や,研究者,技術者,デザインや広告の発想の実践者の知見などを総合して,議論を展開している。その過程で,従来から語られていた優れた発想を得るための経験則と,脳の計測に基づく近年の認知神経科学の知見に,整合性が見いだされる点にも焦点を当てる。
本書では,抽象的な議論に偏らず,内容の理解を助けるための,具体的な事例を示すことを心掛けた。例えば,有名な「9点問題」,「天秤分銅問題」,「エレベータの待ち時間短縮の問題解決」や,筆者が考案した「棒立てかけ問題」などを通して,発想の性質や方法について考察している。また,設計における優れた発想の例として,機能,形状・構造,材料,加工法という観点から説明できる事例,アナロジー(自然や生物からの生物模倣,バイオミメティクスを含む)で説明できる事例,偶然や失敗が起点となった事例など,深い専門知識がなくても理解可能な事例を取り上げている。
さらに,アナロジー,チェックリスト,ブレインストーミング,ブレインライティング,KJ法,マインドマップ,TRIZなどの主要な発想法の解説に加え,近年急速に発展している生成AIについて,設計のツールと考えた場合のユーザビリティの観点からの考察を行っている。
研究,教育,実務などの目的,“what is”や“how to”などの興味で本書をお読みいただいた読者にとって,本書が設計のための発想力の理解や向上に何らかの意味でお役に立てれば,筆者として幸甚の至りである。

【本書のキーワード】
潜在的発想力,発想顕在化力,発散的思考,収束的思考,深化,探索,プロダクトアウト,マーケットイン,デザイン思考,アート思考,意識的過程,無意識的過程,論理,直感,制約,心理的創造性,歴史的創造性,概念空間探索,概念空間変換,アイデア評価,発想法,設計教育,創造性教育,STEAM教育,生成AI

設計の重要な目的の一つは,有形の製品や無形のサービスなど新しい人工物の創造である。近年,人々の生活,社会,産業,経済,環境など,複雑化した問題を解決し新たな価値を提供する人工物を創造するためには,これまでにも増して設計における発想力,創造的思考が重要となっている。

発想は,意識と無意識,論理と直感などが組み合わさった複雑な思考活動であり,必要な時に必ず優れた発想が得られる方法はいまだ存在しない。しかし,近年の認知心理学,認知神経科学など,さまざまな分野の研究から,発想という思考活動の内容が少しずつ明らかになってきている。また,本書の中でも述べているように,発想を得たい問題とは異なる分野の知識や情報が,その問題に関する優れた発想のきっかけとなることも少なくない。そのような背景や筆者の経験から,本書では発想に有効な知識や情報の範囲を,通常の設計工学における議論よりも少し広くとらえることとした。それによって本書は,設計の分野の研究者,技術者,学生だけでなく,他の分野の方々にとっても参考になり得る内容を含んでいると考えている。

以上の趣旨を踏まえ,本書は以下の構成をとっている。

第1章では,後の各章で詳述する内容を抜粋して,本書で想定する設計のための発想力のモデルを概説し,本書を読む上でのガイドを与える。

第2章では,設計とはどのような思考や過程であり,そこではどのような発想が必要とされるかを,設計工学の観点から概観する。

第3章では,発想の性質を,認知心理学や近年の認知神経科学の知見,発想を実践する技術者やデザイナーの経験則などに基づき概観する。

第4章では,第5章以降での代表的な発想法の紹介のための,本書における発想法の分類を設定する。

第5章〜第7章では,第4章で設定した三つの分類に基づき,思考の内容に関する示唆による発想法,思考の構造化による発想法,解候補の生成による発想法を紹介し,近年急速に発展している生成AIについても考察する。

第8章では,設計,創造力という文脈で現在行われている教育事例を概観し,本書の趣旨である発想力の向上を主眼とする教育が不十分であることを指摘する。それを踏まえ,発想力の涵養を目的とした筆者の教育の試行を紹介する。そして,AI技術が発展する現在および将来において,STEAM教育が従来よりも大きな意義を有する可能性を述べる。

第9章では,本書の内容のまとめを述べ,本書を締めくくる。

なお,本書の記述は基本的に以下の方針に従っている。

• 発想することを「発想」,発想されたものを「アイデア」と表記する。
• 「設計」という語を,審美性や意匠性も含めた総合的なモノやコトの計画としての広義の「デザイン」と,特に区別せずに用いている。そのため,本書の内容は「設計」,「デザイン」のいずれについても成立する内容となっている。
• 本書で紹介するような発想の思考や方法は,一般的には,革新的,独創的,新奇な,などと形容される発想やアイデアを目的とする場合が多い。しかし,確実性やコストなどの条件により,過去の実績のあるアイデアを流用することが,その問題や文脈に最も適しているという場合もあり,それを新奇なアイデアと表現することには違和感がある。そこで本書では,特に発想やアイデアの革新性,独創性,新奇性などを議論する場合を除き,目的とする発想やアイデアを,優れた発想,優れたアイデア,と表現する。その「優れた」の内容や評価関数は,問題や文脈により異なり得る。
• 設計における優れた発想というものの理解を助けるため,機械工学などの深い専門知識がなくても理解可能な事例を示すことを心掛けた。それらの事例は,優れた発想とは何かを理解するだけでなく,多種多数の事例を知ることが発想力の向上につながるという,本書の仮説を実践する意図も含んでいる。

2026年6月
村上 存

1.設計のための発想力:“what is”と“how to”
1.1 アイデアの発現は無意識的過程である 
1.2 アイデアは過去の知識や情報から生み出される 
1.3 創造力の構成要素 
1.4 設計のための発想力を向上する方法 
 1.4.1 事前の活動 
 1.4.2 事中の活動 
 1.4.3 事後の活動 

2.設計における思考
2.1 設計の対象 
2.2 問題発見,創造,価値提供 
2.3 構造,挙動,機能,ユーザ体験 
2.4 機能,形状・構造,材料,加工法 
 2.4.1 形状・構造による発想の例 
 2.4.2 材料による発想の例 
2.5 手段と目的 
2.6 発散的思考と収束的思考 
2.7 設計の過程 
2.8 深化と探索 
2.9 問題解決型デザインと提案型デザイン 
2.10 プロダクトアウトとマーケットイン,デザイン思考とアート思考 

3.発想の性質
3.1 認知心理学における発想のモデル 
 3.1.1 活性拡散モデル 
 3.1.2 問題空間モデル 
 3.1.3 機会論的モデル 
 3.1.4 制約論的モデル 
3.2 意識的過程と無意識的過程 
3.3 発想は過去の知識や情報から生み出される 
3.4 論理+直感 
3.5 発想と制約 
 3.5.1 本当の制約 
 3.5.2 かつては本当だった時代遅れの制約 
 3.5.3 間違って本当だと思われていた制約 
 3.5.4 意図的で人工的な制約 
3.6 創造性の分類 
 3.6.1 創造性,心理的創造性,歴史的創造性 
 3.6.2 組合せによる創造性 
 3.6.3 概念空間の探索による創造性 
 3.6.4 概念空間の変換による創造性 
3.7 アイデアの評価 
コラム アイデアの評価方法 

4.発想法の分類
4.1 発想支援の3レベル 
 4.1.1 秘書レベル 
 4.1.2 フレームワーク-パラダイムレベル 
 4.1.3 生成レベル 
4.2 発想法の分類例1 
4.3 発想法の分類例2 
4.4 本書における発想法の分類 

5.思考の内容に関する示唆による発想法
5.1 アナロジー 
5.2 チェックリスト 
5.3 ブレインストーミング 
5.4 ブレインライティング 
5.5 TRIZの発明原理 
5.6 格言的なフレーズ 
5.7 発想のための刺激の提示 
 5.7.1 ランダム刺激法 
 5.7.2 刺激の具体度と得られる発想の関係 
 5.7.3 刺激の様式・課題との距離・一般性と得られる発想の関係 
5.8 概念の距離・類似度の計算方法 
 5.8.1 概念の階層構造に基づく方法 
 5.8.2 単語のベクトル表現を用いる方法 
5.9 概念空間の空孔の探索 

6.思考の構造化による発想法
6.1 アイデア群の空間配置 
6.2 MECEなマトリクス 
 6.2.1 製品の機種の絞り込み 
 6.2.2 設計におけるアフォーダンスの問題の系統的整理 
 6.2.3 信頼性の評価に関する誤りの系統的整理 
 6.2.4 ユーザの多様性への対応の系統的列挙 
6.3 KJ法 
6.4 マインドマップ 
6.5 アンゾフの成長マトリクス 
6.6 TRIZの矛盾マトリクス 

7.解候補の生成による発想法
7.1 テキスト表現の生成 
7.2 形状表現の生成 
7.3 ジェネレーティブデザイン 
7.4 生成AI 
 7.4.1 設計における生成AIの研究事例 
 7.4.2 設計におけるツールとしての生成AI 
 7.4.3 生成AIのユーザビリティ1:効果 
 7.4.4 生成AIのユーザビリティ2:効率 
 7.4.5 生成AIのユーザビリティ3:満足 
 7.4.6 生成AIのユーザビリティ4:利用状況 
 7.4.7 生成AIを使用するリスク・使用しないリスク 

8.設計・創造力・発想力の教育
8.1 設計・創造力の教育事例 
 8.1.1 問題発見型アクティブラーニング 
 8.1.2 機械製図演習 
 8.1.3 図面による機械設計演習 
 8.1.4 CAD操作演習 
 8.1.5 コンセプトスケッチ 
 8.1.6 機械設計製作演習 
 8.1.7 メカトロニクス創作演習 
 8.1.8 企業からの課題に取り組むプロジェクト型教育 
 8.1.9 デザイン系との連携による作品制作教育 
8.2 創造力の要素に対する教育効果 
8.3 発想力の教育の試行 
8.4 AI時代におけるSTEAM教育の新たな意義 

9.まとめ

引用・参考文献
あとがき
索引

読者モニターレビュー【 masa 様 (業界・専門分野:機械工学)】

〇実務と教育の架け橋となる必読の一冊
優れた設計を生み出す「発想のメカニズム」と「価値創出」の本質

長年企業で設計開発に携わり、現在は大学で学生の発想力・実践力を高めるPBL(課題解決型学習)教育に従事している立場から、本書を強く推薦したい。

本書は、単なるアイデア出しのテクニック集ではない。「設計とは、人間の目的を果たす製品や仕組みを考案・計画することである」という本質に立ち返り、アイデアが生まれるメカニズムから、それを社会的な「価値」へと昇華させるプロセスまでを体系的に解き明かした一冊である。

1. 優れたアイデアを生み出し、実社会の「価値」に変えるプロセス
アイデアは決して無から生まれるのではなく、過去の知識や体験の「結合・再結合」から生み出される。例えば、板チョコの折筋と割れたガラスの鋭利さを結合して生まれた「折るカッター刃」のように、既存の知の組み合わせこそがイノベーションの正体である。しかし、素晴らしいアイデア(発想力)を持つだけでは意味がない。本書が説くように、それをいかに産業や社会に活かすかという「実現力(計画力・実行力)」が揃って初めて創造力となる。また、真の「価値」とは人に満ち足りる感情をもたらす効果である。自前でタクシーを保有せずとも「配車・位置把握・決済」の利便性でタクシー問題を解決したUberや、人々の生活観察から新たな音楽体験を生み出したSONYのWalkmanのように、「正しい問題発見」こそが優れた製品と価値を生み出すのだ。

2. 思考の枠組みを揺さぶる「リフレーミング」と「概念空間の変換」
設計において特に陥りがちなのが、目先の手段に捕らわれて目的を見失うことである。例えば「切符の販売や改札」という手段に捉われず、「乗降と運賃の管理」という上位概念にリフレーミングできたからこそ、現在の運賃・乗降管理システムが存在する。
エンジニアにとっても重要なのが「概念空間の変換」だ。エレベーターや手荷物の待ち時間問題に対し、設備増設というハードウェア的解決だけでなく、「人を飽きさせない心理的アプローチ」をとることで課題を解決できる場合もある。そして何より「設計者は人間の良き理解者でなければならない」という教訓は、モノがあふれる現代の「提案型デザイン」において極めて示唆に富んでいる。
HondaJetが従来のエンジン配置の制約を破ったような、絶対的な制約と打ち破るべき制約を見極める力、これは現代に非常に必要な力と感じる。常に常識を疑いながらも、技術理論をしっかり学んでいなければ、論理が破綻してしまう。しかし、昔の制約というのは一度疑ってみると、新しい視点が得られるのは確実なので、ネットの情報ばかりを信じるのではなく、一度自分で腑に落ちるまで確認していく作業は、これからの新しい設計開発にとても重要な視点が得られるものと思われる。

3. 経営論・発想法から見る設計論の深遠さ
本書の面白さは、技術論にとどまらず「深化と探索(両利きの経営)」といった経営論・組織論の視点を取り入れている点にもある。既存技術の深化によるコスト削減や安定だけでなく、不確実性の高い探索(イノベーション)に挑戦する思考法は、現代の設計論にも不可欠である。カワセミのくちばしを模した新幹線500系に見られる「類推法(アナロジー)」や、金出武雄氏の「素人発想、玄人実行」に通ずる直観と論理のバランスなど、実践的な発想法の示唆も豊富だ。
 
本書は、日々の設計業務で問題整理や壁にぶつかっている企業のエンジニアにとって、思考の視座を上げる最高のバイブルとなるだろう。また同時に、教育者が「学生の設計力・発想力をいかに引き出し、育成するか」を考える上での明確な指針にもなっている。
実務家にも教育者にも、そしてこれからモノづくりやコトづくりに挑むすべての学生に、自信を持って薦められる著である。

読者モニターレビュー【 moka 様 (業界・専門分野:設計・品質工学)】

本書は、発想力を単なる才能やひらめきとして扱うのではなく、設計工学、認知心理学、認知神経科学の知見を統合しながら、そのメカニズムと向上方法を体系的に説明したものである。著者は発想力を「潜在的発想力」と「発想顕在化力」に分けて捉え、「what is(発想とは何か)」と「how to(どう高めるか)」の両面から論じている。

まず、「アイデアは過去の知識や情報から生み出される」という認知神経科学の文献をもとに、情報や知識が蓄積され、それに対し問題の文脈に合わせて意識的あるいは無意識的に想起、変形、組合せなどの操作がなされ、元の記憶とは異なるアイデアが発現するという説明は、非常に分かりやすい。

また、本書は設計工学フロンティアシリーズの一冊であることから、ものづくりや製品開発に携わる人を主要読者として、機能、形状・構造、材料、加工法という設計の基本要素ごとに発想事例を紹介しているため、技術者が自身の業務へ直接結び付けて理解できる点が「設計に活かす創造性の教科書」となっている。

発想法に関しても、アナロジーやチェックリスト、ブレインストーミング、ブレインライティング、TRIZ、KJ法、マインドマップなど、創造工学に用いられる代表的手法が体系的に解説され、「なぜその方法が有効なのか」を認知モデルとの関連で説明している点が学術的でありながら実務的と思われる。

生成AIを設計支援ツールとして用いるにあたっても、効果や効率、リスクなど、ユーザビリティの観点から分析しており、AIと人間の創造性の関係を分析している。

発想法の代表的手法を活用したことのある方は、「発想法は知識・経験・情報を活用するための装置であり、材料が乏しいと効果が限定される」ことに共感してもらえると思う。ここで、興味深い指摘は、知識が多いほど良いとも限らないということである。専門家はしばしば固定観念(制約)を持ちやすく、誤った制約や時代遅れの制約が創造性を阻害する場合もあることなどを分かりやすい事例で示してくれている。優れた発想は、「専門知識の豊富さ×固定観念の少なさ」のバランスから生まれることに気づかされる。

結論として、人はなぜ発想できるのか、発想力はどのように育つのか、設計において創造性はどのように発揮されるのか、という根本的な問いに正面から向き合った、設計工学と認知心理学を橋渡しする秀逸の書籍である。

読者モニターレビュー【 北山 匡史 様 (業界・専門分野:電力システム)】

複雑化する社会課題を解決し、新たな価値を提供する人工物やサービスを創造するために、今や「発想力」は最大の原動力である。本書は、設計やデザインにおける創造的思考のメカニズムを解き明かし、その能力をいかに高め、発揮すべきかという実践論へと落とし込んだ一冊である。
著者は発想力を「潜在的発想力」と「発想顕在化力」という二つの要素でモデル化し、発想という複雑な思考活動の本質を解き明かそうと試みる。その議論は設計工学にとどまらず、認知心理学・認知神経科学・デザイン思考など幅広い分野の知見を総合しており、学際的な視野の広さが本書の大きな魅力となっている。
本書が特に優れているのは、抽象的な理論を具体的な事例で丁寧に補っている点だ。「9点問題」「天秤分銅問題」「エレベータの待ち時間短縮」など、専門知識がなくても理解できる事例を通じて、発想の性質や思考の仕組みが生き生きと描かれる。工学系ならではの「棒立てかけ問題」などの事例が随所に織り込まれているのもよい。また、意識と無意識、論理と直感という二項対立を超えた発想のメカニズムを、脳科学の最新知見と実践者の経験則の両面から照らし合わせる試みは、従来の発想論にはない説得力をもたらしている。
実践的な「how to」としての充実度も特筆に値する。アナロジー、ブレインストーミング、KJ法、マインドマップ、TRIZといった主要な発想法を体系的に分類・解説するだけでなく、生成AIを設計ツールとして捉え、効果・効率・満足・利用状況といったユーザビリティの観点から多角的に考察している。AI技術が急速に普及する現代において、この視点は極めて時宜を得たものといえる。
さらに、発想力の涵養を目的とした教育における試行やSTEAM教育の新たな意義についても実践例に基づいて論じており、教育者にとっても示唆に富む内容となっている。設計・デザインに携わる研究者・技術者・学生はもちろん、創造的思考を深めたいあらゆる分野の読者に広く推薦できる一冊である。

レビュー,書籍紹介・書評掲載情報一覧

村上 存

村上 存(ムラカミ タモツ)

東京大学 大学院工学系研究科 機械工学専攻 設計工学研究室 教授。
英語ではともに“design”と訳される設計,デザインを対象とし,設計者,デザイナーが知識や創造性を発揮して優れた設計を行ない(design by human),人々の生活,社会,産業のニーズに対応した新たな価値を提供する製品やサービスを創造する(design for human)ための,理論,方法論,情報技術などの研究,教育を行なっている。
日本機械学会 設計工学・システム部門 部門長(2005年度),日本デザイン振興会 グッドデザイン賞 審査委員(2009年度~),日本設計工学会 副会長(2017年度~),日刊工業新聞社 機械工業デザイン賞 専門審査委員(2018年度~)等。

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