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書店様向けレビュー

読者モニターレビュー【 製品設計者 様 (業界・専門分野:製造業(輸送機器部品))】 掲載日:2026/01/08
技術者のための ねじのトラブル解決策

本書は、ねじの基礎的な内容から実務で直面するトラブル対策まで幅広く網羅されており、設計者にとって実用性の高い一冊だと感じました。各章では、図やグラフに加え、FEM解析結果も多用されており、文章だけでは理解しにくい現象も直感的に把握できます。特にグラフは多水準で整理されており、各因子の影響度合いが視覚的に分かりやすい点が印象的でした。全体を通して、著者の長年にわたる研究に基づく知見が随所に感じられ、理論的な裏付けを重視する技術者にとって有益な内容だと思います。

読者モニターレビュー【 たーぼー様 (業界・専門分野:自動車部品業界・物性物理学、プラズマ物理学)】 掲載日:2026/01/06
高効率薄膜太陽電池の物理と化学 - ペロブスカイトと有機半導体 -

本書は、薄膜太陽電池の高効率化を支える物理・化学の基盤を体系的に整理し、材料科学・デバイス物理・プロセス技術を横断的に理解できる構成となっている。光吸収、キャリア輸送、界面準位、欠陥生成といった物理現象に加え、成膜プロセス、組成制御、結晶性改善など化学的アプローチが丁寧に解説されており、企業技術者が量産プロセス改善や新材料導入を検討する際の実務的な判断軸を得られる。特に界面制御や欠陥低減のメカニズムは、歩留まり向上や信頼性確保に直結する知見として価値が高い。また、ペロブスカイト、有機薄膜材料系の特徴・課題・成熟度が比較されており、「どの技術領域に投資すべきか」「どの材料系が将来の競争力を左右するか」を見極めるための視点が提供されている。また、基礎物性からデバイス構造、製造プロセスまで一貫して俯瞰できるため、研究テーマの優先順位付けや技術ロードマップ策定にも活用しやすい。研究と量産の断絶を埋めるヒントも多く、企業の中長期R&D戦略を支える実務的なリファレンスとしても有用な一冊である。

読者モニターレビュー【 忠地 俊明 様 株式会社CPM (業界・専門分野:ねじ商社)】 掲載日:2026/01/06
技術者のための ねじのトラブル解決策

『技術者のためのねじのトラブル解決策』は、技術書でありながら読み物としても成立した稀有な一冊である。著者があとがきで「書物」という語を用いるように、本書は単なる参考書や解説書ではない。読者がこれまで蓄積してきた知識を呼び起こし、問題に向き合う姿勢を自然と促してくれる点に、その特徴がある。また、ねじを単体要素ではなく「ねじ締結体」として捉え、トラブルの本質を“予張力の破綻”として整理する構造は、設計者のみならず不良・不具合対応に携わる者にとっても極めて実践的な視座を提供する。締付け、緩み防止、疲労破壊という工程に分解しつつ、原理原則の重要性へと立ち返らせる本書は、解析技術が高度化する現代においても揺るがない思考基盤を与えてくれる。ねじ締結の構造理解を深めたい者はもちろん、未然の防止策を設計に込めたい人や、ねじ締結トラブルの低減を願う人まで、ねじを扱うすべての人に強く薦めたい一冊である。

読者モニターレビュー【 奈佐原 顕郎 様 筑波大学(業界・専門分野:農学・環境科学)】 掲載日:2026/01/06
房総半島の地層と岩石のフィールドガイド - チーバくんと探る大地の成り立ち -

チーバくんの首から下(+後頭部)のユニークな地質物語を圧倒的な質と量で語る熱い本である。「千葉の地質ファンよ, ここまで登ってくるがよい」と執筆陣が不敵に微笑む様子が浮かぶ。本書と折り畳み自転車を持って内房線・外房線・久留里線で出かけたい衝動に駆られる。個人的に惹かれたのは大山千枚田が(おそらく)蛇紋岩由来の地すべりであり, それは三浦半島から丹沢, 静岡まで伸びるCIMSBというカッコいい名前の地質帯の一部だと知ったことである。茨城在住の私はこんな素晴らしい本に恵まれた千葉が羨ましくて仕方ない。次はぜひ茨城もお願いします。

読者モニターレビュー【ZOOK様(業界・専門分野:建設コンサルタント)】 掲載日:2025/12/10
電気法規と施設管理

この「電気法規と施設管理」は電気関連の法規等を説明したテキストであり、また、法律に関連した電気施設の管理を説明した内容となっている。一読してみると個々の法律について分かりやすく丁寧に説明されており、理系特有の法律分野に弱い方にも理解しやすいと感じた次第である。電気事業法を中心とした内容になっており、電気主任技術者や電気工事士といった資格関連の説明や電気工事や施設に関連する電気設備技術基準の説明もきちんとされている。電技解釈の本と合わせて読む事で条文の意味が分かってくると思う。

読者モニターレビュー 【 ももか(業界・専門分野:電気(エネルギー)、通信】 掲載日:2025/12/02
発変電工学

本書は、発電分野については、従来からある発電方式の水力、火力、原子力の他、近年、再生可能(非化石)エネルギーとして注目されている太陽光発電(太陽電池の原理、パワーコンディショナーの原理、系統連携)や、風力発電(風力エネルギーの考え方、風車出力、系統連携)まで幅広く記載されている。また、発電と密接に関連する変電設備、電力貯蔵設備についても記載されている。

近年、強電系分野の新刊書の発行は激減しているが、本書は発変電分野について基礎的解説から応用までを解説しており、発変電工学を学ぶ学生の他、電気主任技術者国家試験(電験)・第3種、第2種1次試験の「電力」科目の学習教材としても最適である。

特に、電験過去問を掲載した電験試験模範解答集については、他出版社より発売されているものの、試験出題方式が記述式から現行の選択式に変更になった平成7年以降については、解答に至るまでの考え方等について詳細に記載されているものは少ない状況にあるが、本書(発変電工学)は発変電の基礎理論の他、制御や運用等の応用面まで考え方を含めて詳細に記載されいるため、試験問題の結論(解答)に至るまでの考え方を容易に理解でき、効率的な学習をすることができる。

更に、著者や出版社(コロナ社)のご厚意により、本書に掲載されている練習問題の詳細な解答説明や本書に記載できなかった補足事項等について、出版社ホームページ上に「サポートページ」が開設されており、本書に記載されているQRコードを読み取ることにより「サポートページ」にアクセスでき、著者である熊野先生による解説動画を閲覧(無料)することができ、より理解が深まる。

これから電力工学を学ぶ学生の他、電験受験に向けて勉強されている方にとっても非常に学びやすい(価値の高い)学習書である。

読者モニターレビュー【 N/M 様 (専門分野:総合情報学(情報科学))】 掲載日:2025/12/02
メディアのための数学 - 数式を通じた現象の記述 -

本書は,「メディア学大系シリーズ」(全19巻)の16巻目に位置する書籍である.本巻では,CGやゲーム制作,音声・音響信号処理など,メディアにおける現象を数式で表すために必要な数学的な知識についての記述がなされている.

まず,私自身,数学が[まえがき]にも記述されている『どんなことに利用できるのか』という部分が,まさしく重要だと感じた.その上,私自身,どちらかといえば数学(数式での記述および読み解き)に苦手意識があった.

本書は,2章では,ベクトル,行列を扱う線形代数学,3章では,微分積分(解析学),4章ではグラフ理論・ゲーム理論などの数学及び,その他の分野についての記述がなされている.

1章,4章,2章・・・の順で拝読させていただいたが,1章では,分野を限定せず数学概論といった内容で簡潔にまとめられている.

2章では,CG・ゲーム制作を行う際に必要となる線形代数についての記述がなされている.例えば,ベクトルの内積は,光線が面に当たるかどうかの判定や物体同士の衝突判定など,ゲームでお馴染みの物理現象の裏側はこのように実装されていたのか,という新たな発見が得られて大変興味深かった.

4章では,私自身,本書と同じコロナ社から発行されている『情報科学のための離散数学』(Ref: https://www.coronasha.co.jp/np/isbn/9784339023299/)を学生時代に教科書として指定されていたこともあり,既知の内容も多く,復習として拝読させていただいた.

我々が暮らす日常生活(人間社会)に数学が役に立っているモデルの例として,グラフ理論,ゲーム理論などが取り上げられている.グラフ理論の始まりの「オイラー小道」(一筆書きの問題,オイラー路の問題)は上記に挙げた書籍でも紹介されており,改めて興味深い内容だった.

他にも,学生時代に理解に苦労した,線形計画法,最大流問題などについて,改めて考えるきっかけにもなった.

それに加えて,ゲーム理論では,囚人のジレンマ問題が一般教養として論理学で紹介されていた記憶がある以外は,全く知らなかった分野・理論であったため,こちらも興味深かった(「ゲーム理論」という名前から,本書にも記述されているように,当初はゲーム制作に必要な各種理論なのかと最初は思っていた・・・).古典的なゲームのじゃんけん(グリコじゃんけん)での利得・混合戦略,経済活動でのナッシュ均衡の概念など,日常生活に直結するような例が挙げられており,身近に感じ取ることができるだろうと思われる.

最後に,本書で数学的なものの見方(数式)に慣れた後に,次の17巻目に位置づけられている書籍『メディアのための物理 - コンテンツ制作に使える理論と実践 -』(Ref: https://www.coronasha.co.jp/np/isbn/9784339027983/)が,物理現象を数式で表すメディアのための物理学が扱われているようで,内容的にも連続性があり良いように思われる.私自身,物理学も「数学の延長で難解な数式が多く難しい」という印象しかないが,本書をきっかけに拝読しようかと検討している次第である.

読者モニターレビュー【 Haruk1y 様 (業界・専門分野:機械学習)】 掲載日:2025/11/25
強化学習アルゴリズム

本書は深層学習以降の現代的なアルゴリズムに関する記述が圧倒的に充実している点が特徴です。PPOやSACといったデファクトスタンダードな手法に加え,類書では体系的に学ぶのが難しい「オフライン強化学習」や,生成モデル(拡散モデル)との融合領域まで網羅されています。また,実装だけでなく数理的な導出が丁寧で,最新論文を読み解くための基礎体力のようなものが養える点も魅力です。LLMやロボット制御など,最先端の研究に直結する知識を効率よく学びたい学生にとって,まさに待望の教科書だと感じました。

読者モニターレビュー【 Tong 様 (業界・専門分野:制御)】 掲載日:2025/11/25
強化学習アルゴリズム

本書は、強化学習を理論的に深く理解したい読者を主な対象とした一冊であり、最新の研究成果を豊富に引用しつつ、数学的な枠組みに基づいた丁寧で一貫性のある解説が特徴です。冒頭では、確率論・情報量・各種ダイバージェンスといった強化学習の基盤となる数学的概念が体系立てて整理され、その後、強化学習の定式化、価値関数の学習、方策勾配法、オフライン強化学習、モデルベース手法、さらには発展的なトピックまで、主要な理論とアプローチが網羅的に取り上げられています。
強化学習については直観的な説明に依存した入門書も多い中で、本書は「なぜその手法がうまく機能するのか」という点を数学的観点から論理的に掘り下げており、原理的な理解を深めたい読者にとって非常に有用です。また、近年の研究動向にも積極的に触れられているため、強化学習の最新トレンドを俯瞰する上でも価値の高い内容となっています。一方で、本書だけで強化学習をゼロから完全に習得するのは難しいとも感じました。主な理由は次のとおりです。
• 説明の多くが文章と数式に基づいており、図表が最小限であるため、抽象的な概念を直感的に理解しづらい
• 具体的なタスクを用いた実装例がほとんどなく、手を動かしながら学ぶ読者にとって学習プロセスをイメージしにくい
このような点から、本書は強化学習の理論的背景を体系的に習得したい研究者や理論志向の技術者に特に適していますが、実装を通じて理解を深めたい初学者には、実装重視の書籍と併用することを推奨します。
本書をご購入予定の方々のご参考になれば幸いです。

読者モニターレビュー【 ビクトール 様 (業界・専門分野:機械工学)】 掲載日:2025/11/25
強化学習アルゴリズム

初めの章に、強化学習に必要な数学知識がまとめられているため、強化学習に関して初学の人間でも読みやすい。実際に実行した学習結果が図やグラフとして載っていて、視覚的な分かりやすさが補われている。アルゴリズムがプログラムコードのように掲載されているのも特徴的である。前提知識として、機械学習に関する知識があるとさらに理解が深まり面白い。情報工学系や知能機械工学系の学部3、4年、そして大学院生の方に是非読んでいただきたい。

読者モニターレビュー【 松岡 大輔 様(業界・専門分野:プログラマ)】 掲載日:2025/11/25
メディアのための数学 - 数式を通じた現象の記述 -

ひとつの典型的な光景として、勉強に疲れた中高生が「数学なんてなんの役に立つんだよ」と嘆いて教科書を投げ出すというものがある。それは日本の教育制度では科目間での依存をできる限りなくすように設計されているためであるという。あえてなんの役に立つかわからないような形で教えているのである。それに対して、本書は「数学がどんなことに利用できるか」という観点から書かれている。数学の抽象性と現象の具体性を結びつけることで、数学の導入としての新しい切り口を提示しているといえるだろう。

具体的には、2章で線形代数、特に線形変換とグラフィック表現の関係が説明され、3章でフーリエ級数展開やフーリエ変換と音声音響信号処理の関係が解説される。視覚と聴覚という代表的な二つの感覚的現象を数学によってどのように記述するか、さらにいえば、数学的にそのような現象をどのように生成するか、という観点から、基礎的な理論が丁寧に説明されている。

個人的な関心に引き寄せると、私はプログラミングによってグラフィックや音響を生成するジェネラティブアートというジャンルに関心がある。昨今ずいぶん環境が整備されて使いやすくなっているが、その反面、ツールやライブラリで背景の数理は隠蔽されていることも多い。より多様で自由な表現のために数理の理解は欠かせないのだが、基礎となる数学をわかりやすく教える文献はあまりないと思う。こういったジャンルに適用できる数学への導入としても、本書は面白い位置づけになるのではないかと思う。

そして、本書の野心は、グラフィック表現と音声音響信号処理にとどまらず、広く社会現象一般を数学を通して記述し、理解するというアプローチに踏み込む4章だろう。ここには本書が連なる「メディア学体系」シリーズの広範な視野と射程が表れている。数学による現象のモデル化とは、数学を媒介・手段とした人間と現象との間の知的コミュニケーションであり、これこそまさに本書の依拠する「メディア」の定義である。

実際のグラフィック表現や音声音響信号処理では、現象と数学の間に、ツールやプログラミングなどの層が介在して、それらの層がユーザーインタフェースを形作っていることも多いだろうけれども、原理原則に立ち返ると、線形代数やフーリエ変換と現象の間には直接の対応関係がある。そこに目を向ける視点を醸成して、さらなるメディアの数理の探求に向かう導入として、本書は興味深い立ち位置にあるといえるのではないだろうか。

読者モニターレビュー【 保科 友哉 様 東京農工大学 (業界・専門分野:制御工学)】 掲載日:2025/11/25
強化学習アルゴリズム

本書籍は初めに理論的な学習の収束性について説明し、その後に収束性の条件を満たす多くの手法について記述されています。
各手法については数式的ベースの説明に実装のアルゴリズムが記述されていて、強化学習の基本的な実装を理解していれば各手法を実装し、検証できると思います。
また、手法についてのメリット・デメリットの説明と章末にベンチマークが記述されていて、学習手法の検討に役立つと思います。
よって、本書は強化学習の最低限の知識を持ったうえで様々な手法を検討したい場合や、強化学習そのものの研究を行うための事前知識として有用であると感じました。

読者モニターレビュー【 onia 様 (業界・専門分野:振動・音響)】 掲載日:2025/11/14
機械系のための力学通論

本書は、動力学を体系的に学べる良書です。導出や解説がとても丁寧であることはもちろん、補注の内容も興味深く、背景理解を深めながら読み進められる点が特に魅力です。
内容は数式で解釈可能な解析的手法に焦点を当て、数値解析手法には踏み込まないですが、動的現象を数理的にモデル化し、解釈する力を養うことができます。
演習問題は振り返りにも最適で、ボリュームも解説も充実しています。
著者により提案された新型複素モード解析手法の紹介は個人的には特に興味深く、改めて手を動かしながら学び、実務での応用も検討してみたいと思いました。

読者モニターレビュー【 ZOOK 様 (業界・専門分野:建設コンサルタント)】 掲載日:2025/11/05
電気回路素子を理解するための 電気磁気学

このテキストの題名にもある「電気磁気学」としてあるとおり、「電気」と「磁気」を各々個別に理解する事を目的として解説をしている。

第1章では高校の物理の科目でも取り扱う「単位」の解説から入っており、初学者の初歩を本当に捉えている。第2章~第7章では「電気」に関する項目を解説しており、第2章だけでも電気に関する初歩の数学として取り扱う代数幾何学でのベクトル関連の解説をしているのが分かりやすい。第3章では電荷、第4章では電位、第5章では電界(電場)を解説しており、高校の物理を習得している方ではすんなりと分かるようになっていると思う。第8章~第11章では「磁気」に関する項目を解説しており、特に第10章の終盤から第11章ではマクスウェルの方程式に関する解説がなされている。第12章では電気回路に関する項目を解説しており、回路を構成する基本素子(抵抗やコンデンサ等)の各種の解説が分かりやすい。

全体的にイラストが多く、視的に理解できるようになっており非常に分かりやすい。
またこの書籍の最大の特徴と言ってもいいのが、各ページの外側にメモ欄が設けてある。勉強しながら理解した事や感じた事?などすぐに書いておけるスペースがあるのがありがたい。ページ数がそんなに多くはないので、すんなりと読み進めると思う。

読者モニターレビュー【 いたち 様 (業界・専門分野:評価装置メーカー)】 掲載日:2025/11/05
圧 延 - ロールによる板・棒線・管・形材の製造 -

本書籍は、イラストと表が多く、内容が順序良く整理され非常に読みやすかったです。
学会が編集してることもあり、そこそこ深く難しめで、研究開発分野に最適です。私としては、この分野の修士~と、この分野の社会人におすすめかと思います。
また、内容が多岐にわたっており、それぞれのチャプターについて、どういう背景があって、どういう目的に繋がるのかを最初に記載してくれているので、初学者の方も入りやすいと思います。詳しい内容の他に、今後についても記載されているので、研究分野の方にとてもいいポイントです。

読者モニターレビュー【 にせシャム猫ミミ 様 (業界・専門分野:教育業界)】 掲載日:2025/11/05
代数学と符号暗号理論 - Pythonによる実装 -

本書『代数学と符号暗号理論』は工学的な観点による類書も多い中で,代数幾何学を専門とし,日本数学会理事長も務めた純粋数学者による著作という点で非常に興味をそそられた.暗号理論・符号理論という情報科学の実践的内容について,過度に抽象的になることなく,数学が持つ洗練された記述力によってその本質を簡潔に表現することに成功している稀有な一冊である.

本書は,1. 初等整数論,2. 暗号理論,3. 符号理論の3つの章から構成されている.1冊の中で必要な予備知識を含め,暗号理論と符号理論の双方を同時に学べるという点でも大変魅力的である.

第1章「初等整数論」では,ユークリッドの互除法や剰余系,素体,フェルマーの小定理といった基礎事項が,後の章との関連を意識しつつ,厳密でありながらも平易に解説されている.特に,符号理論への応用を見据えて,素数や有限体(ガロア体),それらを係数とする多項式の性質,剰余演算などについても丁寧に扱われている.また,RSA暗号で実際に利用される形式である「素数の積に関するフェルマーの定理」についてもきちんと証明が示されている点や,高速べき計算といった計算上の工夫にも触れられている点も,初学者にとってありがたい配慮である.

続く第2章「暗号理論」では,RSA暗号やディフィー・ヘルマン鍵共有,さらには楕円曲線暗号まで,現代の暗号技術の基本を一望することができる.内容は,重厚で網羅的な理論展開というよりも,基本事項が簡潔に記述されている構成となっているため非常に読みやすい.また,Pythonコードを通して実際に暗号処理を試せるよう工夫されており,理論を実際に「動かしながら」理解を深めることが可能となっている.

第3章「符号理論」では,誤り訂正符号やリード・ソロモン符号など,情報伝達を支える数理構造が取り上げられる.ベクトル空間や線形写像の基本から始まり,巡回符号やBCH符号のアルゴリズムに至るまでが,代数学的枠組みのもとで体系的に記述されており,有限体という純粋に数学的な対象が現実世界へ応用されている様子を垣間見ることができる.

私個人は数学寄りの背景を持つため,本書のこうした記述に親近感を覚える一方,このような抽象性を含む記述は読者によって評価が分かれる部分かもしれない.しかしながら,抽象的な数学が現実の通信技術にどのように生きているのかを知るうえで,明瞭な記述と併せて例題(解答が巻末に付属している)やPythonコードを通じて「手を動かして」学べる設計になっている本書は格好の入門書であり,ぜひ多くの方に手に取ってほしいと思う.

読者モニターレビュー【 pppp4869 様 (業界・専門分野:セキュリティ研究)】 掲載日:2025/10/30
代数学と符号暗号理論 - Pythonによる実装 -

本書は、初等整数論の基礎から出発し、暗号理論や符号理論へと自然に橋渡しして解説しています。
理論の紹介にとどまらず、Pythonを用いた実装で確かめられる点も大きな特徴です。対象は「代数学を学んだことのない学生」と明示されており、用語の定義や背景が一つひとつ丁寧に説明されています。

読み進めるうちに、私自身、暗号理論の学習で多用していた初等整数論の用語を十分に理解していなかったことを痛感しました。また、Pythonのコードを通じて、学んだ理論や数式をどのようにプログラムへ落とし込むかを具体的に理解できます。
掲載コードにはコメントがない箇所もありますが、行ごとに追いながら数式と照らし合わせ、自分でコメントを付けることで理解をさらに深められるでしょう。

総じて、本書は暗号理論や符号理論に挑戦したい学生はもちろん、基礎となる初等整数論でつまずいた学習者にも自信をもって薦められる一冊です。

読者モニターレビュー【 上道 茜 様 山口大学工学部 (業界・専門分野:機械工学(熱流体、流体関連振動))】 掲載日:2025/10/30
機械系のための力学通論

近藤孝広先生の『機械系のための力学通論』は、まさに力学の「通論」と呼ぶにふさわしい1冊である。本書の前書きどおり、すべての数式展開が詳細かつ丁寧で、学習をサポートしてくれる。本書の構成も非常に周到で、1〜3章で力学を学ぶための準備を行った後、4〜12章で機械系学生が学部1年生で履修する基礎的な力学の内容を網羅している。さらに13章以降では、回転機械の振動、多自由度系・連続体の振動、振動制御といった実用的なテーマを深く掘り下げており、学生だけでなく社会人にとっても有用な内容となっている。高度な内容も含まれるが、重要な概念がしっかりと網羅されており、力学および機械力学を学ぶ上で大きな助けとなるだろう。豊富な例題・演習問題とその解説が極めて丁寧なのも特長だ。随所に散りばめられたコラムも知的好奇心を刺激し、楽しみながら力学を深く学ぶことができる。

読者モニターレビュー【 Manny-Lab 様 (業界・専門分野:機械学習や深層学習を用 いた統計モデリング)】 掲載日:2025/10/27
代数学と符号暗号理論 - Pythonによる実装 -

評者の、本書籍の読後の第一印象は「こう来たか!!」という驚きで、いっぱいでした。
本書の特徴は、まず何においても「数学者が、数学的にしっかりと暗号理論・符号理論を解説した」ことにあります。他の多くの類書では、、情報系の著者が”読者の分かりやすさ”を優先し、実例優先で記述する場合が多いと感じています。その中にあって、本書は、数学者によるしっかりとした記述で、評者としては非常に安心して取り組めました。
記載内容は、少々抽象的な数学的概念を過度に採用しなかったことで、非常にイメージがしやすい内容になっていました。その一方で、少々残念なのは、Pythonコードが、コード掲載に留まった印象を受けたことです。Pythonのコードを、スクラッチで作成し、過度に他のライブラリを使用していない点は、非常に参考になります。
しかしながら、もう少しコード内でのコメントや解説の記載など、一般的なプログラミング系書籍のレベルの記載は欲しいと思いました。もし読者がプログラミングに興味があれば、他のライブラリ(galois, bchlib, reedsolo など)との比較などをすると理解が深まると思います。

本書の内容は、数学などの理論的側面に興味が強い読者には、非常に参考になる書籍と言うことができる、おすすめの書籍です。

読者モニターレビュー【 N/M 様 (業界・専門分野:総合情報学[情報科学])】 掲載日:2025/10/27
代数学と符号暗号理論 - Pythonによる実装 -

本書は,符号理論や暗号理論,そしてこれらを学ぶ上で必要となる基礎的な代数学についての記述がなされている.

本書の大きな特徴としては,代数学,符号理論,暗号理論の各種アルゴリズムを,実際にプログラムとして動作させることのできるPythonでの記述がなされている点である.

私自身,学生時代に情報理論を学んだ際,符号理論の一部として,誤り検出・訂正符号の線形符号や巡回符号について学んだ.その際に,線形符号には他にも,CDやDVDに使われているリード・ソロモン符号,BCH符号も挙げられていたこともあり,本書を大変興味深く拝読させていただいた(これが今回のモニタに応募させていただいた一番の動機でもある).

私自身の理解力不足もあり,数式が意味する所の深い理解はできていないように個人的には痛感したが,少なくとも学生時代に,とある講義で言及された「暗号理論には(難解な)数学が多用されている」という意味合いが本書を通じて感じ取ることができた.

最後に,本書で学んだことが確認できるような演習問題が,もう少しあっても良かったのではないかと個人的には思った次第である.

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