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書店様向けレビュー

読者モニターレビュー【 さいもん 様(ご専門:制御工学、強化学習 )】 掲載日:2022/08/16
これならわかる微積分学

私は現在,大学院で制御工学の研究を行っています.制御工学では微積分も多く登場するため(例えば,現代制御という手法では制御対象のモデルを微分方程式で表現します),その知識は必須であります.

そこで本書です.最初に総評すると,本文の記述の丁寧さやデザイン面からも,「これならわかる」という名に偽りのない書籍だと感じました.大学へ入学したばかりの学生の教科書になるだけでなく,大学院生や社会人の学びなおしにも,また発展的な内容を学びたい中高生にも勧められる書籍です.実際,自分もこのレビューを書かせていただくにあたって一通り拝読しましたが,よい復習になりました.

最初に,本書の内容について述べます.本書は最初に「関数」について基礎的な知識や概念の説明を行った後,微分の説明と応用,積分の説明と応用,というように続いていきますが,この流れが非常に読みやすいです.説明も丁寧でわかりやすく,最初から通読するのにも不明な箇所を拾い読みするのにも便利であると感じます.

また前書きに「数学的な厳密性に欠いた箇所は少なくない」とありますが,その厳密性を多少なりとも注釈や付録でケアしている点も好印象でした.とりあえず一通り学びたい場合は本文だけを,発展的な内容もあわせて学びたい場合には注釈や付録もあわせて学習するというように,個々人の目的に応じて学習ができると思います.少なくとも微積分学の土台としては十分な内容が書かれていますので,まずは本書の内容を一通り理解し,その後さらに発展的な書籍に入るとよいかなと感じました.

加えて,本文に差し込まれる「コーヒーブレイク」もよいと思います.後述しますが本文中にもイラストやグラフが多く挿入され,またフォントの違いによる要点の強調が行われていますが,このコーヒーブレイクも相まって俗にいう「堅苦しく無味乾燥な」学術書にならず(それがいけないとは言いませんが),親しみやすい書籍になっているように感じました.

最後に,各章の章末問題にもかなりボリュームがあり,解答はきちんとコロナ社の書籍ページで公開されています.しかも表紙のついた冊子形式のPDFで閲覧でき,答えの導出も丁寧に行われているため,よくある「答えが省略されていて困る!」というような心配は無用です.

続いて,デザイン面についても述べます.最初に,表紙へ描かれている眼鏡をかけたキャラクターのイラストがとても可愛らしくて好印象です.また,このキャラクターイラストはカバーだけでなく書籍自体の表紙にも描かれているため,カバーを外しても安心です.私が所属する大学の図書館では本は全てカバーを外して所蔵されているため,そうした場合でも変わらぬデザインのよさを味わえます.加えて,このキャラクターイラストは本文中にも度々登場し,学習における貴重な癒しになります.イラストは研究室のスタッフの方が描かれたとのことで,大変ありがたいなと感じました.

さらに,本文のフォントについても注目すべき工夫があります.基本的には一般的な書籍と同様に明朝体で書かれていますが,筆者の方が「ここは大事であるという要点」はフォントやその大きさを変え,独立した形で書かれています.どうしても学術書は(そうした工夫がなく)無味乾燥なものになりがちですが,本書は要点が際立ってわかりやすく,非常によいと感じました.復習時などは,この要点だけを拾い読みしてもよいかもしれません.

最後に,本文中でグラフや図を多く活用している点も素晴らしいです.関数のところではグラフによって「それがどういう関数なのか」がわかりやすく描かれており,また微分では例えば合成関数の微分がどのように行われているか,積分では積分操作によってどういったものが求められているのか,というようなことがわかりやすく示されています.記述の丁寧さだけでなく,こうしたところも内容の理解の大きな助けになると感じました.

筆をおくにあたり,蛇足ながら微積分学だけでなく線形代数や他の分野についてもぜひ拝読してみたいなと感じました.ぜひ,ご検討のほどよろしくお願いいたします.

読者モニターレビュー【 ちゃみ 様(ご専門:農学 )】 掲載日:2022/08/16
バイオインフォマティクスのための生命科学入門

高速シーケンサーを用いたアンプリコンリシーケンスをやってデータが得られたのはいいものの、この大量のfastaファイルをどう扱えばいいのか困り果てWeb検索を繰り返していたが体系的にまとめられた情報にたどり着けなかった。バイオインフォマティクスの教科書的な書籍も散見されたものの、出版日がかなり前で、改訂されているのかもわからなかったので、購入することはなかった。何度か検索を繰り返すうちに本書に出会った。

生物学の基礎的な話題から始まり、後半はバイオインフォマティクスに関する体系的かつ具体的な内容となる。バイオインフォマティクスの中でも進化遺伝学と微生物学を取り上げているのがうれしい。大学の講義を聴いているような、また、大学の先生に直接質問をしてその答えをきいているような、そんな一冊だった。バイオインフォマティクス初心者である私が欲しかった情報がこの一冊にまとまっている。

読者モニターレビュー【 中村 勇太 様 名古屋工業大学 助教(ご専門:電力システム分野 )】 掲載日:2022/08/16
これなら解ける 電気数学 - 実験でアプローチ -

本書は,電気系大学生にとって特に必要な数学が網羅されており,さらに対応する電気回路計算や実験例も掲載されていることから,他の書籍よりも興味を持って数学を学ぶことができる一冊となっている。
例題や説明,章末問題の解説は細かく掲載されているため,本書を活用することで,数学が得意ではない学生でも十分に自学自習できることが予想される。
また,授業に用いる場合のカリキュラム例も掲載されていることから,教員として授業の編成を検討する際にも参考になり,有用な書籍となるだろう。

読者モニターレビュー【 東 高氏 様(ご専門:航空宇宙工学 )】 掲載日:2022/08/16
これならわかる微積分学

この本の特徴として、高校の内容を論理的に解説しており、語り口調で書かれていることが挙げられます。私はこの本を使ったことで、今まで理解せず覚えることで対処していたマクローリン展開やそれに付随する問題を容易に解けるようになりました。注意点として、この本は解説書であるため演習問題が少ないです。章末問題として存在しているため、演習には不向きです。よって、学んだことをより身に着けるために演習をする場合には、コロナ社「微分積分の講義テキスト」や「理系基礎数学演習」を併用すると学習効果は高くなります。以上のことを踏まえて、この本は大学受験の際に解法暗記で問題を解いてきた理系新大学生や、一切数学Ⅲに触れることのなかった文系学生の数学の学習に効果を発揮すると思います。また、内容は高校数学での数学Ⅲの内容が含まれているので、数学Ⅲを理論的に学びたい高校生にもおすすめできます。

読者モニターレビュー【 Cielo 様(ご専門:SE )】 掲載日:2022/08/04
これならわかる微積分学

多くの理系分野で非常に重要な「微積分学」ですが、高校数学でも大学数学でも抽象的な分野の印象で、統計学などと比べるといまいち掴めずにいました。本書は、難易度「数学3.5」に相当すると公式サイトにもあるように、高校から大学への橋渡しとなるような難易度で、数IIIを勉強しながらもしくは勉強し終えた読者にちょうど良いと思いました。
読んでみてよかった点は、文字がびっしりになりがちな大学数学の参考書と比べて、視覚的に理解してもらおう、コラムなどでちょっと一息ついてもらおうと、「読者の快適さ」を考えた作りになっていたことです。自習などでもやりきれそうと自信を持たせてくれる難易度と解説のわかりやすさはピカイチだと感じました。

読者モニターレビュー【 日下部 貢一 様 明海大学非常勤講師(ご専門:経営情報学 )】 掲載日:2022/08/01
これならわかる微積分学

本書は初心者向けの微分積分学の入門書である。微分積分は線形代数とともに、理系のみならず文系であっても科学的研究手法を用いる学問を学ぶ基礎として必須の数学である。当然大学教科書としての需要は多く、現在刊行しているものだけでも数百冊は下らないであろう。

大学で新入生に微積分を教えるときの留意点として、高校数学からの接続の問題、極限の厳密な扱いをどうするかの2点がある。第1の点は、高校における数学履修の多様性の問題である。微積分をまったく学ばなかった者、整関数の微積分を学んだ者(基礎解析程度)、三角関数や対数関数などの初等関数の微積分まで学んだものなど、学生のレベル差は大きい。第2の点は、いわゆるε-δ方式をどこまで教えるかである。本書はこの点で明確な路線をとっている。前者においては、高校で微積を学ばない学生にもわかるように充分な紙幅をとり、入念な準備を行っている。後者ではε-δ方式は扱わないで、高校数学同様の直感的説明で済ませている。

本書の特徴として、著者の教育的配慮が行き届いていることがあげられる。大学の数学教科書は無味乾燥な定義から始め、定理の証明、その定理を使って解く例題、演習問題などの繰り返しと淡々に進むものが多い。これに対し本書は題材ごとに自由に説明する形をとり、新しい数学概念を導入するときは、最初にその意味を十分に説明している。大切な部分はゴシック大文字で強調し、まるで教室で教師の説明を聞くかのごとくである。随所にかわいらしいイラストが添えてあり、これは著者の研究室の学生さんによるとのことである。各章末に問題があり、解答はコロナ社Webサイトに掲載されている。本文を理解すれば解ける素直な問題が多いことも入門書として望ましい配慮である。

印象的なのは学習者が何気なく見過ごしてしまいがちな点を随所で指摘していることである。たとえば∞は特定の数ではないこと、対数の底の条件と真数条件の必要性、高校数学における合成関数の微分公式の証明は穴があることなど、著者の教育者としての経験に基づくものであろう。

第1章冒頭で早くも微分係数の定義と積分の意味を説明し、無限大や「ある数に限りなく近づく」ことの意味を直感的に説明している。第2章から第4章は本書で扱う微積分の数学的準備にあてられている。ここで高校数学の範囲である指数、対数、三角の初等関数と大学数学で扱う双曲線関と逆三角関数を導入する。グラフを描く際の留意点も親切に説明している。第5章以降が微積分の本論である。第5~7章は微分法の計算とその応用、第8章は関数展開、第9~11章は積分とその応用という章立てである。構成自体は伝統的なものであるが、教室での講義を再現したようなスタイルで、楽しく学習できると思う。

以上述べたように、本書は大学の入門レベルの微分積分学教科書として充分使用できるものである。学生のレベルに応じて、第4章までを適宜自習に任せれば半期用として、また本書全体をゆっくりと学習するのであれば1年用の教科書として使用できるフレキシビリティをもっている。

大学生のみならず、これから微積分を学びたい社会人にも独習のできる親切な教本としてもお勧めである。欲を言えば巻末に、2変量微積分の簡単な導入とε-δ方式の入門部分があれば、さらに上の学習をめざす読者の動機づけになるのではないかと思う。増補の際に検討いただきたく要望したい。

読者モニターレビュー【 夢民 様(ご専門:工学 )】 掲載日:2022/08/01
SOLIDWORKSによるCAE教室 - 機構解析/流体解析 -

この本は、SolidWorksの解析機能を実際の操作画面の写真と一緒に説明することで初学者にも分かりやすいようになっていると思います。
また、ただわかりやすいだけでなく演習問題もついており、自分の理解も確かめられるような構成になっています。

そして、この本で扱っている演習問題の内容は実際に見たことがある触ったことがあるものが多いので、実際に頭の中で想像しながら演習問題を解けるのは凄く面白いと思います。

読者モニターレビュー【 Tom 様(ご専門:生命医科学 )】 掲載日:2022/07/19
バイオインフォマティクスのための生命科学入門

当書は数理情報学分野の研究者や学生がバイオインフォマティクスを学ぶにあたって、生命科学の基礎を解説した教科書と位置付けているが、全くの初学者向けではなく、本内容を理解するためには大学教養程度の生物学の知識を有することが必要である。一般の生命科学系の教科書は分量が多い故に分野間のつながりを把握しにくいが、当書はバイオインフォマティクスに関連したキーワードや要点を絞りつつ、最新の研究成果や論文を引用しているため、ストーリー性を持って内容を理解し読み進めることができる。以下、当書の特徴を列記する。

・おおよそ見開き1ページに1つの図表を用いており、読者の理解を助けている。
・さまざまなエピソードが脚注してあり、読み物として読者を飽きさせない工夫がされている。
・ヒトゲノム全長配列を決定したT2Tコンソーシアムや、Nanopore/Pacbioに代表される第3世代シークエンス法などのトピックを簡潔に取り上げており、また顕性/潜性のなど用語改定を反映しており、2022年時点での本分野の最新情報を把握することができる。
・生命科学分野の書籍にしては図説が少なく、文章による解説に重点を置いている。

読者モニターレビュー【 DHMO 様(ご専門:ビジネス:IT/学術研究:心 理 学)】 掲載日:2022/07/14
基礎から学ぶ推薦システム - 情報技術で嗜好を予測する -

和語で読める類書が少ないなか、本書は理論や仕組みの理解に重点が置かれた貴重な教科書である。
推薦システム(レコメンドシステム)についての知識を付けようと考える学生には骨格を整える基礎として、
ある程度システム実装に明るい研究者や社会人にはメカニズムを改めて学ぶ補助として非常に有用でると思われる。

本書の構成では、方法論や方式に入る前に、評価データの尺度分類および意味、問題設定という作法に触れられている。
それ以降は比較的単純な方式から徐々に複雑な方式やシステムの良し悪しを分ける要因へと進む。
(具体的な項目は目次とイコールとなっているため、コロナ社Webサイトの目次を参照されたい。https://www.coronasha.co.jp/np/isbn/9784339029284/)
好みが分かれるところであるが、必要な数学や用語は、該当テーマ内で必要が発生したタイミングで言及されるため、
最初に一気に解説がある場合よりもテーマから逸れずに学習できると感じる。
視覚的に計算過程を追う工夫もされており、またなるべく省略を廃した説明を心掛けていることが伺える点に非常に好感が持てる。
既に言及した概念や数式についても適宜の振り返りが織り込まれており、さらなる深耕を求める読者への図書への案内も的確に配されている等、事前知識に自信がない読者も腰を据えて取り組めば理解が出来るようになっている。

各章の説明はシナリオを元にしたサンプルデータを利用して進められる。
筆者自身も述べている通り、題材には嗜好が別れやすい食品を採用している。
これが思いの外、様々に現実に存在する嗜好を表しており、たとえばクレープのトッピング・寿司ネタ・焼き肉の部位など、
生活者との距離感×現実に実感できる嗜好のバラツキを絶妙に表しており、理解の土台を支える。

全体を通して、コードは演習としてサポートサイトに譲る構成となっている。
むしろ、書籍としては理論や仕組みの理解のために紙幅を割いているということも出来、理解とコーディングを分離していることが本書の目的に対して奏功しているといえるのではなかろうか。

読者モニターレビュー【 Manny-Lab 様(業務内容:時系列データなどへの機械学習適用に関する研究等 )】 掲載日:2022/07/12
AI時系列制御解析

この本の特徴を一言で言い表すならば、「社会実装」を指向した本です。

近年、経済データ・センサーデータなど様々な時系列データへの深層学習などAI技術の応用が広がっています。しかしながら、その多くは所謂データサイエンス的な分析・モデル化の側面に重点が置かれています。そのため、作成したモデルの出力を、次のプロセスでどのように使うか・繋げるかという視点の記載が弱くなっています。

その中で、本書は「制御」を含むタイトルにある通り、組込システムでのAI技術を使用したモデル化のみならず、その次のプロセスである「制御」までを範囲とした実際的な取組までを紹介している所に特徴があります。大きく言い換えると、AI技術を社会実装するための取組が一通り記載されていると言えます。

本書が事例としているIoTを含む組込システムは、社会実装する上で特有の課題があります。それは、組込システムは、その対象システム環境に特化した技術検討が必要になるため、容易に他のシステムへと知見を展開しにくいという課題です。この課題に、果敢に取り組まれたのが本書と言えます。

本書の特徴を評者なりに纏めると、次の3点になります。
・空調機器制御を題材に、時系列データの取扱から制御まで一通り取り扱っています。
・様々なAIに関する技術の使い方・組合せ方を、事例を通じて紹介しています。
・各事例の課題設定は、モデルを作るだけではなく、実運用を指向しています。
時系列データはとても身近に存在するデータです。その分、関連する技術の蓄積も数多いです。しかしながら、近年のトレンドは、所謂データサイエンス系のデータが多く取り扱われており、工学的な組込システム系の取扱が少ないです。ここに、工学系技術者の悩みがあります。本書を読み進めることで、AI技術などの基礎事項を習得した工学系技術者が、次のステップとして「では、(習得した)技術で何が出来るか?どのように使えば良いのか?」という問に応える事が出来ると期待しています。

本書で説明している各種アルゴリズムの詳細は、必要に応じて他書を参照するとしても、読者は確実に得るものが大きいです。特に、社会実装までを目指す時に必要となる事項が概観できるものと思います。実を言う評者も、シミュレーテッド アニーリング (SA) 法の概要は知っていたつもりでしたかが、本書で始めて実例を通して学び直すことができました(第5章)。また、突発事象予知モデル(3.4節)などは、ここまで出来るのかと興味深く読ませて頂きました。

最後に、1点要望等を記載致します。本書最後でソースコードを記載し読者の便宜を図っているのですが、折角なのでダウンロードファイルの提供や、簡単な解説、実行に関する説明などがあると、なお読者にとって親切であったと思います。

読者モニターレビュー【 MasaTam 様(ご専門:Robotics/AI/Software Engineering)】 掲載日:2022/07/12
AI時系列制御解析

全編に渡り内部メカニズムの理解と応用のバランスが取られ、基本的なモデルの解説から、
その現実世界への応用を数式も交え説明しています。データの強化や収集法に関しても
触れられており、付録にはコードも付いている至れり尽くせりの一冊です。
スコープは時系列の実用的なものに絞られていますが、深めで実用へのヒントが多数
含められており、痒い所に手が届く内容です。
読者は基本的な機械学習の知識や技法を知っていると理解しやすいと思います。

読者モニターレビュー【 田中真夜 様(ご専門:工学 )】 掲載日:2022/07/12
AI時系列制御解析

まえがきに「しかるに,世の中にあるのは数式だけの理論書か,はたまた,ツールハウツー本の両極端のように思われる。(中略)理論を踏まえたうえでの実践モデル構築を述べた「橋渡し」となる専門書が望まれているのではないか。」とあるとおり、本書は、数式による基礎理論の解説とその理論が実際にどのように実用されるのかという事例紹介の両面がセットになっています。この構成により理論を説明する数式がいきいきとして見えてきますし、実例をより深く理解することができると思います。理論の説明に豊富に用いられている図も、実用に向けた理論の直観的な理解を助けるものとなっています。

また、6章『時系列学習データ収集の現実』、7章『時系列AIモデリングの実作業』、付録のプログラム例により、読者自身が直面する問題に対して本書の5章までの内容を実際に適用するサポートが行われている点からも、非常に実践的な内容になっていると思われます。

読者モニターレビュー【 N/M 様(ご専門:総合情報学(情報科学))】 掲載日:2022/07/11
基礎から学ぶ推薦システム - 情報技術で嗜好を予測する -

本書は,ネットショッピングや動画配信サービスなどで,あるコンテンツを閲覧した人に対して「このコンテンツもオススメです」という,所謂レコメンド(推薦)技術を根底で支えている各種技術についての記述がなされている.

本書を読むにあたり,数式がふんだんに使われているが,私のような数式に苦手意識のある方は躊躇するのでは?と思われがちだが,本書で出てくる数式についても,これでも(分からない)か,という具合に一つひとつ噛み砕いて解説されており,著者の読者への最大限の配慮が随所に見られる.具体的には,数式で定式化した後に,各変数が何を意味しているのかや,その後すぐに,その章のシナリオをベースにした例題が配置してあるので,一つひとつ時間はかかるが,この変数はこれこれを意味している,というふうに指差し確認をしながら丁寧に読み進めていくことをオススメする.可能ならば,例題で1〜2つほど数値例を扱った後に,同じ方法で表のように計算結果が得られる,という記述の部分を,面倒くさくても行間を埋めるように全部のパターンについて,手計算やExcelなどを用いて実際に値を再度求めるという演習をしていくことにより,より理解が深まると感じた(私の場合,実際に読んでいく際にLaTeXの思い出し練習も兼ねて,自分なりに行間を埋めた資料(書籍の重要点や,行間を埋めてクドいくらい〔分かる人から見たら「これ,わざわざ必要?」と思われるかもしれないぐらい〕に噛み砕いたノートのようなもの)を追記する形で作成したり,PowerPointスライド(PPTX形式)を,編集部及び著者の方に無理をいって,ご提供していただいた〔この場をお借りして御礼申し上げます〕ので,そちらにメモ書きしたり,Excelでまとめの表の通りになるかを,実際に計算したりして理解を深めた).

内容としては,「推薦システムとは」から始まり,「内容ベース推薦システム」,「協調ベース推薦システム」,「知識ベース推薦システム」,「ハイブリッド型推薦システム」,そして,「推薦システムの評価」という構成で,各種推薦システムについて,分かりやすい例を用いて解説がなされている.具体的には,各章の最初に,シナリオ(ストーリ)があり,それをベースに各種推薦システムを構築する上で必要なアルゴリズム学んでいく形になっている.そのシナリオが,例えば,クレープのトッピングであったり,某カレー専門店を思い出させるようなカレーの甘さ・辛さ・スパイシー度であったり,寿司のネタであったりと,食をテーマにした嗜好予測を問題設定してあり,身近な題材なので興味が湧くのではないだろうか.

また,各章とも,単に推薦システムについての各種技術を学ぶだけではなく,他の分野にも必須の技術や知識が散りばめられているので,推薦システムの学習を通じて,その他の分野にも応用できることにも気づくだろう.

なお,『コロナ社の書籍紹介ページには本書のサポートサイトを掲載しています。サポートサイトには,GitHub上に,本書の内容に対応した演習課題や計算例に沿ったPythonコード,問題集,解説スライドや動画などのコンテンツを公開していきます。』と記載されているように,本書には推薦システムについて,より進んだ学習を進めたい方のために,さまざまなコンテンツが用意されている.本レビュ(2022年7月上旬)現在では,本書で学んだ各種アルゴリズムをPythonのコードで表現する問題集や,本書の内容のダイジェスト版のPowerPointの解説スライド(Webブラウザベースでの閲覧とPDFファイルとして保存可能)などが用意されており,学習環境としてはこれほどまで揃えられている書籍も珍しいのでは,と感じた次第である.

最後に一つ要望として,「動画などのコンテンツ」は,本レビュ(2022年7月中旬)現在では公開されていないが,おそらく実際の講義での動画になるかと思われるが,2.5節の次元削減の次元削減の考え方の部分,主成分分析,さらに固有値・固有値ベクトルの部分は,Pythonのライブラリに頼る記述でしたが,数学的な求め方も解説していただけると嬉しく思う.それらに加えて,実際に,本書にあるシナリオを実際の推薦システムとして,何かのソフトウエアのような形で動作している様子なども動画にあると,興味が湧くのではないか,とも感じた次第である.

読者モニターレビュー【 かみと 様(ご専門:フィールドロボティクス)】 掲載日:2022/06/27
LiDARを用いた高度自己位置推定システム - 移動ロボットのための自己位置推定の高性能化とその実装例 -

本書の読解に必要な数学的基礎から、本書の題名にもあるような「高度な」自己位置推定法まで幅広いレベルをカバーしている.
この厚さにまとまっているのはすばらしい.概ね学部生には難しいと思われるが、学部4年生や修士学生であれば他の図書を参考にしながら読み込むことができるのでは無いでしょうか.
また、C++での実装例は理解を深めるのに役立つと思われ、自作ロボットに高度な自己位置推定法を適用することも容易にする.
6章以降では関連研究も紹介されており、8章以降では一般的な自己位置推定法を解説した書籍には乗っていない情報がわかりやすく掲載されていた.
10章ではこれまで紹介してきた手法のアプローチや限界が整理され、今後の自己位置推定手法の発展の方向を指し示している.
初学者には難しい部分もあると思われるが、読み進めていくことができれば、最新の自己位置推定方法をキャッチアップできると思われる.

読者モニターレビュー【 N/M 様(ご専門:総合情報学(情報科学))】 掲載日:2022/06/21
経営科学のための確率統計入門

本書は,オペレーションズリサーチ(OR)を主とした,経営科学の分野を学ぶにあたり,必要な確率論及び,統計学の分野についての記述がなされている.

私自身,確率論及び,統計学の基礎を身につけたいという理由から本レビュ企画に応募した.また,確率論及び,統計学,その他の数学的な知識はほぼない(情報科学の分野を学ぶ際に,条件付き確率,相関係数等の確率論,統計学の用語を見聞きした程度)に等しい状態であるので,気になった点や内容の概略を中心に紹介していく形を取る.

本書を読むに当たり,Σの計算,極限 lim,積分
∫などの計算の知識が前提知識として必要である.付録として,簡単な計算方法が解説してあるといいのではないかと思った.

内容としては,確率論や統計学の役割や何の役に立つのかという,そもそも論の話から始まり,それらの定義や性質や,各種確率分布,推定,検定,分析について,時には証明を交えながら詳しく解説されている.一部,扱われていない内容(例えば,「単回帰分析」の記述はあるが,「重回帰分析」は扱われていない,など)も含むが,基礎的な部分に関してはほぼ網羅されているのではないだろうか.

7章にも書かれているが,データサイエンスや,情報系の分野では,AI(人工知能)を実装する上で重要な技術として「機械学習」が挙げられる.この機械学習には,多変量解析の手法が一部使われていたりと,統計学は何かと最近流行りの分野でも深く関連性がある,ということが改めて感じ取ることができるだろう.

最後に,経営科学に関連した題材の章末問題を中心に,かなり多めに用意されているので,理解を深める意味で大変参考になるだろう.ただ,略解も含めて解答・解説がないのが,大変悔やまれる(もちろん,講義でのレポート問題として活用するという意味合いもあると思うが・・・).是非とも,このレビュ後にでも良いので,コロナ社や著者のWebページにでも公開していただけることを切に願いたい.

読者モニターレビュー【 あめ色玉ねぎ 様(ご専門:システム工学)】 掲載日:2022/06/21
経営科学のための確率統計入門

本書は、初学者が読みやすくなるような工夫が随所に散りばめられた、確率統計の良書である。

通常、確率統計の書籍は数学的な説明が多く理論に偏ったものである場合か、それとは反対に数学的な説明に乏しく概念的な内容に偏ったものである場合が大半だが、本書は数学的な理論と概念的な説明とのバランスが非常に良く、読者が理解しやすいようにまとめられている。

また、文中に出てくる例は身近で実用的なものが多いため、単に理論を学ぶだけでなく各章で紹介される手法の実用性を理解しながら読み進めることができる。

全体を通して取り扱われている内容が基礎的なものから応用的なものまで幅広く、各章が簡潔で読みやすく理解もしやすいので、是非とも確率統計の初学者各位に手に取っていただきたいと思える一冊であった。

読者モニターレビュー【 めっくろぐ 様(ご専門:自動運転)】 掲載日:2022/06/10
LiDARを用いた高度自己位置推定システム - 移動ロボットのための自己位置推定の高性能化とその実装例 -

本書は、LiDARを用いた自己位置推定の従来手法が抱える課題について、筆者が取り組んできた解決策を述べる一冊である。確率論的アプローチについて、自己位置推定と同時に信頼度といった付加的な情報も取り出すことで、自己位置推定・自律走行が失敗しないよう高度化を図るものである。

このような筆者の取り組みを知るために本書が最適であることはもちろんだが、自己位置推定の初学者にもお薦めであると感じた。数学的な入門から始まり最新の研究動向までが、コンパクトな一冊に、抜け目なくまとめられているからである。要所要所で、言及している技術において何が実現可能であるのか、何が課題であるのかということが端的に解説されているので、理解が深まりやすい。取り扱わない関連研究についても、本書の手法と比較しながら述べられているので、それぞれの特徴も理解しやすい。参考文献も豊富に掲載されているので、興味があれば自分でこれらを追っていくことができる。初心者でも、最新の研究動向までカバーできるようになっているのである。

そして、C++実装例の掲載は、理解を深めるためにやはり大いに役立つ。単なるツールの使用方法の説明ではなく、原理を理解するための実装例なので、これをベースに自分のアイデアを作ってみることもできるだろう。

自律移動技術のニーズが高まるなかで、自己位置推定の高度化と、裾野を広げるという2つの側面において、本書の貢献は大きなものになると感じている。

読者モニターレビュー【 名無し 様(業務内容:環境認識システムの研究開発)】 掲載日:2022/06/07
LiDARを用いた高度自己位置推定システム - 移動ロボットのための自己位置推定の高性能化とその実装例 -

本書は、数あるセンシング技術の中からLiDARを用いた手法を対象とした自己位置推定方法を数式ベースで詳細に解説したうえで、既存技術の課題点を上げ、筆者の解決法を丁寧に論じている。

1章から5章までは数式をメインとした解説が続いてるが、筆者が記述している通りメインテーマに入る前に理解しておく必要がある数学的基礎である。私を含め、普段から確率論などの数学に触れていない者には難しく感じてしまうかもしれないが、本書では丁重に説明されている。時間をかけても本題の6章に入る前に理解を深めておくか、先の章で躓いた時に立ち戻ると理解が進むと思われる。

後半の章では単に自己位置推定法を解説するだけではなく、自己位置推定がどのように失敗し誤検出をしてしまうかまで詳細に説明することで、問題点や課題点への理解がしやすい導入になっている。自己位置推定といった分野にフォーカスした書籍や情報集で、概論だけでなく原理など詳細に至るまで書き記させている日本語書籍は他にないのではないだろうか。
この分野を研究、または専門と扱う職種の方にぜひおすすめしたい書籍である。

読者モニターレビュー【 3A 様(ご専門:ロボティクス)】 掲載日:2022/06/06
LiDARを用いた高度自己位置推定システム - 移動ロボットのための自己位置推定の高性能化とその実装例 -

章の構成として、下記の通り順序だてられていて、読み進めやすい構成となっている。1章、背景。2章、開発環境。3章、本書で扱っている技術を理解するうえで必要な数学知識。4章、Probablistic Roboticsで解説されている従来の確率的自己位置推定法(動作モデル、観測モデル)。5章、パーティクルフィルタを用いた自己位置推定法であるMCL位置推定の実装(C++での一般的な実装例と拡張実装例)。6章、自己位置と観測物体のクラスに関する同時分布を推定する方法。7章、自己位置推定の正誤を正しく認識することを目的とした自己位置推定結果の信頼度推定方法。8章、自己位置推定の失敗の結果生じる、観測値と地図の間の誤対応を認識する方法、およびこの誤対応の結果に基づいて自己位置推定の失敗を検知する方法。9章、One-Shot自己位置推定とMCLを確率的に融合させる方法(近年注目されている機械学習を矛盾なくMCLに融合させる方法)。10章、まとめとして、本書で解説した技術を使って解決できていることとまだ不十分であること、そして今後の展望。

5章以降、随所にソースコードを使った説明がなされており、それが内容理解の助けになっているとともに、実際に実装する際に参考になる内容となっている。また、6章から9章では関連研究という節を設け、近年の研究についての解説があり、参考になる内容だった。

読者モニターレビュー【 N/M 様(ご専門:総合情報学(情報科学))】 掲載日:2022/05/25
生物統計

本書は,バイオインフォマティクスシリーズの3シリーズ目の書籍であり,「(応用)統計学」の中でも特に「生物統計」という分野についての記述がなされている.

私自身,統計学・確率論等の基礎を身に着けたいという理由から本レビュ企画に応募したが,最初に読む書籍としては,難解であったのが正直な感想である.まずは,統計学・確率論のイメージが掴める基礎的な別の書籍で1章〜5章ぐらいの内容をしっかりとイメージを付けてから,本書にチャレンジする方がいいのでは,とまずは思った次第である.

先ほど述べたように,私自身,統計学・確率論,その他数学的な知識はほぼない(情報科学の分野を学ぶ際に,条件付き確率,相関係数等の統計学・確率論の用語を見聞きした程度)に等しい状態であるのと,生物学の分野ということで,専門からもかなりかけ離れているため,詳細なレビュは困難なことを先にお断りしておく.その上で,気になった点や内容の概略を中心に紹介していく形を取っていく.

本書を読むにあたり,ほぼすべての箇所で数式による導出が基本となっているので,数式に苦手意識のあるレビュしている私のような方は少し注意が必要であるが,最初のうちは数式の導出過程も大事だが,各種紹介されている統計解析手法を理解することから始めてみてはどうだろうか(後で別の書籍で数学をしっかり学習して,数理的な意味合いを理解する努力は必要だが・・・).

内容としては,統計解析の目的から始まり,ベルヌーイ分布,二項分布等の各種確率分布,大数の法則,中心極限定理,仮説検定,マルコフ過程,ポアソン過程等の統計・確率分野でよく聞く各種用語が,かなり詳しく取り上げられている.

8章〜13章では,実際に解析する際の概念を詳しく取り上げているだけではなく,プログラム風の疑似コードを用いて,アルゴリズム(算法;ある問題に対して,正解を引き出すための一定の手続きまたは思考方法)としても解説されている.これをベースにデータ解析が得意なプログラミング言語(PythonやR言語等)にアルゴリズムを落とし込むことで,データ解析が容易にできるのではないだろうか(もしかすると既に,実装されている言語もあるかもしれない).

ところで,本書の著者の所属先をよく見てみると,早稲田大学,東京大学の教授をされている方々ということが,一番驚かされた次第である.東京大学の講義「生物統計論」がベースになっているみたいなので,高偏差値の大学の講義とはこういった難易度であるということも,本書を通じて垣間見ることができたのも興味深かった.

最後に,内容が定着するような演習問題のようなものも数問あれば,より理解がより深まるようにも思えた.また,引用・参考文献には統計学の基本的な書籍の紹介もあると便利だとも思った.本書を超える内容で,興味のある分野については,更に深く調べてみると面白いだろう.特に,バイオインフォマティクスシリーズの別の書籍等で学ぶことにより,本書で取り上げられたテーマを深く学ぶことができるだろうと思われる.

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