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書店様向けレビュー

読者モニターレビュー【 河野 優太 様 日本サムスン株式会社(業界・専門分野:化学・有機半導体)】 掲載日:2026/04/30
ケモインフォマティクス

2, 3章などのバイオインフォマティクスは門外漢なので、4章以降を中心に読ませていただきました。
金子先生の書籍は数冊既に購読しており、基本的な内容や流れはかぶる部分があったのですが、最近のホットな内容(構造生成器)などの理論や詳細に触れていた部分は、非常に新鮮で勉強になりました。すでに論文等では登場しており、使用している機関はあるかと思いますが、書籍として話題に触れているものは少ないと思います。

生成AIなどが使える昨今の状況を踏まえると簡単にモデルが実装できてしまいますが、理論が理解できていないとモデルを微調整したり、比較することが難しいと思います。それが、この書籍では理論から逃げずに触れており、内容が難しいところも端折らずに記載がされていました。特にニューラルネットワークに関する基本的な理論とそれらが応用されている事例も併せて紹介されており、ニューラルネットワークの書籍や過去の金子先生の書籍には含まれていない内容で新鮮でした。

モデルを実装するときに書籍を横に置いておき、内容を確認・復習したい時に、書籍に戻って、コードを生成AIと理解しながら実装していくことができると期待しています。

今後ぜひ取り扱ってほしいこととしては、基本的な実験計画法やベイズ最適化の実装に関する書籍は既に発刊されているので、ニューラルネットワークを基本としたグラフ構造を用いたGNNの実装、VAE, Diffusionモデルといった生成モデルを実装、これらの具体的なコードの内容や解説を行っている書籍が出てくるのを楽しみにしています。

細かい点としては、せっかく表やグラフがあるので、カラー印刷の方が読みやすいかなと思いました。

読者モニターレビュー【 小川 哲男 様 (業界・専門分野:ヒューマノイドロボット)】 掲載日:2026/04/30
ロボット運動計算論

私は強化学習や模倣学習を用いて、ヒューマノイドロボットによる人手作業の代替化に取り組むフィジカルAI技術者です。今回献本いただいた『ロボット運動計算論』は、AIと物理世界を繋ぐ高速な力学計算や「微分可能シミュレータ」の基盤理論を真に理解するのに必要十分な情報が網羅されていました。
現在のフィジカルAI開発において、ロボットの制御は「運動の最適化問題」として一般化して解かれつつあります。非線形モデル予測制御の実時間実行や、GPU並列シミュレーションによる二足歩行制御器の強化学習には、本書で体系化されている6次元空間ベクトルを用いた高速な動力学計算(Articulated Body Algorithmなど)が不可欠です。
中でも特に興味深かったのは、第9章で述べられている「包括的運動表現」です。空間変換、速度変換、加速度変換を統合し、18次元の行列空間でロボットの運動を定義するこのアプローチは圧巻でした。この枠組みは、未知の物体操作や外部環境との接触といった、実環境特有の様々な空間的・速度的・力的な制約を伴う諸問題を、AIの学習モデルや運動最適化に的確に提示・反映させるための強力な理論的基盤となります。
データドリブンなAI制御技術を確固たる物理的基盤の底上げによって革新したいと考える全エンジニアにとって、間違いなく手元に置くべき必読の一冊です。

読者モニターレビュー【 鈴木 ラファエル麦 様(業界・専門分野:Bioinformatics)】 掲載日:2026/04/30
ケモインフォマティクス

本書を通して、ケモインフォマティクスやデータ駆動型の創薬・材料設計に関する幅広いトピックを俯瞰することができた。扱われている範囲は広いが、単なる技術紹介にとどまらず、それぞれの手法がどのような場面で有効なのか、どのように研究へ応用できるのかを考えながら読める構成になっていた点が印象的だった。自分の研究に直接関係する内容も多く、読みながら「これは自分の解析にも使えそうだ」「この論文は後で読んでみたい」と思う箇所が何度もあった。特に、構造生成器とオミクス解析の章では最近の様々な研究について重要な研究の論文が紹介されており、ケモインフォに入門するうえで、どの論文から読めばよいかの見通しを得られた。また、各章において、SHAP値や適用範囲(Applicability Domain)など、曲者な用語の説明が丁寧だったり、ベイズ最適化を適用する場面や最初に行うべき実験条件は何かといった、痒いところにてが届くような解説が非常に参考になった。全体として、分野の全体像を掴みながら、自分の研究に活かせる具体的な視点も得られる、実用性の高い一冊だと感じた。

読者モニターレビュー【 KU 様(業界・専門分野:機械工学,鉄鋼材料学)】 掲載日:2026/04/27
材料の数理モデリング - マルチスケール材料シミュレーション -

本書では,量子化学計算,第一原理計算,分子動力学計算,有限要素法,伝熱・凝固解析,粒子法による流体運動の計算,状態図計算という,電子からバルク材料までの各次元における数理モデリングの基礎が各論的に扱われている.「マルチスケール材料シミュレーション」という本書の副題通りの書籍である.各章は前述した各計算・解析法の各論からなる.シミュレーションのみではなく,その基礎となる理論や工業的な応用先まで述べられており,入門書として適していると感じる.

私は鉄鋼のミクロ組織と力学特性の関係について研究している.そのため,特に分子動力学計算,状態図計算,有限要素法に興味がある.本書を通読した後,本書を参考にして,早速,フリーのCALPHAD法ソフトウェアをインストールし,状態図計算を行ってみた.現在,実験やシミュレーションに基づく多元系の状態図を容易に入手することができる.しかし,手に入れた状態図が必ずしも自分の研究で使用する組成を満たしているとは限らない.簡易的にでも自分で状態図計算をできることは強力なツールとなる.有限要素法については,機械工学や建築土木分野で行われるような均質等方性材料の弾性解析の説明にとどまっている.書籍名が「材料の数理モデリング」であるので,結晶塑性有限要素法など,材料の不均一性を考慮した有限要素法の紹介があることを期待していたため,その点については残念なところがある.続編や改定がされるときには,結晶塑性有限要素法についても説明されることを期待したい.

読者モニターレビュー【 おみにゃ 様(業界・専門分野:建設業・制御工学)】 掲載日:2026/04/27
プロジェクトマネジメントとは何か - 「計画の遂行」から「価値の生成」へ -

民間企業の技術開発部門の管理職として興味深く、本書を読ませていただいた。従来のウォーターフォール型マネジメントからアジャイル型を考慮したハイブリッド型マネジメントへの変遷の説明に関しては具体例を交えていて理解が深まった。特に筆者は現代の危機時代における価値生成型プロジェクトマネジメントへの転換の重要性を述べていた。そのなかで、価値とは、あらかじめ与えられたものではなく、関係性のなかで生成されるものであるという言葉が印象的だった。
 昨今は急速な生成AIに成長による業務改善、メタバースによるデータの共有化や有効活用など便利なツールが多くなった。また、働き方改革による業務の効率化が求められている。したがって、仕事の量より質が求められており、仕事自体のやり方が変化してきた。そのなかでプロジェクトの価値を見出すには、何のためにという問いを組織と社会に問いかけることが、あらためて大事であるということを本書を通じて学んだ。例えば、プロジュクトを通じて会社の利益だけを追求するだけでなく、カーボンニュートラルなどの社会環境にも目を向けるなど、多角的な視点を持ってマネジメントを遂行していきたいと感じた。是非、プロジェクトマネジメントに興味がある方は本書を手に取って今後の業務の活かしていただきたい。

読者モニターレビュー【 なお 様(業界・専門分野:IT業界)】 掲載日:2026/04/27
プロジェクトマネジメントとは何か - 「計画の遂行」から「価値の生成」へ -

本書『プロジェクトマネジメントとは何か』は、単なる手法の解説ではなく、「プロジェクトとは何か」「価値とは何か」といった本質に踏み込んでいる点が印象的でした。
プロジェクトを成果物の達成ではなく価値を生み出すプロセスとして捉える考え方は、日々の業務の見方を少し変えてくれる内容だと感じました。
また、ルーティンとの違いを整理した説明も分かりやすく、実務に落とし込みやすい構成です。

45歳のシステムエンジニアとしてチームを持つ立場で読むと、スケジュールやタスク管理だけでなく、人や価値に向き合うことの大切さを改めて考えさせられました。
特にコミュニケーションや意思決定の考え方は、現場ですぐに活かせそうでした。
本書は、これからマネジメントに関わっていく若手にもぜひ読んでほしい一冊だと思いました。自分自身もチームの中でこの考え方を少しずつ伝えていきたいと感じました。

読み終えたあと、すぐに何かが劇的に変わるわけではありませんが、「もう少し主体的に関わってみよう」と思えるきっかけはしっかりもらえた一冊でした。

読者モニターレビュー【 ビクトール 様(業界・専門分野:機械工学)】 掲載日:2026/04/27
材料の数理モデリング - マルチスケール材料シミュレーション -

材料の構造に関して、機械系で学ぶ材料力学のようにマクロな視点でとらえるのではなく、量子化学や分子動力学法と行ったミクロな視点で捉え解説していく本である。粒子の運動に関して様々な視点から紐解いていく本であるため、工学系の中でも機械工学系、化学工学系、材料科学系の学生のうち、新素材の開発といった材料科学を研究テーマにしている大学院生が研究の基本を知る上でとても役立つ本である。また、材料系の研究室に行きたい学生が、材料科学ではどのような研究や手法が行われているのか把握する目的で読んでも効果的であると考えられる。

読者モニターレビュー【 電迅 様(業界・専門分野:電気・電子)】 掲載日:2026/04/27
構想設計の方法論 - ディスラプションからトランジションへ -

製品の価値とはなにか、面白く人々に売れる製品とは何か迷っている際にこの本に出合いました。
めったに本は読まないので他の技術書と比較はできませんが、個人的にこの本は手軽に読むのは難しい物だと感じます。
基本的にものづくりの考え方や開発システムを説いており、最後まで文字たっぷりです。
方法論と言うくらいですから、やんわりと感じていた考え方を片っ端から言語化しているような内容で、ここまで書くかと感動しました。
工業的というより経営的や社会的、哲学的な側面が強く、物理的な物の設計しかしてこなかった私は理解するのに四苦八苦しています。
ものすごい情報の密度ですが、必要十分な図が挿入されており章の終わりにまとめもありますから、じっくり読めば理解する事自体は難しくないかもしれません。
組織として価値ある物を作っていく人や、論理的に物の価値を生み出そうと考えている人にはお勧めです。
一回読んだだけではすべてを汲み取れるわけもないので、また何度か読み返してみようと思います。

読者モニターレビュー【 つねぞう 様(業界・専門分野:工作機械)】 掲載日:2026/04/21
構想設計の方法論 - ディスラプションからトランジションへ -

本書は、製品やサービスの設計において「何を作るべきか」を考える段階、つまり構想設計の方法論を、14章・544頁にわたってまとめた本だ。付録の最後には「構想設計とは、決められないことを決めることである」という一文がある。これが本書のすべてを言い表していると思う。

構想設計の手順書やすぐ使えるノウハウ集を期待してこの本を手に取ったなら、おそらく戸惑うだろう。各章末の問いは、就職活動の自己分析や料理のレシピ考案といった題材を使って、物事の考え方そのものを問うてくる。「まず自分の頭で考えよ」という姿勢が全編を貫いており、読み進めるにはそれなりの覚悟がいる。

ただ、設計歴が長く若手の指導に携わっている人には、別の読み方ができる。長年の経験を通じて感覚的に身についていたものを、言葉と構造で整理し直す道具として使えるのだ。まえがきで著者が求める「専門性の殻を打ち破ること」は、積み上げてきたものがある人にこそ響く言葉だと思う。何度か読み返してみようと思っている。

読者モニターレビュー【 メカメカ 様(業界・専門分野:機械工学)】 掲載日:2026/04/21
自律的行動創発システムと身体性 - 機械獣の構成論 -

現在主流の「目的」をもって作られたロボットに対して、「目的」をもたないロボットが自律的にどのような行動を創発するのかに注目した意欲的な本です。使い道を設定しない「無目的」なロボットはどのような意味があるのかが、導入部分で熱く語られており、読み応えがあります。

前半はベースになる理論である強化学習、恒常性強化学習などの基礎部分が解説され、後半から展開される「実践編」に向けた導入となっています。具体的な事例は第5章からで、深層恒常性強化学習によるシミュレーションの構築と実験の結果が紹介され、擬似「餌」を取得する行動によるエネルギー維持と体温上昇抑制を両立させるシミュレーションの結果は非常に興味深かったです。第6章は、副題にある「機械獣」を想定した既成の4脚ロボット製品を使った取り組みで、「現実のロボット」で動作させることにより、創発された行動パターンの「リアル」がわかる内容になっています。第7章では、第6章までの内容をベースに「機械獣」の展開例が紹介されています。深層強化学習環境crafterに恒常性を考慮した新たな環境を構築し、複雑な状況をシミュレーションすることで、行動創発のバリエーションがわかりやすく解説されています。最後に、本書の印象ですが、「機械獣」の今後の展開については無限の発展性が感じられるというものでした。

読者モニターレビュー【 MasaTam 様(業界・専門分野:Robotics/AI/Software Engineering)】 掲載日:2026/04/20
Unityによる3DCGプログラミング - 基本原理と実践 -

Unityで3DCGプログラミングということで、大学院時代のOpenGLでのCGとShaderの授業を思い出しながら楽しんで読みました。Unityですが、単純にゲームのCGと言うよりは、その名の通り、CGがどう作られてるか、また、レンダリングパイプラインに始まり、モデルのメッシュ、カメラやライティングの技法などをUnityというツールを使い面倒な部分のアシストを使いながら基礎から実践まで学べるような一冊です。最後まで読むとGPUを用いて流体のシミュレーションなど粒子の流れを高速で操るようなプログラムまで学べます。この本を理解すれば、3DCGをより深く柔軟に使えるようになると思います。

読者モニターレビュー【 Mizu 様(業界・専門分野:組み込み)】 掲載日:2026/04/20
Unityによる3DCGプログラミング - 基本原理と実践 -

本書はポリゴンの基礎からレイトレーシング、シェーディングまでを
実コードと併せて解説する入門書となっている。

実行環境にはUnityを用いており、プラットフォーム依存の下回りなどの複雑な部分は隠しつつ、3DCGの基礎はコード・数式で理解できるように工夫されている。

個人的に面白かった部分をいくつか挙げたい。
まず4章のシェーディングでは物理ベースレンダリングのひとつGGXが取り上げられている。
GGXの式を完全に理解することは原論文などを参照する必要があるが、実際の結果を見ることでその有用性を認識することができると思う。

また6章ではGPGPUの基礎が丁寧に解説されており、最後に流体シミュレーションとしてSPHが挙げられている。
この方法はPS5の『アストロボット』にも使用されており、本書の内容が机上のものだけでないことが分かる。

上記以外にも、様々な事項がコード・数式で説明されており、理論と実装の隙間を埋めるのに最適である。
本書単体での使用、理論を深く解説した書籍と併せた使用、両方をお勧めできる良き書籍だと、自信をもって推薦できる。

読者モニターレビュー【 いたち 様(業界・専門分野:評価装置メーカー)】 掲載日:2026/04/20
Unityによる3DCGプログラミング - 基本原理と実践 -

本書籍は分かりやすく3DCGと2次元間の処理が学べると思います。
内容として、Unityでの処理に対して、各章で分けながら、ひとつずつ解説してくれるため、私のような画像処理系初心者の方でも安心して読める1冊だと思います。
これから学ぶ方や、専攻となる方におすすめの1冊です。
教科書のようなものですと、解説がある程度省かれて分かりづらかったりするのですが、本書籍では多彩なイラスト付きで一つ一つ説明しているため、読者に対してだいぶ考慮してくれた1冊だと思います。

読者モニターレビュー【 かねまる 様(業界・専門分野:化学・製造技術)】 掲載日:2026/04/20
半導体デバイス基礎の基礎

半導体の解説にあたり、いきなりデバイスの話に入るのではなく、まずは化学、電磁気学、量子力学の基本的な要素が解説されています。そのうえで、無機化学的な視点から結晶構造へと話が進み、キャリアの振る舞いへとつながる構成になっています。難解な印象がある半導体について、ハードルを下げながら、半導体デバイスの全体像をつかませてくれる一冊だと感じました。特に、細かな計算に入る前に、まず仕組みや考え方を理解したい方には読みやすい構成です。また原子や分子、材料に関する記述が数多く見受けられるため、化学系の自分にとっても親しみやすく、興味を持って読み進められました。

読者モニターレビュー【 豊平哲平 様(業界・専門分野:ライター業)】 掲載日:2026/04/20
プロジェクトマネジメントとは何か - 「計画の遂行」から「価値の生成」へ -

完成させるモノの向こう側、プロジェクトが生み出す意味や価値について考えや行動が至っていないところがあったと気付かされました。仕事に限らず家事や学業においても、あらゆるものがルーティンかプロジェクトと見なすことができ、マネジメントの余地があるはずです。それらでモノを超えて価値を意識できるようになると、人生はより豊かになるのではないかと思っています。そういった意味ですべての人に読んで欲しい書籍でした。

読者モニターレビュー【 MASA 様(業界・専門分野:機械工学)】 掲載日:2026/04/06
金属疲労の基礎と疲労強度設計への応用 (増補)

本書は金属材料にき裂などの損傷が金属材料の強度に及ぼす影響や評価方法を体系的にまとめられた内容となっており、言い方を変えると疲労設計を行う際に必要となる材料力学、破壊力学、材料強度学、表面処理工学の知識が要約された書籍です。また、本書の内容は著者の専門の鉄道分野だけでなく幅広い分野の技術者にとって有益な書籍になると思います。これは、本書の第1章から第5章では上記に示した専門分野の事項や疲労強度に及ぼす影響因子や評価方法がかかれていることや、第6章では鉄道の疲労設計の事例だけでなく多くの機械製品に使用される歯車、ボルト、軸、キーについての記述があるためです。そのため、機械設計を行う技術者に手にとってほしいのはもちろんですが、評価方法の記載があることから信頼性評価を行う技術者にもおすすめする書籍です。

読者モニターレビュー【 松岡 大輔 様(業界・専門分野:プログラマー)】 掲載日:2026/04/06
Unityによる3DCGプログラミング - 基本原理と実践 -

本書の特徴は、コンピュータグラフィックスの基本となるレンダリングパイプラインを大胆に4つのフェーズに分けた点にある。レンダリングとは「3次元空間に存在する物体を2次元画像へと変換する処理」(p.1)である。そのプロセスは複数の処理からなり、それらの処理を整理する観点として、理論的なものと実装的なものが考えられる。

本書は理論と実装の橋渡しとしての位置づけを自認しており、そのため、旧来の教科書的な理論的整理とはやや異なるレンダリングパイプラインを構成している。そして、それによって、レンダリングパイプラインの各フェーズがUnityの主要なクラスに明確に対応付けられている。Unityはコンポーネントシステムによってコンポーネントごとの独立性を保ちながら、保守性の高いソース管理ができる点にも特徴があるので、このようにレンダリングパイプラインをUnityのクラスと対応させる形で整理することで、実装の分業やファイル構成が明確化できるというメリットがある。

本書は基礎となる数理をある程度解説してから、その後はレンダリングパイプラインの各フェーズと対応するUnityのクラスを活用した具体的なソースコード例を用いて理論のリアライゼーションを試みる。いわば理論と実装の両面からの説明を試みているわけである。

このような書籍の構成によって、まず読者は、コンピュータグラフィックスに関するレンダリングパイプラインの全体像を、Unityのクラスと対応付けながら、理論と実装の両面から理解することができる。著者はUnityという環境を超えた基本原理の共通性を信じてこの書籍を執筆している(まえがき)。

ただし、Unityという選択の妥当性については多少の留保も必要である。他のエンジンとして、UnrealEngineやGodotも検討されるはずだが、UnityはC#の習得容易性とクラス構成の透明性という2点がこの教科書の目的に対して合理的な選択である。一方で、高品質グラフィックスの理論を扱う際の上限とライセンスリスクは留保として残る。

また、上記のようなレンダリングパイプラインの構成によるデメリットもある。たとえば、一般的な理論的観点からのレンダリングパイプラインで扱われるフェーズが一部暗黙のものとされていたり、本来独立したフェーズとして扱われないものが実装との対応のために独立したフェーズとして位置づけられていたりする。だが、これらに関しては、本書一冊で学習が完結するものではないと考えて、シリーズの他の書籍などを適宜参照していくことになるのだろう。

理論と実装をつなぐ位置づけ、という明確でありながら難しい課題を、Unityのクラスとの対応関係を軸にしながら大胆かつ具体的に解説してみせた点に、本書の面白さがあるように思う。

読者モニターレビュー【 しまむら 様(業界・専門分野:画像処理プログラミング)】 掲載日:2026/04/01
Unityによる3DCGプログラミング - 基本原理と実践 -

3DCGの基本的な原理をUnityでコード実行して視覚的に確認できる、という本です。
Unity等の開発環境でモデリングしたものが実際に画面に表示されるまでに、裏でどのような処理が実行されているかの概要が掴めます。
特に、実務(コーディング)から入らずに、まずは3DCGの基本原理と処理のおおまかな流れを知ることから学習を始めたいという方にはおすすめの本です。
ある程度実務経験のある方にとっても、レンダリングパイプラインやGPU構造を振り返る良い機会になります。
プログラミング言語の基本的な使い方の他に、並行処理プログラミング、同次変換行列、照明計算などは別途知識として持っておきながら読むとより理解が深まると思います。

読者モニターレビュー【 たーぼー 様(業界・専門分野:自動車部品業界・物性物理学,プラズマ物理学)】 掲載日:2026/04/01
五訂版 放射線機器学(Ⅰ) - X線撮影機器・診療画像機器 -

装置構成,画像形成原理,品質管理を産業応用の視点から体系的に解説しており,自動車分野の非破壊検査や線量管理に直結する実務知識が得られます。講義的な理論説明は明快で,法規や安全管理の章は企業コンプライアンスに有用です。臨床や産業現場で求められる装置特性の理解や品質保証の基礎を丁寧に示し,研究面では計測手法や線量評価の基礎理論が整理されています。総じて基礎から応用への橋渡しができる良書であり,産業利用を意識する技術者や教育担当者に推奨します。さらなる実務での活用が一層期待されます。

読者モニターレビュー【 ぼっちまん 様(業界・専門分野:情報学)】 掲載日:2026/04/01
基礎力がつくPythonプログラミング入門

本書は、Pythonの基礎知識とJupyterLabの基本操作を身につけたいと考えている読者に、広くお薦めできる一冊である。

特徴的なのは、記述したプログラムの背景に数学だけではなく、化学の話も盛り込まれている点だ。これにより、実践的に知識を習得できると感じた。また、章末問題も非常に充実しており、大学の講義の延長として自主学習を進める際の教材としても大いに役立つ内容となっている。

さらに、初学者が触れることが少ない例外処理やエラー処理に関する章が独立して設けられており、非常に参考になった。豊富な具体例に基づいたエラーへの対応策が丁寧に解説されており、実際のプログラミングにおいて実用性が高い構成となっている。

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