書店様向け

書店様向け情報ご案内ページです。

390件中 1件 - 20件

書店様向けレビュー

【書評】JAXA宇宙科学研究所 澤井 秀次郎 教授 (JAXA SLIMプロジェクト プロジェクトサイエンティスト) 掲載日:2024/06/19
人工衛星・惑星探査機のための宇宙工学

本書は、軌道力学やロケット工学の基礎をわかりやすく整理しており、これから学ぼうとする学部学生や、人工衛星や探査機の現場で研究開発に取り組むエンジニア、更にはこれから天体探査ミッションを検討しようとする研究者等にも是非とも手に取ってほしい一冊である。
本書の大きな特徴のひとつとして、宇宙工学を題材として現場の研究開発と基礎的な数学や物理がどのように結びつくのかを平易に解説している点がある。たとえば、有名な公式の導出を丁寧に解説しており、学生諸氏にとっては、これまで自身が取り組んできた数学や物理の知識がどのように宇宙開発の現場で役立っていくのかを実感できる良書である。式の展開が続く教科書は全体像がわかりにくくなりがちであるが、本書では随所に具体的・現実的な問題設定に基づく「例題」があって、数式遊びになることはない。
本書の例題やコラムは現場に即しているため、軌道力学の数式を正確に暗記していない分野外のエンジニアにとっては、これらを見るだけでも大いに助けになるはずである。また、特に若い読者の中には、本書で必要な基礎的な数学や物理に精通していない方もいるかもしれない。本書はそういう読者もないがしろにしない。第7章には必要な基礎が平易に整理されている。
また、軌道力学・ロケット工学としての教科書としては異例であるが、第2章では太陽系天体の概要やそれらへの探査の歴史がまとめられている。本書を学ぶモチベーションを大いにかき立てられると同時に、ひとつの独立した読み物としても迫力がある。

読者モニターレビュー【 アマサイ 様(業界・専門分野:電子工学)】 掲載日:2024/06/06
トポロジー最適化の基礎 - 弾性体ならびに熱流体関連工学諸問題への応用のために -

トポロジー最適化とは、設計で使える空間にどのように材料を配置すれば最適な構造となるのかを明らかにする解析である。設計空間・荷重条件・拘束条件・制約条件を与え、所望の性能指標を最大化する材料の配置を計算し、設計空間モデルで想定される製品の使用環境やスペックに対して最適形状を見つけることである。筆者はこの分野には明るくない。それでも「基礎」を信じて頁をめくってみた。数式はたくさん出てくるが工学系であれば、読み解けれるレベルである。特に「2.トポロジー最適化の基本的な考え方」を丹念に読んでおけば、あとの章はスムーズに読み進めることができる。弾性体にしても熱流体にしても物理の知識を引き出し、数式を追っていけば理解できるであろう。シミュレーションの図が豊富なのも大いにためになる。読後に門外漢の私でもトポロジー最適化の議論に入れるのではないかと思う。いやいや早合点は禁物である。引用・参考文献の中から選んだ本を読みながら、本書を読み返し、専門家の意見を聴く機会に臨もう。

読者モニターレビュー【 N/M 様(業界・専門分野:総合情報学[情報科学])】 掲載日:2024/05/21
デジタルファブリケーションとメディア

本書は「メディアテクノロジーシリーズ」の6巻目に位置する書籍である.本巻では「デジタルファブリケーション」というデジタルデータを基にしてモノを創り出す技術についての記述がなされている.

本書は,全4章で構成されているが,それぞれ独立した形で記述されているため,興味のある章から読むという自由度がある点も本書の特徴である.

1章では,「デジタルファブリケーション」とは何かということを理解する上で,そもそも「デジタル」というものを改めて考えていくことから始まり,「デジタルファブリケーション」の定義などの解説がなされている.1.2節「離散性」の意味と意義では,通信のデジタル(離散)化を考える上で,クロードシャノンの「通信デジタル化」の箇所は,情報理論でおなじみの内容であり,デジタルファブリケーションの分野でも関連性があるのかと興味深く読ませていただいた.

4章の「コラム:自分でデザインしてみたいものを身の回りで探してみよう」にも解説してあるように,デジタルデータを基に何かモノを作ってみたいけど,何を作っていいのかアイディアがいまいちピンとこない方いると思われるが,現実の日常生活で,こういうモノがあればより便利なのにという,発想のヒントみたいなものがこのコラムから得られるようにも感じた.

読者モニターレビュー【 からあげ 様(業界・専門分野:制御工学、強化学習)】 掲載日:2024/05/07
医療従事者のための基礎物理学

本書は医療従事者の方が普段使用される機器などについて、物理学の観点からその背景を説明するものです。
各章ではまずそれぞれの基本的な内容からはじまり、おおむね章末で「医療従事者の方が関わる具体的な例」を示しています。例えば、波の章ではその基本的な内容を説明したのちにドップラー効果に触れ、救急車の音と「ドップラー血流計」について述べています。
本書では当然数式での説明もなされていますが、あまり難しい印象は受けませんでした。丁寧な語り口で微細にわたって説明がなされており、また図での説明も多いため数学・物理学が苦手な方でもとっつきやすいように感じます。医療従事者の方だけでなく、物理学を学びたい学生の方などにもおすすめできる書籍だと感じました。

読者モニターレビュー【 ソラ 様(業界・専門分野:建築)】 掲載日:2024/05/07
デジタルファブリケーションとメディア

デジタル化という離散的な技術においてアナログ方式がもつ本質的な問題を当時では電話という離散的な事例を通して学ぶことができた.。またこのようなデジタル化における革新はメディアにおいて人間の身体を超えた通信の拡張ともいえるだろう。
3Dプリンタにおける出力物における最適化問題では軽量性やヤング率等をはじめとした素材としての目的関数だけでなく、用途に応じた機能性
を組み合わせた技術が必要であり、逆設計に戻づく設計手法から構成される重要性を再認識できた。
HCIにおける設計ではユーザーにおける使用条件・使用目的においてユーザーの問題点をデジタルファブリケーションでどう解決していくか、そのような人間中心のデザインに加わるデジタル化が問題点だけでなく人間の新たな使用目的を拡張させるのではないかと思った。

読者モニターレビュー【 筑原 翔太 様(業界・専門分野:グラフィックデザイナー)】 掲載日:2024/05/02
IT技術者を目指す人の 情報セキュリティ入門

大学時代の教科書に欲しかった!

IT技術者を目指す人の情報セキュリティ』というタイトルや本の説明からわかるようにある程度知識を持つ人を対象にしています。用語の説明や図、それから具体例などはあるものの実際にどのような被害や手口で行われるのかは全くの無知では想像しにくいと思います。
しかしながら、セキュリティについて満遍なくそれでいて長く難しくなり過ぎないように簡潔に説明されています。故にこの本を学習の索引に、押さえるべき項目をチェックしながらより専門的な本や資料を読んで学んでゆくことができます。
ある程度知識がついてくると、必要な情報と不要な情報の判断ができるようになりますが、学び始めの段階では何を学べば良いのか、何が不足しているのかが、わからないことがあります。

私はIT系私立大学に進学したもののコンピュータは殆ど触ったことがなかったので、コンピュータ基礎やセキュリティ入門などの授業から始めました。
しかし運悪くこのような入門書に出会うことが出来ず、本当に難しい本を教科書に指定され理解できず、挫折してしまいました。当時は渡された本が難しいのかも理解できず、入門でこの難しさでは絶対に無理だ!と諦めてしまいました。しかしある程度知識を持ってみればあれは入門書ではないとか、そういうことがわかるようになります。

この本を読んでいて最初に思ったのは、大学の講義のお供にこういう本があれば理解出来ていたのに!ということです。この本はある程度の基礎知識を前提にしてはいますが、基礎知識なしでも読み進められる部分や、セキュリティ専門で勉強していなくとも日常生活で聞いたことがあるような部分も出てきます。読める部分から読み、そこから発展して他のトピックを読んでもよし、わからない部分は読み飛ばしてもよし。入門書というよりセキュリティ小辞典のような本です。

是非ともセキュリティの授業がある大学には、本書を教科書に指定してほしいです。そうでなくとも、学校の教科書や会社の研修の資料に不満があり、良くない、わからない!と思ったらこの本を手に取って欲しい、そう思いました。

独学者の場合はIPA(情報処理推進機構)
などのセキュリティ入門資料を読む、またマルウェアがどう動くのかは動画などを視聴してイメージをつけ、この本を読むとより読み進めやすいのではないかと思いました。
レポートという課題が設けられていたり、セキュリティに関する国内の組織や参考文献などもあるので、独学のサポートにも事足りるのではないでしょうか。

入門書として基礎を学び、手引き書としてステップアップした学習を助け、参考書として誰かに教える時や学び直しに役に立つ、そういう本だと感じました。

【書評】日本大学理工学部 松野 裕 教授 掲載日:2024/05/01
シリアスゲーム

本書は近年日本においても広く認識されつつあるシリアスゲームに関する最新の知見や動向がまとめられており、シリアスゲームの教育、研究、開発に関わりたい学生や教員、企業の方に最適である。

1章では、シリアスゲームとはなにか、概念の整理から類似概念との関係がまとめられている。シリアスゲーム(Serious Games)という言葉自体は1970年代にはじめて登場し、2000年代に研究が活発になったことが示されている。本書ではシリアスゲームは狭義には(1)娯楽を超えた特定の効能や用途的意図を伴い、(2)ゲームプレイに関係する形でデザインされた、ゲームの開発・利用と定義されている。特に興味深いのは、シリアスゲームでは開発者が娯楽以外の意図(学習)を持つ場合と持たない場合、利用者が娯楽以外の意図を持つ場合と持たない場合で、4つの場合があることが図で示されていることである。狭義のシリアスゲームは、開発者と利用者双方が学習などの娯楽以外の目的を明示的に持っている場合である。一方、開発者と利用者双方が娯楽のみを目的としたゲームは一般的なゲームとされる。評者は素朴に、ゲームとは楽しむものであり、娯楽よりも学習など他の目的を持つシリアスゲームは、果たしてゲームなのかという疑問を持っていた。この疑問に答える回答を評者はまだ持っていないが、本書で示されている従来のゲームとシリアスゲームの対比は示唆に富んでいる。

2章ではシリアスゲームが提唱された時期からの歴史的展開や初期の代表的な事例、国内での展開が概観されている。シリアスゲームへの関心の高まりは2000年前後の時期に米国で行われた産官学連携による2つのゲーム開発プロジェクト、大学経営シミュレーション「Virtual U」および米陸軍が新兵募集マーケティングのために開発した「America’s Army」がその流れを作ったことが書かれている。Virtual Uは250以上の大学で利用された。America’s Armyは2,700万ドル以上の予算を使って開発され、2,000万人を超えるアクティブユーザーに利用された。この2作品は従来のゲーム会社ではなく、大学や非営利組織、デジタルゲーム開発会社などの連携により開発された。2,000年代はゲーム機の高性能化が進んだ時期であり、デジタルゲーム会社は娯楽以外の新たな領域を求め、研究者や教育者、行政担当者はエンターティメントの枠を超えたゲームの利用への理解が進み、シリアスゲームの大きな流れが生まれたことが解説されている。2001年9月11日に起きた同時多発テロで多くの経験豊かな消防士を失い、新たな訓練方法へのニーズが高まる中、消防士訓練シリアスゲーム「Hazmat: Hotzone」がニューヨーク消防局で採用されるなど、米国におけるシリアスゲームの広範囲な活用が紹介されている。これらのシリアスゲームの開発や応用は、諸領域横断的なコミュニティ形成によりなされてきたことが紹介されている。評者はシリアスゲームに関わる前は、シリアスゲームの欧米での活用は知っておらず、2章で紹介されている事例は非常に興味深かった。

3章ではシリアスゲームのデザインについて解説されている。3.1節では、これまでシリアスゲームやゲーム学習の一般的なデザインモデルが提案されており、本書ではスタールダイネン&でフレイタスの「ゲームをベースにした学習のフレームワーク」が紹介されている。シリアスゲームのデザインを始めるにあたって、まず本書の3章をスタート地点にするとよい。3.2節では学習領域に合わせたシリアスゲームの事例として、防災の学習領域のシリアスゲームとして「Stop Disasters!」、歴史の学習領域のシリアスゲーム「Mission US」を取り上げ、それぞれ3.1節で紹介されたフレームワークに沿いながら、[1]学習目的・ゲームゴール・学習コンテンツ、[2]プレイの流れ・インストラクション、[3]フィードバック・ディブリーフィングをそれぞれのゲームで解説している。評者は人が熱中する、面白いゲームを作るための方法論は存在しないのではないかと考えるが(もし存在するならば、すべてのゲームは面白くできるはずだが、残念ながらそうではない)、本章のようなゲームデザインの方法論は、面白いゲームを作るための前提知識として、非常に重要である。

4章ではデジタルゲームやカードゲームなどのアナログゲームの、ゲームの形態、メディアによるシリアスゲームの学習効果などの評価が解説されている。例として「ジョブスタ」という、新しい仕事を発想することを競うゲームの、カードゲーム版、オンライン版、ビデオ会議版の比較が解説されている。

5章ではシリアスゲームの開発論として、従来のソフトウェア工学の手法をもとにしたSLCPと呼ばれる手法が解説されている。シリアスゲーム開発もソフトウェア開発であり、評者はソフトウェア工学の知見が活かせる分野ではないかと考えていたが、SLCPの解説を読み、シリアスゲームが、ソフトウェア工学を含む様々な分野の学際横断的な研究領域になりうることを確信した。

6章ではシリアスゲームを運動と関連付けた、エクサゲームについての紹介がされている。リハビリテーションや高齢者の運動促進などにエクサゲームが活用されている事例や、エクサゲームを通じたコミュニティ形成について述べられている。

7章では地方創生のためのシリアスゲームの活用事例が多く紹介されている。地域の課題解決のためにシリアスゲームを地方創生ゲームと定義している。岐阜県を題材として「岐阜クエスト」、群馬県をテーマとした「ぐんまのやぼう」など、地方創生のために様々なシリアスゲームが紹介されている。本章では地方創生ゲーム開発の事例を公費投入型地方創生ゲーム (地方創生RPGシリーズ、VRを用いた「タイムトリップ堺」、ARを用いた「AR長岡京」など)、個人・インディーゲーム会社による開発(「コロニーな生活」、「ぐんまのやぼう」など)、および産業育成型地方創生ゲーム(「喰人記」など)などにわけて紹介している。地方創生のためのゲーム開発が多くなされていることは、評者は知っておらず、非常に参考になった。

8章ではシリアスゲームの今後の展望と課題が述べられている。
筆者はソフトウェア工学および信頼性や安全・安心をテーマとして研究しており、学生が興味を持ちそうなテーマとして、防災をテーマとしたシリアスゲームを2018年より学生の卒論、修論のテーマとして研究開発を行ってきた。さらに2022年に著者の一人である日本大学生産工学部の古市昌一特任教授から、ゲームジャムを紹介していただき、2024年の3月には日本大学理工学部で防災シリアスゲームジャムを開催した(https://www.matsulab.org/#/event )。参加者は総数で60名になり、有意義なイベントになった。しかしながら「ゲーム」と名前がつくと、いまだそれは大学で行うものではない、研究ではないという雰囲気を大学で感じることもある。また、シリアスゲームはゲームであり、本当に面白くなければ、やがて誰も遊ばなくなる。残念ながら「面白い」ゲームを作る方法(その方法に従えば必ず面白いゲームが作れるという意味での方法論)は存在しない。ゲームは学問化、形式化しにくい分野であると評者は考えるが、本書はそのような現状において、ゲームの持つ力を様々な分野で活用するための最新の情報が記されている。一読を勧めたい。

読者モニターレビュー【 おみにゃ 様(業界・専門分野:制御工学)】 掲載日:2024/04/26
IT技術者を目指す人の 情報セキュリティ入門

国を挙げたDX 推進のなかで、民間企業ではデジタル人材の育成が急務である。そのなかで、本書は情報セキュリティの全体像が学べるのが最大の利点である。特にネットワークセキュリティにおいては、ファイアウォールの知識は不可欠と考えるが、本書ではその分類から詳細まで書かれている。最も感心したのは、各章の最後にレポートワークとして議論のテーマが記載されていることである。回答例は特に用意されていないが、学校の講義や会社での勉強会で上記テーマに基づいて議論することを是非お勧めしたい。これにより、情報セキュリティの知識を更に深掘りできる点が非常に素晴らしいと思う。是非、書店で手に取っていただきたいお勧めの良書である。

読者モニターレビュー【 @adamu_of_FUN 様(業界・専門分野:生活サービス業(IT担当))】 掲載日:2024/04/22
IT技術者を目指す人の 情報セキュリティ入門

IPAの試験勉強のための副読本やエンジニア業務をしているがセキュリティ関係の業務には関わったことがない人におすすめできる本だと感じました。
この本の良いと感じた点は以下2点あります。

①抽象概念の可視化
例えば差分バックアップや増分バックアップなどの似た名前の用語を混同しないように、違いがわかるようなイラストが記されており学習者の助けになると思います。

②読むハードルの低さ
全体を通して、小説のような感覚でスラスラと読むことができます。

物理や数学の教科書は1ページに何時間もかかることは自然ですが、数式の記述は本当に最低限で理解に苦しむ場所は全然ありませんでした。
IPAの試験を考えている高校生でも十分に読める本であると思います。

読者モニターレビュー【 N/M 様(業界・専門分野:総合情報学[情報科学])】 掲載日:2024/04/22
現代光コンピューティング入門

本書は,物理学(光)と,情報学を合わせた「光コンピューティング」という技術について書かれた入門書である.個人的には,光とコンピュータとの関係でまず思いつくのが,ネットワーク通信において光ファイバを用いている,という理解であったのが正直な感想だった.

本書は,全4章で構成されており,1章では,光コンピューティングを学ぶ上で必要となる光に関する基礎知識が概論的に解説されている.

2章では,コンピューティングの基礎として,従来の技術とアーキテクチャ革新の必要性として,光コンピューティングや量子コンピューティングなどの「物理系の特徴を活かす」という視点が必要になるという議論になり,本書のメインテーマである3章の現代光コンピューティングの話に繋がっている.個人的には,ムーアの法則や,フォンノイマンアーキテクチャ,シャノンの定理,AIなど,情報科学の分野でもおなじみの用語も登場し興味深かった.

3章では,現代光コンピューティングに関する研究例が数多く詳細に紹介されている.個人的には,特に3.4節の強化学習や意思決定,3.5節の粘菌コンピューティングから光コンピューティングについて,AI技術や意思決定,生物の粘菌など,自身の注目している技術と,粘菌コンピューティングという意外性のある研究もされており,大変興味深く拝読させていただいた.

最後の4章では,さらなる発展に向けてということで,これまでの章で述べられてきたことを振り返りつつ,「光の極限性能を生かすフォトニックコンピューティングの創成」という研究プログラムにおける方向性として3つの視座及び,それらに対応した3つの研究柱を設定し,研究に取り組んでいる,という形で締め括られている.

読者モニターレビュー【 miya 様(業務内容:IT系の学科の教員+情報セキュリティマネジメント試験対策担当)】 掲載日:2024/04/18
IT技術者を目指す人の 情報セキュリティ入門

国家試験である情報セキュリティマネジメント(以下SG)を担当している者として、ほぼ完璧なテキストを見つけたと喜んでいる。もちろん国家試験対策だけではなく、なにかにつけ正当に評価してもらえない情報セキュリティ担当になったとき、真っ先に読むべき本である。

まず、国家試験で出題される内容がほぼ網羅されており(これが最低ラインの知識という意味でもある)、市販のSG対策テキストでは触れない内容までしっかり説明されているのに感心している。

通常、この手の情報セキュリティの本はいわゆる「エンジニアリング的な情報セキュリティ」が中心であるが、これはまず第2章で「人的脅威」が最初に書かれている。

最大の脆弱性は「それを使う人間」というのは、笑い話のように聞こえるものの事実である。おそらくしっかりそれを理解したうえで、この章立てになっているのであろう。人的脅威でも、不正利用・ソーシャルエンジニアリングだけでなく、誤操作や紛失・破損なども丁寧に説明している。一般のイメージではここが「脅威」とは認識してもらえず、対策は精神論が繰り出される部分でもある。

もうひとつSGの試験でも出題されることが多い重要項目でもある、第7章の「物理的なセキュリティ対策」がしっかり取り上げられている点も評価できるポイントである。
来客者が入れる場所を制限するゾーニングや、共連れ(ひとりがロックを解除したら他の人が一緒に正規の手続きをせず入ること)についても、しっかりした説明がされている。
また、地味だがこれをセキュリティの一部として書かれることが少ないポイントとして「バックアップ」についても丁寧に説明されている。

ランサムウェアの被害に遭ったとき、もっとも簡単な復元方法はバックアップから戻すことで、どのようにバックアップするのか、そしてどうやってリストアするのかまで、IT系の専門書なみの記述に、もしかしたら痛い目に遭ったことがあるのではと考えてしまうくらいである。

そして最後にしっかり法規や国際基準まで含めてあって、このページ数に収めるには、本当に理解している専門家でない限り書けないものとなっている。

個人的には情報セキュリティについてはまずこの本から始めて、詳しく知りたいときにはさらに専門的な書籍に進むことを強く進める。

読者モニターレビュー【 ステラ 様(業界・専門分野:電気電子・情報)】 掲載日:2024/04/16
実践 Pythonによるベイズ分析とトピックモデル - 先進的なデータ分析へのアプローチ -

本書はPythonでベイズ分析とトピックモデル実装の方法を学ぶことができる。概念の説明よりも実装に重きが置かれているため、ベイズ分析とトピックモデルは一通り学んだがどのように実装すればよいかわからないという人にオススメである。最初の2章で、本書の基礎となる数学やデータをPythonでどのように分析するかについて確認することができる。後の章では、そこで取り扱う内容が簡潔に説明された後、モジュール及びそのメソッドの解説が事細かにされている。また、数多くの例題とそのソースコード掲載されており、その後にほとんどの行について十二分に解説がなされているためプログラミングが苦手な人にもわかりやすい。総じて、本書は実用上において非常に良書であると考える。本書をご購入予定の方々のご参考になれば、非常に幸いである。

読者モニターレビュー【 最適化研究者 様(業界・専門分野:機械工学)】 掲載日:2024/04/16
トポロジー最適化の基礎 - 弾性体ならびに熱流体関連工学諸問題への応用のために -

この本は熱流体のトポロジー最適化に関する理論を扱っており、数学的な理論の概要から具体的な物理モデルの定式化まで幅広くカバーしています。
計算力学に精通している読者を対象としており、特に伝熱と流体の問題に関する詳細な導出が記されている点が魅力です。
日本においては過去、弾性問題に関する文献が主流でしたが、この書籍は熱流体問題に取り組む学生や企業の設計者にとって非常にアクセスしやすい内容となっています。
今回は基礎編なので記載はないですが、具体的なプログラミングコードや数値実装の方法を解説した実践的な続編が出版されれば、より多くの利用者にとって有益なリソースとなると感じました。

読者モニターレビュー【 JAZZCAT 様(業界・専門分野:鉄鋼機械エンジニアリング)】 掲載日:2024/04/10
思考力を磨く信号処理基礎の仕組み

レビュアーは、陶良氏による著書「思考力を磨く信号処理基礎の仕組み」をレビュー致しました。その結果を箇条書きにて、下記致します。

① 本書の一貫したスタイルとなっている「原理的な説明」もしくは「読者が疑問に思う点」をまず提示し、その後、その「理由の説明」や「具体的な例題」を通じて、解説がされており、非常に理解が深まる構成になっていると感じました。
類書では、天下り的な導入から始まり、そこから例題などの演習が中心となっているものが多いようにレビュアーは感じておりました。そのため、「なぜそうなるのか(そう考えるのか)」が理解できないままで、終わってしまうことが多いように思います。
この点は、本書のまえがきに書かれている「「どうして」を「どのように」に結びつけ」という一文からも、上記の良さが分かるものと思います。

② 全章を通じて、説明は(良い意味で)くどいほど丁寧で、理解も早くなるものと思いました(式の誘導も丁寧です)。
但し、数学的な考え方がきちんと身についていないと、読んでいても、チンプンカンプンとなってしまい、かなりしんどくなる点も指摘する必要がある(本書を読むにあたり、「相当な覚悟が必要」)と思いました。具体的には、以下の点を考慮したためです:
1) 本書のタイトルは、「信号処理基礎の仕組み」となっていますが、内容は信号処理を題材とした、「応用数学」の範疇に入るものと思いました。というのも、信号処理は、適用範囲が幅広く、機械系(レビュアーは、機械系出身のため)に限っただけでも、計測工学や制御工学、研究でのデータ処理、実験、開発といったものが思いつきます。

2) 上述の通り、「適用範囲が幅広い」のであれば、そこには「汎用性の高さ」が存在します。汎用性が高いものを理解するためには、「数学もしくは物理」という道具を利用した、抽象的な概念を導入する必要があります。

3) 抽象的な概念の理解で注意しないといけない点は、概念を読んだだけでは、分かったつもりになってしまう、ということです。レビュアーも経験がありますが、その概念を具体的な問題に適用しようとすると、なぜだかうまくできない(問題が解けない、という意味)のです。
それは、抽象的な概念を「具体的な意味合いまで落とし込み、理解をする」というプロセスが抜けているためだということが、経験を積んでいくうちに、分かってきました。
本書では、適切な例題が、適切な位置に配置され、分かりやすい解説がされているので、時間の許す限り、演習を行い、自分のものにするほうが良いと感じました。

4) 本書のまえがきには、「複素数、微分積分、線形代数など大学基礎数学の知識があれば」と書かれていますが、特に、線形代数では、線形空間という抽象的な空間論を自由自在に使いこなせる力をかなり要求されるように思いました(当然、本書内でも丁寧な説明はされておりますが)。
そのため、上記3分野の一通りの基本事項と例題演習ができている、という前提が必須かと感じました(本書のまえがきに「理工系大学2、3年次の学生を対象と想定」と書かれてはいますが、上記の点を考えると、そこまで深く理解できている学生は、そう多くはないものと思われます)。

③ 最後に、いくつかコメント致します。
1) 本書の利用について、1章は初等的な関数の概念の記述となっているので、読者諸氏で不明な部分や初学の部分のみ、読めば良いのではないか、と感じました。また、後章に進むうちに不明点があれば、1章に立ち返り、読み直し、理解すれば良いものと思いました。

2) レビュアーは、本書のコアになる部分は、2章から5章にあると考えています。線形時不変システムを通して、固有空間の概念を導入し、そこからフーリエ級数やフーリエ変換という概念を導いていく、類書にはない特長を有していると思いました。ここは、時間をかけて、じっくり丁寧に読んでいくのが良いものと思いました。

3) 本書を読むにあたり、1度でも信号処理(もしくは、フーリエ変換やラプラス変換、制御工学でも良いと思います)に関する概略を頭に入れておくと、理解がより早く、そして深くなるものと思いました。

4) 制御関係に携わっている諸氏には、釈迦に説法かと思いますが、7.2に記載されているラプラス変換については、既存の書籍ではあまり詳しく書かれていない事項が記載されているので、ラプラス変換を原理的な視点(応用数学からの視点)から理解し直すのに、もってこいの教材かと感じました。

以上、簡単ではありますが、本書をレビューした結果を記載致しました。本書をご購入予定の方々のご参考になれば、非常に幸いです。

読者モニターレビュー【 河本 倫 様(業界・専門分野:IT業界)】 掲載日:2024/04/05
神経刺激インタフェース

ところどころ学習していないとわからない要素があるものの、その点について説明が都度あったため詰まらず読むことができた。
また、VR等のフィードバックデバイスを開発する際に提示する刺激についてどういった性質の刺激を与えることがより効果的なのかといったことや提示に関する留意点など、開発段階で検討する事がある程度詳細に書かれている。
それに加え、実際に過去に行われた実験や製品化された商品・機器、今後応用が期待される物など、開発の際に疑問に挙がるであろう事例も書かれているため参考になった。
また、フィードバックデバイスのフィードバックアプローチ方法やその原理等、ユーザー目線ではあまり意識しない点について理解することができた。

読者モニターレビュー【 N/M 様(業界・専門分野:総合情報学[情報科学])】 掲載日:2024/04/01
神経刺激インタフェース

本書は「バーチャルリアリティ学ライブラリ」の2巻目に位置する書籍である.神経刺激といえば,まず思いつくのがSFアニメ・映画・小説などで取り扱われていることを容易に想像できるだろうと思われる.そういった身近なVRの領域でも,本巻では,特に「神経刺激インタフェース」について基礎から解説がなされている.

1章では,神経刺激インタフェースについて扱う前の準備段階として,そもそも電気とは何か?という電気の発見の歴史から分かりやすく解説してある.よく実験系のバラエティ番組などで見かけるであろう,ライデン瓶を使った「人間電線(百人おどし)」という電気実験は身近な例で個人的には興味深く拝読させていただいた.その後は,バーチャルリアリティ学会に投稿された各種論文にはどのような種類のものが多いのかについての考察がなされている.

2章と3章では,侵襲性と非侵襲性の刺激について,身体の五感に関わる部分にそれぞれ侵襲性と非侵襲性の刺激を与えることによる,インタフェースとしての可能性について述べられている.本書のメインである3章では,その中でも非侵襲性刺激について詳細な解説がなされている.

4章では,電気刺激を身体の各部位に流すことになるため,電気刺激の安全性という,電流・電圧・周波数などによる身体への影響・起こり得る可能性について注意点などについて述べられている.

最後の5章では,神経刺激の応用ということで,これまでの章で述べられてきたことを振り返りつつ,各分野への応用例の紹介という形で締め括られている.

読者モニターレビュー【 はると 様(業界・専門分野:情報・電気電子)】 掲載日:2024/04/01
思考力を磨く信号処理基礎の仕組み

本書は信号処理について学べる本である。1章と2章では信号とシステムの概念について説明されている。数学について深く学ばない学科であっても、各々の基礎が理解できるように例題や図を用いて詳しく説明されている。3章では、線形時不変システムの固有関数と直交基底関数について説明されており、これまでの章の内容と4章以降の内容の懸け橋となる重要な章である。固有値の説明からされているため、線形代数学に苦手意識を持っている人でも安心して読み進めることができる。また、人工知能やデータ圧縮で重要な役割を果たす最小二乗法についても紹介されているため、是非とも理解して欲しい。4章ではフーリエ級数展開について説明されており、本書では多くの初学者が苦手とするフーリエ係数の物理的意味について節が設けられており非常にわかりやすく解説されている。5章は連続フーリエ変換について説明されており、フーリエ変換の基礎だけでなくその実用例のローパスフィルタや通信分野で用いられる変調復調などついても書かれており、読み手の視野が広がるようになっている。6章は離散フーリエ変換について、他の離散時間フーリエ変換が書かれた本に比べ、簡潔にわかりやすく書かれている。また、離散ならではのサンプリング定理にもしっかり言及されている点が良いと思った。7章では、ウェーブレット変換やラプラス変換、z変換について説明されており、様々な分野の基礎となる内容を学べるが、これらの内容は非常に難しいため例題や図がもう少し欲しいと感じた。
総じて、信号処理の初学者やそれがどのように応用されているのか知りたい人におすすめである。本書をご購入予定の方々のご参考になれば、とても幸いである。

読者モニターレビュー【 有機合成学生 様 (業界・専門分野:化学 )】 掲載日:2024/03/18
Pythonで動かして始める量子化学計算

本書は,オープンソースソフトウェアであるPsi4を利用して,量子化学計算をやってみたい方の一番最初の入門書である.本書内で,量子化学計算で必要とされる安定構造あるいは遷移状態の構造最適化,振動数計算,電子密度解析などの計算手法について実際のコードとともに解説がなされている.
また,基底関数をはじめとする量子化学計算特有の事項について,簡単に触れられている.あくまで,本書はPsi4の入門書であるため,開殻分子の計算などのより専門性の高い計算については述べられていない.
このような点から,Psi4をはじめて利用する方に向けた書籍として,非常に有用ではないかと思う.

読者モニターレビュー【 N/M 様(業界・専門分野:総合情報学[情報科学])】 掲載日:2024/03/14
シリアスゲーム

本書は「メディアテクノロジーシリーズ」の5巻目に位置する書籍である.本巻では「シリアスゲーム」についての記述がなされている.

1章では,シリアスゲームとは何かということを理解する上で,そもそも「ゲーム」というものの概念的な定義や,「シリアスゲーム」の定義・範囲及び,それに関連した「ゲーミフィケーション」等の関連用語の類似点や相違点についての解説がなされている.

私が「ゲーミフィケーション」という用語を初めて知り,その概念に興味深いと感じたのは,自身が卒業した大学のWebシラバスであった.閲覧可能な年度でみると,少なくとも2018年度頃から現在まで『ゲーミフィケーション』という名の反転学習型の講義(事前に教科書を読んで,事前学習個所の内容を問う問題に解答し,その内容をグループ討論や,自身の考案したゲーミフィケーションをプレゼンするような)が行われているようだ(因みに使われているテキストは,本書でも1章の引用・参考文献21),2章の引用・参考文献32)にも挙げられている『井上明人(著):「ゲーミフィケーション<ゲーム>がビジネスを変える」,NHK出版』).学習内容を見ていると,この講義の教科書,若しくは参考文献になりそうな気が個人的にはしている.

2章では,シリアスゲームの歴史的背景について書かれており,この1章と2章で,シリアスゲームというもの概念とその広がりが理解できるようになっている.

3章〜5章では,シリアスゲームのデザインやシリアスゲーム開発のためのメディア,開発方法などが解説してある.それらを踏まえて,6章〜7章では開発例として健康をテーマとした,リハビリやヘルスケアを行うエクサゲーム,地方創生ゲームを取り上げて,これらの事例についての解説なされている.個人的には,「PokémonGO」や「Pokémon Sleep」を愛用しているが,これらも社会全体(や個人)が抱える問題(運動不足や睡眠障害など)を解決するシリアスゲームの一種では思った.

最後の8章では,今後の課題と展望ということで各章の論点のまとめと,これまでの課題と展望を振り返りつつ,これからの課題と展望という未来に向けた内容で締め括られている.

最後に,日本におけるシリアスゲームやゲーミフィケーションに関連した専門書は,現段階(2024年3月現在)ではあまり多く出版されていないような状況のように,個人的には思われる.そういった状況から,本書はシリアスゲームやゲーミフィケーションについて丁寧な記述がなされており,初学者の方にもオススメできると思う.また,上記にも挙げたように大学等の講義の教科書や参考書としても十分活用できるものと思われる.

読者モニターレビュー【 waarrk 様(業界・専門分野:電子制御工学 )】 掲載日:2024/03/12
ゲームグラフィックス表現技法

本書では、技術者が表現技法を学ぶ場合、表現者が技術を学ぶ場合の両方に対応することが可能である.
章構成は細分化されており辞書的に用いることが可能であるが、全体を通して、グラフィックスの制作ワークフローに焦点があてられている.業界にはいる前に全体の見通しをつけたり、各作業ポジションで分割可能な作業かといった知識を得ることができる.
各ポジションでの作業フローに丁寧な説明があるため、職場に一冊おいておく辞書的な使用も可能であると考える.
私の場合、技術者が表現技法を学ぶ場合であったが、カメラワーク、ライトなどの項目でも理論的説明に加え、場所によっては追加の技術的説明がなされているので、楽しく読み進めることができるようになっている.
特定のモデリングソフトウェアに依存する使用方法のような説明はないため、その点は注意する必要がある.

390件中 1件 - 20件

お問い合わせ先

書籍に関するお問い合わせやご相談は、以下まで、お気軽にお問い合わせください。

コロナ社 営業部
TEL:03-3941-3133
FAX:03-3941-3137
休業日を除く、平日の9時~17時