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書店様向けレビュー

読者モニターレビュー【 onia 様 (業界・専門分野:振動・音響)】 掲載日:2025/11/14
機械系のための力学通論

本書は、動力学を体系的に学べる良書です。導出や解説がとても丁寧であることはもちろん、補注の内容も興味深く、背景理解を深めながら読み進められる点が特に魅力です。
内容は数式で解釈可能な解析的手法に焦点を当て、数値解析手法には踏み込まないですが、動的現象を数理的にモデル化し、解釈する力を養うことができます。
演習問題は振り返りにも最適で、ボリュームも解説も充実しています。
著者により提案された新型複素モード解析手法の紹介は個人的には特に興味深く、改めて手を動かしながら学び、実務での応用も検討してみたいと思いました。

読者モニターレビュー【 ZOOK 様 (業界・専門分野:建設コンサルタント)】 掲載日:2025/11/05
電気回路素子を理解するための 電気磁気学

このテキストの題名にもある「電気磁気学」としてあるとおり、「電気」と「磁気」を各々個別に理解する事を目的として解説をしている。

第1章では高校の物理の科目でも取り扱う「単位」の解説から入っており、初学者の初歩を本当に捉えている。第2章~第7章では「電気」に関する項目を解説しており、第2章だけでも電気に関する初歩の数学として取り扱う代数幾何学でのベクトル関連の解説をしているのが分かりやすい。第3章では電荷、第4章では電位、第5章では電界(電場)を解説しており、高校の物理を習得している方ではすんなりと分かるようになっていると思う。第8章~第11章では「磁気」に関する項目を解説しており、特に第10章の終盤から第11章ではマクスウェルの方程式に関する解説がなされている。第12章では電気回路に関する項目を解説しており、回路を構成する基本素子(抵抗やコンデンサ等)の各種の解説が分かりやすい。

全体的にイラストが多く、視的に理解できるようになっており非常に分かりやすい。
またこの書籍の最大の特徴と言ってもいいのが、各ページの外側にメモ欄が設けてある。勉強しながら理解した事や感じた事?などすぐに書いておけるスペースがあるのがありがたい。ページ数がそんなに多くはないので、すんなりと読み進めると思う。

読者モニターレビュー【 いたち 様 (業界・専門分野:評価装置メーカー)】 掲載日:2025/11/05
圧 延 - ロールによる板・棒線・管・形材の製造 -

本書籍は、イラストと表が多く、内容が順序良く整理され非常に読みやすかったです。
学会が編集してることもあり、そこそこ深く難しめで、研究開発分野に最適です。私としては、この分野の修士~と、この分野の社会人におすすめかと思います。
また、内容が多岐にわたっており、それぞれのチャプターについて、どういう背景があって、どういう目的に繋がるのかを最初に記載してくれているので、初学者の方も入りやすいと思います。詳しい内容の他に、今後についても記載されているので、研究分野の方にとてもいいポイントです。

読者モニターレビュー【 にせシャム猫ミミ 様 (業界・専門分野:教育業界)】 掲載日:2025/11/05
代数学と符号暗号理論 - Pythonによる実装 -

本書『代数学と符号暗号理論』は工学的な観点による類書も多い中で,代数幾何学を専門とし,日本数学会理事長も務めた純粋数学者による著作という点で非常に興味をそそられた.暗号理論・符号理論という情報科学の実践的内容について,過度に抽象的になることなく,数学が持つ洗練された記述力によってその本質を簡潔に表現することに成功している稀有な一冊である.

本書は,1. 初等整数論,2. 暗号理論,3. 符号理論の3つの章から構成されている.1冊の中で必要な予備知識を含め,暗号理論と符号理論の双方を同時に学べるという点でも大変魅力的である.

第1章「初等整数論」では,ユークリッドの互除法や剰余系,素体,フェルマーの小定理といった基礎事項が,後の章との関連を意識しつつ,厳密でありながらも平易に解説されている.特に,符号理論への応用を見据えて,素数や有限体(ガロア体),それらを係数とする多項式の性質,剰余演算などについても丁寧に扱われている.また,RSA暗号で実際に利用される形式である「素数の積に関するフェルマーの定理」についてもきちんと証明が示されている点や,高速べき計算といった計算上の工夫にも触れられている点も,初学者にとってありがたい配慮である.

続く第2章「暗号理論」では,RSA暗号やディフィー・ヘルマン鍵共有,さらには楕円曲線暗号まで,現代の暗号技術の基本を一望することができる.内容は,重厚で網羅的な理論展開というよりも,基本事項が簡潔に記述されている構成となっているため非常に読みやすい.また,Pythonコードを通して実際に暗号処理を試せるよう工夫されており,理論を実際に「動かしながら」理解を深めることが可能となっている.

第3章「符号理論」では,誤り訂正符号やリード・ソロモン符号など,情報伝達を支える数理構造が取り上げられる.ベクトル空間や線形写像の基本から始まり,巡回符号やBCH符号のアルゴリズムに至るまでが,代数学的枠組みのもとで体系的に記述されており,有限体という純粋に数学的な対象が現実世界へ応用されている様子を垣間見ることができる.

私個人は数学寄りの背景を持つため,本書のこうした記述に親近感を覚える一方,このような抽象性を含む記述は読者によって評価が分かれる部分かもしれない.しかしながら,抽象的な数学が現実の通信技術にどのように生きているのかを知るうえで,明瞭な記述と併せて例題(解答が巻末に付属している)やPythonコードを通じて「手を動かして」学べる設計になっている本書は格好の入門書であり,ぜひ多くの方に手に取ってほしいと思う.

読者モニターレビュー【 pppp4869 様 (業界・専門分野:セキュリティ研究)】 掲載日:2025/10/30
代数学と符号暗号理論 - Pythonによる実装 -

本書は、初等整数論の基礎から出発し、暗号理論や符号理論へと自然に橋渡しして解説しています。
理論の紹介にとどまらず、Pythonを用いた実装で確かめられる点も大きな特徴です。対象は「代数学を学んだことのない学生」と明示されており、用語の定義や背景が一つひとつ丁寧に説明されています。

読み進めるうちに、私自身、暗号理論の学習で多用していた初等整数論の用語を十分に理解していなかったことを痛感しました。また、Pythonのコードを通じて、学んだ理論や数式をどのようにプログラムへ落とし込むかを具体的に理解できます。
掲載コードにはコメントがない箇所もありますが、行ごとに追いながら数式と照らし合わせ、自分でコメントを付けることで理解をさらに深められるでしょう。

総じて、本書は暗号理論や符号理論に挑戦したい学生はもちろん、基礎となる初等整数論でつまずいた学習者にも自信をもって薦められる一冊です。

読者モニターレビュー【 上道 茜 様 山口大学工学部 (業界・専門分野:機械工学(熱流体、流体関連振動))】 掲載日:2025/10/30
機械系のための力学通論

近藤孝広先生の『機械系のための力学通論』は、まさに力学の「通論」と呼ぶにふさわしい1冊である。本書の前書きどおり、すべての数式展開が詳細かつ丁寧で、学習をサポートしてくれる。本書の構成も非常に周到で、1〜3章で力学を学ぶための準備を行った後、4〜12章で機械系学生が学部1年生で履修する基礎的な力学の内容を網羅している。さらに13章以降では、回転機械の振動、多自由度系・連続体の振動、振動制御といった実用的なテーマを深く掘り下げており、学生だけでなく社会人にとっても有用な内容となっている。高度な内容も含まれるが、重要な概念がしっかりと網羅されており、力学および機械力学を学ぶ上で大きな助けとなるだろう。豊富な例題・演習問題とその解説が極めて丁寧なのも特長だ。随所に散りばめられたコラムも知的好奇心を刺激し、楽しみながら力学を深く学ぶことができる。

読者モニターレビュー【 Manny-Lab 様 (業界・専門分野:機械学習や深層学習を用 いた統計モデリング)】 掲載日:2025/10/27
代数学と符号暗号理論 - Pythonによる実装 -

評者の、本書籍の読後の第一印象は「こう来たか!!」という驚きで、いっぱいでした。
本書の特徴は、まず何においても「数学者が、数学的にしっかりと暗号理論・符号理論を解説した」ことにあります。他の多くの類書では、、情報系の著者が”読者の分かりやすさ”を優先し、実例優先で記述する場合が多いと感じています。その中にあって、本書は、数学者によるしっかりとした記述で、評者としては非常に安心して取り組めました。
記載内容は、少々抽象的な数学的概念を過度に採用しなかったことで、非常にイメージがしやすい内容になっていました。その一方で、少々残念なのは、Pythonコードが、コード掲載に留まった印象を受けたことです。Pythonのコードを、スクラッチで作成し、過度に他のライブラリを使用していない点は、非常に参考になります。
しかしながら、もう少しコード内でのコメントや解説の記載など、一般的なプログラミング系書籍のレベルの記載は欲しいと思いました。もし読者がプログラミングに興味があれば、他のライブラリ(galois, bchlib, reedsolo など)との比較などをすると理解が深まると思います。

本書の内容は、数学などの理論的側面に興味が強い読者には、非常に参考になる書籍と言うことができる、おすすめの書籍です。

読者モニターレビュー【 N/M 様 (業界・専門分野:総合情報学[情報科学])】 掲載日:2025/10/27
代数学と符号暗号理論 - Pythonによる実装 -

本書は,符号理論や暗号理論,そしてこれらを学ぶ上で必要となる基礎的な代数学についての記述がなされている.

本書の大きな特徴としては,代数学,符号理論,暗号理論の各種アルゴリズムを,実際にプログラムとして動作させることのできるPythonでの記述がなされている点である.

私自身,学生時代に情報理論を学んだ際,符号理論の一部として,誤り検出・訂正符号の線形符号や巡回符号について学んだ.その際に,線形符号には他にも,CDやDVDに使われているリード・ソロモン符号,BCH符号も挙げられていたこともあり,本書を大変興味深く拝読させていただいた(これが今回のモニタに応募させていただいた一番の動機でもある).

私自身の理解力不足もあり,数式が意味する所の深い理解はできていないように個人的には痛感したが,少なくとも学生時代に,とある講義で言及された「暗号理論には(難解な)数学が多用されている」という意味合いが本書を通じて感じ取ることができた.

最後に,本書で学んだことが確認できるような演習問題が,もう少しあっても良かったのではないかと個人的には思った次第である.

読者モニターレビュー【 たか 様 (業界・専門分野:制御工学 産業応用 セキュリティ)】 掲載日:2025/10/27
代数学と符号暗号理論 - Pythonによる実装 -

本書は、暗号理論、符号理論、そしてそれらの基礎となる整数論から構成されている。「まえがき」にて、"代数学を学んだことのない学生を対象とした講義録とゼミで用いた資料が基になっている"とあるように、全体を通じて初学者に分かりやすく、お薦めしたい印象を受けた。

その理由として、例題や解説内にて数値例を用いて丁寧に説明が展開されている点とpythonでのサンプルコードが豊富な点が挙げられる。前者については、例えば暗号の章では、RSA暗号や楕円曲線暗号における復号演算のmod演算などにて省略されがちな途中式が丁寧に記述されている。後者についても、pythonでのサンプルコードが多数記載されていることから、実際に手を動かして学びたい人をはじめ、技術者や実験系の学生など各種演算を実装したい人の助けになると思われる。

暗号理論や符号理論は、近年重要視されており、機械学習や制御分野など幅広いジャンルと絡めた研究が盛んに行われている。これらの分野を初めて学ぶ学生から、産業応用へ向け学ぶ技術者まで、幅広い方へ一読頂きたい書籍である。

読者モニターレビュー【 みた 様 (業界・専門分野:Web開発)】 掲載日:2025/10/27
インタラクションデザイン - 生活・技術・人をつなぐデザインのかたち -

総評として、学生から社会人まで幅広い世代が楽しみながら学べる本だと思いました。専門的なテーマを扱いつつも親しみある事例を多く取り上げ、段階的に理解が深まる構成になっていると思います。

1,2章はインタラクションデザインについてどういうものかを言葉や定義についての解説が主でした。良いUIや誤解の与えるBAD UIはどんなものかを解説する内容であり、とっかかりとしてよかったと思います。ただし、社会人や業務経験者には基礎的かもしれません。

3,4章は多くのインタラクションデザイン事例の紹介や、それに取り掛かるユーザーたちのマインドなどの紹介が主でした。
この章は自分にとって未知の事例が多く、「自分でも少し扱ってみようかな」と思える内容で読んでいてとても面白かったです。

5,6章はさらに学術的な深掘りがあり、どのようにユーザーに体験させていくかといったことが詳細に解説されている印象を受けました。

最後の7章は各章の著者らによる座談会。技術本には珍しく、未来志向で内容がまとまっており、読後に「何をどのように作るか」のマインドを自然と読者に意識づけさせてくれる構成になっています。読み終えた後に前向きな余韻が残り、好印象でした。

総じてこの本は、インタラクションデザインの基礎を学べると同時に、創造的なインスピレーションの両面を与えてくれる良書だと思います。

読者モニターレビュー【 電気系院生O 様 (業界・専門分野:電力システム工学、パワーエレクトロニクス)】 掲載日:2025/10/27
発変電工学

本書は、発電・変電といった電力システムの基礎理論にとどまらず、制御や運用の観点まで網羅的に扱っている。イメージ図やグラフが豊富で読みごたえがありながらも、抽象的な理論の羅列に終わらず、電力工学の初学者が抱く「なぜそうなるのか」という疑問に丁寧に答えている構成となっている。

読んでいて印象に残ったのは、各機器の構造や動作原理を示すだけでなく、その条件・利点・限界を具体的に比較している点である。電力工学では「なぜその方式を選ぶのか」という問いがしばしば置き去りにされがちだが、本書はその部分を丁寧に掘り下げており、読者の理解を一段深めてくれる。

発電機制御の章では、AVRやPSSに関する説明が充実しており、理論式の背後にある制御思想が明確に伝わる。制御目標や実装上の留意点を重視しており、実務と理論の橋渡しとして非常に有効だと感じた。また、進相運転に関する記述では、運用者の視点から電圧調整や系統安定度への影響を整理しており、実際の運転判断を想起させる内容になっている。

さらに近年の動向として、同期調相機やGFMインバータ(VSG)といったテーマにも触れ、従来の技術との連続性を意識した解説がなされている点も好印象だった。単に新技術を紹介するだけでなく、制御思想の変遷や今後の研究課題にまで言及しており、現代的な電力システムの研究の文脈にうまく接続されている。

これから電力工学を学ぶ学生や社会人にとって、学びの指針となる内容である。体系的に理解を深めたいとき、常に手元に置いておきたい一冊である。

読者モニターレビュー【 Mizu 様 (業界・専門分野:組み込み開発)】 掲載日:2025/10/17
Pythonを使った エンジン性能シミュレーション

本書はエンジンの性能計算に焦点を当てて、数値計算を体験できる内容となっている。
長年著者が取り組んできた経験を活かし、実務に近いシミュレーションに触れることができると感じた。
使用しているPythonの機能も標準的なものに絞っており、Pythonを初めて扱う人でも十分に理解できるコードになっている。

本書は通常の数値計算の書籍と異なり、常に具体的なエンジンのモデルに対して計算を行っている。
例えば、燃焼性能や燃焼温度が挙げられており、これらに対し、どのようにモデル化しプログラムするかを経験できる。
このためどのような対象をなぜ計算しているのかがイメージでき、スムーズに学習を進められると思う。

またシミュレーション結果の解釈についても、比較や条件式による定量的な方法と直感を用いた定性的な方法が紹介されており、
エンジンに詳しくない自分のような人にも理解しやすい構成となっている。

コンピュータによるシミュレーションを行いたいが方法がわからない人や、数式をプログラムにどのように落とし込めばいいか悩んでいる人に本書を勧めたい。

読者モニターレビュー【 ZOOK 様 (業界・専門分野:建設コンサルタント)】 掲載日:2025/10/17
新 測量学 - 基礎から実践まで -

この新 測量学は前著「近代測量の理論と実践」の改訂、改題したものであるが、大学等向けのテキストや測量士補等の資格試験の参考書として書かれたものである。
特に長年建設コンサルタントとして公共工事の現場技術業務を仕事にしている私でさえ、測量の基本の原点へ戻してくれる一冊となっている。
初めて測量士補の試験を受験する方々にとっては、試験内容の全体像が掴める事ができると思う。
最近でのGNSS測量に関する記載や地図編集に関する項目があるので読んでみても興味がそそられる。
我々の業務では特に第7章の応用測量、第8章の工事測量の範囲が業務のメインとなっているが、第8章・工事測量にて丁張りの説明がとても新鮮だった。
他の測量に関する書籍では、お目見えする項目が無いのだが、きちんと図示による丁張りの説明が分かりやすい。
さらに第9章では測量業務における積算や第10章では測量機器の取扱いの解説があるのがありがたい。
ぜひ、初学者や工学系の学生にお薦めしたい一冊である。

読者モニターレビュー【 overload 様 (業界・専門分野::機械工学(特に機械工作))】 掲載日:2025/10/17
機械系のための力学通論

近年は大学等の機械系学科として卒業生にはどんな技術的職種や研究分野に進もうとも最低限必要となる機械力学(振動学)の内容をとてもコンパクトかつ平易にまとめたテキストがかなり増えてきているように感じますが、本書は、機械力学(振動学)を技術的な職務や研究でツールとして用いるのに必要な、一般的な大学の講義用教科書を超えた高度なレベルが主に扱われているという意味で、プロフェッショナル志向なテキストといえそうです。
そのような内容のため、学生というよりかは現場の設計開発等で機械力学(振動学)を使いこなす必要のある現場の技術者や、研究の過程でそのようなプロ志向の機械力学(振動学)の素養が必要になってくる大学院生向きの一冊ではありますが、大学学部までに教えきれなかった内容を教授するという意味では、大学院の機械力学(振動学)特論みたいな科目のテキストとしても使えそうです。

あとは専門科目のコマ数や時間配分が比較的恵まれていて教員の各科目における分業が大学ほど徹底していない高専(高等専門学校)では、一人の教員が初歩の力学・工業力学(高専本科2-4年程度)からそれに続く機械力学(振動学)(本科4-5年程度)、さらに続編の(機械)力学特論(専攻科)といった流れで本書を最初から最後まで通読させることも可能かと思います。数式の分量がかなり多めですが、数式展開を丁寧に行っているが故のことで、数学的補足も比較的充実しているので、力学の理解に必要な大学理系一般教養レベルの数学を専門科目と同時並行か、下手したら数学よりも先に専門の力学を履修する必要のある高専の方が本書の有難みは大きいかもしれません。

読者モニターレビュー【 MASA 様 (業界・専門分野:ロボット工学)】 掲載日:2025/10/15
部材の力学 - 設計のためのはり・板・殻の弾性力学 -

本書は梁・板・殻に関する弾性力学理論に関する書籍であり、基礎方程式の導出や応力・ひずみを求める問題を解く課程を丁寧に記載されています。
特に、基礎方程式の説明に用いられる図や説明が丁寧に記載されているため、独学者でも導出される式の意味を理解することができます。
また、著者が3Dプリンタの利用より可能になった周期的な微細構造の力学の考え方として、ハニカム構造を例に詳細に書かれており、異方性を持つ構造の力学の考え方についても記載があり、通常の材料力学の書籍では記載のない内容があるのが興味深かったです。
書籍を読んだ不明点としては、弾性力学の理論を設計に反映させるにはどうすれば良いかがわかりませんでした。
これはレビュアーが弾性力学の初学者であることも原因ですが、今後の改定時やホームページ上に具体例を示す資料を追加することで、読者が弾性力学の考え方を設計に反映させる際の手助けになると思います。

本書を読む際は、材料力学の書籍と合わせて読むと理解がしやすいと思います。私は「材料力学の基礎」(養賢堂)を参照にしました。
別途書籍を用意する場合は、著者の書籍である「機械系コアテキストシリーズ 材料力学」(コロナ社)が本書の所々で参考文献として用いられているため適切な参考文献になると思います。
本書のご購入を検討する方々に私の読書レビューがご参考になれば幸いです。

読者モニターレビュー【 miya 様 (業界・専門分野:情報系)】 掲載日:2025/10/15
アルゴリズムとデータ構造をExcel VBAで学ぶ

アルゴリズムを学ぶことがさまざまなレベルで求められる時代となった今、どこからどのように手を付けたらいいのかわからない学習者は多いことだろう。
大学入試の情報Ⅰのアルゴリズム問題の学習でも、Pythonやscratchなどで実装すればと工夫されている高校の先生も多い。
Excel VBAはPCにExcelが入っていれば使えるものなので、これを使うのは学習環境を準備するコストがかなり低くなると考える。

そしてこの本はExcel VBAでも十分にアルゴリズムとデータ構造を学習できる工夫がされている。

具体的には、Excelのセルの値が変化していったり、色の変化でアルゴリズムがどのように動いているかを見て把握できるといった点である。プログラム言語の場合、例えば配列の値がどのように変化しているのかは最後に表示させないとわからず、途中経過が見えにくい欠点がある。しかしExcelのセルに途中経過が表示される本書の工夫は、プログラム言語で学ぶのが当然と思っていた私には新鮮であった。

最後にひとつだけ。Excel VBAはいわゆる「マクロ」なので、慣れてしまうと気軽に「有効にする」をクリックしてマルウェアに感染しないよう指導を忘れずに。

読者モニターレビュー【 wiztukamotosan 様 (業界・専門分野:自動車)】 掲載日:2025/10/15
Pythonを使った エンジン性能シミュレーション

社会人最初の業務がエンジンの1Dシミュレーションの開発と運用でした。良かった点として、情報系を卒業して新卒でエンジンの1Dシミュレーションの担当になり、当時(2007年)は参考書がなく本書のような書籍が欲しかったです。この分野は各社毎にノウハウとして色々なモデルがあると思います。そのノウハウ構築のための入門としては良い書籍だと思います。改善してほしい点として、サンプルコードがfortranのコードを最低限動くようにしたpythonコードになっており非常に読みにくいです(すべての変数がglobal変数、設定ファイルがyamlやjsonでなく独自フォーマット、etc)。これであればgfortranの入門も含めて書籍に載せて、fortranのコードの方が読みやすかったです。

読者モニターレビュー【 いたち 様 (業界・専門分野:評価装置メーカー)】 掲載日:2025/10/15
電気回路素子を理解するための 電気磁気学

本書を読み終えた印象として、非常に読みやすく、分かりやすい本でした。
内容はタイトルの通り、電気回路の序盤と電磁気学の2つの観点で執筆されていたように思います。読む対象者としては、一通り微積・ベクトルを学んだ大学3年生以降くらいの内容だと思います。
読みやすさとしては、「イラストと表の多さ」・「タイトルが多く分別されており頭で整理がしやすい」のが印象的でした。また、途中式が書かれておりさっと読み進められるのもよかったです。

読者モニターレビュー【 尺取り虫 様 (業界・専門分野:哲学)】 掲載日:2025/10/15
新 測量学 - 基礎から実践まで -

本書は測量に対する教科書的に書かれた書物であるが、「測量を学問体系として学び、それを実践的な技術に展開してゆくプロセス」を学ぶと謳うように、徹底して原理から応用の理解へと進む記述で一貫しており、単なる暗記的な学習以上の学びをもたらすようになっている。また、UAV写真測量等最新のトピックも幅広く扱いながら、第9章測量業務の積算では費用の算出といった経理に至るまで、測量にまつわる広範な内容が、コンパクトにまとめられている。リモートセンシングには一章を割くなど、測量のみならず多様なジャンルへの興味を惹起し、測量の世界の奥深さを知り、次の学びへと誘う良質な入門書と言えよう。

読者モニターレビュー【 もちすけ 様 (業界・専門分野:光半導体通信)】 掲載日:2025/10/10
高効率薄膜太陽電池の物理と化学 - ペロブスカイトと有機半導体 -

太陽電池とくると半導体のエネルギーバンドから始まってPN接合が来て…という順番で半導体デバイスの教科書に光デバイスの一部として入っていることが多いですが、その扱い方ゆえに深いところへの説明をした書物は探すのに苦労しました。本書は第1章・第2章でそのかゆいところに手が届く説明がされており、もうここだけでも太陽電池について必要な知識が得られます。本書の特徴であるペロブスカイト・有機半導体太陽電池は私が太陽電池の教科書輪講を学生時代に行っていた頃はまだ扱っている書物もなく、この分野の進歩のすさまじさを実感しました。その一方で例えばペロブスカイトの説明では結晶格子の説明をきちんと含めていたり、有機半導体の方ではエネルギーバンド図をふんだんに用いて説明していたりと、電気化学や電子工学の基礎があれば十分に読み進められるのが素晴らしい点だと思いました。私は物理側から化学側の内容に触れて新たな発見がありましたが、逆も然りだと思います。巻末の比較的新しい論文も含めた参考文献リストもあるので、この分野にチャレンジする研究者・技術者の必携の一冊となるでしょう。

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