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書店様向けレビュー
現場で役立つ応用力を養う 工業力学入門
レベルや位置付け的には著者の一人による数十年前の前著「工業力学」(養賢堂)を現代の事情、具体的には就活やそれに必要な俗に言うガクチカなどで、工業力学をはじめとする座学の類に昔の学生ほど時間を割く余裕がかなり無くなってきていると思われる現代の学生のために、演習問題の解答についていわゆる行間を読む能力や労力に極力頼らず理解できる程度に詳解を与えている演習主体の教科書、といったところでしょうか。
工業力学はいわゆる機械工学の主要専門科目の四力学(機械力学(振動学)・材料力学・流体力学・熱力学)あるいは機械(要素)設計(法)に進む前段階の基礎的科目として置かれていることがかなり多いようですが、それら科目に進む前段階の入門的科目としての内容、例えば曲げモーメントや噴流に関する力学なども取り扱われており、その点で比較的充実していると思われます。
本書はあくまで演習とその詳解が主体で、公式だとかの理論的な背景の説明は比較的あっさりしている、習うより慣れよの傾向があるので、本書の内容、演習問題の詳説についていけない場合は、例えば「工業力学入門」(森北出版)や「力学キャンパス・ゼミ」(マセマ出版社)などを参照すれば理解が進むものかと思います。
専門科目に与えられている時間数が恵まれている高専などであれば、講義を通して本書を隅々まで通読することも可能かもしれませんが、大半の一般の大学では工業力学に与えられた時間は1年次後期~2年次前期頃に半期・週1時間・2単位程度であることが殆どかと思われるので、その場合は例えば理系一般教養の力学と重複する主に冒頭の基礎的内容や、四力学や要素設計と重複する内容を割愛する、例えば本書終盤の振動などは工業力学習得後に履修することになる機械力学(振動学)などの専門科目の方に回してしまってもよいかもしれません。あるいは理系一般教養の力学や、大学院における例えば(工業・古典)力学特論といった科目のテキストに本書を用いるのもありかもしれません。
一方で、工業力学の科目では終盤におまけ程度に簡単なラグランジュ方程式を用いた力学的問題の解法といった解析力学の初歩・概論的なことを教授していることも少なくないようですが、本書では解析力学は扱われていないので、その点については担当教員が適宜補ってやる必要があるかもしれません。
本書の演習問題は機械設計等の現場における実践的な問題が多いので、大学や高専の専門課程に入りたての若者や初心者にはオーバースペックかもしれませんが、実務者や大学院入試等で演習問題を作成する側の方々にも重宝するのかなとは思います。あるいは機械系以外でも例えば衛星や実験装置等の設計で高度な古典力学の素養が必要になるであろう理学系など非機械系の方々の独習・輪講用書籍として有用かもしれません。
筆者らは従来の伝統的な(特に機械系の)力学教育に対して長年問題提起されてきているようですが、本書はあくまで従来の伝統的な力学教育に沿った内容でありますので、筆者らが例えば「機械の力学」(朝倉書店)などで提唱の新たな(電磁気学等との親和性の高い、理論的対称性の美しさが際立っているような)機械系力学理論の体系の改革に関する続報についても期待したいところです。
音楽制作 - プログラミング・数理・アート -
本書は多様なメディアテクノロジーの視点から音楽制作を論じており、著者陣には研究者とクリエイターの双方が名を連ねるため、記述が具体的で非常に興味深い。特に第3章「音響コンポジション」と第6章「メディアアートとミュージックテクノロジー」では、QRコードを通じて実際の音楽作品を視聴できる点が魅力的だ。中でもソニフィケーションの位相空間を視聴覚化した作品『x/y』(3.3.12) は、音の方向や位置を体感的に理解でき、文字情報だけでは得られない発見がある。どの章もテクノロジーが切り拓く音楽の新たな深淵を示し、何度も読み返したくなる一冊である。
暮らしと霧の科学
筆者の井川学氏は30年以上「酸性霧」についての研究を続けているそうだ。しかしそもそも、「霧」とはどんなものなのだろう?
井川氏の研究について知ってもらうために、井川氏はまず、「霧」について一から知ることができる本として、『暮らしと霧の科学』を執筆したそうだ。実際、私自身、本書を読むことで「霧と雨の違いは?」とか根本的なことから知ることができた。いわゆる「理系」の分野だけでなく、「文学」での霧の扱いについても言及があり、まさに霧が晴れるように読むだけで多方面に視界がひらけるような一冊だ。
バイオマスの科学と技術 - 未来を創るエネルギー -
バイオマスに関連する広範な知識を、500ページを超えるボリュームで網羅的かつ体系的に整理した本書。
各章末に充実した引用・参考文献が付されている点は、本書を学びの起点とし、専門分野を深く掘り下げたい読者にとって大きな魅力となるでしょう。
複雑な情報を分かりやすく図示したオリジナルの図表が豊富に収録されており、読者の理解をサポートします。私自身も「9章 バイオマス利用システムの評価」においては、前提知識が不足していたにも関わらず、図表の視覚的な捉えやすさにより、スムーズに内容を理解することができました。
加えて、図表を含む本書の記述を引用することで、読者は自身の情報発信に説得力を持たせることが可能です。これらの点から、本書は学びの起点としてだけでなく、研究・実務においても必携の一冊と言えるのではないでしょうか。
暮らしと霧の科学
コロナ社さん @coronasha の新刊『暮らしと霧の科学』
https://coronasha.co.jp/np/isbn/9784339066722/
を読みました!
⛰️登山者は丹沢大山での☁霧(ガス)発生のしやすさなどもあるので地形的な霧の予測にも役立つかも?
霧そのものや酸性雨ならぬ酸性霧のお話など楽しい内容でした!☺️
霧(ガス)もどんどん愛でていこう🥺
トランスクリプトーム解析
本書は、バイオインフォマティクスに取り組みたい初学者や、バイオ系の研究者と共同研究を行いたい情報系の方におすすめの一冊です。内容が非常に体系的に整理されており、理解しやすい構成になっています。
第1章では分子生物学の基礎について概略を把握でき、第2章以降ではトランスクリプトーム解析における計測・推定に関するトピックが展開されます。
特に興味深かったのは、第4章の発現量の定義、第7章の次元圧縮、第8章のクラスタリングです。第7章と第8章は私の専門分野に近いため特に印象に残りましたが、第4章も非常に示唆に富んでいます。第4章では、mRNAから得られるリードに確率分布を仮定して遺伝子発現量を定量化するアプローチが解説されており、生命科学における統計学の応用事例としても大変参考になります。
また、本書で言及されている「ゲノム配列情報解析」や「生物ネットワーク解析」など、同シリーズの他の書籍とあわせて読むことで、より深い理解が得られそうです。
トランスクリプトーム解析
本書はゲノムやRNA-seqなどの基本的な分子生物学の知識から、空間トランスクリプトームやゲノム編集を応用した近代的な技術まで、幅広く記述されていた。トランスクリプトーム解析全般に関して、基礎から学ぶことができ、難解な部分は何章か前に戻って学習できた。
最先端の実験手法や解析は直近の論文を参照し、本書で全体像を掴むという学習法が適切だと思った。バイオインフォマティクス分野は、まだ和書が少ないため貴重な学習機会を得ることができた。参考文献は章ごとにまとめられていると、その論文にヒットしやすく速やかに知識を補えると感じた。
音楽制作 - プログラミング・数理・アート -
音楽制作をめぐるテクノロジーは音楽のあり方そのものを大きく変化させるものである一方、「新しいテクノロジーが新しい音楽をつくる」という幻想が先走ってしまうこともしばしばあります。また、そうした議論の際にとりあげられるテクノロジーが、端的にいえば楽器産業やソフトウェア産業が売り出す特定のプロダクトにかたよりがちなことも非常に多いと思います。もちろんそうした市場に流通するようなプロダクトの歴史を追うことも興味深いですが、本書は音楽制作に用いられるテクノロジーをより俯瞰的に捉える具体的な事例が豊富に集められています。
個人的な関心からいえば、第一章でデモシーンに出自をもつミュージック・トラッカーについて少なくない紙幅が割かれている点が興味深いものでした。なんらかの音楽的な教育を受けていなくても音楽を制作することができるようになったことはテクノロジーの恩恵の最たるものですが、そこで DAW やワークステーション、グルーヴボックスといったいわば「主流」のソフトウェア/ハードウェアではなく、むしろトラッカーに着目する視点は示唆に富むものでした(私自身が長年のトラッカーユーザーというバイアスもあるかもしれませんが)。
作曲と音響の制作の境界が相対化された20世紀以後の視座を概観しつつ SuperCollider による音響プログラミングを紹介する第三章や、ライヴコーディングの歴史とプログラミング環境の具体的な紹介が簡潔にまとまった第四章(動画で見られるライヴコーディングによるパフォーマンスの具体例が紹介されているのもうれしい)なども、実際の音楽制作にも活かせる具体的な知見が多く、参考になりました。
参考文献等も含め、折をみて参照する書籍になりそうです。
音楽制作 - プログラミング・数理・アート -
本書を通して電子音楽の制作ツール各種、具体的な創作手法や発想(黎明期~現代)を網羅的に知ることができます。特に、プログラミング言語やロボット工学を活用してのライブ作品については、さまざま作品例や表現・技術上の課題点まで比較して見ることができます。
制作ツールに初めて触れる場合にも概要を辿りやすく、より素早く各々の興味へ発展させられるかと思います。また自身のように、メディアアート創作に直感的なプロセスを求めるばかりでなく、数理音響やプログラミングによる精緻なサウンド設計に関心を寄せる方にも、広く勧めたい一冊です。
ゲノム配列情報解析
端的に言えば、よくまとまっていて興味深い本だと思います。
普段は情報科学に携わっている私は、隣接領域である生物科学にも関心がありました。しかし高校生の頃、生物で挫折した苦い経験があったため、なかなか手を出せずにいました。そこでちょうどよい本があったので、本書を手に取りました。
特に印象的だったのは、生物科学にも情報科学にも不慣れな読者にも配慮されている点です。第一章では情報科学の基礎から解説し、第二章ではDNAの基本を扱います。さらに付録にはPythonの基本文法から統計関連の関数まで網羅されており、手厚いサポートが提供されています。このような構成から、本書はどちらの領域にも自信のない読者にもおすすめできます。
また、生物科学の解析にアルゴリズムがどのように応用されているかが紹介されている点も興味深かったです。情報系の研究者として普段はDPやハッシュテーブル、FFTを何気なく利用していますが、本書ではそれらがk‑mer法や相互相関関数(アラインメント推定のための)など、多様な文脈で応用されていることが示されています。これにより、アルゴリズムの理解が一層深まりました。
総じて、本書は生物科学と情報科学という一見異なる分野を、読者に優しくかつ本質的に橋渡ししてくれる一冊です。単なる入門書にとどまらず、両分野の知識が相互に作用し合い、新たな視点を提供してくれる構成には深く感銘を受けました。生物科学と情報科学の交差点に少しでも関心があるなら、この本は必読です。
初歩から学ぶ無機化学
「こんな化学の説明を求めていた!」
これが、『初歩から学ぶ 無機化学』を読み始めて最初に浮かんだ感想です。化学科の人だけではなく、物理学科の人にもぜひ読んでほしいです。私自身が物理学科出身ですのでそう思うのかもしれませんが、この本を読めば、化学と物理学は分離できない、そもそも科学というものはひと連なりなのだ――と心の底から思えるでしょう。化学用語が日英併記なのも、理解が促進されるので素晴らしいです。あとは、ウェブサイトからダウンロードできる解答が本書巻末にも掲載されていたら完璧です。
MATLABではじめるプログラミング教室(改訂版)
コロナ社といえば教科書というイメージを持っていたし装丁も教材然としているのに、開いてみるととても柔らかい本でした。講義の資料としてではなく、本だけでも自分でひと通り最後まで完走できるように背中を後押しする優しさが感じられました。ともすれば冗長と受け止められかねない話し言葉に近い文体も、行間にギャップが生じさせない丁寧さの裏返しのようで、スムーズに読み進められました。
プログラミング言語の入門本と初学者向け解説動画の中間的な雰囲気で、紙の本が好きな私にはとてもありがたいです。これが若い世代にどう受け止められるのかと日々動画に浸っている高校生の子供に見せてみると、意外と好感度が高いようでした。ただMATLABの環境構築は初学者泣かせのところもあって、サイトライセンスを持つ大学等でないと個人購入に躊躇するケースもままありそうです。私自身がその一人だったので、今回この本を読むにあたっては無料でも利用できるMATLAB Onlineを活用しました。
イベント駆動型アプリを構築するところでMATLAB App Designerを使うのですが、これがWeb上のMATLAB Onlineでも動作するのには助けられました。また、GNU Octaveでもほとんどの章を問題なくこなすことができました。それなら環境にお金をかけずに済むので、子供に行列演算ツールの導入本として譲ってみようと思います。
センサ・マイクロマシンの基礎 - 物性と場 -
私は学部で物理を学び基礎知識はあったものの、物性物理に詳しくはなく、センサ・マイクロマシンについては全く知らなかった。本書は初めの二章でセンサ・マイクロマシンの機能と応用を概観した後、物性物理学や電磁気学の説明にかなりの紙面を割いており,その動作原理の単純さと精巧さを知ることができた。さらにこの内容がとてもコンパクトにまとまっており、センサ・マイクロマシンに少しでも興味を持つ幅広いバックグラウンドの方々にお勧めしたい本であった。
初歩から学ぶ無機化学
本書は化学の基礎から無機化学の応用まで、幅広い知識を得られる格好の入門書になっている。
無機化学は暗記科目のように感じてしまい苦手意識があったが、本書は理屈から説明されており、
納得感高く学習を進めることができた。
本書は1~4章まで化学の基礎事項を扱っており、私のような高校化学で止まっている方にもわかりやすく説明されている。
特に4章で扱われる分子軌道法は、初学者の壁と思われるが系統だって説明されており、イメージをつかむことができると思う。
私自身も分子軌道法については自信がなく、何度も本書を読みなおす機会がありそうだ。
5章からは無機化学の本論に入っており、高校化学で暗記させられていた背後にある理論がまとめられている。
限られた紙数の中で簡潔かつ十分にまとまっており、じっくりと取り組むことで各元素の性質が理解できると思う。
また各元素の応用例も本文中で数多く触れられており、身近な製品の理解が深まったと感じる。
また本書で特色だと感じた点に9,10章の内容が挙げられる。
ここでは、核化学と生物無機化学が扱われており、無機化学の応用の広さを感じることができる。
特に、生物化学は有機のイメージが強い方(私もその一人だ)には、本章だけでも読んでいただき、
生物中での影の役者のような役割を感じてもらいたい。
短いレビューの中で本書の魅力を語りきることはできないが、上で述べた通り本書はとても素晴らしい入門書になっている。
無機化学に初めて取り組む方や別専攻で無機にも興味がある方など、幅広い人に薦めたい。
人間中心のAI社会とデータサイエンス - MDASHリテラシーレベル準拠 -
AI研究の歴史から生成AIまでの流れが分かりやすく、特に機械学習の分類などAI技術を整理できるようにまとめられています。また映画やアニメの主人公を登場させ、AIが進展することによる課題や倫理的な問題をサービスアニマルやフレーム問題などの具体例を挙げながら、身近にとらえられるように解説しています。後半では統計学の基本を説明した上で、仮説から多変量解析など予測を行う分析手法まで網羅、まさにAIの活用や課題そしてデータサイエンスに必要な知識を習得できる良書です。
人間中心のAI社会とデータサイエンス - MDASHリテラシーレベル準拠 -
この本は、大きく分けて2種類の内容で構成されている。
AIが社会に出てくるまでの歴史の部分と、実際にデータサイエンスに必要となる統計・確率・データ解析である。
前半の部分は、まさかアルビン・トフラーの「第三の波」から話が始まるとは思わなかったが、AIが世に出てくるまでの歴史である。意外と世の中がこのようになってきたのか、歴史を振り返ることは少ないが、わずか20ページほどにコンピュータの誕生からAIの手前までの歴史があるが、初学者はどうやってAIが使える環境ができあがったかをここで知ることになるのだろう。
そこからAIの説明については、基本中の基本がしっかり書かれている。
後編のデータサイエンスに必要となる内容については、2025年1月の大学入試共通テストで初めて実施された「情報Ⅰ」の試験内容を連想させるものである。高校生のうちに「統計に関する部分、ここまでは学んでいるよね?」という試験内容だったと個人的に見ていた。しかし「これを情報の試験と呼ぶか?」との疑問もあったが、統計・確率・データ解析とこの本の後半に出てくる内容が共通テストの内容に重なる部分も多く、身につけさせたい(=共通テスト対策になるかもしれない)と思って読んでいた。
最後に、AIがかかえる問題がしっかり書かれていることを評価したい。倫理的な問題はこれから自動運転車が実用化されたときに必ず問題になるはずだし、記号接地問題もAIを使ううえで考慮しなければならない点である。
AIの便利な面だけではなく、負の部分の記述があることで、簡単に使えることが決していいことばかりではない点であることをぜひ読者は注意してもらいたい。
MATLABではじめるプログラミング教室(改訂版)
PythonとC/C++で少しプログラミング経験があるので、プログラミングそのものよりもMATLABの作法を学ぶために読んでみました。
内容は1週間ほどで読み切ることができました。入門書ということもあり、様々な信号処理やデータ処理のアルゴリズムについて詳細に書かれているわけではありませんでしたが各章の終わりに演習問題があり、基本的な内容をしっかり掴むことができました。
特に印象に残ったのは後半にあるapp designerの解説です。ここまで学んできた内容を活用することで、難しさを感じることなくGUIアプリを作成できました。GUIに起因する一般的なエラー回避の手段も載っておりとても参考になりました。
本書の内容自体に不満はないのですが、読み終わった後の発展性を考えるとMATLAB内部で用意されているコマンド(機能)の調べ方なども載っていればさらに良かったと思います。これがあれば本書を終えた後も学習を進めていくための足がかりになると思いました。
医療系資格試験のための機械工学 - 臨床工学技士国家試験・第2種ME技術実力検定試験 -
本書の特色と記載内容については、コロナ社殿の本書webページの「まえがき」および「目次」を参照願います。
レビュアーも、「まえがき」に記載されている内容については、全くの同感であり、また、本書に取り上げられている項目についても、機械工学の観点から判断しても、標準的な内容が網羅されており、非常に良いと感じました。
本書をレビューした結果を下記致します。
① 本書を読む上での前提条件が記載されていませんでしたので、レビュアーの独断で書かせて頂きます:
・大学初年度に習う微分、積分の基本事項
・常微分方程式の基本事項
・ラプラス変換の基本事項
の3つが必要だと思います。
② 本文は、「です、ます」調で書かれており、読んでいて非常に親しみやすい、と感じました。
また、必要な事項が分かりやすく、簡潔にまとめられており、頭の中に「スッ」と知識が入ってくるように思いました。
③ 実際の試験で、問題を解く上で必要な公式などが分からなくなってしまった場合にも、本書では、式の導出が詳細に記載されているので、1つずつ丁寧に計算過程を追っていくことで、内容そのものの確実な理解と、応用力(=実際に問題を解ける力)を養うことができると感じました。
④ ③を勉強した後に、続いて掲載されている「例題」を解くことで、本文の内容の確認と具体的な計算を行うことができる点が、とても優れていると思いました。
⑤ 資格試験で重要な事項に、「実際に出題された問題(=過去問)を繰返し解く」ことが挙げられます。過去問のレベルに自分の実力が到達することで、「合格」の2文字が近づいてきます。
本書では、最近の過去問が掲載されており、なおかつ、詳細な解説が掲載されているので、繰返し演習を行うことで、過去問のレベルに近づくことが可能であると思いました。
⑥ 本文には、生理学に関連した解説(=機械工学の知識を医学に応用するという意味)があり、本書を突破し、さらに勉強を進める上で手に取るであろうと予想される、ME関連書にもスムーズに入っていけるものと感じました。
本書は、医療系資格試験を受験される方々だけでなく、機械工学の初心者用のテキストとして、また、医工学を勉強される方の入門書としても、十分に役に立つ内容であるものと感じました。
上記レビュー内容が、本書を購入される方々のご参考になれば幸いです。
コンクリート構造学 (改訂版)
本書は、コンクリート構造に関する基礎から応用までを体系的に学ぶことができ、初めてコンクリート構造学を学ぶ学生や、社会人の学び直しに有用な一冊と言える。
大きな特徴は、わかりやすい解説によりコンクリート構造の知識を学べる点と、コンクリート標準示方書に基づいた設計に関する解説が豊富である点である。
構造に関する知識については、コンクリートや鉄筋の材料特性から各種耐力計算まで詳細な解説がついた演習問題を通して学ぶことができる。耐力計算の章では、始めに構造力学の解説がついており、読者が無理なくコンクリートの耐力計算に取り組めるよう工夫されている。
設計については、許容応力度設計法や限界状態設計法などが詳細に取り上げられ、要求性能や照査指標、作用については表形式分かりやすくまとめられている。そのため、実務において各種設計指針を読む際の橋渡しの役割を果たすことが期待できる。
暮らしと霧の科学
一章では、霧の定義や霧な発生するメカニズムを定量的かつ科学的に説明しており、霧についての基礎的な知識を身に付けることができる。
二章では、文学や芸術に登場する霧の紹介から始まり、環境問題等を交えながら日常生活と霧の関連性について学ぶことができる。
三章では、霧の採取の仕方を皮切りに筆者による霧の研究内容について具体的な内容を知ることができる。
四章では、霧を知ることが地表の環境を守るうえで非常に重要であることが述べられて、全体のまとめとされている。
全体を通して、高校で習う理科の知識がある程度あれば読むことができる内容であり、簡潔にまとめられているため読みやすい印象であった。
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