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Pythonを使った エンジン性能シミュレーション

Pythonを使った エンジン性能シミュレーション

エンジンの性能評価のための燃焼モデルの構築と燃焼温度の導出に必要な化学平衡計算について解説する。本書では,インタープリタ型言語であるPythonを使い,性能評価のためのシミュレーションの進め方をわかりやすく説明した.

発行年月日
2025/10/18
定価
4,840(本体4,400円+税)
ISBN
978-4-339-04695-3
在庫あり

レビュー,書籍紹介・書評掲載情報

読者モニターレビュー【 Mizu 様 (業界・専門分野:組み込み開発)】

掲載日:2025/10/17

本書はエンジンの性能計算に焦点を当てて、数値計算を体験できる内容となっている。
長年著者が取り組んできた経験を活かし、実務に近いシミュレーションに触れることができると感じた。
使用しているPythonの機能も標準的なものに絞っており、Pythonを初めて扱う人でも十分に理解できるコードになっている。

本書は通常の数値計算の書籍と異なり、常に具体的なエンジンのモデルに対して計算を行っている。
例えば、燃焼性能や燃焼温度が挙げられており、これらに対し、どのようにモデル化しプログラムするかを経験できる。
このためどのような対象をなぜ計算しているのかがイメージでき、スムーズに学習を進められると思う。

またシミュレーション結果の解釈についても、比較や条件式による定量的な方法と直感を用いた定性的な方法が紹介されており、
エンジンに詳しくない自分のような人にも理解しやすい構成となっている。

コンピュータによるシミュレーションを行いたいが方法がわからない人や、数式をプログラムにどのように落とし込めばいいか悩んでいる人に本書を勧めたい。

読者モニターレビュー【 wiztukamotosan 様 (業界・専門分野:自動車)】

掲載日:2025/10/15

社会人最初の業務がエンジンの1Dシミュレーションの開発と運用でした。良かった点として、情報系を卒業して新卒でエンジンの1Dシミュレーションの担当になり、当時(2007年)は参考書がなく本書のような書籍が欲しかったです。この分野は各社毎にノウハウとして色々なモデルがあると思います。そのノウハウ構築のための入門としては良い書籍だと思います。改善してほしい点として、サンプルコードがfortranのコードを最低限動くようにしたpythonコードになっており非常に読みにくいです(すべての変数がglobal変数、設定ファイルがyamlやjsonでなく独自フォーマット、etc)。これであればgfortranの入門も含めて書籍に載せて、fortranのコードの方が読みやすかったです。

読者モニターレビュー【 JUDDER 様 (業界・専門分野:自動車業界)】

掲載日:2025/10/07

『Pythonを使ったエンジン性能シミュレーション』は、エンジン開発に関わっている人はもちろん、Pythonをちょっと触ったことがあるくらいの人にもおすすめしたい本です。
GT-POWERなどの専用ツールを使っている人なら、「なんとなく使ってるけど中身はよくわかってない」っていう部分があると思うんですが、この本を読むと「なるほど、こういう仕組みだったのか」と腑に落ちる瞬間がたくさんあります。
自分もエンジン性能開発の仕事をしていたとき、GT-POWERを使ってはいたものの、恥ずかしい事ながらパラメータの意味までは深く理解していませんでした。
でもこの本では、Pythonを使って自分でシミュレーションを組み立てながら、仕組みを一つ一つ確認できるので、ツールの考え方が見えてくる感じがしてすごく面白いです。
マネージメント層の人にもぜひ読んでほしいです。Pythonを使ってちょっとしたコードを変えてみるだけでも、「お、こういうことか」とにやにやしながら試せると思います。
コードをAIに読み込ませて対話しながらコードの意味を確認したり、自分で書き直してみたりするのも楽しいですし、趣味としても十分に楽しめる内容です。
エンジン開発に関わっている人なら、仕事にも趣味にも役立つ一冊だと思います。
「エンジンやPythonって難しそう」と思っている人ほど、ぜひ手に取ってみてほしいです。