レビュー,書籍紹介・書評掲載情報
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大学学部での講義を想定した教科書。重要な概念と知識を深く理解させ,演習などを通してそれらを定着させることに主眼を置いた。各種機器のカラー画像や,問題の解説動画,用語の解説記事などを設けたサポートページが利用可能。
- 発行年月日
- 2025/08/25
- 定価
- 2,970円(本体2,700円+税)
- ISBN
- 978-4-339-00997-2
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読者モニターレビュー 【 ももか(業界・専門分野:電気(エネルギー)、通信】
掲載日:2025/12/02
本書は、発電分野については、従来からある発電方式の水力、火力、原子力の他、近年、再生可能(非化石)エネルギーとして注目されている太陽光発電(太陽電池の原理、パワーコンディショナーの原理、系統連携)や、風力発電(風力エネルギーの考え方、風車出力、系統連携)まで幅広く記載されている。また、発電と密接に関連する変電設備、電力貯蔵設備についても記載されている。
近年、強電系分野の新刊書の発行は激減しているが、本書は発変電分野について基礎的解説から応用までを解説しており、発変電工学を学ぶ学生の他、電気主任技術者国家試験(電験)・第3種、第2種1次試験の「電力」科目の学習教材としても最適である。
特に、電験過去問を掲載した電験試験模範解答集については、他出版社より発売されているものの、試験出題方式が記述式から現行の選択式に変更になった平成7年以降については、解答に至るまでの考え方等について詳細に記載されているものは少ない状況にあるが、本書(発変電工学)は発変電の基礎理論の他、制御や運用等の応用面まで考え方を含めて詳細に記載されいるため、試験問題の結論(解答)に至るまでの考え方を容易に理解でき、効率的な学習をすることができる。
更に、著者や出版社(コロナ社)のご厚意により、本書に掲載されている練習問題の詳細な解答説明や本書に記載できなかった補足事項等について、出版社ホームページ上に「サポートページ」が開設されており、本書に記載されているQRコードを読み取ることにより「サポートページ」にアクセスでき、著者である熊野先生による解説動画を閲覧(無料)することができ、より理解が深まる。
これから電力工学を学ぶ学生の他、電験受験に向けて勉強されている方にとっても非常に学びやすい(価値の高い)学習書である。
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読者モニターレビュー【 電気系院生O 様 (業界・専門分野:電力システム工学、パワーエレクトロニクス)】
掲載日:2025/10/27
本書は、発電・変電といった電力システムの基礎理論にとどまらず、制御や運用の観点まで網羅的に扱っている。イメージ図やグラフが豊富で読みごたえがありながらも、抽象的な理論の羅列に終わらず、電力工学の初学者が抱く「なぜそうなるのか」という疑問に丁寧に答えている構成となっている。
読んでいて印象に残ったのは、各機器の構造や動作原理を示すだけでなく、その条件・利点・限界を具体的に比較している点である。電力工学では「なぜその方式を選ぶのか」という問いがしばしば置き去りにされがちだが、本書はその部分を丁寧に掘り下げており、読者の理解を一段深めてくれる。
発電機制御の章では、AVRやPSSに関する説明が充実しており、理論式の背後にある制御思想が明確に伝わる。制御目標や実装上の留意点を重視しており、実務と理論の橋渡しとして非常に有効だと感じた。また、進相運転に関する記述では、運用者の視点から電圧調整や系統安定度への影響を整理しており、実際の運転判断を想起させる内容になっている。
さらに近年の動向として、同期調相機やGFMインバータ(VSG)といったテーマにも触れ、従来の技術との連続性を意識した解説がなされている点も好印象だった。単に新技術を紹介するだけでなく、制御思想の変遷や今後の研究課題にまで言及しており、現代的な電力システムの研究の文脈にうまく接続されている。
これから電力工学を学ぶ学生や社会人にとって、学びの指針となる内容である。体系的に理解を深めたいとき、常に手元に置いておきたい一冊である。
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読者モニターレビュー【 たーぼー 様 (業界・専門分野:自動車部品業界・物性物理学、プラズマ物理学)】
掲載日:2025/09/18
本書は、電力システムの根幹をなす発電・変電の理論と技術を体系的に整理した良書である。電気エネルギーを生み出す「発電」と、電気エネルギーどうしの間でエネルギー変換を行う「変電」の解説から始まり、各種発電方式の特徴、変電設備の役割、さらには系統運用における安定性や信頼性の確保に至るまで広範に及ぶ、電力工学の基盤を理解するうえで極めて有用なものである。特筆すべきは、単なる基礎理論の記述にとどまらず、電力システムの実際的な課題や最新技術の動向にも言及している点である。例えば、変圧器や遮断器といった主要機器に関する解説では、理論的な動作原理と同時に、設計上の留意点や運用上の制約にも触れられており、研究と実務を橋渡しする視点が示されている。これにより、学術的知見を実社会に適用する際の具体的イメージを獲得できる。また近年、電力系統で重要視されるようになった電力貯蔵の持つ意味合いやその具体的な内容について述べられており、発変電工学の体系的な習得が将来的な電力ネットワークの高度化や安定化に資する研究を進めるうえで不可欠であることを認識させられる。








