レビュー,書籍紹介・書評掲載情報

強化学習アルゴリズム

強化学習アルゴリズム

  • 長 隆之 理化学研究所チームディレクター

強化学習の論文の理解に必要な知識を網羅し,研究者に広く利用されている知識・手法を可能な限り解説。今後さらなる応用が期待される強化学習アルゴリズムについて,自ら論文を読み,最新の研究動向を理解する力を得ることを目指す。

発行年月日
2025/11/25
定価
4,840(本体4,400円+税)
ISBN
978-4-339-02953-6
在庫あり

レビュー,書籍紹介・書評掲載情報

読者モニターレビュー【 Haruk1y 様 (業界・専門分野:機械学習)】

掲載日:2025/11/25

本書は深層学習以降の現代的なアルゴリズムに関する記述が圧倒的に充実している点が特徴です。PPOやSACといったデファクトスタンダードな手法に加え,類書では体系的に学ぶのが難しい「オフライン強化学習」や,生成モデル(拡散モデル)との融合領域まで網羅されています。また,実装だけでなく数理的な導出が丁寧で,最新論文を読み解くための基礎体力のようなものが養える点も魅力です。LLMやロボット制御など,最先端の研究に直結する知識を効率よく学びたい学生にとって,まさに待望の教科書だと感じました。

読者モニターレビュー【 Tong 様 (業界・専門分野:制御)】

掲載日:2025/11/25

本書は、強化学習を理論的に深く理解したい読者を主な対象とした一冊であり、最新の研究成果を豊富に引用しつつ、数学的な枠組みに基づいた丁寧で一貫性のある解説が特徴です。冒頭では、確率論・情報量・各種ダイバージェンスといった強化学習の基盤となる数学的概念が体系立てて整理され、その後、強化学習の定式化、価値関数の学習、方策勾配法、オフライン強化学習、モデルベース手法、さらには発展的なトピックまで、主要な理論とアプローチが網羅的に取り上げられています。
強化学習については直観的な説明に依存した入門書も多い中で、本書は「なぜその手法がうまく機能するのか」という点を数学的観点から論理的に掘り下げており、原理的な理解を深めたい読者にとって非常に有用です。また、近年の研究動向にも積極的に触れられているため、強化学習の最新トレンドを俯瞰する上でも価値の高い内容となっています。一方で、本書だけで強化学習をゼロから完全に習得するのは難しいとも感じました。主な理由は次のとおりです。
• 説明の多くが文章と数式に基づいており、図表が最小限であるため、抽象的な概念を直感的に理解しづらい
• 具体的なタスクを用いた実装例がほとんどなく、手を動かしながら学ぶ読者にとって学習プロセスをイメージしにくい
このような点から、本書は強化学習の理論的背景を体系的に習得したい研究者や理論志向の技術者に特に適していますが、実装を通じて理解を深めたい初学者には、実装重視の書籍と併用することを推奨します。
本書をご購入予定の方々のご参考になれば幸いです。

読者モニターレビュー【 ビクトール 様 (業界・専門分野:機械工学)】

掲載日:2025/11/25

初めの章に、強化学習に必要な数学知識がまとめられているため、強化学習に関して初学の人間でも読みやすい。実際に実行した学習結果が図やグラフとして載っていて、視覚的な分かりやすさが補われている。アルゴリズムがプログラムコードのように掲載されているのも特徴的である。前提知識として、機械学習に関する知識があるとさらに理解が深まり面白い。情報工学系や知能機械工学系の学部3、4年、そして大学院生の方に是非読んでいただきたい。

読者モニターレビュー【 保科 友哉 様 東京農工大学 (業界・専門分野:制御工学)】

掲載日:2025/11/25

本書籍は初めに理論的な学習の収束性について説明し、その後に収束性の条件を満たす多くの手法について記述されています。
各手法については数式的ベースの説明に実装のアルゴリズムが記述されていて、強化学習の基本的な実装を理解していれば各手法を実装し、検証できると思います。
また、手法についてのメリット・デメリットの説明と章末にベンチマークが記述されていて、学習手法の検討に役立つと思います。
よって、本書は強化学習の最低限の知識を持ったうえで様々な手法を検討したい場合や、強化学習そのものの研究を行うための事前知識として有用であると感じました。