技術者のための新サービス企画の提案法 プロジェクトの企画ノウハウをシステム開発の成功・失敗例から学ぶ

技術者のための新サービス企画の提案法 - プロジェクトの企画ノウハウをシステム開発の成功・失敗例から学ぶ -

ICTの新しいネットワーク・ユビキタスサービスについて,安全性・信頼性に配慮したサービスやシステムの実現に必要な技術を解説。

ジャンル
発行年月日
2017/06/16
判型
A5
ページ数
172ページ
ISBN
978-4-339-07800-8
  • 内容紹介
  • まえがき
  • 目次
  • レビュー
  • 著者紹介

ICT関連企業の若手技術者が,新サービスを提案するためのノウハウを学べる。そのために必要となる新しいネットワーク・ユビキタスサービスを取り上げ,安全性・信頼性に配慮したサービスやシステムの実現に必要な基礎技術も解説。

ICTサービスの開発に初めて携わる新人技術者が新規プロジェクトを上司に納得させ,開発に着手できる企画書の段階にまで提案内容の質を高めるためには「アイデアと情熱」だけでは決して十分ではありません。これらの要素に加え,適切な方法論を身につける必要があります。まず,世の中の「ニーズの的確な把握」,「最新技術の効果的な活用法」を検討することから始まり,プロジェクトの推進にあたって上司の説得に効果的な「定性的・定量的なコスト評価」,「信頼性」,「開発コストと収入」に対する見通しを明らかにすることも重要になります。

プロジェクト開発を成功させるためには,限られた予算と期間の中で,所要品質を満足し,迅速に需要の見込まれるサービスを実現することが要請されます。このためには,参加する技術者全員がプロジェクトを「効率的」かつ「体系的」に実現するための基本的な考え方やマネジメント手法を共有することが重要です。

本書では,特にICT 関連のネットワークサービスをターゲットに絞り,技術革新が進みつつあるセキュリティ技術,SDN,IoTおよびスマートグリッド等の新世代のネットワークサービスやユビキタスサービスを取り上げ,安全性・信頼性に配慮したサービスやシステムを実現するための基礎となる技術を具体的に解説します。

本書は2部構成になっており,第1部ではネットワークサービスを提案するにあたって必要なネットワーク技術の基礎知識や現在の技術動向について解説します。特に,ネットワーク設計におけるオペレーションズ・リサーチの活用で紹介する例題では,Excel計算ファイルをコロナ社の本書書籍詳細ページよりダウンロードできるようにしています。
第2部では第1部で学んだ技術内容を足掛かりとして,新しいサービス企画を読者が独力で創作できるように配慮されています。さらに著者等の研究開発の経験も含め,システム開発の教訓や成功例について解説します。
昨今の技術系の人材は,企業入社後にOJT(On the Job Training)ベースの企業内研修により,非効率的にサービスを実現するためのノウハウを継承することが多いようです。このため,効率のよい社員研修ができていないことが実態として感じられます。

本書はこのような状況に鑑み,特にICT関連企業に従事する技術系の新入社員が,入社後の技術ノウハウの習得を効率的に行え,早期に社内戦力として成長できるようになることを目標としています。これまで新入社員が,入社直後から要求される技術マインドの醸成や,研修期間内に効果的に活用できる「指南書」として活用できる書籍は見当たりません。本書は新しいICTサービスの創出を若手社員や中堅社員が協力して迅速に行うためのノウハウを初めて解説するものであり,この種の動機で執筆された類書も見当たりません。

本書で学んだ知識を活用することにより,産業界において実用化を推進する若手技術者や,将来ICT分野で起業化を志す技術系大学院生が,最先端技術の動向を取り入れて,新しいプロジェクトの企画・開発を推進するための基本的な考え方を習得し,産業界で活躍することを願っています。

2017年4月 宮保憲治(著者代表)

第1部
1. ネットワーク技術の動向
1.1 情報セキュリティの基本と要素技術
 1.1.1 セキュリティのCIA
 1.1.2 電子認証
 1.1.3 暗号方式(ストリーム暗号とブロック暗号)
1.2 SDNの基本
 1.2.1 ソフトウェアによるネットワークの制御とは
 1.2.2 OpenFlowの仕組み
1.3 IoTとM2M通信の基本
 1.3.1 IoTとM2M通信
 1.3.2 M2M通信用プロトコル
 1.3.3 IoTアプリケーションの例
参考文献

2. インターネットの課題と応用
2.1 ネットワークセキュリティの課題
 2.1.1 不正侵入
 2.1.2 標的型攻撃
2.2 ネットワーク設計へのオペレーションズ・リサーチ(OR)の活用
 2.2.1 ORの考え方
 2.2.2 応用例1 ORによる生産計画問題
 2.2.3 応用例2 ORによる輸送問題
 2.2.4 応用例3 ORによるナップサック問題
 2.2.5 応用例4 ORによる最小費用フロー問題
2.3 クラウドコンピューティング
 2.3.1 クラウドサービスの分類
 2.3.2 クラウドアーキテクチャ
2.4 ネットワークの仮想化
 2.4.1 NFV
 2.4.2 サービスチェイニング
 2.4.3 トラヒックエンジニアリング
 2.4.4 オーケストレーション
参考文献

3. 研究から商業化まで
3.1 研究と商業化の違い
 3.1.1 基礎研究と実用化研究
 3.1.2 商業化とは
3.2 国際標準化活動
 3.2.1 ICT関連の国際標準化組織
 3.2.2 標準化戦略の考え方
3.3 PMBOKを活用した開発マネジメント
 3.3.1 プロジェクトとPMBOK
 3.3.2 PMBOKの基本的な考え方

第2部
4. 通信サービスの企画書提案と開発計画書提案
4.1 遠隔定時検診システムの提案
 4.1.1 A君,出身大学の先輩を訪ねる
 4.1.2 A君,企画書へのアドバイスを求める
 4.1.3 「概要」は理解の時短を狙え
 4.1.4 要件は客観的・定量的に示せ
 4.1.5 提案の前に問題点の分析を示せ
 4.1.6 対案を示せ
 4.1.7 前提条件に見落としはないか
 4.1.8 ビジネスモデルが採否の肝
 4.1.9 開発スケジュールとリソース
 4.1.10 エピローグ
4.2 遠隔常時見守りシステムの提案
 4.2.1 A君,係長に相談する
 4.2.2 エピローグ
4.3 SDNによる社内網更改計画の立案
 4.3.1 A君,社内網のニーズを調査する
 4.3.2 A君,社内網のシーズとなる技術のヒントを探す
 4.3.3 A君,社内網開発の企画書の初版に関して先輩に意見を求める
 4.3.4 エピローグ
4.4 安全なファイル金庫サービスの提案
 4.4.1 A君が提案サービスを思いついた背景
 4.4.2 A君,上司に新企画を提案する
 4.4.3 A君,出身大学の教授を訪ねる
 4.4.4 A君,先輩に企画書へのアドバイスを求める
 4.4.5 タイトルは理解の時短を狙え
 4.4.6 お客様からのご要望は定量化して示せ
 4.4.7 お客様のご要望を正しく理解しているか
 4.4.9 既存のサービスよりも勝る根拠を明確にする
 4.4.8 課題の明確化・可視化とデメリットの分析
 4.4.10 収益は客観的・定量的に示す
 4.4.11 エピローグ
参考文献

5. システム開発成功の秘訣
5.1 システム開発の教訓
 5.1.1 トランジスタ発明の応用(Ⅰ)―小規模システムの事例―
 5.1.2 トランジスタ発明の応用(Ⅱ)―大規模システムの事例―
 5.1.3 ディジタルデータ交換システム―我が国におけるディジタルデータ通信サービスの商用化―
5.2 システム開発の成功例
 5.2.1 ISDNとATMシステムの開発―我が国のディジタルデータ通信サービスの商用化の成功例―
 5.2.2 MPLS技術システムの開発
 5.2.3 GMPLSの開発

参考文献
付録
あとがき
索引

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