バイオ計測のための材料と微細加工

バイオ計測のための材料と微細加工

これまで材料ごとに研究されてきた微細加工を,バイオ計測という観点から一冊にまとめた。

ジャンル
発行予定日
2022/09/中旬
判型
A5
ページ数
240ページ
ISBN
978-4-339-07278-5
バイオ計測のための材料と微細加工
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  • 内容紹介
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微細加工はさまざまな分野で活用されている。本書は材料ごとに章立てし,それぞれの材料を原理,プロセス,応用という順で解説している。これまで材料ごとに研究されてきた微細加工を「バイオ計測」という観点から一冊にまとめた。

☆発行前情報のため,一部変更となる場合がございます

はじめに
半導体微細加工技術を応用して作製されたMEMSセンサやアクチュエータ、もしくはそれらを組み込んだシステムは様々な分野で活用されている。例えば、高齢者医療、非侵襲・低侵襲医療や、健康社会、障害者に役立つ生活支援のためのデバイスと、そのデバイス開発に関わる要素技術への社会的関心は高まっている。医療分野を主とした分野で活用される体内埋め込み型デバイスや体表に装着し血圧や呼気などを常時センシングするバイタルセンシングデバイス,また,生体から採取した微量なタンパク質を高感度分析するためのデバイスなど,バイオ計測デバイスは多くの種類がある。例えば,近年著しく発展している研究分野としてバイオ分野でのタンパク質やDNA、そして細胞分析のために、新しい樹脂材料や生体材料に対しても半導体微細加工技術が応用され、かつ平面や立体構造への加工も必要とされている。また,リアルタイムバイタルサインセンシングのためのウエアラブルデバイスでは,伸縮性や柔軟性を持ち,かつ電極にもなり得る生体親和性の高い材料を用い,生体へ密着し装着することが求められている。しかし,多層電気配線を有する立体基板の作製や,立体基板上へのMEMSデバイスや電子部品の実装,新たな伸縮・柔軟の微細加工とMEMSデバイスとの実装など,技術的に開発途上であるものも多く,多くの技術課題を残している。

これらの課題解決や新たな応用分野での開拓を推進している研究は各研究技術分野で議論されてはいるが,微細加工技術やMEMSセンサなどのデバイス,バイタルセンシングデバイスなどで用いられる柔軟材料,そして化学分野で利用される樹脂や生体材料への微細加工技術は,それぞれの学問や学会など各々で進められていると感じている。しかし,様々なデバイスを求められる分野で役立てていくには,今後はこれらの分野を融合した考え方・研究が求められる。

本書籍では,微細加工,材料を専門とする本邦の比較的若手でありながら,今後当該研究分野を担うであろう研究者の方々に執筆をお願いし,これらの分野の融合領域の最新研究について熱い想いでまとめて頂いた。材料の種類で章立てし,「材料」の持つ特異的な現象についての理論的原理,「加工プロセス」の基礎と最新の技術,そして紹介した材料を用いた「応用」の構成とした。そうすることで,これからMEMSを学ぶ研究者(導入)から,応用分野を求め新しい価値を創造する企業の研究者(アウトプット)まで,様々な立場のMEMS研究者の学びと応用に繋がり,役にたつ本として提供できればと願う。

追記:当該出版にあたり,きっかけとなったのは電気学会センサ・マイクロマシン(E)部門・調査専門委員会「立体構造や柔軟材料への微細加工,実装技術に関する若手研究者を中心とした調査専門委員会」に参加頂けた若手研究者の融合から始まった。たまたま委員長であった松永が当該書籍の編集委員長を仰せつかったが,編集幹事の九州大学の小野寺武先生,東北大学の鶴岡典子先生,そして九州大学の津守不二夫先生,兵庫県立大学の山口明啓先生には多くのコメントと激励を頂いており,共同監修と言っても過言では無い。

編集委員長 松永忠雄

☆発行前情報のため,一部変更となる場合がございます

1.半導体・金属材料
1.1 材料・原理
 1.1.1 バイオ計測のための磁気センシング(スピントロニクスを利用した)
  〔1〕スピン偏極電流
  〔2〕GMRの構造
  〔3〕トンネル効果による磁気抵抗変化
 1.1.2 プラズモニクス
  〔1〕微小金属における局在型表面プラズモン
  〔2〕フォトニック結晶
  〔3〕全反射減衰法
 1.1.3 放射光
 1.1.4 半導体材料:シリコン(Si)
1.2 プロセス
 1.2.1 スピントロニクスにおけるスピン操作の原理及びその制御方法
  〔1〕スピン生成と注入
  〔2〕スピン偏極電流によるスピン流生成と注入及び輸送・磁化反転
  〔3〕スピントルクによる磁壁移動
  〔4〕非局所配置スピン注入と輸送及び検出
 1.2.2 プラズモニクス関連技術
  〔1〕金属微小球の作製方法
  〔2〕金属ナノワイヤーの作製方法
  〔3〕フォトニック結晶ファイバの作製方法
 1.2.3 放射光・光プロセス
  〔1〕X線微細加工とLIGAプロセス
    1)  原理
    2)  LIGAプロセス
  〔2〕PTFEの昇華反応
  〔3〕液相での光化学反応
 1.2.4 シリコンの微細加工
  〔1〕エッチング技術とその分類
    1)  等方性ウェットエッチング
    2)  異方性ウェットエッチング
    3)  等方性ドライエッチング
    4)  異方性ドライエッチング
  〔2〕サーフェスマイクロマシーニングとバルクマイクロマシーニング
コーヒーブレイク:自動より手動
1.3 応用
 1.3.1 表面プラズモン局在波を利用する光センシング
  〔1〕表面増強ラマン散乱(SERS)分光法
  〔2〕チップ増強ラマン散乱(TERS)分光法
  〔3〕表面増強赤外吸収(SEIRA)分光法
 1.3.2 放射光デバイス
  〔1〕X線写真撮影素子
  〔2〕2面コーナー・リフレクタ・アレイ(DCRA)
  〔3〕PTFEを構造材とするマイクロ化学チップ
  〔4〕液相での光化学反応を用いた応用
 1.3.3 力センサ,圧力センサ
 1.3.4 力センサを用いた血圧脈波センサ

2.機能性材料
2.1 原理・材料
 2.1.1 圧電材料
 2.1.2 光メタマテリアル
 2.1.3 耐熱金属材料
  〔1〕NiW合金
  〔2〕TiN
 2.1.4 磁性材料
 2.1.5 形状記憶合金
  〔1〕形状記憶効果と変態挙動
  〔2〕TiNi系形状状記憶合金
  〔3〕TiNi系3元形状状記憶合金
 2.1.6 金属ガラス
2.2 プロセス
 2.2.1 圧電材料の微細加工
 2.2.2 光メタマテリアル・メタサーフェスの微細加工
  〔1〕光メタマテリアルの微細加工
  〔2〕メタサーフェスの微細加工
 2.2.3 耐熱合金材料の微細加工
  〔1〕耐熱合金材料の微細加工
  〔2〕TiNのスパッタリング成膜
 2.2.4 磁性材料の微細加工
 2.2.5 形状記憶合金の微細加工
  〔1〕形状記憶合金のエッチング
  〔2〕形状記憶合金の膜形成
コーヒーブレイク:異分野チャレンジのススメ(何でも屋のススメ?)
 2.2.6 金属ガラスの微細加工
2.3 応用
 2.3.1 圧電型エナジーハーベスタ
 2.3.2 メタサーフェスの応用
  〔1〕ホログラフィ
  〔2〕誘電体メタレンズ
 2.3.3 耐熱合金材料の応用
 2.3.4 磁性材料を応用したデバイス
 2.3.5 形状記憶合金を応用したデバイス
  〔1〕SMA膜のMEMSデバイスへの応用
  〔2〕非平面SMAデバイスへの応用
 2.3.6 金属ガラスを用いた応用デバイス

3.高分子材料
3.1 原理・材料
 3.1.1 インク・ペースト材料
  〔1〕金属ナノインク
  〔2〕導電性高分子インク
  〔3〕導電フィラー含有インク・ペースト
 3.1.2 プリンテッドエレクトロニクスに用いられる材料
  〔1〕熱可塑性樹脂
  〔2〕感光性樹脂
  〔3〕4Dプリントとその材料
 3.1.3 ナノインプリントに用いられる樹脂材料
 3.1.4 マイクロ流体有機ELと液体有機半導体材料
 3.1.5 自己組織化材料
コーヒーブレイク:プラスチックって何?
3.2 プロセス
 3.2.1 E-テキスタイルの作製技術
  〔1〕繊維技術
  〔2〕プリンティング技術
    1)  インクジェット,ジェットディスペンサ
    2)  スクリーン印刷
    3)  グラビアオフセット印刷
 3.2.2 3次元構造および回路形成技術
  〔1〕3Dプリント技術
  〔2〕異方性複合材料の3次元プリント
  〔3〕MoldedInterconnectDevice(MID)技術
  〔4〕In-MoldElectronics(IME)技術
 3.2.3 ナノインプリント技術
 3.2.4 マイクロ流体有機ELの作製技術
 3.2.5 自己組織化によるフォトニック結晶の作製技術
3.3 応用
 3.3.1 E-テキスタイル
  〔1〕生体計測用ストレッチャブル電極
  〔2〕ウェアラブル生体センサ
    1)  体表面生体電位の計測
    2)  計測回路
    3)  生体信号計測におけるノイズ
    4)  ノイズ対策
 3.3.2 3Dプリント技術の応用
  〔1〕3Dプリンタのバイオ応用
  〔2〕4Dプリンタの応用
 3.3.3 ナノインプリントの応用
 3.3.4 フレキシブル・白色ELデバイス
 3.3.5 自己組織化によるフォトニック結晶の応用

4.生体材料(タンパク質、酵素)
4.1 酵素電極の原理
 4.1.1 インク・ペースト材料
  〔1〕酵素電極の測定対象物質と用いられる酵素
  〔2〕酵素電極の測定電極
  〔3〕酵素電極の計測方式
 4.1.2 表面プラズモン共鳴(SPR)バイオセンサ
  〔1〕SPRセンサ
  〔2〕低分子化合物検出用抗体の作製
 4.1.3 金属酸化物材料によるpH計測原理
  〔1〕pHセンサ材料としての金属酸化物
  〔2〕pH応答機構
 4.1.4 水晶振動子を利用した微量計測の基礎
4.2 プロセス
 4.2.1 酵素のプリンティング技術
  〔1〕インクジェットプリンティング
  〔2〕スクリーンプリンティング
  〔3〕コンタクトプリンティング
 4.2.2 自己組織化単分子膜を用いたSPRセンサ表面の作製
4.3 応用
 4.3.1 酵素プリンティングを用いた高感度乳酸センサ
  〔1〕酵素に対する増粘剤の影響
  〔2〕酵素厚さの感度への影響
 4.3.2 SPRバイオセンサによる低分子化合物の計測
  〔1〕測定方法
  〔2〕低分子化合物の高感度検出
 4.3.3 マイクロpHセンサ
  〔1〕pH計測に基づく核酸検出とリキッドバイオプシーへの応用
  〔2〕う蝕定量診断を目指したpHマッピング
 4.3.4 水晶振動子を利用した計測
  〔1〕微量水銀検知用センサ
  〔2〕殺菌・滅菌用活性酸素の簡易計測
 4.3.5 バイオセンサによる生体計測技術
  〔1〕バイオセンサによる測定原理と方法
  〔2〕バイオセンサによるグルコース計測方法
  〔3〕バイオセンサによる涙液・唾液の測定方法
  〔4〕バイオセンサによる唾液の測定方法

コーヒーブレイク:NOART,NO(RESEACH)LIFE!~機能美について~

バイオ計測のための材料と微細加工編集委員会(バイオケイソクノタメノザイリョウトビサイカコウヘンシュウイインカイ)

松永 忠雄(マツナガ タダオ)

鶴岡 典子(ツルオカ ノリコ)

小野寺 武(オノデラ タケシ)

山口 明啓(ヤマグチ アキノブ)

池沢 聡(イケザワ サトシ)

土肥 徹次(ドヒ テツジ)

神田 健介(カンダ ケンスケ)

岩見 健太郎(イワミ ケンタロウ)

峯田 貴(ミネタ タカシ)

林 育菁(リン イクセイ)

津守 不二夫(ツモリ フジオ)

笠原 崇史(カサハラ タカシ)

水野 潤(ミズノ ジュン)

和泉 慎太郎(イズミ シンタロウ)

田畑 美幸(タバタ ミユキ)

野田 和俊(ノダ カズトシ)

荒川 貴博(アラカワ タカヒロ)