バイオ計測のための材料と微細加工
これまで材料ごとに研究されてきた微細加工を,バイオ計測という観点から一冊にまとめた。
- 発行年月日
- 2022/10/13
- 判型
- A5
- ページ数
- 240ページ
- ISBN
- 978-4-339-07278-5
- 電気学会 第26回優秀技術活動賞 グループ著作賞を受賞いたしました。
- 内容紹介
- まえがき
- 目次
- 広告掲載情報
【読者対象】
微細加工を学び始めた学生や社会人。微細加工のバイオ計測への応用を広く学びたい方。
【書籍の特徴】
本書ではバイタルセンシングデバイスなどで用いられる柔軟材料,そして化学分野で利用される樹脂や生体材料への微細加工技術,そして微細加工技術やMEMSセンサなどを用いた応用デバイスなど,それぞれの学問や学会など各々で進められている研究技術を,バイオ計測という観点から分野横断的にまとめています。
バイオ計測に用いられる材料を半導体・金属材料,機能性材料,高分子材料,生体材料の4つに分類し,それぞれの「材料」の持つ特異的な現象についての理論的原理,「加工プロセス」の基礎と最新の技術,そして紹介した材料を用いた「応用」を紹介することで,分野横断的な視野でバイオ計測のための材料と微細加工技術を学べる構成となっています。
【著者からのメッセージ】
半導体微細加工技術を応用して作製されたMEMSセンサやアクチュエータ,もしくはそれらを組み込んだシステムは様々な分野で活用されています。例えば,高齢者医療,非侵襲・低侵襲医療や健康社会,障害者に役立つ生活支援のためのデバイスと,そのデバイス開発に関わる要素技術への社会的関心は高まっています。しかし,実際のデバイスへの応用のためには多層電気配線を有する立体基板の作製や,立体基板上へのMEMSデバイスや電子部品の実装,新たな伸縮・柔軟の微細加工とMEMSデバイスとの実装など,技術的に開発途上であるものも多く,多くの技術課題を残しています。
これらの課題解決や新たな応用分野での開拓を推進している研究は各研究技術分野で議論されてはいますが,様々なデバイスを求められる分野で役立てていくには今後はこれらの分野を融合した考え方・研究が求められます。
本書籍では,微細加工,材料を専門とする本邦の比較的若手でありながら,今後当該研究分野を担うであろう研究者の方々に執筆をお願いし,これらの分野の融合領域の最新研究について熱い想いでまとめて頂きました。これからMEMSを学ぶ研究者(導入)から,応用分野を求め新しい価値を創造する企業の研究者(アウトプット)まで,様々な立場のMEMS研究者の学びと応用に繋がり,役にたつ本として提供できればと願います。
半導体微細加工技術を応用して作製されたMEMSセンサやアクチュエータ,もしくはそれらを組み込んだシステムはさまざまな分野で活用されている。例えば,高齢者医療,非侵襲・低侵襲医療や,健康社会,障害者に役立つ生活支援のためのデバイスと,そのデバイス開発に関わる要素技術への社会的関心は高まっている。医療分野を主とした分野で活用される体内埋め込み型デバイスや体表に装着し血圧や呼気などを常時センシングするバイタルセンシングデバイス,また,生体から採取した微量なタンパク質を高感度分析するためのデバイスなど,バイオ計測デバイスは多くの種類がある。例えば,近年著しく発展している研究分野としてバイオ分野でのタンパク質やDNA,そして細胞分析のために,新しい樹脂材料や生体材料に対しても半導体微細加工技術が応用され,かつ平面や立体構造への加工も必要とされている。また,リアルタイムバイタルサインセンシングのためのウェアラブルデバイスでは,伸縮性や柔軟性を持ち,かつ電極にもなりうる生体親和性の高い材料を用い,生体へ密着し装着することが求められている。しかし,多層電気配線を有する立体基板の作製や,立体基板上へのMEMSデバイスや電子部品の実装,新たな伸縮や柔軟の微細加工とMEMSデバイスとの実装など,技術的に開発途上であるものも多く,多くの技術課題を残している。
これらの課題解決や新たな応用分野での開拓を推進している研究は各研究技術分野で議論されてはいるが,微細加工技術やMEMSセンサなどのデバイス,バイタルセンシングデバイスなどで用いられる柔軟材料,そして化学分野で利用される樹脂や生体材料への微細加工技術は,それぞれの学問や学会などおのおので進められていると感じている。しかし,さまざまなデバイスを求められる分野で役立てていくには,今後はこれらの分野を融合した考え方や研究が求められる。
本書では,微細加工や材料を専門とする本邦の比較的若手でありながら,今後当該研究分野を担うであろう研究者の方々に執筆をお願いし,これらの分野の融合領域の最新研究について熱い想いでまとめて頂いた。材料の種類で章立てし,「材料」の持つ特異的な現象についての理論的「原理」,「プロセス」の基礎と最新の技術,そして紹介した材料を用いた「応用」の構成とした。そうすることで,これからMEMSを学ぶ研究者(導入)から,応用分野を求め新しい価値を創造する企業の研究者(アウトプット)まで,さまざまな立場のMEMS研究者の学びと応用につながり,役に立つ本として提供できればと願う。
当該出版にあたり,きっかけとなったのは電気学会センサ・マイクロマシン(E)部門・調査専門委員会「立体構造や柔軟材料への微細加工,実装技術に関する若手研究者を中心とした調査専門委員会」に参加頂けた若手研究者の融合から始まった。たまたま委員長であった松永が当該書籍の編集委員長を仰せつかったが,編集幹事の九州大学の小野寺武先生,東北大学の鶴岡典子先生,そして九州大学の津守不二夫先生,兵庫県立大学の山口明啓先生には多くのコメントと激励を頂いており,共同監修といっても過言ではない。
2022年8月
編集委員長 松永忠雄
1.半導体・金属材料
1.1 材料・原理
1.1.1 バイオ計測のための磁気センシング(スピントロニクスを利用した)
1.1.2 プラズモニクス
1.1.3 放射光
1.1.4 半導体材料,シリコン(Si)
1.2 プロセス
1.2.1 スピントロニクスにおけるスピン操作の原理およびその制御方法
1.2.2 プラズモニクス関連技術
1.2.3 放射光・光プロセス
1.2.4 シリコンの微細加工
1.3 応用
1.3.1 表面プラズモン局在波を利用する光センシング
1.3.2 放射光デバイス
1.3.3 力センサ,圧力センサ
1.3.4 力センサを用いた血圧脈波センサ
引用・参考文献
2.機能性材料
2.1 材料・原理
2.1.1 圧電材料
2.1.2 光メタマテリアル
2.1.3 耐熱金属材料
2.1.4 磁性材料
2.1.5 形状記憶合金
2.1.6 金属ガラス
2.2 プロセス
2.2.1 圧電材料の微細加工
2.2.2 光メタマテリアルおよびメタサーフェスの微細加工
2.2.3 耐熱合金材料の微細加工
2.2.4 磁性材料の微細加工
2.2.5 SMAの微細加工
2.2.6 金属ガラスの微細加工
2.3 応用
2.3.1 圧電型エナジーハーベスタ
2.3.2 メタサーフェスの応用
2.3.3 耐熱合金材料の応用
2.3.4 磁性材料を応用したデバイス
2.3.5 SMAを応用したデバイス
2.3.6 金属ガラスを用いた応用デバイス
引用・参考文献
3.高分子材料
3.1 材料・原理
3.1.1 インク・ペースト材料
3.1.2 プリンテッドエレクトロニクスに用いられる材料
3.1.3 ナノインプリントに用いられる樹脂材料
3.1.4 マイクロ流体有機ELと液体有機半導体材料
3.1.5 自己組織化材料
3.2 プロセス
3.2.1 E-テキスタイルの作製技術
3.2.2 3次元構造および回路形成技術
3.2.3 ナノインプリント技術
3.2.4 マイクロ流体有機ELの作製技術
3.2.5 自己組織化によるフォトニック結晶の作製技術
3.3 応用
3.3.1 E-テキスタイル
3.3.2 3Dプリント技術の応用
3.3.3 ナノインプリントの応用
3.3.4 フレキシブル・白色ELデバイス
3.3.5 自己組織化によるフォトニック結晶の応用
引用・参考文献
4.生体材料(タンパク質,酵素)
4.1 材料・原理
4.1.1 酵素電極の原理
4.1.2 表面プラズモン共鳴(SPR)バイオセンサ
4.1.3 金属酸化物材料によるpH計測原理
4.1.4 水晶振動子を利用した微量計測の基礎
4.2 プロセス
4.2.1 酵素のプリンティング技術
4.2.2 SAMを用いたSPRセンサ表面の作製
4.3 応用
4.3.1 酵素プリンティングを用いた高感度乳酸センサ
4.3.2 SPRバイオセンサによる低分子化合物の計測
4.3.3 マイクロpHセンサ
4.3.4 水晶振動子を利用した計測
4.3.5 バイオセンサによる生体計測技術
引用・参考文献
索引
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掲載日:2024/04/01
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掲載日:2023/10/10
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掲載日:2023/10/03
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掲載日:2023/08/01
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掲載日:2023/04/04
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掲載日:2023/03/20
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掲載日:2022/12/13
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掲載日:2022/12/01
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掲載日:2022/11/15
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掲載日:2022/11/02
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掲載日:2022/10/21
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掲載日:2022/09/30
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掲載日:2022/09/01