センサ・マイクロマシンの基礎 - 物性と場 -

センサ・マイクロマシンの基礎 - 物性と場 -

ジャンル
発行予定日
2024/06/下旬
判型
A5
ページ数
196ページ
ISBN
978-4-339-04690-8
センサ・マイクロマシンの基礎 - 物性と場 -
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定価

2,970(本体2,700円+税)

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  • 内容紹介
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あらゆる信号を扱おうとするセンサ・マイクロマシンの物理的存在は物質に回帰し,機能は場との関係を通して発揮されているとの考えから,一般には異なる科目で学ぶ物性や場の内容をセンサ・マイクロマシンの主題のもとにまとめた。

☆発行前情報のため,一部変更となる場合がございます

デジタル化が進む我々の世界において,われわれ人間が生きてきた物理的なフィジカル空間と,コンピュータを通して新たに広がるサイバー空間の境目ではさまざまな情報がやりとりされている。この情報のやりとりを可能とする情報変換の仕組み,特にハードウェア側の事情を知りたい,本書はそのような関心をもつ方を対象にしている。フィジカル空間とサイバー空間の境目では,センサ・マイクロマシンが清報を変換し,情報の流れを可能にしている。人類がスマートフォン等の情報機器に釘付けになり,人類の多くの時間がサイバー空間にコネクテッド状態となっている。センサ・マイクロマシンは,それら情報機器の中で人とサイバー空間の間の情報を変換する役割を担っている。したがって,われわれがサイバー空間とうまくつながるにはセンサ・マイクロマシンの活躍が不可欠である。

センサ・マイクロマシンが扱うフィジカル空間の対象範囲は広い。サイバー空間に対するフィジカル側の存在は人も含め森羅万象対象になる可能性を持っている。センサ・マイクロマシンと同様に,MEMS(micro electro mechanical systems)という言葉もしばしば使われる。半導体技術はトランジスタを生み出し,さらにコンピュータを誕生させてきたが,機械の分野にも半導体技術を導入したことは,センサ・マイクロマシンの革新的な発展につながった。MEMSという言葉はこの流れを意識して使われることが多い。当初は,加速度や圧力といった機械量を電気信号に変換したり電気信号によって力を発生させたりといった電気電子と機械の分野における変換機能が主たる研究モチーフであった。機械の分野の熱や流体との相性もよかったことから,その後センサ・マイクロマシンの扱う領域は化学,さらにバイオの分野へと応用範囲を展開していくことになる。

センサ・マイクロマシンが信号変換する対象が電気電子や光,機械から化学,バイオヘと広がる中,センサ・マイクロマシン自体はどのようにその機能を生み出して対応しているのだろうか。センサ・マイクロマシンの具体的なデバイスに着目すると,どうしても応用の多様性に目を奪われがちになる。そこで本書は,センサ・マイクロマシンの基礎に焦点を当て,‘‘物性と場”に着目することにした。元を辿ればありとあらゆる信号を扱おうとするセンサ・マイクロマシンの物理的存在は物質に回帰し,機能は場との関係を通して発揮されているとの考えからである。根底では,物質でつながり,周囲の場に包まれて機能しているセンサ・マイクロマシン。一般には異なる科目で学ぶ物性や場の内容をセンサ・マイクロマシンの主題のもとにまとめることを目指した。既存の学びの体系を横断する部分もあり,1章において本書の構成に関する考え方を説明してあるので参考にしていただきたい。

本書を執筆するに際し,機械工学,特に材料の力学や結晶工学に関する部分について同僚の鳥山寿之先生にご協力をお願いし,執筆いただいている。鳥山先生には「マイクロマシン」の講義立ち上げにも多大なご協力をいただいた。また,この場を借りて執筆の環境づくりに協力してくれた周囲に感謝したい。

最後に,執筆の趣旨を理解していただき,企画から出版に至るまで,明るく伴走いただいたコロナ社の方々に謝意を表する。

2024年7月
小西 聡

☆発行前情報のため,一部変更となる場合がございます

1. 序論
1.1 センサ・マイクロマシンの信号・エネルギー変換機能
1.2 センサ・マイクロマシンの機能を生み出す源:物性と場
1.3 センサ・マイクロマシンと物性
1.4 センサ・マイクロマシンとナノテクノロジー
1.5 本書の構成と活用法

2. 身近なセンサ・マイクロマシンデバイス
2.1 身の回りで活躍するセンサ・マイクロマシン
2.2 マイクロセンサと物性および場
2.3 マイクロアクチュエータと物性および場
2.4 センサ・マイクロマシンの代表的な事例
 2.4.1 半導体ダイアフラム型圧カセンサ
 2.4.2 静電型マイクロミラーデバイス
演習問題

3. 物質を構成する結晶構造と原子
3.1 原子の結合と結晶構造
3.2 結晶面とミラー指数
3.3 結晶構造を調べるのに便利な波:x線
3.4 物質(原子)内の電子状態と電子物性
3.5 原子内の電子状態
3.6 電子状態と波動方程式
 3.6.1 時間に依存しない波動方程式
 3.6.2 時間に依存する波動方程式
3.7 電子の波動性とエネルギーバンド構造
3.8 原子内の電子の配置
演習問題

4. 原子から結晶構造,そして物性へ
4.1 原子による結晶構造の形成
 4.1.1 原子中の電子状態と原子間の結合
 4.1.2 原子間結合による結晶構造形成
 4.1.3 結晶内原子の電子状態と物性
4.2 物性と状態変換
 4.2.1 状態変換
 4.2.2 系のエネルギーに基づく考察
4.3 物性の結晶異性
 4.3.1 弾性特性の結晶異方性
 4.3.2 ピエゾ抵抗効果の結晶異方性
 4.3.3 圧電特性の結晶異方性
 4.3.4 Siの結晶異方性エッチング
演習問題

5. 物質の接触,接合とデバイス機能
5.1 接触によるエネルギー/バンド構造の変化
5.2 接合によるデバイス機能の実現
 5.2.1 金属どうしの接合
 5.2.2 金属と半導体の接合によるショットキーダイオード
 5.2.3 p型,n型半導体の接合によるpn接合ダイオード
 5.2.4 金属/絶縁体/半導体の接合によるMOS構造
 5.2.5 接合による各種デバイス機能
演習問題

6. 電磁気的物性と場,そしてデバイス機能
6.1 電場と磁場
6.2 電場
 6.2.1 誘導体と電場
 6.2.2 電場のベクトル量による考察
 6.2.3 電場のスカラー量による考察
6.3 静電場による発生カ
6.4 静電型センサ・マイクロマシン
 6.4.1 静電容量型センサ
 6.4.2 静電マイクロアクチュエータ
6.5 圧電型センサ・マイクロマシン
 6.5.1 圧電基本特性
 6.5.2 圧電センサ
 6.5.3 圧電マイクロアクチュエータ
6.6 磁場
 6.6.1 磁性体と磁場
 6.6.2 磁界,磁場に関するベクトルとスカラーの表現
6.7 電磁場を利用したセンサとアクチュエータ
 6.7.1 電磁場による力の発生とモータ
 6.7.2 電磁場による起電力発生とセンサ
 6.7.3 マイクロ磁気デバイス,そして電磁マイクロモータ
 6.7.4 ホール効果,ホールセンサ
演習問題

引用・参考文献
演習問題解答
索引

鳥山 寿之(トリヤマ トシユキ)