つり合いから読み解く材料力学

つり合いから読み解く材料力学

自由物体図を多数掲載。材料力学の解法プロセスより基本原理を体感できることを目指した。

ジャンル
発行年月日
2021/10/18
判型
A5
ページ数
192ページ
ISBN
978-4-339-04675-5
つり合いから読み解く材料力学
在庫あり

定価

2,750(本体2,500円+税)

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材料力学の運用にあたっては,現実の部品を簡略化した力学モデルに基づく解析が行われるが,モデルおよびその結果の妥当性を見極めるには,力学的センスに基づく洞察が必要になる。CAEソフトの高性能化,操作性の向上によって普及が進む一方で,ブラックボックス化に伴い,力学的センスに基づく洞察は以前に増して重要になってきている。
本書は,解法のプロセスよりも基本原理を体感できることを念頭におき,「体感できる材料力学の基本」を目指したものである。力学を体感するためつり合い関係を重視し,自由物体図を多数掲載している。読者は自ら自由物体図を描き,手計算により数式の妥当性を納得してもらいたい。

【読者対象】
・工業高等専門学校,大学工学部の学生
・材料力学の基本を学びたい社会人技術者

材料力学は工業技術を安全に利用するうえで必須と考えられているものの,研究され尽くした古い学問との印象があり,大学などの教育機関では,材料力学を専門とする教員は「絶滅危惧種」といわれることがある。便覧に示された公式を用いるなり,市販のCAE(computer-aided-engineering)ソフトを用いて応力を表示すれば用が足りる気もするため,こう思うのも無理はない。

しかし,材料力学の運用にあたっては現実の部品を簡略化した力学モデルに基づく解析が行われるため,モデルおよびその結果の妥当性を見極めるには,力学的センスに基づく洞察が必要になる。CAEソフトの高性能化,操作性の向上によって普及が進む一方で,ブラックボックス化に伴い,力学的センスに基づく洞察は以前に増して重要になってきていると思われる。

一方,教育機関における力学教育では,日常生活の中でものを作って壊す体験が乏しい状況下で,座学授業主体で力学的センスを養うのは容易でない。学ぶ側も「なぜそうなるのか」を考えるよりも,解法のテンプレートへの数値の代入ですませたくもなる。その結果,部品が外部から受ける力と外部に及ぼす力の区別,外力と物体中の仮想切断面上に発生する内力の区別ができていないため,自由物体図を正しく描けない学習者も多い。

本書は,解法のプロセスよりも基本原理が身に付くことを念頭に置き,「体感できる材料力学の基本」を目指したものである。力学を体感するためつり合い関係を重視し,自由物体図をしつこく示しているが,読者は自ら自由物体図を描き,手計算により数式の妥当性を納得してもらいたい。

本書は工業高等専門学校,大学工学部の学生を読者に想定しているが,基本を学びたい社会人技術者にも有益と考えている。前提とする知識としては高等学校の数学・物理の範囲を想定している。概念的な説明のうえで有効な面積分,体積分などは数式として示しているが,具体的な計算は高等学校数学の知識で間に合うようにしている。一方,簡単な行列は使用している。CAEに関連した業務や連続体力学への展開にあたっては必要になるため,行列には慣れていただきたい。

章末の演習問題には巻末に略解を載せているが,詳細な解答例はコロナ社ホームページ(下記URL)に掲載している。
https://www.coronasha.co.jp/np/isbn/9784339046755/(2021年8月現在)

2021年8月
著者

1.材料力学を学ぶ準備
1.1 本書が取り扱う材料力学
1.2 力のベクトルの合成・分解
 1.2.1 力のベクトルの合成
 1.2.2 力のベクトルの分解
1.3 力とモーメントのつり合い
 1.3.1 力のつり合い
 1.3.2 モーメントのつり合い
1.4 物体にはたらく荷重の種類
 1.4.1 物体力と表面力
 1.4.2 境界条件および反力・反モーメント
 1.4.3 自由物体図
演習問題

2.応力とひずみ
2.1 仮想切断面上で一様に分布する応力
 2.1.1 垂直応力
 2.1.2 せん断応力
2.2 微小部分のひずみと応力
 2.2.1 垂直ひずみ
 2.2.2 せん断ひずみ
 2.2.3 塑性ひずみ
 2.2.4 熱ひずみ
2.3 弾性範囲での応力とひずみの関係
 2.3.1 軸力を受ける棒の縦ひずみと横ひずみ
 2.3.2 せん断力を受ける物体のせん断応力とせん断ひずみ
演習問題

3.材料試験と許容応力
3.1 引張試験
 3.1.1 引張試験と公称応力
 3.1.2 真応力と真ひずみ
3.2 疲労試験
3.3 クリープ試験
3.4 安全率と許容応力
3.5 断面平均応力に基づく設計
演習問題

4.軸力を受ける棒
4.1 段付き丸棒
4.2 断面が連続的に変化する丸棒
4.3 物体力を受ける棒
4.4 温度変化を受ける棒
 4.4.1 線膨張係数
 4.4.2 両端を壁で固定された棒の熱応力
 4.4.3 並列に連結した2本の棒の熱応力
演習問題

5.軸のねじり
5.1 丸棒軸のねじりによる変形と応力
 5.1.1 比ねじれ角とねじり応力
 5.1.2 せん断応力と断面二次極モーメント
5.2 複雑な丸棒軸
 5.2.1 段付き丸棒軸
 5.2.2 複数のトルクを受ける丸棒軸(重ね合わせの原理)
5.3 動力を伝達する軸
演習問題

6.はりの曲げ
6.1 せん断力図と曲げモーメント図
 6.1.1 はりに生じる内力
 6.1.2 集中荷重を受ける両端単純支持はり
 6.1.3 等分布荷重を受ける両端単純支持はり
 6.1.4 自由端に集中荷重を受ける片持ばり
 6.1.5 等分布荷重を受ける片持ばり
6.2 せん断力と曲げモーメントの関係
6.3 面積モーメント法
演習問題

7.はりの曲げ応力
7.1 曲げ変形と曲げ応力
7.2 断面二次モーメントの性質
 7.2.1 平行軸の定理
 7.2.2 典型断面形状に対する断面二次モーメント
演習問題

8.はりのたわみ
8.1 たわみ曲線の微分方程式
8.2 典型的なはりのたわみ
 8.2.1 集中荷重を受ける両端単純支持はり
 8.2.2 等分布荷重を受ける両端単純支持はり
 8.2.3 自由端に集中荷重を受ける片持ばり
 8.2.4 等分布荷重を受ける片持ばり
8.3 不静定ばり(重ね合わせの原理)
演習問題

9.組合せ応力
9.1 三次元体における応力とひずみ
 9.1.1 三次元体における応力成分
 9.1.2 三次元体における変位とひずみ成分
 9.1.3 三次元弾性体における応力とひずみの関係
 9.1.4 弾性特性係数間の関係
9.2 平面応力と平面ひずみ
 9.2.1 平面応力
 9.2.2 平面ひずみ
9.3 主応力と主せん断応力
 9.3.1 軸力を受ける棒の傾斜断面上の応力
 9.3.2 平面応力に対するモールの応力円
演習問題

10.ひずみエネルギー
10.1 棒の引張・圧縮
 10.1.1 一様断面棒の引張・圧縮
 10.1.2 断面積が変化する棒の引張・圧縮
10.2 一様せん断を受ける平行六面体
10.3 軸のねじり
10.4 はりの曲げ
演習問題

11.エネルギー原理
11.1 相反定理
11.2 カスティリアノの定理
11.3 カスティリアノの定理の応用
 11.3.1 棒の引張
 11.3.2 トラス
 11.3.3 軸のねじり
 11.3.4 はりの曲げ
演習問題

12.柱の座屈
12.1 オイラーの座屈荷重
12.2 境界条件の影響
 12.2.1 両端回転支持柱
 12.2.2 両端固定支持柱
演習問題

13.材料力学に基づく強度評価
13.1 圧力容器
 13.1.1 内圧を受ける円筒
 13.1.2 内圧を受ける球形タンク
13.2 3軸応力状態での主応力・主せん断応力
 13.2.1 応力の不変量
 13.2.2 3軸応力状態に対するモールの応力円
13.3 降伏条件と相当応力
 13.3.1 降伏がもたらす破損
 13.3.2 降伏条件
13.4 応力集中
 13.4.1 応力集中を考慮すべき場合
 13.4.2 一様引張を受ける円孔付き無限平板
 13.4.3 引張を受ける円孔付き帯板
 13.4.4 引張または曲げを受ける両側半円切欠付き帯板
演習問題

演習問題略解
索引

掲載日:2021/10/06

「日本機械学会誌」2021年10月号広告

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