新コロナシリーズ 52
摩擦への挑戦 - 新幹線からハードディスクまで -
摩擦への挑戦には,ものの表面の摩擦を減らす,摩擦面で起きる損傷を軽減するなどの目的がある。この摩擦をコントロールする技術がトライボロジーである。本書ではトライボロジーに関わる開発を担当してきた人々の肉声を紹介する。
- 発行年月日
- 2005/06/20
- 判型
- B6
- ページ数
- 176ページ
- ISBN
- 978-4-339-07702-5
- 日本図書館協会選定図書に選定されました。
- 内容紹介
- 目次
- レビュー
摩擦への挑戦には,ものの表面の摩擦を減らす,摩擦面で起きる損傷を軽減するなどの目的がある。この摩擦をコントロールする技術がトライボロジーである。本書ではトライボロジーに関わる開発を担当してきた人々の肉声を紹介する。
1.ベアリングで世界を動かす
ベアリングとはなんだろう?
機械の中でのベアリングの働き
日本人の暮らしが求めた静かなベアリング
なぜ世界を動かす転がり軸受をつくったのか
低騒音転がり軸受をつくりだした技術
長寿命転がり軸受をつくりだした技術
低コスト転がり軸受をつくりだした技術
EHL油膜型転がり軸受をつくりだした技術
アメリカの夢を日本で形にした軸受の技術
2.高速新幹線へのトライボロジーの挑戦
新幹線の歴史は鉄道技研の講演会から始まった
高速で転動する車輪とレールのトライボロジー
高速で安定走行する新幹線の台車と軸受
「台車」
「軸受」
究極の安全をバックアップする摩擦ブレーキ
高速集電システムを支えるトライボロジー
新世代における新幹線電車の高速化技術とトライボロジー
3.自動車のトライボロジー研究物語
自動車はトライボロジー技術の宝庫
トライボロジーで動く、エンジン
例えば、どんなことを……
意外なことからこの世界へ
迷いの世界、「泥沼ですぞ」に発奮して
クレーム解析の時代、成功に自信
さらばクレーム時代、研究分野の広がり
研究と開発、すばらしき仲間
人脈を得た「貧乏くじ」
トライボロジーとは要するに
4.本四架橋用軸受に至る道
無給油軸受(自己潤滑軸受)
固体潤滑剤軸受
橋梁用支承
本州四国連絡橋(タワーリンク軸受)
5.鉱石が潤滑の難問解決に貢献
潤滑トライボロジーとは
未知との遭遇
二硫化モリブデンの実用テスト
さらに北に転勤
住鉱潤滑剤に出向
二硫化モリブデン研究の歴史
使用実例
じつは読者の皆さんは固体潤滑剤の愛用者です
もし固体潤滑剤と遭遇していなかったら
6.自動車から圧延機まで油屋の苦しみと喜び
油屋はなにをする人か?
油屋の昔からの地位
いまの油屋はなにをしているか?
石油会社の中でのグリース担当
グリースとの出会い―付着性
変なグリースの正体は?
虎の皮か不死鳥か?
鳴かせの名人
グリースは研究の対象になるか?
レオロジーでグリースをつかみ取る
おわりに
7.船舶事故との出会いと転機
イギリスと船舶とトライボロジー
マリンエンジニアとシーマンシップ
舶用エンジンの重大事故との出会い
摩耗研究への転機とその後の展開
8.高耐久性塗布型磁気ディスク媒体開発物語
情報化社会を支える磁気ディスク装置
磁気ディスク装置の構造とトライボロジー
塗布型円板の国産化
研究のスタート
結合樹脂の選択
フィラーの効果の発見
製品化
コンタクト・スタート/ストップ用円板の耐久性向上
CS/S用円板の開発開始
突起仮説
トライボロジー特性の向上
耐久性評価法の見直し
記録再生特性の向上によるトライボロジー信頼性向上
装置全体のクリーン化
おわりに