実践 気体軸受の設計と解析 - 有限要素法による動圧・静圧気体軸受解析 CD-ROM付 -
気体軸受の基本特性をレイノルズ方程式を有限要素法によって解くことにより求める気体軸受設計のための実践書。添付のFortranプログラムについて説明した実用的な部と独自開発のための応用・発展の部から構成されている。
- 発行年月日
- 2011/05/25
- 判型
- A5
- ページ数
- 224ページ
- ISBN
- 978-4-339-04613-7
- 内容紹介
- 目次
- レビュー
- 書籍紹介・書評掲載情報
気体軸受の基本特性をレイノルズ方程式を有限要素法によって解くことにより求める気体軸受設計のための実践書。添付のFortranプログラムについて説明した実用的な部と独自開発のための応用・発展の部から構成されている。
1. 滑り軸受と軸受理論の基礎
1.1 滑り軸受の原理と種類
1.1.1 潤滑と滑り軸受
1.1.2 動圧軸受の原理と種類
1.1.3 静圧軸受の原理と種類
1.2 滑り軸受理論の要約
1.2.1 一般化レイノルズ方程式
1.2.2 非圧縮性レイノルズ方程式
1.2.3 圧縮性レイノルズ方程式
1.2.4 潤滑膜の境界条件
1.2.5 絞り
2. 数値解析のための準備と有限要素法の利用
2.1 フォートランコンパイラと数値計算ライブラリ
2.1.1 フォートランコンパイラ
2.1.2 数値計算ライブラリ
2.1.3 コンパイラコマンドとコマンドオプション
2.2 有限要素法の長所と短所
2.2.1 近似の方法と有限要素法の長所
2.2.2 有限要素法の利用における短所
2.3 プリプロセッシングとポストプロセッシング
2.3.1 プリプロセッシング
2.3.2 ポストプロセッシング
3. 各種軸受用プログラムとその使い方
3.1 解析モデルの設計
3.2 プログラムの基本的なフローチャート
3.2.1 圧縮性流体・自成/オリフィス絞り型静圧軸受
3.2.2 圧縮性流体・多孔質絞り型静圧軸受
3.2.3 圧縮性流体・動圧軸受
3.2.4 非圧縮性流体・オリフィス/キャピラリ絞り型静圧軸受
3.2.5 非圧縮性流体・動圧軸受
3.3 ジャーナル軸受解析のための入力データと出力
3.3.1 圧縮性流体・真円形・静圧ジャーナル軸受(GAS-STAT)
3.3.2 非圧縮性流体・真円形・静圧ジャーナル軸受(HYDRO-STAT)
3.3.3 非圧縮性流体・真円形・動圧ジャーナル軸受(HYDRO-DYN)
3.3.4 解析結果の見方
3.4 スラスト軸受解析のための入力データと出力
3.4.1 圧縮性流体・矩形・静圧スラスト軸受(GS-RECT)
3.4.2 非圧縮性流体・矩形・静圧スラスト軸受(HS-RECT)
3.4.3 圧縮性流体・矩形・動圧スラスト軸受(GD-RECT)
3.4.4 非圧縮性流体・矩形・動圧スラスト軸受(HD-RECT)
3.4.5 圧縮性流体・環状/矩形・静圧スラスト軸受(GS-ANNULAR)
3.4.6 圧縮性流体・円形/矩形・静圧スラスト軸受(GS-CIRCULAR)
3.4.7 縮性流体・環状/矩形・表面絞り型静圧スラスト軸受(GS-SURFACE)
3.4.8 解析結果の見方
3.5 圧縮性流体・環状/矩形・多孔質絞り型静圧スラスト軸受解析のための入力データと出力
3.5.1 圧縮性流体・環状/矩形・多孔質絞り型静圧スラスト軸受(GS-POROUS)
3.5.2 解析結果の見方
4. プログラミングの要点とプログラムの検証
4.1 有限要素法と定式化の方法
4.1.1 圧縮性流体レイノルズ方程式
4.1.2 非圧縮性流体レイノルズ方程式
4.1.3 多孔質体内の流れとレイノルズ方程式
4.2 要素および局部座標系と全体座標系
4.2.1 2次の四角形要素
4.2.2 1次の三角形要素
4.2.3 2次の六面体要素
4.3 数値積分
4.4 プログラムの構成
4.5 剛性マトリックスと負荷ベクトル
4.6 境界条件とその処理
4.7 流量の算出
4.8 負荷容量と剛性の算出
4.9 軸受すきま
4.10 プログラムの検証
4.10.1 圧縮性流体軸受
4.10.2 非圧縮性流体軸受
5. 軸受設計のさらなる高度化に向けて
5.1 エネルギー方程式
5.2 潤滑膜に適用したエネルギー方程式の有限要素定式化
5.3 熱流体潤滑問題へ
引用・参考文献
索引
【大石進博士執筆による、『実践気体軸受の設計と解析』を薦める】(中部大学 稲崎一郎 教授)
◎大石進博士は、研削加工プロセスとこれを実行する工作機械の要素に関する専門家である。工作機械や計測機械を始めとする精密機械において、滑らかな回転、直進運動を達成するために最も重要な技術の一つは潤滑である。摩擦力と発熱の低減、要求剛性の達成を図るために種々の潤滑方式がとられるが、潤滑要素の設計には高度な理論計算が必要となる。有限要素法の実用化によって、かっては困難であった数値解析が可能となり、正確な性能予測ができるようになったが、そのプログラミングは素人には難しい。
本書は、流体、気体軸受けの動作原理を解説もので、その特徴は著者が開発した潤滑性能解析のためのプログラムが付属していることである。これによって、設計者は軸受けの動作性能を予測して設計に実践的に生かすことができる。書名は気体軸受と謳っているが、流体潤滑も含まれており、かつ動圧潤滑、静圧潤滑の両方を扱っている。実践的な工学書として推薦する。
関連資料(一般)
- 本文訂正と付録CD-ROM収録プログラムの間違いや補足など①
- 付録CD-ROM改訂版
- 本文訂正と付録CD-ROM収録プログラムの間違いや補足など②(①と重複含む),および付録CD-ROM改訂版について