バイオマスの科学と技術 - 未来を創るエネルギー -

バイオマスの科学と技術 - 未来を創るエネルギー -

基礎的な事項から専門的な事項まで,バイオマスのすべてを「学」としてまとめた!

ジャンル
発行年月日
2024/07/17
判型
A5
ページ数
544ページ
ISBN
978-4-339-06669-2
バイオマスの科学と技術 - 未来を創るエネルギー -
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定価

9,350(本体8,500円+税)

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  • 内容紹介
  • まえがき
  • 目次
  • 著者紹介

【読者対象】
バイオマスを一通り学びたい学生,社会人,研究者 

【書籍の特徴】
この1冊を最初から最後まで読み,内容を習得すれば,バイオマス分野での学術的な活動を進める上での基本的な知識が身に付けられるよう,各分野で取りこぼしがないよう項目を検討し,基礎事項から専門的な事項までを丁寧に解説。それぞれの執筆内容に関連がある場合には相互に参照を促す記述を加えた。また,記述の根拠となる文献を豊富に示し,必要に応じて参照できるようにした。

【本書の構成】
1章でバイオマスの意義を説明し,2章,3章で後の章を理解する上で必要な大まかな基礎知識を説明した上で,4章で発生と生産,5章から8章で前処理を含む変換,9章でシステムを議論している。

1章「バイオマスの意義」:これまでのバイオマス研究の経緯と,現在バイオマスに求められていること,そして将来の方向性について解説する。

2章「基礎知識」:バイオマスの分類を示し,バイオマスを議論するときに必要となる各分野の基礎的な知識を説明する。

3章「物理化学的性質」:バイオマスを有効利用するために理解しておきたい,バイオマスの組織構造と成分,性質,規格と評価手法について解説する。

4章「バイオマスの発生と生産」:バイオマスの適切な利用システムを構築するために理解しておきたい,森林系バイオマス資源,農業系バイオマス,水生バイオマスの発生と生産について解説する。

5章「バイオマスの前処理」:バイオマスを変換,加工しやすくする前処理である,物理的前処理,熱化学的前処理,生物化学的前処理を解説する。

6章「バイオマスの物理的変換」:バイオマスの物理的変換(physical conversion)には,製材などへの加工,成形燃料化,成分利用がある。 各項目について詳しく解説する。

7章「バイオマスの熱化学的変換」:バイオマスの熱化学的変換(thermochemical conversion)の主要なものには,燃焼,ガス化を含む熱分解,水熱処理,バイオディーゼルなどの液体燃料生産がある。これらの各熱学的変換と用いられる触媒について詳しく解説する。

8章「バイオマスの生物化学的変換」:バイオマスの生物化学的変換(biochemical conversion)の主要なものには,メタン発酵,エタノール発酵,アセトン-ブタノール-エタノール発酵,各種のマテリアル生産がある。これらの各生物学的変換と代謝と遺伝子工学について詳しく解説する。

9章「バイオマス利用システムの評価」:適切なバイオマス利用システムを構築するためには,プロセス設計を行って評価を行うが,このときに重要な観点となるライフサイクルアセスメントと社会システムとしての評価について詳しく解説する。

☆発行前情報のため,一部変更となる場合がございます

バイオマスは再生可能であり,炭素中立であるために,資源枯渇・気候変動問題に対して有効なエネルギー・マテリアル資源として利用が推進されている。しかしながら,その関連分野は生産,変換,システム,社会実装と多くの分野にわたり,全体を見通すことは必ずしも容易ではない。この問題に対して『バイオマスハンドブック』『バイオマスプロセスハンドブック』といった出版物がこれまでに出されてきたが,比較的初心者向けであり,また,トピックごとに独立した構成となっていて,バイオマス全体について俯瞰(ふかん)し,教科書としての位置付けで利用できるものではない。これから,パリ協定に基づいて脱炭素社会の実現が求められている中で,バイオマスを一通り学びたい学生,社会人,研究者に,教科書的に必要に応じて専門書を参照できる形でまとめた書籍が求められている。本書は,この状況を鑑みてバイオマスの教科書として使える書籍を作成する意図で作成された。

執筆は各分野の専門の研究者に担当いただいているが,教科書としての趣旨を重視して,大学レベルの一般知識があれば理解できるような内容とし,各分野で取りこぼしがないように項目を検討して,分担執筆を行っている。さらに,全体の整合性が得られるように,使用記号や用語を全体でできる限り統一し,それぞれの執筆内容に関連があるときには相互に参照を促す記述を加えた。この1冊を最初から最後まで読み,内容を習得すれば,バイオマス分野での学術的な活動を進める上での基本的な知識が身に付けられ,さらに,より深い理解をする上で必要な書籍や論文を確認できる構成となっている。

1章でバイオマスの意義を説明し,2章,3章で後の章を理解する上で必要な大まかな基礎知識を説明した上で,4章で発生と生産,5章から8章で前処理を含む変換,9章でシステムを議論している。

本書の編集は2018年から始めたが,コロナ禍の影響で6年がかりとなってしまった。この間,執筆者の皆様には長期にわたる編集中,さまざまな問合せや修正依頼にも根気よく対応をいただいた。さらに,丁寧に編集作業を進めていただいたコロナ社にはたいへんな尽力をいただいた。ここに謝意を表したい。

本書が,各大学でのバイオマス関連の講義の教科書として利用され,また,バイオマスの利用を検討している各社・団体で必要な知識を提供する役に立てば幸いである。

2024年4月
編集委員会を代表して
松村幸彦

☆発行前情報のため,一部変更となる場合がございます

1. バイオマスの意義
1.0 本章の概要
1.1 バイオマスの今日的意義
 1.1.1 再生可能な資源としてのバイオマスの定義
 1.1.2 生態系の中のバイオマス生産とその利用
 1.1.3 バイオマス生産とその利用推進の意義
 1.1.4 バイオマス利用推進の壁となる要因
 1.1.5 政策によって誘導されるバイオマスの利用推進
 1.1.6 持続可能な循環型社会の構築に向けたバイオマス利用推進の貢献
1.2 これからのバイオマス利活用
 1.2.1 気候変動対応への位置付け
 1.2.2 発電
 1.2.3 液体燃料の製造
 1.2.4 その他の利用
引用・参考文献

2. 基礎知識
2.0 本章の概要
2.1 バイオマスの定義と分類
 2.1.1 バイオマスの定義
 2.1.2 バイオマスの分類
2.2 バイオマス変換方法の基礎
 2.2.1 マテリアル利用とエネルギー利用
 2.2.2 変換方法の概要
 2.2.3 単位操作
2.3 想定されるバイオマス利用法
 2.3.1 バイオマスのリファイナリー
 2.3.2 バイオ燃料
引用・参考文献

3. 物理化学的性質
3.0 本章の概要
3.1 バイオマスの組織構造と構成成分
 3.1.1 概要
 3.1.2 植物の分類
 3.1.3 植物の組織構造
 3.1.4 植物の細胞壁構造
 3.1.5 植物バイオマスの化学構成成分とその特徴
3.2 バイオマスの性質
 3.2.1 物理的性質
 3.2.2 熱的性質
3.3 バイオマスの規格・評価手法
 3.3.1 バイオマスの規格
 3.3.2 バイオマスの分析技術
引用・参考文献

4. バイオマスの発生と生産
4.0 本章の概要
4.1 森林系バイオマス
 4.1.1 日本の森林資源
 4.1.2 森林系バイオマス資源の利用順序
 4.1.3 森林バイオマスの収穫と短伐期林業
4.2 農業系バイオマス
 4.2.1 概要
 4.2.2 家畜排せつ物
 4.2.3 農作物非食用部
 4.2.4 資源作物
4.3 水生バイオマス
 4.3.1 概要
 4.3.2 微細藻類
 4.3.3 大型海藻類
 4.3.4 水草
4.4 バイオマス資源ポテンシャルの評価
 4.4.1 バイオマスのポテンシャルの定義
 4.4.2 わが国のバイオマス資源量の評価
 4.4.3 世界のバイオマス資源量の評価
引用・参考文献

5. バイオマスの前処理
5.0 本章の概要
5.1 物理的前処理
 5.1.1 概要
 5.1.2 乾燥
 5.1.3 粉砕
5.2 熱化学的前処理
 5.2.1 概要
 5.2.2 水熱処理
 5.2.3 トレファクション
 5.2.4 水熱処理とトレファクションの比較
5.3 生物化学的前処理
 5.3.1 微生物を用いたバイオマスの前処理
 5.3.2 バイオマス前処理に適した木材腐朽様式
 5.3.3 白色腐朽菌を利用したバイオマス変換
 5.3.4 木材腐朽菌を用いた糖化・発酵前処理
 5.3.5 木材腐朽菌によるバイオマスからのエタノールの直接生産
 5.3.6 白色腐朽菌のリグニン分解の選択性の制御
 5.3.7 微生物コンソーシアムを用いたバイオマス分解
 5.3.8 微生物を用いたバイオマス前処理の展望
引用・参考文献

6. バイオマスの物理的変換
6.0 本章の概要
6.1 製材などへの加工
 6.1.1 概要
 6.1.2 製材
 6.1.3 集成材,CLT
 6.1.4 合板,LVL
 6.1.5 木質ボード
6.2 固形燃料化
 6.2.1 概要
 6.2.2 薪,木質チップ,木粉
 6.2.3 ペレット,ブリケット
6.3 成分利用
 6.3.1 木質成分・組織の特徴
 6.3.2 パルプ化技術
 6.3.3 ヘミセルロース・リグニンの利活用
 6.3.4 木質の複合材料への利用
 6.3.5 セルロースナノファイバー
引用・参考文献

7. バイオマスの熱化学的変換
7.0 本章の概要
7.1 燃焼
 7.1.1 概要
 7.1.2 専焼
 7.1.3 混焼
 7.1.4 灰の特性と挙動
7.2 ガス化と熱分解
 7.2.1 概要
 7.2.2 ガス化
 7.2.3 急速熱分解
 7.2.4 ガス化および熱分解反応機構
 7.2.5 木炭およびバイオコークス
7.3 水熱処理
 7.3.1 概要
 7.3.2 超臨界水ガス化
 7.3.3 直接液化
 7.3.4 水熱炭化
7.4 バイオディーゼルおよびその他の液体燃料生産
 7.4.1 概要
 7.4.2 バイオディーゼル
 7.4.3 水素化植物油
 7.4.4 BTL
7.5 バイオマス変換に用いられる触媒
 7.5.1 概要
 7.5.2 触媒反応と触媒の機能
 7.5.3 酸触媒反応と用いられる固体酸触媒
 7.5.4 塩基触媒反応と用いられる固体塩基触媒
 7.5.5 還元反応と用いられる金属触媒
 7.5.6 酸化反応と用いられる触媒
引用・参考文献

8. バイオマスの生物化学的変換
8.0 本章の概要
8.1 メタン発酵
 8.1.1 有機物からのエネルギー回収のためのメタン発酵の利点
 8.1.2 メタン発酵菌叢
 8.1.3 メタン発酵槽
 8.1.4 高度なメタン発酵プロセス
8.2 エタノール発酵
 8.2.1 概要
 8.2.2 バイオマスからのバイオエタノール生産の世代
 8.2.3 バイオエタノール生産方法のバリエーション
 8.2.4 バイオエタノールの蒸留・脱水
8.3 アセトン-ブタノール-エタノール発酵
 8.3.1 バイオブタノールの意義
 8.3.2 バイオエタノールの性質
 8.3.3 ABE発酵の歴史
 8.3.4 ABE生産菌
 8.3.5 発酵基質
 8.3.6 原材料の前処理工程
 8.3.7 ABE代謝経路
 8.3.8 ABE発酵プロセス
 8.3.9 溶媒分離プロセス
 8.3.10 ブタノール生産の経済性
8.4 マテリアル生産
 8.4.1 概要
 8.4.2 飼料化
 8.4.3 堆肥化
 8.4.4 化学品マテリアル生産
 8.4.5 バイオマスからのマテリアル生産の今後
8.5 代謝と遺伝子工学の利用
 8.5.1 概要
 8.5.2 代謝メカニズムの解明に基づく物質生産性向上
 8.5.3 遺伝子工学によるストレス耐性の付与
 8.5.4 細胞表層工学による同時糖化発酵プロセスの開発
 8.5.5 Engineering Biologyへの展開
引用・参考文献

9. バイオマス利用システムの評価
9.0 本章の概要
9.1 プロセス設計
 9.1.1 プロセス設計の基礎
 9.1.2 コスト見積りと経済性評価
9.2 ライフサイクルアセスメント
 9.2.1 概要
 9.2.2 LCAの基礎
 9.2.3 LCAにおける比較に関する考え方
 9.2.4 土地利用変化
 9.2.5 持続可能性への展開
9.3 社会システムとしての評価手法
 9.3.1 最適化問題
 9.3.2 産業連関表を用いたエネルギー技術評価
 9.3.3 社会科学的アプローチ
引用・参考文献

索引

美濃輪 智朗(ミノワ トモアキ)

山本 博巳(ヤマモト ヒロミ)

吉田 貴紘(ヨシダ タカヒロ)

朝野 賢司(アサノ ケンジ)

五十嵐 圭日子(イガラシ キヨヒコ)

上村 芳三(ウエムラ ヨシミツ)

河本 晴雄(カワモト ハルオ)

玄地 裕(ゲンチ ユタカ)

高津 淑人(コウヅ マサト)

小林 信介(コバヤシ ノブスケ)

鮫島 正浩(サメジマ マサヒロ)

澤井 徹(サワイ トオル)

冨重 圭一(トミシゲ ケイイチ)

中島田 豊(ナカシマダ ユタカ)

中田 俊彦(ナカタ トシヒコ)

中村 真人(ナカムラ マサト)

則永 行庸(ノリナガ コウヨウ)

蓮沼 誠久(ハスヌマ トモヒサ)

藤本 清彦(フジモト キヨヒコ)

本藤 祐樹(ホンドウ ヒロキ)

柳田 高志(ヤナギダ タカシ)

柚山 義人(ユヤマ ヨシト)

横山 伸也(ヨコヤマ シンヤ)

吉岡 拓如(ヨシオカ タクユキ)

渡辺 隆司(ワタナベ タカシ)

渡邉 信(ワタナベ マコト)