土木基礎力学

土木基礎力学

初学者向けに高校の数学や物理(力学)の復習を取り入れた土木工学科の力学入門書。各専門分野に共通する力学の基礎を網羅している。

ジャンル
発行年月日
2018/04/06
判型
A5
ページ数
160ページ
ISBN
978-4-339-05255-8
土木基礎力学
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本書は,大学の土木工学科で必要な力学を初めて学ぶ学生(おもに1年生)がつまずかないよう,高校の数学や物理学(力学)の復習を多く取り込んだ入門書で,長年にわたり材料力学や構造力学の教育に携わってきた4 名の教員によって執筆されたものである。「構造の力学」,「水の力学」,「土の力学」などの本格的な土木力学は,多くの土木課程で2年次あるいは3年次に学習することになるため,それら土木分野に共通する力学的な内容の基礎部分を横断的に網羅するとともに,難易度の高い問題は割愛し,典型的な問題を例題として採用し,できるだけ丁寧に解説している。これによって,大学で土木工学を専攻した初学者がつまずくことなく,その先の専門基礎科目へとスムーズに進めるようにした。もし専門課程でつまずいたら,また本書に戻って復習してほしい。

晴れて土木工学科に入学し,数学や物理学から解放されたと思っている大学1年生は少なくないようである。しかし実際には,土木工学科の専門課程では,「構造の力学」,「水の力学」,「土の力学」のような力学系の専門科目を習う際,数学や物理学(力学)がたびたび登場する。そして,それらに圧倒され,場合によってはつまずいてしまうことも少なくない。そのような場合には,高校の教科書に立ち返って勉強する必要があるのだが,教科書のどこを見たらよいかわからず五里霧中をさまよってしまう場合もある。もしここで諦めてしまったら,専門課程の勉強にはついていけず,土木工学の力学系科目を毛嫌いしてしまうことになる。

本書は,大学の土木工学科で必要な力学を初めて学ぶ学生(おもに1年生)がつまずかないよう,高校の数学や物理学(力学)の復習を多く取り込んだ入門書で,東海大学や他大学で長年にわたり材料力学や構造力学の教育に携わってきた4名の教員によって執筆されたものである。例えば,sin, cosのような三角関数の知識は土木の力学系科目では頻繁に登場するのだが,本書では土木基礎力学の学習で必要となる箇所で説明を加えている。これによって,多くの学生は高校の教科書までさかのぼらなくてもよいようにした。しかし,もし根本的に理解ができていない場合には,その数学や力学の内容に関して,高校の教科書や参考書に立ち返って,しっかり学習し直してほしい。

「構造の力学」,「水の力学」,「土の力学」などの本格的な土木力学は,多くの土木課程で2年次あるいは3年次に学習することになる。本書では,それら土木分野に共通する力学的な内容の基礎部分を横断的に網羅するとともに,難易度の高い問題は割愛し,典型的な問題を例題として採用し,できるだけ丁寧に解説している。これによって,大学で土木工学を専攻した初学者がつまずくことなく,その先の専門基礎科目へとスムーズに進めるようにした。もし専門課程でつまずいたら,また本書に戻って復習してほしい。

本書を上梓するにあたって,5章については東海大学工学部土木工学科の寺田一美准教授に原稿をチェックしていただきました。また,コロナ社の関係各位にはたいへんお世話になりました。この場を借りて深く感謝いたします。

2018年2月 著者一同

1. 力とモーメント
1.1 力とは
 1.1.1 力とは
 1.1.2 力の種類
 1.1.3 力の表現法
 1.1.4 力の単位
 1.1.5 力の作用線の法則
1.2 力の合成と分解
 1.2.1 ベクトル演算
 1.2.2 力の合成
 1.2.3 力の分解
1.3 モーメント
 1.3.1 シーソーのつり合い
 1.3.2 モーメントの概念
 1.3.3 モーメントの図示法
1.4 力のつり合い
 1.4.1 2力のつり合い
 1.4.2 3力のつり合い
 1.4.3 力の三角形
 1.4.4 1点で交わる力のつり合い(多数の力がある場合)
 1.4.5 1点で交わらない力のつり合い
1.5 剛体のつり合い
 1.5.1 剛体と質点
 1.5.2 力のモーメント
 1.5.3 モーメントのつり合い
 1.5.4 偶力
 1.5.5 剛体のつり合い
1.6 分布荷重を集中荷重へ置換え
1.7 力と変位の関係から,応力とひずみの関係へ
 1.7.1 断面積が異なる場合(長さは同じ)
 1.7.2 部材の長さが異なる場合(断面積は同じ)
 1.7.3 フックの法則
章末問題

2. 構造材料の種類と特性
2.1 構造材料の役割と重要性
2.2 材料の力学的性質
 2.2.1 応力
 2.2.2 ひずみ
 2.2.3 応力とひずみの関係
2.3 各種部材に生ずる応力と変形
 2.3.1 引張部材
 2.3.2 圧縮部材
 2.3.3 リベット継手
 2.3.4 温度変化を受ける部材
2.4 組合せ応力
 2.4.1 単純引張を受ける場合の応力状態
 2.4.2 2軸方向に垂直応力が同時に作用する場合の応力状態
 2.4.3 たがいに垂直な2方向のせん断力が作用する場合
 2.4.4 2軸方向に垂直応力とせん断力が同時に作用する場合
2.5 モールの応力円
 2.5.1 円の方程式
 2.5.2 モールの応力円の誘導
 2.5.3 モールの応力円の描き方
章末問題

3. 静定トラスの基礎
3.1 静定トラスを理解するために必要な数学や力学
3.2 静定トラス構造の概要
3.3 支点反力
3.4 トラスの解法
 3.4.1 節点法
 3.4.2 断面法
章末問題

4. 静定ばりの基礎
4.1 静定ばりを理解するために必要な数学や力学
 4.1.1 微分
 4.1.2 積分
 4.1.3 微分方程式
4.2 静定ばりの概説
4.3 支点反力
4.4 断面力
4.5 断面力と荷重の関係
4.6 断面の性質
 4.6.1 断面1次モーメント
 4.6.2 断面2次モーメントと曲げ応力
 4.6.3 軸の移動による断面2次モーメントの変化
 4.6.4 断面1次モーメントとせん断応力
4.7 たわみ
 4.7.1 曲率の微分方程式
 4.7.2 たわみの微分方程式
 4.7.3 モールの定理と共役ばり
章末問題

5. 静水力学
5.1 静水力学に関する基礎知識
 5.1.1 圧力とは
 5.1.2 水の密度と質量,重量
5.2 単位と次元
 5.2.1 単位
 5.2.2 SI接頭語
 5.2.3 次元
5.3 水の圧縮性
5.4 静水圧
 5.4.1 静水圧の等方性
 5.4.2 静水圧の大きさ
5.5 矩形平面に作用する静水圧
 5.5.1 静水圧の大きさ
 5.5.2 全静水圧の作用位置
5.6 任意形状の平面に作用する静水圧
 5.6.1 静水圧の大きさ
 5.6.2 全静水圧の作用位置
5.7 傾斜平面に作用する静水圧
 5.7.1 静水圧の大きさ
 5.7.2 全静水圧の作用位置
5.8 曲面に作用する静水圧
章末問題

付録
引用・参考文献
章末問題の解答
索引

島崎 洋治(シマザキ ヨウジ)

中村 俊一(ナカムラ シュンイチ)