土木・交通計画のための多変量解析

土木・交通計画のための多変量解析

解析手法の説明に加え実際のデータを利用した豊富な例題や演習を通して,多変量解析の考え方と適用方法が身につくよう詳説

ジャンル
発行年月日
2017/07/31
判型
A5
ページ数
240ページ
ISBN
978-4-339-05251-0
土木・交通計画のための多変量解析
在庫あり

定価

3,300(本体3,000円+税)

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本書は,「土木・交通工学のための統計学 基礎と演習」の続刊として,大学や高等専門学校で交通工学を専攻する学生を対象とした多変量解析手法の入門書です。そして,この本を手に取る読者には,母集団と標本の関係を理解し,基本的な推測統計手法について理解していることを想定しています。交通工学が解き明かそうとする対象のデータは,無限大に近い主体の意思や行動の集積であり,出現する現象はさまざまな要素が相互に影響した結果でもあります。例えば交通事故の解析であれば,交通量などの交通条件,道路線形などの構造条件,天候などの自然条件,そしてドライバーなど交通主体の個人属性など,異なるさまざまな状況が事故発生の要素となります。このような交通現象に対して,多く要素をまとめてひとつの数理モデルに収めて,客観的かつ論理的に解き明かすことができる手法が多変量解析手法であり,交通工学分野の研究・実務にとって非常に強力な統計手法です。
そこで,理論や方法の解説に加えて,交通分野における現実の課題に近い例題を多く用意しましたので,学生が理解しやすいだけでなく,そのまま交通工学の実務者や研究者としてのキャリアを始める頃まで,おつきあいいただける内容となることを目指しています。本書の構成は以下の通りとなっています。

1章では,事例を交えながら土木・交通分野における多変量解析手法の有用性について解説する。また,分析の目的やデータの種類にあわせた手法選択の概要や多変量解析を実施するための手順や実際の適用について概説する。
2章では,3章以降で学ぶ多種多様な多変量解析手法による分析の前段階として,分析対象となるデータの性質を理解するための記述統計と呼ばれる手法を解説する。
3章では,2変数が量的データの場合の関係分析の手法である相関分析と,量的データのカテゴリ間の差の分析手法である分散分析について解説する。
4章では,多変量解析のうち最も基本的な手法として位置づけられる回帰分析について学ぶ。
5章では,回帰分析の応用として,ロジスティック回帰分析を学ぶ。ロジスティック回帰分析では,「予測対象が0 ~ 1 の確率として表現される」ことに加え,「パラメータ推定の方法」が通常の回帰分析とおもに異なる。
6章では,分析対象の交通行動について複数の群を想定し,群の分布と個体のデータの位置関係から所属する群を予測することで個体の交通行動を推定する判別分析の手法について解説する。
7章では,複数ある変数相互の関係性から総合化・縮約化した評価軸を見出し,データの特性を明らかにする手法である主成分分析を学ぶ。
8章では,複数の観測変数の中に共通する潜在変数(因子)が複数,隠れて含まれていると仮定し,それらの因子を抽出する手法である因子分析を学ぶ。
9章では,クラスター分析により分類する方法を学ぶ。本章では,類似している個体間を順次クラスター化する「凝縮型階層的方法」を中心に説明する。
10章では,程度,有無,状態などを示す質的変数のカテゴリーに数値を割り付けて,量的変数を多次元的に解析する方法である数量化理論を学ぶ。数量化理論にはI~VI類の6種類の方法があるが,本章では利用事例の多いI~III類について説明する。

なお,章末の演習問題の略解は,Web ページからダウンロードすることができますが,是非,解答を見る前にじっくり考察することを勧めます。

本書は,「土木・交通工学のための統計学 基礎と演習」の続刊として,大学や高等専門学校で交通工学を専攻する学生を対象とした多変量解析手法の入門書です。そして,この本を手に取る読者には,母集団と標本の関係を理解し,基本的な推測統計手法について理解していることを想定しています。これはつまり,調査から得られたデータについて,単に標本の平均や比率などの統計値を根拠に,「AよりBが大きい」や「CとDは差がある」と早合点するのではなく,その確かさを確認する有意性検定などの手法を用いて結果を判断できる,という能力や態度の持ち主であるということです。

交通工学が解き明かそうとする対象のデータは,無限大に近い主体の意思や行動の集積であり,出現する現象はさまざまな要素が相互に影響した結果でもあります。例えば交通事故の解析であれば,交通量などの交通条件,道路線形などの構造条件,天候などの自然条件,そしてドライバーなど交通主体の個人属性など,異なるさまざまな状況が事故発生の要素となります。このような交通現象に対して,多く要素をまとめてひとつの数理モデルに収めて,客観的かつ論理的に解き明かすことができる手法が多変量解析手法であり,交通工学分野の研究・実務にとって非常に強力な統計手法です。

そこで,理論や方法の解説に加えて,交通分野における現実の課題に近い例題を多く用意しましたので,学生が理解しやすいだけでなく,そのまま交通工学の実務者や研究者としてのキャリアを始める頃まで,おつきあいいただける内容となることを目指しています。

なお,章末の演習問題の略解は,Web ページからダウンロードすることができるが,是非,解答を見る前にじっくり考察することを勧めます(p.38参照)。

最後に,コロナ社の皆様には,長きにわたりご支援をいただきました。ここに厚く御礼を申し上げます。

2017年5月著者一同

1. 土木・交通計画における多変量解析
1.1 土木・交通計画分野における多変量解析の意義
1.2 多変量解析手法の選択
 1.2.1 さまざまな多変量解析手法
 1.2.2 予測
 1.2.3 影響力分析
 1.2.4 要約
 1.2.5 構造分析
 1.2.6 手法選択のまとめ
1.3 手法の適用における留意点
 1.3.1 多変量解析の手順
 1.3.2 多変量解析の実際
コラム:多変量解析で用いるソフトウェア

2. 記述統計
2.1 多変量解析における記述統計の役割
2.2 データの種類
 2.2.1 質的データ
 2.2.2 量的データ
2.3 度数分布表とヒストグラム
 2.3.1 度数分布表とヒストグラムの作成
 2.3.2 分布形状の特徴
 2.3.3 Excelによるヒストグラムの作成
2.4 代表値
演習問題
コラム:複数選択のアンケート設問における集計

3. 2変数の分析(相関分析・分散分析)
3.1 相関分析
 3.1.1 散布図
 3.1.2 相関係数
 3.1.3 相関分析の実際
 3.1.4 Excelによる相関分析
3.2 分散分析
 3.2.1 分散分析の基本的な考え方
 3.2.2 分散分析の種類
 3.2.3 データの変動と分離
 3.2.4 仮説検定
 3.2.5 Excelによる分散分析の実践(一元配置)
 3.2.6 Excelによる分散分析の実践(二元配置)
 3.2.7 多重比較
3.3 ピボットテーブルを用いたクロス集計表の作成
 3.3.1 クロス集計表の統計手法
 3.3.2 例題
演習問題
コラム:相関係数の目安

4. 回帰分析
4.1 基本的な概念と位置づけ
4.2 回帰モデル式と最小二乗法
 4.2.1 回帰モデル式
 4.2.2 最小二乗法によるモデルパラメータの導出
 4.2.3 Excelによる最小二乗法の適用
4.3 決定係数
4.4 回帰係数と決定係数の検定
 4.4.1 回帰係数の検定
 4.4.2 決定係数の検定
4.5 重回帰分析への拡張
 4.5.1 標準偏回帰係数
 4.5.2 自由度修正済み決定係数
 4.5.3 多重共線性
 4.5.4 変数選択と偏回帰係数の検定
4.6 Excelによる重回帰分析の実践
 4.6.1 重回帰分析の手順
 4.6.2 重回帰モデルによる予測と影響度評価
演習問題
コラム:見せかけの回帰

5. ロジスティック回帰分析
5.1 基本的な概念と位置づけ
5.2 回帰式の当てはめ
 5.2.1 ロジスティック回帰曲線
 5.2.2 オッズ
 5.2.3 最尤法によるモデルパラメータの算出
5.3 Excelによるロジスティック回帰分析の実践
演習問題

6. 判別分析
6.1 基本的な概念と位置づけ
6.2 線形判別式
 6.2.1 判別の考え方
 6.2.2 判別モデルパラメータの導出
 6.2.3 Excelによる線形判別式の判別
6.3 マハラノビスの距離
 6.3.1 判別の考え方
 6.3.2 多変量への拡張
 6.3.3 Excelによるマハラノビスの距離の判別
演習問題

7. 主成分分析
7.1 基本的な概念と位置づけ
 7.1.1 基本的な概念
 7.1.2 主成分分析の結果のイメージ
7.2 主成分分析の解法と手順
 7.2.1 主成分の求め方(2変数でのイメージ)
 7.2.2 主成分の一般化
 7.2.3 主成分の求め方(ラグランジュ未定乗数法)
 7.2.4 主成分の求め方(分散共分散行列,相関行列)
 7.2.5 主成分分析の結果の解釈方法
7.3 Excelを用いた主成分分析の演習
 7.3.1 第1主成分の算出
 7.3.2 第2主成分の算出
 7.3.3 残りの主成分の算出
 7.3.4 寄与率,累積寄与率,スクリープロット
 7.3.5 主成分負荷量の算出および主成分の解釈
 7.3.6 主成分得点の算出とそれぞれの地域の解釈
演習問題

8. 因子分析
8.1 基本的な概念と位置づけ
 8.1.1 基本的な概念
 8.1.2 位置付け
8.2 因子分析の解法と手順
 8.2.1 基本式
 8.2.2 因子分析の解法
 8.2.3 結果の解釈
 8.2.4 回転
8.3 Excelを用いた因子分析の演習
 8.3.1 観測変数の標準化および相関行列の算出
 8.3.2 最小二乗法の適用
 8.3.3 結果の解釈
 8.3.4 因子得点の計算
 8.3.5 因子得点による結果の解釈
演習問題

9. クラスター分析
9.1 基本的な概念と位置づけ
 9.1.1 クラスター分析の基本的な考え方
 9.1.2 階層的手法と非階層的手法
 9.1.3 クラスター分析の手順
9.2 個体間の非類似度
9.3 クラスター間距離の算出方法
 9.3.1 階層的クラスタリング
 9.3.2 クラスタリングの基本アルゴリズム
 9.3.3 非階層的クラスタリング
9.4 デンドログラム
9.5 Excelによるクラスター分析
演習問題

10. 数量化理論
10.1 基本的な概念と位置づけ
10.2 数量化理論I類
 10.2.1 質的データの数量化
 10.2.2 カテゴリーウェイト
 10.2.3 Excelによる数量化理論I類の分析手順
10.3 数量化理論II類
 10.3.1 質的データの数量化
 10.3.2 カテゴリーウェイト
 10.3.3 Excelによる数量化理論II類の分析手順
10.4 数量化理論III類
 10.4.1 基本的な概念と位置づけ
 10.4.2 解法
 10.4.3 推定結果の解釈
 10.4.4 Excelによる数量化理論III類の分析手順
 10.4.5 結果の解釈
演習問題

付録
引用・参考文献
索引

関連資料(一般)

関連資料一覧