改訂 交通計画学

土木・環境系コアテキストシリーズ E-3

改訂 交通計画学

実務で活かせる今の時代に合った内容を網羅し,公務員試験や資格試験も念頭に置き解説。

ジャンル
発行年月日
2021/04/05
判型
A5
ページ数
236ページ
ISBN
978-4-339-05642-6
改訂 交通計画学
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定価

3,300(本体3,000円+税)

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本書は交通計画に必要な手法を駆使できる技術者育成を目指すとともに公務員試験や資格試験も念頭に置き,環境,安全,経済などを複合的に理解できるように解説した。今回の改訂ではMaaSなども取り上げ,すべての内容を更新。

改訂版にあたって
「交通計画学」の出版から早くも8年以上が経過した。幸いにも広く受け入れていただき,版を重ねることができたことは感謝にたえない。一方でその間,人口減少や高齢化の進行,巨大災害の切迫や気象災害の激甚化,地球環境問題,技術革新の進展など,わが国の国土や交通に係る状況は大きく変化しており,将来に向けて持続可能なモビリティの確保がきわめて重要な課題となっている。こうした背景から,「交通計画学」の内容も新たな時代に対応すべく大幅な更新が必要となり,今般,交通計画を専門としている2名の大学研究者に参加をいただき,全般にわたって改訂を行った次第である。
2021年3月
著者を代表して 金子 雄一郎

まえがき
交通とは人や物の空間的な移動である。交通計画の役割は,交通が直面しているさまざまな課題を解決し,将来にわたって安全,円滑,快適なサービスを提供できるよう,交通施設の整備・運用方策を示すことである。

近年のわが国は,人口減少化の進展や高齢社会の到来,厳しい財政状況など社会経済情勢が大きく変化し,また災害リスクも増大・顕在化している。したがって,国や地方自治体等においては,国民の安全・安心の確保と同時に,地域の活力を維持・向上させる交通計画の策定が求められている。本書はこのような時代背景を踏まえ,交通計画にかかわる基礎的知識を中心に説明するとともに,最新の動向についても適宜触れるように配慮している。

本書は10章から構成されている。1章では,交通を取り巻く社会経済情勢を概観し,これまでの輸送動向や都市内および都市間の交通の特徴を示している。2章では,交通計画の種類や計画の策定プロセスなどの基本事項を説明した後,上位計画である国土形成計画や社会資本整備重点計画を紹介している。

3章および4章では,実際に交通計画を策定する上で不可欠な統計調査と需要予測について,詳しく解説している。このうち交通統計調査は,現状の把握はもとより,将来需要の予測においても重要な役割を持つものである。

5章から7章では,道路,鉄道やバス等の都市内公共交通,高速道路や新幹線などの都市間交通の個別計画について,内容や手順などを紹介している。続く8章では交通と環境のかかわりについて,9章では交通における安全・安心の確保について取り上げている。このうち9章では,最近重要性が高まっている自転車交通についても触れている。最後の10章では,ICT(情報通信技術)の進展と交通のあり方について述べている。

本書では以上の内容について,学生諸子が将来,国や地方自治体,コンサルタント等において交通計画の業務に従事する際に,最低限知識として持っておいてほしい内容や方法を網羅するように心掛けた。また,交通計画は官公庁等の採用試験や種々の資格試験においても出題されており,これらの対策も念頭に置いた。本書がその一助となれば,筆者としてこの上ない喜びである。

最後に,本書の執筆にあたっては,筆者が学生時代に受けた授業の内容やその後のシンクタンクにおける実務経験,現在の大学での講義をベースとしている。これまでご指導をいただいた方々をはじめ,講義の受講生の皆さんに心より感謝申し上げます。また,本シリーズの編集委員の京都大学教授小林潔司先生には,原稿に対して有益なご指摘をいただきました。コロナ社の皆様には,刊行に至るまでたいへんお世話になりました。この場をお借りして厚く御礼申し上げます。

2012年8月
金子雄一郎

1.社会と交通の現状
1.1 社会経済動向
 1.1.1 人口動態
 1.1.2 経済動向
1.2 旅客・貨物の輸送動向
 1.2.1 輸送量
 1.2.2 輸送構造
1.3 都市圏交通の現状
1.4 都市間交通の現状
1.5 交通社会資本の整備状況
演習問題

2.交通計画の概要
2.1 交通にかかわる計画の種類
 2.1.1 計画の策定主体による分類
 2.1.2 計画対象による分類
2.2 計画の策定プロセス
2.3 計画の作成手順
2.4 交通にかかわる計画制度
 2.4.1 国土形成計画
 2.4.2 社会資本整備重点計画
 2.4.3 交通政策基本法と交通政策基本計画
2.5 評価制度
 2.5.1 政策評価
 2.5.2 個別事業の評価
演習問題

3.交通の統計調査
3.1 統計調査の概要
 3.1.1 統計調査の分類
 3.1.2 調査の対象
 3.1.3 統計の作成方法
3.2 大規模な交通統計調査
 3.2.1 移動の単位
 3.2.2 ゾーン
 3.2.3 パーソントリップ調査
 3.2.4 全国道路・街路交通情勢調査(道路交通センサス)
 3.2.5 大都市交通センサス
 3.2.6 国勢調査
 3.2.7 全国幹線旅客純流動調査
 3.2.8 物資流動調査
 3.2.9 全国貨物純流動調査(物流センサス)
3.3 その他の交通統計調査
3.4 ICTを活用した交通調査
3.5 交通統計調査の活用
演習問題

4.交通需要予測
4.1 交通需要予測の概要
4.2 交通需要予測の流れ─4段階推計法─
4.3 生成交通量の推計方法
4.4 発生・集中交通量の推計方法
4.5 分布交通量の推計方法
4.6 分担交通量の推計方法
 4.6.1 非集計行動モデルの概要
 4.6.2 非集計行動モデルの導出
 4.6.3 パラメータの推定
 4.6.4 非集計行動モデルの留意点
4.7 配分交通量の推計方法
 4.7.1 配分の原則
 4.7.2 最短経路探索
 4.7.3 利用者均衡に基づく交通量配分法
 4.7.4 利用者均衡配分法の解法
 4.7.5 利用者均衡配分法の発展
演習問題

5.道路の計画
5.1 道路の役割と機能
5.2 道路の種類
 5.2.1 法律による分類
 5.2.2 機能による分類
 5.2.3 道路の段階構成
 5.2.4 都市計画道路
5.3 道路の計画
 5.3.1 道路の計画の考え方
 5.3.2 計画目標年次
 5.3.3 道路計画のプロセス
 5.3.4 道路網計画の策定
 5.3.5 路線計画の策定
5.4 道路の設計
 5.4.1 道路構造令
 5.4.2 道路の構造
 5.4.3 道路の区分
 5.4.4 車線数の決定
 5.4.5 計画交通量と交通容量
5.5 道路整備の主体と費用負担
5.6 道路と鉄道の立体交差化
 5.6.1 立体交差化の概要
 5.6.2 連続立体交差化
 5.6.3 立体交差化の計画
演習問題

6.公共交通の計画
6.1 多様な公共交通機関
6.2 鉄道の計画
 6.2.1 鉄道の特性と役割
 6.2.2 鉄道整備のプロセス
 6.2.3 国の審議会答申に基づく計画
 6.2.4 鉄道事業の規制緩和
 6.2.5 鉄道整備の助成制度
 6.2.6 都市鉄道整備の方向性
 6.2.7 地域鉄道の現状
6.3 軌道系交通の計画
 6.3.1 軌道系交通の概要
 6.3.2 軌道系交通の計画
 6.3.3 軌道系交通整備の助成制度
6.4 バスの計画
 6.4.1 バスの現状
 6.4.2 路線網計画
 6.4.3 バス事業の規制緩和
6.5 地域公共交通の計画
 6.5.1 地域公共交通の現状
 6.5.2 地域公共交通活性化再生法
 6.5.3 地域公共交通の助成制度
6.6 交通結節点の計画
 6.6.1 交通結節点の役割
 6.6.2 駅前広場整備
演習問題

7.都市間の幹線交通計画
7.1 国土計画における幹線交通の位置づけ
7.2 幹線道路の計画
 7.2.1 幹線道路ネットワーク
 7.2.2 幹線道路ネットワークの計画
7.3 幹線鉄道の計画
 7.3.1 新幹線の概要
 7.3.2 整備新幹線の計画
 7.3.3 中央新幹線の計画
7.4 空港の計画
演習問題

8.交通と環境
8.1 交通に起因する環境問題
8.2 生活環境の問題
 8.2.1 大気汚染
 8.2.2 騒音
8.3 生活環境の改善
 8.3.1 大気汚染の対策
 8.3.2 騒音対策
8.4 地球環境の問題と改善
 8.4.1 温室効果ガスの排出状況
 8.4.2 地球温暖化に関する対策
 8.4.3 地球温暖化対策における緩和策と適応策
8.5 環境アセスメント制度
 8.5.1 環境アセスメントの概要
 8.5.2 環境アセスメントの対象事業
 8.5.3 環境アセスメントの手続き
 8.5.4 手続きにおける特例
 8.5.5 地方自治体の環境アセスメント制度
8.6 戦略的環境アセスメント
 8.6.1 戦略的環境アセスメントの概要
 8.6.2 関連する取り組み
 8.6.3 環境影響評価法の一部改正
8.7 交通需要マネジメント
演習問題

9.安全・安心な交通
9.1 交通事故の発生状況
 9.1.1 道路交通事故の状況
 9.1.2 鉄道事故の状況
9.2 交通事故による損失
9.3 交通安全対策
 9.3.1 交通安全基本計画
 9.3.2 運輸安全マネジメント制度
 9.3.3 道路交通に対する安全対策
 9.3.4 鉄道に対する安全対策
9.4 自転車交通の安全対策
 9.4.1 自転車の現状
 9.4.2 自転車の安全対策
9.5 バリアフリー
 9.5.1 バリアフリー対策
 9.5.2 公共交通機関のバリアフリー化の現状
演習問題

10.ICTと交通
10.1 ITS
 10.1.1 ITSの概要
 10.1.2 VICS
 10.1.3 ETC
10.2 公共交通とICT
 10.2.1 ICカードの普及と展開
 10.2.2 MaaS
10.3 自動運転の展開
10.4 ITSの今後の展開
演習問題

引用・参考文献
演習問題解答
索引

金子 雄一郎(カネコ ユウイチロウ)

有村 幹治(アリムラ ミキハル)

掲載日:2021/11/01

「土木学会誌」2021年11月号広告

掲載日:2021/06/01

「土木学会誌」2021年6月号広告