鍛 造 - 目指すは高機能ネットシェイプ -

新塑性加工技術シリーズ 9

鍛 造 - 目指すは高機能ネットシェイプ -

高精度な形の創生から高機能な製品を創出するネットプロパティの領域を目指す鍛造技術。実用例から周辺技術までを記述した。

ジャンル
発行年月日
2018/10/26
判型
A5
ページ数
442ページ
ISBN
978-4-339-04379-2
鍛 造 - 目指すは高機能ネットシェイプ -
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鍛造技術は,高精度な形の創成から高機能な製品を創出するネットプロパティの領域を目指している。進歩する閉そく鍛造,分流法,温間,板鍛造等の実用例を紹介し、周辺技術のCAE,サーボプレス,環境対応型潤滑剤なども記述。

本書は新塑性加工技術シリーズ『鍛造-目指すは高機能ネットシェイプ-』と題して,先の塑性加工技術シリーズ『鍛造-目指すはネットシェイプ-』からさらに一歩先を睨むことにしたものである.もはや時代の要請は単なる高精度な形を創成する鍛造から脱皮し,高精度で高機能な製品を創出し,ネットプロパティの領域をも目指そうという執筆者一同の気持ちを副題に込めた.

『鍛造』では,生産に鍛造を選択し,順に設計して,製造し,検査するという一連の流れに沿って章立てされていた.これに対して本書では,はじめに鍛造の概要を説明したあとに,鍛造の力学に関する章を配置した.これは,昨今のコンピュータ支援技術(CAE)などを使う技術者が増えていることから,工程検討や型設計段階において多くの力学的な用語が登場するようになり,教科書としては早めに読者が用語に触れるほうが便利だと考えたからである.

つぎに,『鍛造』刊行から約20年の間に進歩した,閉そく鍛造,分流法,温間鍛造などについて実用例を追加しており,これらに関する説明を増やし,最近の板鍛造についても記述した.また,この間に非調質鋼や非鉄金属の使用も増加したので,『鍛造』より記述を増やした.

さらに目覚ましい進歩を遂げたといえるものは,鍛造を支えるつぎの周辺技術である1)CAE技術,2)サーボプレス,3)環境対応型の潤滑剤である.いまや,コンピュータ支援を前提にしたCAE技術なしで型設計や工程設計は考えられない.また従来の単一モーションのプレス機械は,コンピュータ制御と相性のよいサーボモーターで駆動され,複雑なモーションで動き,精度向上にも一役買っている.一方で,冷間鍛造におけるリン酸塩被膜のない潤滑剤の開発と実用化は画期的であり,熱間鍛造における非黒鉛化の動向も進んでいる.これらの現状に対しては,今回新しく8,10,12章を設け対応した.

このように,執筆者一同は先達が『鍛造』で築いた思いを継承し,さらにこれまでの進歩を加えて,それらを具体的に書き留めた.本書がこれから鍛造に取り組もうとする技術者にとっても道標となり,中堅の技術者にとっては,より合理的な解決案や,より高精度で高機能な鍛造品を生み出すために役立つことを願っている.

最後に,お忙しい中,鍛造分科会の方々はじめ鍛造に関わる多くの方々には,丁寧に本稿を執筆され仕上げていただいたことに感謝申し上げる.また,多くの貴重な図表データや最新の写真などをご提供いただいた企業にも深く感謝申し上げる.あわせて,このような機会をいただいた一般社団法人日本塑性加工学会,ならびに出版の労をお取りいただいた株式会社コロナ社に厚く御礼申し上げる.

2018年8月 「鍛造」専門部会長 北村 憲彦

1. 総論
1.1 「鍛造」とはなにか
1.2 いろいろな鍛造法
 1.2.1 作業温度による分類
 1.2.2 変形形態による分類
 1.2.3 変形動態による分類
 1.2.4 金型形式または運動方式による分類
 1.2.5 加工用機械形式による分類
 1.2.6 素材形態による分類
1.3 鍛造の役割
 1.3.1 鍛造の歴史
 1.3.2 今日の鍛造
1.4 鍛造の特徴
引用・参考文献

2. 鍛造の技術・生産システム
2.1 生産ラインの例
2.2 技術システム
 2.2.1 縦のシステム
 2.2.2 横のシステム
2.3 製品品質とシステムの関係
引用・参考文献

3. 鍛造の力学
3.1 鍛造過程の解析
 3.1.1 鍛造の力学基礎
 3.1.2 塑性変形の理論解析手法
 3.1.3 実験的手法
3.2 圧縮
 3.2.1 中実円柱の全体据込み
 3.2.2 中空円筒の全体据込み
 3.2.3 中実円柱および中空円筒の周辺部据込み
 3.2.4 異形材の全体据込み
 3.2.5 射出据込み
 3.2.6 丸棒の広げ
3.3 押出し鍛造
 3.3.1 押出し加工の概要
 3.3.2 軸対称中実円柱の押出し
 3.3.3 軸対称中空円筒の押出し
 3.3.4 軸対称押出し力のノモグラム
 3.3.5 組合せ押出し
 3.3.6 異形材押出し
 3.3.7 側方押出し
3.4 型鍛造
 3.4.1 半密閉ばり出し鍛造
 3.4.2 密閉鍛造
 3.4.3 閉そく鍛造
 3.4.4 分流鍛造
3.5 板鍛造
引用・参考文献

4. 鍛造品の設計および品質
4.1 設計の考え方
 4.1.1 製品設計段階での注意
 4.1.2 各鍛造法(熱間鍛造,温間鍛造,冷間鍛造)の選択
 4.1.3 工程設計の考案
4.2 望ましい材質
 4.2.1 材料選定の考え方
 4.2.2 材料選択で考慮すべき事項
 4.2.3 材質選定事例
4.3 望ましい形状,寸法
 4.3.1 型寿命上望ましい形状
 4.3.2 鍛造欠陥の発生しにくい形状
 4.3.3 熱間鍛造上望ましい形状
 4.3.4 自動化に望ましい形状
4.4 寸法公差と表面状態
 4.4.1 鍛造加工の寸法公差
 4.4.2 鍛造品精度に影響を及ぼす要因
 4.4.3 鍛造品の表面状態
4.5 機械的性質
 4.5.1 熱間鍛造品
 4.5.2 冷間・温間鍛造品
 4.5.3 機械的性質を低下させる諸要因
 4.5.4 鍛流線の影響
4.6 受注の際の注意
 4.6.1 受注の流れ
 4.6.2 仕様打合せ
 4.6.3 試作およびユーザー評価
 4.6.4 量産およびフォロー
引用・参考文献

5. 素材材料の選択
5.1 材料選択の基準
 5.1.1 熱間および冷間・温間鍛造品とその材料
 5.1.2 冷間および温間鍛造用材料に要求される品質特性
5.2 鍛造に使用される材料の規格
 5.2.1 鍛造に用いられる鋼材の規格
 5.2.2 冷間鍛造用の鋼材の規格
 5.2.3 熱間鍛造用の鋼材の規格
 5.2.4 温間鍛造用の鋼材の規格
5.3 素材形態
5.4 鍛造性評価試験法
 5.4.1 冷間据込み性試験(日本塑性加工学会冷間鍛造分科会制定)
 5.4.2 多段前方押出し試験
 5.4.3 その他の変形能評価試験
 5.4.4 端面拘束圧縮による変形抵抗の測定方法
5.5 材料の鍛造性データ
 5.5.1 冷間鍛造用鋼の実加工速度における変形抵抗
 5.5.2 炭素鋼線材の変形抵抗と限界据込み率
 5.5.3 変形抵抗と引張強さの関係
 5.5.4 割れの発生と絞りの関係
 5.5.5 冷間鍛造性に影響を与える因子
 5.5.6 熱間・温間鍛造の加工特性
 5.5.7 非鉄材料の鍛造性
引用・参考文献

6. 鍛造工程の設計
6.1 工程の事例
 6.1.1 単動プレスを用いた鍛造の工程
 6.1.2 フォーマーまたはヘッダーを用いた鍛造の工程
 6.1.3 トランスファープレスを用いた鍛造の工程
 6.1.4 複動プレスを用いた鍛造の工程
 6.1.5 熱間鍛造プレスを用いた鍛造の工程
 6.1.6 ハンマーを用いた鍛造の工程
6.2 工程の立案
 6.2.1 鍛造図の設計における検討項目
 6.2.2 品質からの検討
 6.2.3 成形性からの検討
 6.2.4 後加工に対する検討
 6.2.5 型鍛造に対する検討
 6.2.6 公差からの検討
 6.2.7 熱処理・潤滑からの検討
6.3 工程設計の要点
 6.3.1 原始工程の作成
 6.3.2 予備成形の改良
 6.3.3 捨て軸
 6.3.4 背圧付加鍛造,張力付加鍛造
 6.3.5 素材の改質および2個取り
 6.3.6 半密閉型
 6.3.7 確認
6.4 予備成形形状
 6.4.1 素材の準備
 6.4.2 ビレットの据込み
 6.4.3 材質によるビレット形状の違い
 6.4.4 ドーナツブランク
6.5 しごき
 6.5.1 しごきの目的
 6.5.2 しごきによる効果
6.6 標準的な押出し品の形状,メタルフローの制御
 6.6.1 標準的な押出し品の形状
 6.6.2 メタルフローの制御
引用・参考文献

7. ビレットの準備
7.1 望ましいビレット
7.2 ビレットの切断・整形方法の選択
7.3 ビレット切断機
 7.3.1 のこ切断機
 7.3.2 ビレットシヤー
7.4 せん断技術
 7.4.1 せん断メカニズム
 7.4.2 せん断方法
7.5 整形方法
7.6 熱処理
引用・参考文献

8. 潤滑
8.1 鍛造用の潤滑剤
 8.1.1 鍛造における潤滑の基礎
 8.1.2 鍛造における温度域ごとの潤滑条件
8.2 熱間鍛造用の潤滑剤
 8.2.1 熱間鍛造用潤滑剤の変遷
 8.2.2 水溶性熱間鍛造用潤滑剤に必要とされる特性
 8.2.3 水溶性黒鉛系潤滑剤
 8.2.4 水溶性白色系潤滑剤
8.3 冷間鍛造用の潤滑剤
 8.3.1 厳しい冷間鍛造に必要とされる潤滑膜
 8.3.2 化成型潤滑被膜
 8.3.3 塗布型潤滑被膜
 8.3.4 塗布型潤滑被膜のバリエーションとさらなる進歩
引用・参考文献

9. 型の設計・製作・保守
9.1 型の役割と受ける負荷
 9.1.1 型の役割および管理など
 9.1.2 型が受ける負荷
9.2 型材料の選択
 9.2.1 冷間鍛造用型材料の選択
 9.2.2 温間・熱間鍛造用型材料の選択
9.3 型の設計
 9.3.1 型要素の設計
 9.3.2 据込み鍛造型の設計
 9.3.3 押出し鍛造型の設計
 9.3.4 ばり出し型鍛造型の設計
 9.3.5 閉そく・密閉鍛造型の設計
9.4 型の製作
 9.4.1 素材および素材取り
 9.4.2 一次加工
 9.4.3 熱処理
 9.4.4 仕上げ加工
 9.4.5 放電加工
 9.4.6 直彫り加工
 9.4.7 研磨加工
 9.4.8 ダイの組立
9.5 型の保守
9.6 表面処理の現状
引用・参考文献

10. 鍛造機械および周辺装置
10.1 鍛造機械の概要
10.2 機械プレス
 10.2.1 機構および構造
 10.2.2 仕様および選定
10.3 サーボモーター駆動プレス
 10.3.1 特徴
 10.3.2 機構および構造
10.4 油圧プレス
 10.4.1 機構および構造
 10.4.2 選定
10.5 スクリュープレス
 10.5.1 特徴
 10.5.2 機構および構造
10.6 ヘッダー,フォーマー
 10.6.1 特徴
 10.6.2 機構および構造
10.7 ハンマー
 10.7.1 特徴および種類
 10.7.2 能力とエネルギー
10.8 加熱装置
10.9 搬送装置
 10.9.1 搬送計画
 10.9.2 搬送機器および装置
10.10 加工ラインおよびその運転・制御の現状
 10.10.1 プレスラインおよびトータルシステム
 10.10.2 金型交換装置
引用・参考文献

11. 後工程,後処理および検査
11.1 機械加工
 11.1.1 鍛造品の機械加工
 11.1.2 鍛造加工前や中間の機械加工
11.2 熱処理
 11.2.1 鍛造品の熱処理
 11.2.2 表面硬化熱処理
11.3 表面処理
 11.3.1 スケールの除去
 11.3.2 ショットピーニング
11.4 検査および品質管理
 11.4.1 量産時の工程管理
 11.4.2 完成品の検査
引用・参考文献

12. 鍛造のコンピュータシミュレーション
12.1 鍛造シミュレーションの概要と歴史
 12.1.1 概要
 12.1.2 歴史
12.2 鍛造シミュレーションのモデル化技術(プリプロセッシング)
 12.2.1 シミュレーションモデル
 12.2.2 材料モデル
 12.2.3 形状モデル
 12.2.4 境界モデル
12.3 数値計算手法と評価(ソルバーとポストプロセッシング)
 12.3.1 計算の仕組み
 12.3.2 シミュレーション手順
 12.3.3 シミュレーション結果の評価
 12.3.4 ユーザー関数機能
12.4 周辺工程のシミュレーション
 12.4.1 熱処理シミュレーション
 12.4.2 切削シミュレーション
 12.4.3 接合・溶接シミュレーション
12.5 コリレーション
 12.5.1 モデリングとコリレーション
 12.5.2 実験によるコリレーション例
 12.5.3 実生産のコリレーション
12.6 鍛造シミュレーションの活用事例
 12.6.1 金型の疲労寿命評価
 12.6.2 金型の組付け評価
 12.6.3 素材の延性破壊評価
引用・参考文献

索引

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