新塑性加工技術シリーズ 14
板材のプレス成形 - 曲げ・絞りの基礎と応用 -
プレス加工における絞り加工と曲げ加工について基本から加工技術全般にわたって解説した。
- 発行年月日
- 2020/09/30
- 判型
- A5
- ページ数
- 434ページ
- ISBN
- 978-4-339-04384-6
- 内容紹介
- まえがき
- 目次
- 書籍紹介・書評掲載情報
- 広告掲載情報
【書籍の特徴】
1994年に刊行された「プレス絞り加工―工程設計と型設計―」(塑性加工技術シリーズ13)の,26年ぶりの改訂版。旧版は,学会レベルで多くの学術的知見が得られている力学,材料学の部分と,従来学会ではあまりとり上げられていなかった型設計,工程設計,加工機械の特性といった現場的な技術を併せ持つ学術出版物であり,絞り加工の基礎から始まって,設計に至るまで,実際の技術内容をわかりやすく解説するという編集思想に基づいて出版された。今回の改訂版もその基本思想を継承しつつ,その後の技術の発展(国際標準化された材料試験法,各種軽量化材料,成形シミュレーション,ホットスタンピング,インクリメンタルフォーミング,最新の加工機械)を盛り込む形で編集された。さらに,新シリーズでは絞りと曲げを1冊にまとめて出版する方針となったことから,旧シリーズでは独立して刊行された「曲げ加工」から,力学解析や各種曲げ加工における材料の変形メカニズムに関する内容を大幅に組み入れた。本書の新規および改訂執筆された項目は以下のとおりである(〔 〕内は該当する章または節番号)。
• 絞り・曲げ加工の歴史と役割〔1〕(新規)
• 薄板の材料試験法および成形性評価試験法〔2.1~2.2〕(改訂)
• 鋼板,アルミニウム合金,チタン合金,マグネシウム合金板の成形特性〔2.3〕(新規)
• 板成形の力学〔2.4〕(新規)
• 成形シミュレーション〔3.5〕〔4.4〕(新規)
• 曲げ成形〔4.1~4.3〕(改訂)
• ホットスタンピング〔5〕(新規)
• インクリメンタルフォーミング〔6〕(新規)
• 絞り曲げ成形機〔7〕(新規)
【読者へのメッセージ】
板材成形の基礎理論に始まり,金型設計のポイント,先進的加工機械のメカニズム,ホットスタンピング,インクリメンタルフォーミングなどの最先端の加工技術まで網羅し,かつプレス工程設計の最適化に必須な板材成形シミュレーションの最新理論も盛り込みました。高専生・大学生の皆さんの上級レベルの学習用として,またプレス加工の第1線で活躍されている技術者の皆様には基礎理論から最新加工技術の便覧として,幅広くご活用頂ければ幸いです。
本書は1994年に刊行された『プレス絞り加工―工程設計と型設計―』(塑性加工技術シリーズ13)の,26年ぶりの改訂版である.旧版を編集された,プレス絞り加工出版部会長の西村尚先生(東京都立大学名誉教授)は,そのまえがきにおいて旧版の編集思想をつぎのように述べておられる.
「従来の学術書では十分に言及されていない工程設計と型設計に,多くのページ数を割り当てた.また,現場の技術書では十分に言及されていない,被加工材の性質,絞り加工の力学についても十分なページ数を割いている.したがって,本書の特色とする点は,学会レベルで多くの情報が集められる力学,材料学の部分と,従来学会ではあまり取り上げられていなかった型設計,工程設計,加工機械の特性といった現場的な技術を併せ持つところにある.(中略)本書は絞り加工の基礎から始まって,設計に至るまで,実際の技術内容をわかりやすく解説した.学術出版物としてはほとんど例を見ない.」
この新版は,上記の基本思想を継承しつつ,その後の技術の発展(国際規格化された材料試験法,各種軽量化材料,成形シミュレーション,ホットスタンピング,インクリメンタルフォーミング,最新の加工機械)を盛り込む形で編集された.さらに,新シリーズでは絞りと曲げを1冊にまとめて出版する方針となったことから,旧シリーズでは独立して刊行された「曲げ加工」から,力学解析や各種曲げ加工における材料の変形メカニズムに関する内容を大幅に組み入れた.本書の新規および改訂執筆された項目は以下のとおりである(〔〕内は該当する章または節番号).
• 曲げ・絞り加工の歴史と役割〔1〕(新規)
• プレス成形の分類,薄板の材料試験法および成形性評価試験法〔2.1~2.2〕(改訂)
• 鋼板,アルミニウム合金,チタン合金,マグネシウム合金板の成形特性〔2.3〕(新規)
• 板成形の力学〔2.4〕(新規)
• 成形シミュレーション〔3.5〕〔4.4〕(新規)
• 曲げ成形〔4.1~4.3〕(改訂)
• ホットスタンピング〔5〕(新規)
• インクリメンタルフォーミング〔6〕(新規)
• 絞り曲げ用成形機〔7〕(新規)
本書は,板材成形の分野で活躍している多くの研究者・技術者の共同執筆により生まれた.諸般の事情により刊行が遅れたことをお詫びするとともに,ご協力をいただいた執筆者ならびに学会関係者各位に深甚なる謝意を表します.またコロナ社には辛抱強く脱稿をお待ちいただくとともに,種々の編集上のアドバイスを頂戴しました.心より感謝申し上げます.
2020年8月
「板材のプレス成形」専門部会
桑原利彦,小山秀夫,高橋進
1.曲げ・絞り加工の歴史と役割
1.1 板材成形の分類
1.2 プレス加工における曲げ加工の役割
1.3 プレス加工における絞りの役割
1.4 最近20年間の新技術
1.4.1 サーボプレスの開発
1.4.2 ワンストローク加工
1.4.3 対向液圧プレスによる超深絞りパネルの生産
1.4.4 板金機械の進歩
1.4.5 マイクロ曲げ加工技術
引用・参考文献
2.板材成形の基礎
2.1 プレス成形の分類
2.2 薄板の材料試験方法および成形性評価試験方法
2.2.1 薄板の材料試験方法
2.2.2 薄板の成形性評価試験方法
2.3 各種板材料の成形特性
2.3.1 鋼板の機械的性質・成形性・用途
2.3.2 アルミニウム展伸材の機械的性質・成形性・用途
2.3.3 チタン・チタン合金板の機械的性質・成形性・用途
2.3.4 マグネシウム合金板の機械的性質・成形性・用途
2.4 板成形の力学
2.4.1 絞り容器各部の名称
2.4.2 円筒絞りにおける材料の変形
2.4.3 円筒絞りの解析
2.4.4 絞り加工における応力の伝達と絞り性の向上策
2.4.5 角筒絞りの解析
2.4.6 均等曲げの解析
2.4.7 均等曲げのスプリングバックの解析
2.4.8 垂直力を伴った曲げの解析
2.5 板材成形の成形不良
2.5.1 絞り加工における破断
2.5.2 絞り加工における形状不良
2.5.3 曲げ加工における製品設計上の諸問題
引用・参考文献
3.絞り成形
3.1 絞り率と再絞り
3.1.1 絞り率
3.1.2 初絞り
3.1.3 再絞り
3.1.4 絞り高さ
3.2 素板形状の設計
3.2.1 円筒絞り製品の展開
3.2.2 角筒絞り製品の展開
3.3 絞り加工に必要な力
3.3.1 最大絞り力
3.3.2 絞り仕事量
3.3.3 ノックアウト力とストリップ力
3.3.4 しわ抑え
3.4 絞り型の設計
3.4.1 設計上考慮すべき事項
3.4.2 パンチの設計
3.4.3 パンチプレートの設計
3.4.4 ダイの設計
3.4.5 バッキングプレートの設計
3.4.6 位置決め具の設計
3.4.7 しわ抑えの設計
3.4.8 ノックアウトの設計
3.4.9 クッションの設計
3.4.10 スプリングの取付け法の設計
3.5 成形シミュレーション
3.5.1 成形シミュレーションの適用目的
3.5.2 板成形シミュレーションで評価可能な成形不具合
3.5.3 板成形シミュレーション例
3.5.4 プレススライドモーションを考慮した板成形シミュレーション
引用・参考文献
4.曲げ成形
4.1 曲げ加工の分類と変形様式
4.1.1 曲げ加工の分類
4.1.2 曲げ加工の変形様式
4.2 曲げによる板の変形
4.2.1 曲げによる幅方向の反り
4.2.2 板厚内部のひずみ履歴
4.2.3 板厚の変化
4.2.4 外表面のひずみ
4.3 板材の曲げ
4.3.1 V曲げ
4.3.2 U曲げ
4.3.3 ロール曲げ
4.3.4 面内曲げ
4.3.5 パイプ製造のための曲げ
4.3.6 ダイレス曲げ
4.4 成形シミュレーション
4.4.1 種々の解法とそれらの特徴
4.4.2 材料モデルの影響
4.4.3 成形限界予測
4.4.4 最適プロセス設計
引用・参考文献
5.ホットスタンピング
5.1 加工工程
5.2 鋼板の変形特性
5.3 焼入れ特性
5.4 酸化特性と防止
5.5 プレス成形特性
5.6 ダイクエンチング特性
5.7 後加工
5.8 有限要素シミュレーション
引用・参考文献
6.インクリメンタルフォーミング
6.1 成形原理
6.1.1 ダイレス化の原理
6.1.2 成形原理に基づく特徴
6.2 成形の種類
6.2.1 インクリメンタル張出し成形
6.2.2 インクリメンタル逆張出し成形
6.2.3 インクリメンタル圧縮成形
6.2.4 その他のインクリメンタルフォーミング
6.3 成形シミュレーション
引用・参考文献
7.絞り曲げ用成形機
7.1 絞り用プレス成形機
7.1.1 プレス機械の種類
7.1.2 プレス機械選択の前準備
7.1.3 プレス機械の仕様
7.2 対向液圧成形機と金型
7.2.1 対向液圧成形工程と金型構造
7.2.2 対向液圧成形の特徴
7.2.3 実用例
7.2.4 対向液圧成形の応用技術
7.3 曲げ加工機と金型
7.3.1 曲げ加工機
7.3.2 金型
7.3.3 曲げ金型の選び方
7.3.4 曲げパターン
7.4 インクリメンタル成形機
7.4.1 成形装置と固定ジグの種類
7.4.2 成形の特徴
7.4.3 成形事例
引用・参考文献
索引
「ベアリング新聞」2020年9月20日発行(新樹社) 掲載日:2020/09/25
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掲載日:2023/05/31
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掲載日:2022/03/14
-
掲載日:2020/11/05
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