改訂 ディジタル移動通信の電波伝搬基礎

改訂 ディジタル移動通信の電波伝搬基礎

広帯域ディジタル移動通信の回線設計に必要な電波伝搬の基礎理論を数式を省略せず丁寧にまとめた移動通信の決定版。

ジャンル
発行年月日
2016/03/03
判型
A5
ページ数
352ページ
ISBN
978-4-339-00883-8
改訂 ディジタル移動通信の電波伝搬基礎
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改訂版では現代の主要なMIMOやOFDM技術などを追加した。広帯域ディジタル移動通信の回線設計に必要な電波伝搬の基礎理論を数式を省略せず丁寧にまとめ,初版本の思想や基本構成を維持しつつ内容を増やした移動通信の決定版。

1. 移動通信と電波伝搬─その概要と本書の構成─
1.1 ディジタル移動通信の仕組み
1.2 移動通信の電波伝搬の特徴
1.3 本書の構成

2. 無線伝送の基本式
2.1 自由空間の電波伝搬基本式:フリスの伝達公式
2.2 EIRPとG/T
2.3 直接波と平面大地反射波による2波モデル

3. 多重波伝搬モデルに現れる確率分布
3.1 測定と理論とモデリング
3.2 確率分布の一般的な性質
 3.2.1 確率密度関数と累積分布関数
 3.2.2 結合確率密度関数
 3.2.3 確率変数の変換
 3.2.4 確率変数の和・差・積・商の分布
 3.2.5 異なる分布の近似度評価指標
3.3 加算的確率過程と積算的確率過程
 3.3.1 加算的確率過程と正規分布
 3.3.2 積算的確率過程と対数正規分布
3.4 各種確率分布の特徴と物理的意味
 3.4.1 レイリー分布と仲上─ライス分布
 3.4.2 仲上m分布
 3.4.3 指数分布とポアソン分布
 3.4.4 χ2分布とガンマ分布
 3.4.5 ワイブル分布
 3.4.6 ラプラス分布
 3.4.7 多次元正規分布
3.5 重畳分布・複合分布
 3.5.1 重畳分布の基本式
 3.5.2 レイリー・対数正規分布重畳分布:Suzuki分布
 3.5.3 レイリー・ガンマ分布重畳分布:K分布
 3.5.4 その他の重畳分布
 3.5.5 複合分布
3.6 分布の一般形と相互の関係
 3.6.1 多重波伝搬モデル基本分布とその関係
 3.6.2 伝搬モデルに共通する汎用分布形

4. 伝送路表現の基礎
4.1 インパルス応答と伝達関数
4.2 ベースバンド信号と帯域通過信号
4.3 遅延時間領域での表現
 4.3.1 インパルス応答
 4.3.2 遅延プロファイル
 4.3.3 帯域制限がインパルス応答に与える影響
4.4 周波数領域での表現
 4.4.1 瞬時環境表現としての伝達関数
 4.4.2 統計的な環境表現としての周波数相関特性
4.5 瞬時環境表現と統計的表現の相互の関係
4.6 双方向チャネル特性の可逆性について

5. レイリーフェージングの理論
5.1 狭帯域信号の振幅・位相の確率分布
5.2 フェージングの相関特性の定義と基本的な性質
 5.2.1 定義
 5.2.2 複素振幅・振幅・電力変動の相関特性の相互の関係
5.3 遅延プロファイルと周波数相関特性
5.4 角度プロファイルと空間相関特性
 5.4.1 角度プロファイルおよびアンテナ指向性と空間相関の関係
 5.4.2 典型的な角度プロファイルに対する空間相関特性
 5.4.3 3次元的な角度広がりを有するプロファイルに対する空間相関特性
5.5 ドップラースペクトルと自己相関特性
 5.5.1 自己相関特性
 5.5.2 ドップラースペクトル
 5.5.3 減衰発生間隔と減衰持続時間
5.6 広帯域信号の電力変動

6. 仲上-ライスフェージングの理論
6.1 狭帯域信号の振幅・位相の確率分布
6.2 遅延時間領域での表現
6.3 複素振幅・振幅・電力変動の相関特性の相互の関係
6.4 周波数相関特性
6.5 空間相関特性
 6.5.1 角度プロファイルと複素空間相関
 6.5.2 空間相関特性の計算結果
6.6 レイリーフェージングと仲上─ライスフェージングの特徴比較

7. 移動伝搬チャネルモデルと環境生成・推定手法
7.1 電波伝搬モデル:それは伝搬研究の結晶
7.2 回線設計用伝搬モデルの概要
7.3 狭帯域レイリーフェージング環境生成
 7.3.1 レイリーフェージングの生成
 7.3.2 任意の相関行列を有するアレー出力の生成
 7.3.3 入出力双方で任意の相関行列を有するMIMOチャネルの生成
7.4 広帯域レイリーフェージング環境生成
7.5 広帯域伝搬チャネルの等価伝送路表現
 7.5.1 遅延の広がりがシンボル周期より大きい場合
 7.5.2 遅延の広がりがシンボル周期より小さい場合
7.6 伝搬チャネル特性の推定

8. ダイバーシチの理論
8.1 各種ダイバーシチと合成法
 8.1.1 ダイバーシチの分類
 8.1.2 合成後の信号対雑音電力比(SN比)の確率分布:その概要
8.2 最大比合成法の基本
 8.2.1 理想的な合成
 8.2.2 SN比が独立に変動するブランチ信号の最大比合成
 8.2.3 仲上─ライスフェージングの最大比合成
8.3 相関のあるブランチ信号の最大比合成
 8.3.1 相関行列と固有値解析
 8.3.2 変動に相関を有する信号の最大比合成
 8.3.3 角度的に広がりをもって到来する信号のダイバーシチ効果
8.4 最大比合成を実現する方法
 8.4.1 方式概要
 8.4.2 短周期相関行列の最大固有値に対応する固有ベクトルからウェイトを求める方法
8.5 送信ダイバーシチ
 8.5.1 送信側でチャネル情報を有する場合
 8.5.2 送信側でチャネル情報を有しない場合
8.6 不完全なウェイトによる最大比合成
 8.6.1 簡易推定式
 8.6.2 厳密理論分布

9. MIMOと電波伝搬
9.1 MIMOとは
9.2 MIMOチャネルの表現
 9.2.1 狭帯域信号に対する伝送路表現
 9.2.2 広帯域信号に対する伝送路表現
 9.2.3 MIMOチャネルの統計的環境表現
9.3 通信路容量
9.4 レイリーフェージングチャネルでの固有値分布
 9.4.1 ウィシャート分布
 9.4.2 近似的考え方
 9.4.3 漸近固有値分布:マルチェンコ・パスツール則
9.5 MIMO情報伝送
 9.5.1 送受信最大比合成伝送
 9.5.2 固有モード伝送
 9.5.3 時空間ブロック符号化伝送
9.6 MIMOチャネル生成手法と性能評価手法
 9.6.1 クロネッカーモデル
 9.6.2 実環境生成モデル(フェージングエミュレータ型OTA評価系構築のための)
 9.6.3 電波反射箱

10. フェージング環境におけるディジタル伝送特性
10.1 ディジタル変復調方式
 10.1.1 変調方式
 10.1.2 復調方式
10.2 伝送誤りの発生メカニズムと統計的推定
10.3 熱雑音による誤りの発生
 10.3.1 熱雑音によるビット誤り率
 10.3.2 フェージング環境下でのビット誤り率特性
10.4 符号間干渉による誤りの発生
 10.4.1 誤り発生のメカニズム
 10.4.2 符号間干渉誤りとキーパラメータ
 10.4.3 符号間干渉誤り計算法とビット誤り率特性
10.5 位相変動による誤りの発生
10.6 再生クロックのサイクルスリップによるバースト誤りの発生
 10.6.1 サイクルスリップとは
 10.6.2 サイクルスリップ発生頻度
10.7 OFDMと電波伝搬
 10.7.1 OFDMの仕組み
 10.7.2 電波伝搬問題
 10.7.3 不十分なガードインターバルでのOFDM伝送特性
10.8 電波伝搬とシステム
 10.8.1 電波伝搬とシステムを結ぶもの
 10.8.2 情報伝送の物理限界

付録
1. 仲上m分布〔式(3.38〕の導出
2. 式(5.18)の導出
3. 正規分布形角度プロファイルの空間相関:式(5.35)の導出
4. 仲上─ライスフェージングのMRCの式(8.38)の導出
5. 不完全MRCのパラメータ値の式の導出
6. CNR,SNRおよびEb/N0の関係
7. サイクルスリップの式(10.48)の導出

参考文献
索引

amazonレビュー

唐沢 好男

唐沢 好男(カラサワ ヨシオ)

1950年(長野県)生まれ。学部の卒研テーマは結晶成長、就職した会社の部署は半導体課。量子力学を本格的に学びたく大学院受験。合格するも希望の研究室は満杯。このとき、シュレーディンガーを神様とする世界からマックスウェルを神様とする世界に宗旨替え(24歳)。偶然が導いてくれた電波の道であったが、40年以上を歩き続けてみると面白いことがいっぱい。研究者(KDD(現KDDI))、研究マネージャー(ATR)、研究教育者(大学)を経てフリーに。今は、次世代を担う若者に向け、培った電波技術の継承を願って技術レポートをせっせと書いている。唐沢研究室HPより公開中(下記リンク:唐沢研究室,技術レポートの公開)。
好きな言葉は「セレンディピティ」。周りの人(主に学生)にやたらそれを説くので「セレンディピティ馬鹿」と呼ばれていた。偶然の出会いを重ねながら今日ここまで歩み来た人生そのものに、それを強く感じている(下記リンク:セレンディピティ)。

掲載日:2023/05/01

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掲載日:2020/02/01

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掲載日:2019/12/01

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