改訂 ディジタル通信

コンピュータサイエンス教科書シリーズ 11

改訂 ディジタル通信

基本原理を理解し応用する力を養うことを目的とし数式を用いた原理の解説に多くを割いた。

ジャンル
発行年月日
2019/10/30
判型
A5
ページ数
240ページ
ISBN
978-4-339-02721-1
改訂 ディジタル通信
在庫あり

定価

3,190(本体2,900円+税)

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  • 内容紹介
  • まえがき
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  • 広告掲載情報

【書籍の特徴】
現在、身の回りの多くの機器に埋め込まれているコンピュータ同士を互いに結びつけるディジタル通信は、急速な発展を続けており、我が国では2020年に5G(第5世代移動通信システム)が実用化されようとしている。
本書の「ディジタル通信」の英訳をDigital communication(s)とすると、この題名の多くの名著が現在まで内外から出版されている。ディジタル通信は、スマートフォンなどの移動体通信の普及に伴いめざましい進展を遂げて来た。現在もさらなる高速度化・高信頼化・低遅延化などを目指し発展し続けている。様々な分野で応用が進み、ディジタル通信の個々の形態は見えにくい状況にある。しかしディジタル通信の原理は過去から未来へ連続性を持って発展して来ており、その本質を理解すれば、今後のさらなる技術開発もより容易に行える。

本書では、このようなディジタル通信の基本原理を理解し、その上で具体的なディジタル通信を実現するための実力を養い、また、将来の発展にも十分対処できる応用力を養うことを目的としている。したがって、本書ではディジタル通信の個々の応用技術に捕らわれることなく、その原理を理解し将来のディジタル通信の発展に対処できる知識を獲得することを目的とする。その意味からディジタル通信の単なる図解や説明だけではなく、数式を用いた原理の解説に多くを割いている。特に信号と雑音の数学的表現を通し、ディジタル通信方式の解析と設計を行う基礎学力をつけることを目指した。


【各章について】
第1章では、ディジタル通信の歴史とその構成を述べている。第2章では、信号解析の基礎として、フーリエ解析や雑音の取扱い方などを述べている。第3章では、波形伝送と変調方式の理論として、パルス伝送、AMやFM変調方式などを述べている。第4章では、ディジタル有線通信方式について述べている。第5章では、ディジタル無線通信方式として、OFDM変調方式やMIMO無線通信などを述べている。第6章では、多重化方式について述べている。第7章では、ディジタル通信の展開として、現状の携帯電話(4Gや5G)、無線LANやIoT無線ネットワークなどについて述べている。また付録では、ディジタル通信の数式を用いたより詳細な取り扱い及び補足的事項を述べている。

【著者からのメッセージ】
本書は、初版が2007年11月に発行され、以後6刷を重ねた。今回の改訂に当たり、特に古くなった第7章のディジタル通信の展開を全面的に書き改めた。また、基礎原理としての2.9.2項の狭帯域信号の演算と5.8節のMIMO無線通信方式をより詳細に記述し、5.7節の直交周波数分割多重通信方式の記述も若干追加した。これにともない初版の4.2節の差分PCM方式、4.3節のデルタ変調および適応デルタ変調方式、4.4節のシグマデルタ変調器、5.8節のMC-CDMA方式、6.2節の伝送制御手順、および過去の技術となった3.3.5項の残留側波帯方式を削除した。今回削除した部分についてはより専門的な書籍を参照いただきたい。

現在,コンピュータは身の回りの多くの機器に埋め込まれ,有線・無線通信ネットワークを利用してたがいに接続されている。これらのコンピュータを結びつけるディジタル通信技術は,急速な発展を続けており,わが国では2020年に5G(第5 世代移動通信システム)が実用化されようとしている。

本書の「ディジタル通信」の英訳をDigital communication(s)とすると,この題名の多くの名著が現在まで内外から出版されている。ディジタル通信は,統計的通信理論や情報理論を基礎とし,スマートフォンなどの移動体通信の普及に伴いめざましい進展を遂げてきた。現在もさらなる高速度化・高信頼化・低遅延化などを目指し発展し続けている。さまざまな分野で応用が進み,ディジタル通信の個々の形態はみえにくい状況にある。しかしディジタル通信の原理は過去から未来へ連続性を持って発展してきており,その本質を理解すれば,今後のさらなる技術の開発もより容易に行える。

本書では,このようなディジタル通信の基本原理を理解し,その上で具体的なディジタル通信を実現するための実力を養い,また,将来の発展にも十分対処できる応用力を養うことを目的としている。したがって,本書ではディジタル通信の個々の応用技術に捕らわれることなく,その原理を理解し将来のディジタル通信の発展に対処できる知識を獲得することを目的とする。その意味からディジタル通信の単なる図解や説明だけではなく,数式を用いた原理の解説に多くを割いている。特に信号と雑音の数学的表現を通し,ディジタル通信方式の解析と設計を行う基礎学力をつけることを目指した。

本書の構成は1~6 章までにディジタル通信の基礎と原理を述べ,7 章ではディジタル通信の展開を述べている。またディジタル通信の数式を用いたより詳細な取扱いおよび補足的事項は付録にまとめている。

本書は,初版が2007 年11 月に発行され,以後6 刷を重ねた。今回の改訂に当り,特に古くなった7 章のディジタル通信の展開を全面的に書き改めた。また,基礎原理としての2 . 9 . 2 項の狭帯域信号の演算と5 . 8 節のMIMO 無線通信方式をより詳細に記述し,5 . 7 節の直交周波数分割多重通信方式の記述も若干追加した。これにともない頁数の制約などにより,初版の4 . 2 節の差分PCM方式,4 . 3 節のデルタ変調および適応デルタ変調方式,4 . 4 節のシグマデルタ変調器,5 . 8 節のMC-CDMA 方式,6 . 2 節の伝送制御手順,および過去の技術となった3 . 3 . 5 項の残留側波帯方式を削除した。今回削除した部分についてはより専門的な書籍を参照いただきたい。

今回の改訂に当り,初版発行の際にお世話になった方々および改訂の機会を与えていただいた株式会社コロナ社の皆様に謝意を表します。

2019年7月
岩波 保則 

1. ディジタル通信の歴史とその構成
1.1 ディジタル通信の歴史
1.2 ディジタル通信の構成

2. 信号解析の基礎
2.1 フーリエ級数
 2.1.1 フーリエ級数とは
 2.1.2 フーリエ級数展開の例
2.2 フーリエ変換
 2.2.1 フーリエ変換対の導出
 2.2.2 フーリエ変換の例
2.3 Parsevalの公式について
 2.3.1 フーリエ級数におけるParsevalの公式
 2.3.2 フーリエ積分におけるParsevalの公式
2.4 電力スペクトル密度とエネルギースペクトル密度について
 2.4.1 電力スペクトル密度─周期関数に対して─
 2.4.2 エネルギースペクトル密度─孤立波に対して─
 2.4.3 電力スペクトル密度─定常確率過程に対して─
2.5 自己相関関数について
 2.5.1 自己相関関数R(x)の2,3の性質
 2.5.2 自己相関関数の例
2.6 自己相関関数とフーリエ変換
2.7 畳込み積分について
 2.7.1 畳込み積分
 2.7.2 畳込み積分の導出
2.8 確率過程と確率密度関数
 2.8.1 ガウス過程について
 2.8.2 結合確率密度関数
 2.8.3 特性関数とモーメント母関数
 2.8.4 n次元の同時確率密度関数
 2.8.5 確率変数の和の分布
 2.8.6 確率密度関数の変換(レイリー分布について)
 2.8.7 ランダム電信過程と電力スペクトル密度の計算
 2.8.8 ポアソン過程について
2.9 狭帯域信号および狭帯域雑音の表現
 2.9.1 狭帯域信号
 2.9.2 狭帯域信号の演算
 2.9.3 狭帯域雑音
 2.9.4 正弦波信号と狭帯域雑音の和
2.10 誤差関数およびQ(x)関数について
演習問題

3. 波形伝送と変調方式の理論
3.1 基底帯域波形伝送の理論
 3.1.1 サンプリングとスペクトル
 3.1.2 理想低域通過フィルタ
 3.1.3 シャノン・染谷の標本化定理
 3.1.4 理想低域通過フィルタのインディシャル応答
 3.1.5 実際の低域通過フィルタの応答波形,符号間干渉とアイパターン
 3.1.6 ナイキストの基準とナイキスト間隔
 3.1.7 ナイキストロールオフパルスによる伝送
 3.1.8 パルス振幅変調方式
3.2 ベースバンド通信方式
3.3 振幅変調方式
 3.3.1 AM波形とスペクトル
 3.3.2 AM信号の発生
 3.3.3 AM信号の復調法
 3.3.4 単側波帯方式
3.4 周波数変調方式
 3.4.1 FM波形とスペクトル
 3.4.2 FM信号の発生と検波
 3.4.3 FM方式の雑音
 3.4.4 プリエンファシス・ディエンファシス
3.5 位相変調方式
演習問題

4. ディジタル有線通信方式
4.1 パルス符号変調方式
 4.1.1 標本化と量子化
 4.1.2 振幅の圧縮・伸長
 4.1.3 符号化
 4.1.4 PCM信号の伝送および中継
 4.1.5 そのほかのパルス変調方式
4.2 光ファイバ通信方式
演習問題

5. ディジタル無線通信方式
5.1 OOK方式
5.2 PSK方式
5.3 FSK方式
5.4 QAM方式
5.5 そのほかのディジタル変調方式
 5.5.1 OQPSKとMSK
 5.5.2 GMSK方式
 5.5.3 r/4シフトDQPSK方式
5.6 周波数拡散通信方式
 5.6.1 直接拡散方式
 5.6.2 拡散PN系列について
 5.6.3 PN系列の相関関数とCDMA
5.7 直交周波数分割多重通信方式
 5.7.1 OFDM変調方式
 5.7.2 OFDM信号の特徴
5.8 MIMO無線通信方式
 5.8.1 MIMO無線通信の分類
 5.8.2 MIMO空間多重通信
 5.8.3 MIMO通信路容量の増加について
 5.8.4 マルチユーザMIMO通信について
5.9 等化器
 5.9.1 線形等化器
 5.9.2 判定帰還等化器
 5.9.3 最ゆう系列推定等化器
演習問題

6. 多重化方式
6.1 時分割多重化
6.2 周波数分割多重化
6.3 符号分割多重化
6.4 空間分割多重化
6.5 空間多重化
6.6 波長分割多重化
演習問題

7. ディジタル通信の展開
7.1 光通信
7.2 電力線通信
7.3 衛星通信
7.4 携帯電話
7.5 ブロードバンドワイヤレスアクセス
7.6 無線LAN
7.7 IoT無線ネットワーク

付録
A.1 ビット誤り率の導出
 A.1.1 BPSK信号のビット誤り率の導出
 A.1.2 QPSK信号のシンボル誤り率
 A.1.3 QPSK信号のビット誤り率
 A.1.4 16QAM信号のビット誤り率
 A.1.5 差動BPSKの遅延検波におけるビット誤り率
A.2 フェージング無線通信路の基礎(電波伝搬路特性)
 A.2.1 レイリーフェージング通信路
 A.2.2 仲上・ライスフェージング通信路
 A.2.3 周波数選択性フェージングについて
 A.2.4 2波マルチパス通信路の等価低域系による記述
A.3 整合フィルタについて
A.4 符号間干渉が零となる条件
 A.4.1 ナイキストの第1基準の導出
 A.4.2 ルートコサインロールオフ特性
A.5 見通し通信回線の設計
A.6 抵抗雑音について
A.7 誤り検出・訂正符号の基礎
 A.7.1 ディジタル信号の誤り制御法
 A.7.2 誤り訂正符号
 A.7.3 誤り検出符号
 A.7.4 符号化変調
 A.7.5 ターボ符号
 A.7.6 低密度パリティチェック符号

引用・参考文献
演習問題解答
索引

岩波 保則(イワナミ ヤスノリ)

掲載日:2020/02/01

「電子情報通信学会誌」2020年2月号広告

掲載日:2019/12/01

「電子情報通信学会誌」2019年12月号広告

掲載日:2019/11/01

「電子情報通信学会誌」2019年11月号広告