数値電磁界解析のためのFDTD法 - 基礎と実践 -

数値電磁界解析のためのFDTD法 - 基礎と実践 -

  • 宇野 亨 東京農工大教授 工博 編著
  • 何 一偉 大阪電通大准教授 博士(工学)
  • 有馬 卓司 東京農工大准教授 博士(工学)

電磁界解析に用いられるFDTD法の基本的なプログラムコードを掲載し,技術者や大学院生,初学者にも理解できるよう詳細に説明した

ジャンル
発行年月日
2016/05/25
判型
A5
ページ数
378ページ
ISBN
978-4-339-00884-5
数値電磁界解析のためのFDTD法 - 基礎と実践 -
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定価

5,500(本体5,000円+税)

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『FDTD法による電磁界およびアンテナ解析』(978-4-339-00689-6 コロナ社 1998年)が刊行されてから長い年月が経過した。この間,FDTD法の応用分野の広がりとともに新たに生まれた方法もあれば,逆に淘汰された方法もある。また,多くの読者から具体的なプログラムコードを公開してほしいとの要望をたびたびいただいた。本書はこれらの声に応えるために執筆したもので,新しい解析手法を書き加えるとともに基本的なプログラムコードを掲載してその内容を詳細に説明している。本書はFDTD法を一度経験した技術者,大学院生向けに執筆したものであるが,初学者にも理解できるように工夫した。

1章「FDTD法基礎」では,FDTD法を理解するうえで最小限必要と思われる事項をまとめたものである。本書で用いる記号法や3 章以後で詳しく述べる具体的なプログラミング法を理解するうえでも欠かせない章であるから,FDTD法に習熟している読者も復習を兼ねて一読をお願いしたい。
2 章「吸収境界」では,無限空間を扱うための吸収境界について述べ,具体的な解析手法とそれに対応するプログラムを説明する。
3 章「基本プログラム」はFDTD 法による電磁界計算をプログラムとして具現化する章である。ここでは1次元から3次元までの基本的なプログラムを載せてその詳細を説明するとともに,コーディングにあたっての基本事項を述べている。
4章「分散性・異方性媒質」では,周波数分散性媒質と異方性媒質中の電磁界計算法と,それらの媒質に対するPML吸収境界について説明する。また,媒質は非分散性であってもFDTD 法計算においては分散性媒質として扱わなければならないこともある。これについても簡単に紹介する。
5 章「電磁波散乱解析とその実例」は電磁波の散乱問題とその実装例を解説した章である。電磁波の散乱問題では,入射電磁界はあらかじめわかっていて,散乱電磁界だけを問題にする場合が多い。そこで5章では,最初に散乱界だけを計算する方法を説明する。また,FDTD法は閉領域解法であるため,散乱体から大きく離れた遠方電磁界は計算できない。そこで,遠方電磁界の計算法もここで説明する。一方,セルの大きさは散乱体の局所的な微細構造に合わせるため,大きな散乱体を計算しようと莫大な計算機資源を必要とする。局所的にセルを変形して大きなセルのままでも計算できる手法についても併せて紹介する。 6 章「アンテナ解析とその実例」では,おもにアンテナのFDTD 解析に必要ないくつかの手法とその関連事項を説明する。
7章「メタマテリアル」では,おもにメタマテリアル解析の基本となる周期構造による平面波および点波源の散乱問題と構造内の電波伝搬特性の計算法について説明する。
8章「関連手法」では,FDTD 法に関連した手法のうち,代表的な物を簡単に紹介する。また,FDTD 法以外の代表的な電磁界解析法についても簡単に紹介する。

1. FDTD法基礎
1.1 電磁方程式
 1.1.1 マクスウェルの方程式
 1.1.2 物質と構成方程式
 1.1.3 境界条件
1.2 Yeeアルゴリズム
 1.2.1 差分近似と記号法
 1.2.2 時間差分
 1.2.3 1次元空間差分
 1.2.4 2次元空間差分
 1.2.5 3次元空間差分
1.3 物体のモデル化
 1.3.1 誘電体と磁性体
 1.3.2 完全導体と完全磁気導体
 1.3.3 境界の取扱い
1.4 外部波源と励振パルス
 1.4.1 平面波
 1.4.2 励振パルス
1.5 時間ステップとセルサイズ
 1.5.1 時間ステップ
 1.5.2 セルサイズ
章末問題

2. 吸収境界
2.1 Murの吸収境界
 2.1.1 1次吸収境界条件
 2.1.2 2次吸収境界条件
2.2 PML吸収境界
 2.2.1 基本概念
 2.2.2 1次元PML
 2.2.3 2次元PML
 2.2.4 3次元PML
2.3 UPML
 2.3.1 BerengerのPMLとストレッチ座標
 2.3.2 異方性PML媒質
 2.3.3 FDTD表現
2.4 CPML
 2.4.1 CPMLパラメータ
 2.4.2 FDTD表現
章末問題

3. 基本プログラム
3.1 計算の流れ
3.2 1次元問題
 3.2.1 解析モデル
 3.2.2 プログラム例
 3.2.3 計算結果
 3.2.4 注意事項
 3.2.5 PML吸収境界
3.3 2次元問題
 3.3.1 解析モデル
 3.3.2 プログラム例
 3.3.3 完全導体
 3.3.4 不均質媒質に対するPML
 3.3.5 平面波
3.4 3次元問題
 3.4.1 プログラム例と計算結果
 3.4.2 コーディング上の注意事項
 3.4.3 ID配列
 3.4.4 BPMLとCPMLの比較
章末問題

4. 分散性・異方性媒質
4.1 代表的な分散性媒質
4.2 RC法とPLRC法
 4.2.1 誘電体
 4.2.2 磁性体
 4.2.3 デバイ分散
 4.2.4 ドゥルーデ分散
 4.2.5 ローレンツ分散
4.3 ADE法
 4.3.1 D-E法
 4.3.2 補助関数の導入
4.4 左手系媒質の取扱い
 4.4.1 右手系媒質と左手系媒質
 4.4.2 左手系媒質のモデル
 4.4.3 PLRC表現
4.5 分散性媒質に対するPML
 4.5.1 損失性媒質
 4.5.2 デバイ分散
 4.5.3 左手系媒質
4.6 異方性媒質
 4.6.1 PLRC法
 4.6.2 ADE法
 4.6.3 運動方程式の利用
 4.6.4 異方性媒質に対するPML
章末問題

5. 電磁波散乱解析とその実例
5.1 散乱界に対するFDTD法
 5.1.1 誘電体と磁性体
 5.1.2 完全導体と完全磁気導体
 5.1.3 完全電気壁と完全磁気壁
5.2 全電磁界・散乱界領域分割法
 5.2.1 電磁界の接続
 5.2.2 プログラム例と解析例
5.3 セル構造の変形
 5.3.1 不均一メッシュ
 5.3.2 サブグリッド法
 5.3.3 CP法
 5.3.4 多重領域FDTD法
5.4 良導体の取扱い
 5.4.1 内部電磁界
 5.4.2 外部電磁界と表面インピーダンス法
5.5 遠方界
 5.5.1 過渡指向性関数
 5.5.2 プログラム例
 5.5.3 散乱断面積と散乱幅
章末問題

6. アンテナ解析とその実例
6.1 アンテナ導体のモデル化
 6.1.1 細線導体と導体板
 6.1.2 導体端部
 6.1.3 近接導体
 6.1.4 導体板と線状導体の接続部
6.2 アンテナ給電モデルと給電点電流
 6.2.1 微小ギャップ給電
 6.2.2 同軸線路給電
 6.2.3 マイクロストリップ線路給電
6.3 入力インピーダンス
 6.3.1 計算法
 6.3.2 ダイポール系アンテナ
 6.3.3 ループ系アンテナ
 6.3.4 マイクロストリップアンテナ
6.4 反射係数と散乱行列
 6.4.1 入射電力と入力電力
 6.4.2 反射係数
 6.4.3 インピーダンス行列と散乱行列
6.5 アンテナの放射効率とSAR
 6.5.1 放射効率
 6.5.2 SAR
 6.5.3 電力の計算
 6.5.4 計算例
6.6 遠方界特性
 6.6.1 指向性
 6.6.2 利得
 6.6.3 複素指向性関数の計算
 6.6.4 半無限領域
6.7 電流分布と電荷分布
 6.7.1 線状導体
 6.7.2 面状導体
章末問題

7. メタマテリアル
7.1 メタマテリアルとFDTD法
 7.1.1 メタマテリアルアンテナ
 7.1.2 フロケの理論
 7.1.3 解析領域
7.2 平面波の垂直入射
 7.2.1 周期境界条件
 7.2.2 完全電気壁と完全磁気壁
7.3 斜め入射
 7.3.1 Sine-Cosine法
 7.3.2 電磁界変換法
 7.3.3 US-FDTD法
 7.3.4 伝送線路近似
7.4 アンテナ問題
 7.4.1 ASM-FDTD法
 7.4.2 等価媒質近似
7.5 分散ダイアグラム
 7.5.1 伝送線路近似
 7.5.2 FDFD法
章末問題

8. 関連手法
8.1 FDTD関連手法
 8.1.1 陰解法
 8.1.2 高精度化
 8.1.3 その他の手法
8.2 FDTD連成解析
 8.2.1 電磁波と電気回路
 8.2.2 電磁波と熱
8.3 周波数領域の電磁界解析手法
 8.3.1 規範問題
 8.3.2 モーメント法
 8.3.3 有限要素法
 8.3.4 高周波近似法
章末問題

付録A. 物理定数と物質の電気定数
A.1 基本定数
A.2 物質の電気定数
 A.2.1 基本媒質定数
 A.2.2 その他の媒質定数

付録B. プログラム
B.1 2次元平面波の散乱プログラム
B.2 3次元プログラム
B.3 全電磁界・散乱界プログラム
B.4 時間領域遠方界
B.5 ダイポールアンテナ

付録C. 数値積分と離散フーリエ変換
C.1 滑らかな関数の積分
 C.1.1 台形則
 C.1.2 シンプソン則
 C.1.3 ガウス・ルジャンドル則
 C.1.4 そのほかの積分
C.2 多重積分
C.3 離散フーリエ変換
 C.3.1 フーリエ変換と離散フーリエ変換
 C.3.2 高速フーリエ変換とそのプログラム例

付録D. 連立一次方程式と逆行列
D.1 連立一次方程式
D.2 逆行列

引用・参考文献
索引

宇野 亨(ウノ トオル)

有馬 卓司(アリマ タクジ)

電子情報通信学会誌(平成28年12月1日発行) 掲載日:2017/02/03


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