原子力の過去・現在・未来 - 原子力の復権はあるか -

シリーズ 21世紀のエネルギー 9

原子力の過去・現在・未来 - 原子力の復権はあるか -

原子力は深遠な科学の世界から複雑な国際政治の領域にまで広がる巨大な複合システムである。本書の基本的な狙いは,今後原子力はどうなるのか,どうすべきかを読者に自分で考えていただくために必要な基礎知識を提供することである。

ジャンル
発行年月日
2009/11/30
判型
A5
ページ数
170ページ
ISBN
978-4-339-06829-0
原子力の過去・現在・未来 - 原子力の復権はあるか -
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原子力は深遠な科学の世界から複雑な国際政治の領域にまで広がる巨大な複合システムである。本書の基本的な狙いは,今後原子力はどうなるのか,どうすべきかを読者に自分で考えていただくために必要な基礎知識を提供することである。

1 原子力の誕生
1.1 原子力の科学的基礎 
1.1.1 原子核の発見 
1.1.2 中性子の発見 
1.1.3 原子核の内部構造と結合エネルギー 
1.1.4 核分裂・核融合の発生エネルギー 
1.1.5 核分裂の発見 
1.1.6 プルトニウムの発見 
1.2 原子力技術の基盤形成 
1.2.1 マンハッタン計画 
1.2.2 原子炉の設計・建設 
1.2.3 遅発中性子と臨界 
1.2.4 核燃料に関する基盤技術の開発 
1.3 原子力平和利用へ 
1.3.1 平和利用への移行期 
1.3.2 多様に展開し始めた米国の原子炉開発 
1.3.3 その他主要国の原子炉開発 

2 兵器としての原子力
2.1 戦後の核兵器開発と米ソ対立 
2.1.1 核兵器の基本構造 
2.1.2 英国の核兵器開発 
2.1.3 ソ連の追い上げ 
2.1.4 米ソ対立と核兵器開発競争 
2.2 核兵器の拡散 
2.2.1 世界の核兵器の数と種類 
2.2.2 フランスと中国の核兵器 
2.2.3 イスラエルの核兵器 
2.2.4 インドとパキスタンの核兵器 
2.2.5 原子力発電と絡む核拡散問題 
2.3 核兵器管理体制の構築 
2.3.1 国際原子力機関の設立 
2.3.2 核不拡散条約の成立 
2.3.3 米ソ戦略核兵器制限・削減交渉 
2.3.4 終りなき核廃絶への道 

3 平和のための原子力
3.1 原子力利用のさまざまな可能性 
3.1.1 放射線利用 
3.1.2 放射性同位元素のエネルギー利用 
3.1.3 宇宙で活躍する原子炉 
3.1.4 核爆発の平和利用 
3.1.5 原子力船の開発 
3.1.6 エネルギー源としての原子炉利用 
3.2 発電用原子炉の開発 
3.2.1 米国における多様な発電炉開発 
3.2.2 英国とフランスの発電炉開発 
3.2.3 米国型軽水炉以外の発電炉開発 
3.2.4 原子力発電の到達点 
3.3 核燃料サイクル産業の展開 
3.3.1 核燃料サイクルとは 
3.3.2 ウラン濃縮事業 
3.3.3 再処理事業 

4 原子力開発の曲がり角
4.1 原子力開発環境の変化 
4.1.1 原子力発電規模見通しの縮小 
4.1.2 核燃料サイクル確立の遅延 
4.1.3 核不拡散政策の影響 
4.1.4 社会環境の変化 
4.2 核燃料サイクルの経済性と高速増殖炉 
4.2.1 天然ウラン資源 
4.2.2 再処理・プルトニウム利用の経済性 
4.2.3 高速増殖炉(FBR)の研究開発 
4.3 高レベル放射性廃棄物問題 
4.3.1 放射性廃棄物とは 
4.3.2 地層処分概念の確立と事業展開 
4.3.3 潜在的危険性とリスク 

5 原子力の復権
5.1 原子力ルネッサンスの行方 
5.1.1 新規原子力発電の世界動向 
5.1.2 2050年の原子力発電規模予測 
5.1.3 原子力ルネッサンス実現の条件 
5.1.4 わが国の原子力政策の新展開 
5.2 軽水炉を超えて 
5.2.1 第4世代原子炉 
5.2.2 高温ガス炉と高速炉,そしてトリウム 
5.2.3 核融合は「夢のエネルギー」なのか 
5.3 新しいエネルギー文明に向けて 
5.3.1 エネルギー技術に支えられた人類の文明 
5.3.2 新しいエネルギー文明を築く原子力 

引用・参考文献 

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