基礎化学 - 原子・分子の構造と化学結合 -
初年度の理工系大学生が化学の基礎を学ぶための参考書。原子、化学結合、その結果できる物質の性質などの基礎的事項等を解説
- 発行年月日
- 2014/03/10
- 判型
- A5
- ページ数
- 166ページ
- ISBN
- 978-4-339-06631-9
- 内容紹介
- 目次
- 書籍紹介・書評掲載情報
本書は,初年度の理工系大学生が化学の基礎を学ぶための教科書あるいは参考書として,以下の内容を化学の基礎事項と位置づけて解説を行っている。
1 .化学が対象とする物質の出発点である原子の理解。
2 .原子(元素)のもつ一般的性質とその周期性の理解。
3 .原子どうしの結び付き(化学結合)の基礎的事項に関する理解。
4 .化学結合の結果できる分子や結晶の構造の基礎的事項に関する理解。
5 .原子,分子あるいはイオンの集合体としての物質(特に気体)の性質の基礎的事項に関する理解。
1章ではまず,2章以下の内容を理解するために必要と思われる化学の基礎的事項が記載されている。続いて2章「原子の構造」,3章「原子の一般的性質」,4章「化学結合」,5章「分子間相互作用」,6章「分子の構造」,7章「物質の状態─気体状態─」の順にわかりやすく解説している。
1. 基礎事項
1.1 原子と元素
1.1.1 原子の概念
1.1.2 原子と元素
1.2 原子の構成
1.3 元素の起源と存在量
1.4 単位
1.4.1 SI単位
1.4.2 濃度を表す単位
1.5 基礎物理定数
1.6 数値の取扱い
1.6.1 有効数字
1.6.2 誤差
1.6.3 真度と精度
1.6.4 偶然誤差と正規分布
1.6.5 平均値と標準偏差
1.6.6 信頼限界
演習問題
2. 原子の構造
2.1 量子力学以前
2.2 原子構造─水素原子─
2.3 原子構造─多電子原子─
2.3.1 電子スピン
2.3.2 電子配置
演習問題
3. 原子の一般的性質
3.1 原子の電子配置と周期表
3.2 原子半径とイオン半径
3.3
元素の性質の周期性(イオン化エネルギー,電子親和力,電気陰性度)
3.3.1 イオン化エネルギー
3.3.2 電子親和力
3.3.3 電気陰性度
演習問題
4. 化学結合
4.1 イオン結合
4.1.1 イオン結合の形成
4.1.2 イオン結晶の種類と特徴
4.1.3 限界半径比
4.1.4 イオン結晶の結合エネルギー
4.2 共有結合
4.2.1 共有結合の概念
4.2.2 原子価結合理論
4.2.3 分子軌道理論
4.2.4 等核二原子分子の分子軌道
4.2.5 異核二原子分子の分子軌道
4.3 金属結合
4.3.1 金属の結晶構造
4.3.2 バンド理論
4.3.3 半導体
4.4 配位結合
4.4.1 配位結合
4.4.2 錯体
演習問題
5. 分子間相互作用
5.1 イオン-双極子相互作用
5.2 双極子-双極子相互作用
5.3 イオン-誘起双極子相互作用
5.4 双極子-誘起双極子相互作用
5.5 瞬間的双極子-誘起双極子相互作用
5.6 ファン・デル・ワールス相互作用
5.7 反発力
5.8 水素結合
5.9 電荷移動相互作用
演習問題
6. 分子の構造
6.1 共有結合性の分子(混成)
6.2 原子価殻電子対反発モデル
演習問題
7. 物質の状態─気体状態─
7.1 物質の状態
7.2 理想気体
7.3 理想気体の分子運動論
7.4 マクスウェル分布
7.5 実在気体─ファン・デル・ワールスの状態方程式─
演習問題
付録A 量子力学に関わる諸法則
A.1 プランクの量子説:光の非連続性
A.2 アインシュタインの光量子説:光の粒子性
A.3 ド・ブロイ波:物質の波動性
A.4 ハイゼンベルグの不確定性原理
A.5 シュレディンガーの波動方程式(シュレディンガー方程式)
A.5.1 箱の中の粒子(1次元)
A.5.2 調和振動子(1次元)
付録B ボーアの原子模型
付録C の値
参考文献
元素の周期表
演習問題解答
索引