永久磁石同期モータ - PMSMの基礎から設計・制御・評価まで -

永久磁石同期モータ - PMSMの基礎から設計・制御・評価まで -

永久磁石同期モータの基礎から設計・制御・評価までを解説。研究事例も多く取り上げた。

ジャンル
発行予定日
2024/06/下旬
判型
A5
ページ数
318ページ
ISBN
978-4-339-00991-0
永久磁石同期モータ - PMSMの基礎から設計・制御・評価まで -
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永久磁石同期モータ(PMSM)の制御と設計の基礎から,具体的な制御システム・モータ設計手法・特性評価法までを解説。できるだけ多くの設計事例や実験結果を含め,理論だけではなく具体的なイメージを持てるように配慮した。

☆発行前情報のため,一部変更となる場合がございます

永久磁石同期モータ(PMSM,PMモータ)は,1930年代のアルニコ磁石の発明により研究開発が始まり,フェライト磁石の発明により実用化が進み,希土類永久磁石の発明により小形・高効率モータとしてさまざまな用途に適用され飛躍的な発展を遂げている。

PMSMの発展には,永久磁石材料の進歩だけでなく,可変速駆動を可能とするパワーエレクトロニクス技術やベクトル制御,センサレス制御などのモータ制御理論の進歩とそれら高性能制御を実現するマイクロプロセッサの発展がある。さらに,有限要素法による磁界解析を用いたモータ構造設計,特性評価技術も大きな役割を果たしている。

PMSMの中でも永久磁石をロータ内に埋め込んだ埋込磁石同期モータ(IPMSM)は,多様な運転範囲・出力特性・運転性能を実現できる性能設計自由度が大きく,かつ組込機器における寸法制約や形状制約を満たすことができる形状設計自由度があるモータである。そのため,エアコンのコンプレッサ駆動用など家電用モータ,ハイブリッド自動車や電気自動車などの電動車(xEV)駆動用モータではIPMSMが主流となっている。さらに鉄道車両,産業機械などの用途に加え,風力発電や小水力発電など再生可能エネルギー発電用の発電機としても適用されている。IPMSMは代表的な用途指向形モータであり,寸法や電源仕様などの制約条件を満たしつつ使用目的に応じた性能を発揮するモータを設計するには,モータの構造設計だけでなく駆動回路,制御を含めたモータドライブシステム全体の理解と最適化が必要である。

本書は,上述の視点よりPMSMの制御と設計の基礎から具体的な制御システムとモータ設計手法までをまとめたものであり,実際の研究事例や特性評価法も述べている。1章では,PMSMの制御と設計の基礎としてPMSMの概要や数学モデルについて説明している。2章と3章では,PMSMのベクトル制御について,電流ベクトル制御法,モータパラメータと出力特性の関係やベクトル制御システムの設計法などを説明している。4章ではセンサレス制御システムの設計法や高精度化手法について説明している。5章では,直接トルク制御の基本から実際の設計法まで詳細に説明している。6章では,PMSMの構造と有限要素法による特性解析法および特性改良設計事例について説明している。7章では,IPMSMのさまざまな用途,目的に応じたモータ構造設計事例を詳細に説明している。8章では,モータ特性評価システムと評価について具体的事例とともに説明している。各章には,できるだけ多くの設計事例や実験結果を含めることで,理論だけでない実際の具体的なイメージが持てるように配慮した。

本書が,モータの設計・制御やその応用に携わっておられる方々やこの分野の研究を志す学生諸君に少しでも役立ち,高効率モータの開発と電動化の推進,ひいてはカーボンニュートラルの実現に寄与できれば幸いである。

本書の執筆にあたり,数多くの専門書や学術論文を参考にさせていただいた。それらの執筆者や研究者に対して敬意と感謝を表する。また,本書の解析・実験データの多くは著者らの研究室に所属した学生諸君の研究成果であることを付記して感謝の意を表する。

最後に,本書を執筆する機会をいただき,出版にご尽力いただいたコロナ社の関係各位に謝意を表する。

2024年5月
著者を代表して 森本茂雄

☆発行前情報のため,一部変更となる場合がございます

1章 永久磁石同期モータの基礎
1.1 はじめに
1.2 PMSMの概要
1.3 PMSMの基本構造
 1.3.1 電機子巻線と回転磁界
 1.3.2 PMSMのロータ構造
1.4 トルク発生原理
1.5 PMSMの特徴
1.6 数学モデルと基本式
 1.6.1 各種座標系と座標変換
 1.6.2 三相座標系の電圧方程式
 1.6.3 α-β座標系の電圧方程式
 1.6.4 d-q座標系の電圧方程式
 1.6.5 d-q座標系での特性式
引用・参考文献

2章 電流ベクトル制御法と出力特性
2.1 はじめに
2.2 電流ベクトルと基本特性
 2.2.1 電流一定時の電流位相制御特性
 2.2.2 トルク一定時の電流位相制御特性
 2.2.3 鎖交磁束一定時の電流位相制御特性
 2.2.4 電流ベクトル平面上の特性曲線
2.3 電流ベクトル制御法
 2.3.1 最大トルク/電流制御
 2.3.2 最大トルク/磁束制御(最大トルク/電圧制御)
 2.3.3 弱め磁束制御
 2.3.4 最大効率制御
2.4 最大出力(最大トルク)制御法
 2.4.1 電流ベクトルの選択可能範囲
 2.4.2 制御モードⅠ
 2.4.3 制御モードⅡ
 2.4.4 制御モードⅢ
 2.4.5 最大出力制御
2.5 モータパラメータと出力範囲
 2.5.1 最小d軸鎖交磁束と速度-トルク・出力特性
 2.5.2 可変磁束モータ
 2.5.3 速度-トルク・出力特性の一般化
 2.5.4 要求出力特性を満たすモータパラメータの範囲
引用・参考文献

3章 ベクトル制御システム
3.1 はじめに
3.2 電流制御システム
 3.2.1 ベクトル制御システムの全体構成
 3.2.2 電流制御システムの基本構成
3.3 ベクトル制御
 3.3.1 速度制御システム
 3.3.2 モータモデルに基づく電流ベクトル制御
 3.3.3 電圧フィードバックによる弱め磁束制御
 3.3.4 高速時のd軸電流優先制御
 3.3.5 損失最小化制御
 3.3.6 電圧利用率向上による高出力・高効率化
 3.3.7 方形波駆動(1パルス駆動)
3.4 モータパラメータのオンライン同定
 3.4.1 同定アルゴリズム
 3.4.2 パラメータ同定用モータモデル
 3.4.3 同定モデルと同定特性例
引用・参考文献

4章 センサレス制御
4.1 はじめに
4.2 センサレス制御の概要
 4.2.1 位置推定の基本原理
 4.2.2 各種センサレス制御法
 4.2.3 基本システム構成
4.3 拡張誘起電圧推定方式
 4.3.1 α-β座標系での位置推定
 4.3.2 回転座標系での位置誤差推定
 4.3.3 位置・速度の推定法
 4.3.4 拡張誘起電圧推定方式の特性
 4.3.5 過変調,方形波駆動時の特性
4.4 高周波信号重畳方式
 4.4.1 高周波信号重畳方式の基本
 4.4.2 高周波電圧重畳方式
 4.4.3 高周波信号重畳方式の特性
4.5 全速度域センサレス制御
4.6 位置推定精度の向上
 4.6.1 モデルベースセンサレス制御における位置推定誤差の要因
 4.6.2 パラメータ同定による推定精度の向上
 4.6.3 低速時の特性改善
4.7 電流センサレスと低分解能位置情報の高分解能化
 4.7.1 電流センサレス制御システム
 4.7.2 低分解能位置センサのみを用いたベクトル制御システム
引用・参考文献

5章 直接トルク制御
5.1 はじめに
5.2 トルクと磁束を制御する原理
 5.2.1 システム構成と特徴
 5.2.2 トルク制御
 5.2.3 磁束制御
 5.2.4 制御できる条件
5.3 トルクと磁束の指令値作成法
 5.3.1 電流制限のためのトルク制限
 5.3.2 最大トルク/磁束制御のためのトルク制限
 5.3.3 最大トルク/電流制御のための指令磁束作成
 5.3.4 弱め磁束制御のための磁束制限
5.4 DTCのシステム構成
 5.4.1 磁束推定
 5.4.2 トルク推定
 5.4.3 指令電圧計算
 5.4.4 トルク制御器のゲイン設計
 5.4.5 制御特性
5.5 DTCの高性能化
 5.5.1 トルク制御系の線形化
 5.5.2 トルク制御器のアンチワインドアップ
 5.5.3 トルク制御系の異なる構成
 5.5.4 FPGAに適した指令電圧計算式の演算高速化
 5.5.5 弱め磁束制御に関する電流制御方式との比較
引用・参考文献

6章 設計の基礎と特性解析法
6.1 はじめに
6.2 モータ構成要素
 6.2.1 モータ構成要素の概要
 6.2.2 永久磁石配置
 6.2.3 フラックスバリア
 6.2.4 電機子巻線(分布巻)
 6.2.5 電機子巻線(集中巻)
 6.2.6 特殊な巻線方式
6.3 有限要素法による磁界解析
 6.3.1 有限要素法の概要
 6.3.2 ポストプロセスにおける諸量の計算
6.4 基本特性の算出法
 6.4.1 瞬時トルク
 6.4.2 電流位相-トルク特性
6.5 d-q座標モデルのモータパラメータ算出法
 6.5.1 永久磁石による電機子鎖交磁束Wa
 6.5.2 d,q軸インダクタンスLd,Lq
6.6 制御特性の算出法
 6.6.1 最大トルク/電流制御
 6.6.2 電圧制限の取り扱い
 6.6.3 弱め磁束制御
 6.6.4 最大トルク/磁束制御
 6.6.5 鉄損の考慮
 6.6.6 効率の計算
6.7 ロータ構造のモータパラメータへの影響
 6.7.1 永久磁石の埋込方法
 6.7.2 永久磁石の埋込深さ
 6.7.3 磁石層数
 6.7.4 フラックスバリア
6.8 設計プロセスと設計例
 6.8.1 設計のプロセス
 6.8.2 磁石材料変更時に特性を維持できるロータ設計
引用・参考文献

7章 IPMSMの設計
7.1 はじめに
7.2 電動車駆動用モータの高効率化
7.3 電動車駆動用モータの小型・高出力・高効率化
 7.3.1 小型・高速化による出力密度の向上
 7.3.2 高性能磁性材料の適用による高効率化
 7.3.3 遠心力に対するロータ機械強度の確保
7.4 低振動・静音化
 7.4.1 スキュー
 7.4.2 フラックスバリア非対称化
 7.4.3 ロータ表面窪みによるコギングトルク低減
 7.4.4 微小ホール配置によるラジアル力低減
7.5 省・脱レアアース化
 7.5.1 フェライト磁石補助形同期リラクタンスモータ
 7.5.2 希土類ボンド磁石PMASynRM
7.6 可変磁束モータ
 7.6.1 アクティブタイプの構造例
 7.6.2 パッシブタイプの構造例
7.7 自動設計システム
 7.7.1 遺伝的アルゴリズムと粗メッシュFEMを用いた自動設計システム
 7.7.2 自動設計システムによる高効率運転領域最大化
 7.7.3 自動設計システムによるトルクリプル最小化設計
引用・参考文献

8章 モータ特性評価法
8.1 はじめに
8.2 実験システムの構成
8.3 電気系定数の測定
 8.3.1 概要
 8.3.2 永久磁石による電機子鎖交磁束
 8.3.3 d,q軸インダクタンス
8.4 特性測定
 8.4.1 電流位相-トルク特性
 8.4.2 速度-トルク特性
 8.4.3 効率特性,効率マップ
 8.4.4 瞬時トルク波形
8.5 損失分離
 8.5.1 銅損・機械損・鉄損
 8.5.2 PWM高調波による鉄損
引用・参考文献

索引

森本 茂雄(モリモト シゲオ)

真田 雅之(サナダ マサユキ)

井上 征則(イノウエ マサノリ)