
医療系資格試験のための機械工学 - 臨床工学技士国家試験・第2種ME技術実力検定試験 -
医療系資格試験で頻出の範囲「機械工学」を,独学でも理解できるようにカバーする。
- 発行年月日
- 2025/03/17
- 判型
- B5
- ページ数
- 166ページ
- ISBN
- 978-4-339-07281-5
- 内容紹介
- まえがき
- 目次
【読者対象】
・臨床工学技士をはじめとする医療従事者を目指す学生の方
・学生を指導される教員の方
【書籍の特徴】
臨床学技士国家試験および第2種ME技術実力検定試験に出題される内容を第1章から第10章に分けて説明しています。図をたくさん入れることで,視覚的にわかりやすくなるよう配慮しています。数式には,変数や記号が何を意味しているのかとそれらの単位を入れ,数式の持っている意味を理解できるようにしました。また,理解度が上がるように本文の中で〈例題〉をあげ,その後章末にその章に関する〈演習問題〉と〈過去問題に挑戦〉と題して臨床工学技士国家試験と第2種ME技術実力検定試験の過去問題を解く構成にしています。
【各章について】
それぞれの章で以下のことを説明しています。
第1章 SI単位と接頭語:国際単位系と接頭語および次元
第2章 力と運動:力学の基礎となる項目といろいろな運動とその方程式
第3章 エネルギーと仕事率:エネルギー(仕事)の定義と力学的エネルギー,エネルギー保存の法則,仕事率
第4章 応力と個体材料のひずみ:応力とひずみの関係,ポアソン比,せん断ひずみ,フックの法則とヤング率(縦弾性係数),体積弾性率,応力-ひずみ曲線,応力の集中と安全率
第5章 粘弾性体:粘弾性体とは,粘性とニュートン流体,弾性体と粘性体および粘弾性体のモデル化
第6章 圧力:圧力とは,圧力の単位,圧力と仕事,パスカルの原理,絶対圧とゲージ圧
第7章 熱:熱と温度,比熱と熱容量,熱の伝わり方,人体の熱輸送と体温調節,温度と相変化,個体の熱膨張,熱力学の法則,ボイル・シャルルの法則,カルノーサイクルとエントロピー
第8章 流体:理想流体,流線と定常流,連続の式,層流と乱流,トリチェリーの式とグレアムの法則,ベルヌーイの定理,レイノルズ数,ハーゲン・ポアズイユの法則,ローラポンプと遠心ポンプ
第9章 音と超音波:横波と縦波,波の基本式,音速,ドプラ効果,音のエネルギー,音響インピーダンス,音の反射、音波や超音波の減衰
第10章 光の反射と屈折:光(波)の反射と屈折,光のいろいろな現象,偏光と自然光,凸レンズと実像の倍率
【著者からのメッセージ】
読者の皆さんがこの本を十分に活用し,臨床工学技士の国家試験に合格されることをご祈念いたします。
【キーワード】
医用機械工学,臨床工学技士国家試験,第2種ME技術実力検定試験
私は以前に,医療系大学で臨床工学技士を目指す学生たちに教えたことがあります。この経験を何かに役立てることができないかと考えた結果,「医療系資格試験」に特化した「機械工学」の書籍である本書を執筆するにいたりました。
臨床工学技士を始めとする医療従事者の方が,機械工学を学ぶのには二つの意味があります。一つは人体の一部が機械と同じ動作をすることであり,機械工学を学ぶことは人体そのものの理解につながると考えています。もう一つは医療現場で扱われているいろいろな機器も「機械」であることであり,機械工学を学ぶことでそれら医療機器の構造と動作原理を理解できるようになります。本書ではこれらの点に重きをおき,内容について説明しています。
本書は,読者が独学でも学べるよう,いかにわかりやすく説明できるかを念頭に置いて執筆いたしました。まず,図をたくさん入れることで,視覚的にわかりやすくなるよう配慮しています。数式には,変数や記号が何を意味しているのかとそれらの単位を入れ,数式の持っている意味を理解できるようにしました。また,理解度が上がるように本文の中で「例題」をあげ,その後章末にその章に関する「演習問題」と「過去問題に挑戦」と題して臨床工学技士国家試験と第2種ME技術実力検定試験の過去問題を解く構成にしています。どのような過去問題が出題されたのかとその解き方を理解することができれば,合格にぐっと近づくはずです。これらの内容を読者諸氏が十分に活用し,目標とする医療系資格試験に合格されることを期待しています。
最後になりましたが,いろいろな文献を参考にさせていただきありがとうございました。また,出版にあたりいろいろとご協力してくださった方々に深く感謝いたします。
2025年1月
落合政司
1.単位と接頭語
1.1 SI単位
1.1.1 基本単位
1.1.2 組立単位
1.2 そのほかの単位
1.3 SI接頭語
1.4 次元
演習問題
過去問題に挑戦
2.力と運動
2.1 力学の基礎
2.1.1 力とは
2.1.2 重力加速度
2.1.3 質量と重さ
2.1.4 ニュートンの運動の法則
2.1.5 摩擦力
2.1.6 合力と分力
2.1.7 力のモーメント
2.2 いろいろな運動
2.2.1 運動方程式
2.2.2 等速度運動(等速直線運動)
2.2.3 等加速度運動
2.2.4 落下運動
2.2.5 放物運動
2.2.6 等速円運動
2.2.7 バネの振動
2.2.8 摩擦のある面上での運動
演習問題
過去問題に挑戦
3.エネルギーと仕事率
3.1 エネルギー(仕事)の定義
3.2 力学的エネルギー
3.2.1 運動エネルギー
3.2.2 位置エネルギー(ポテンシャルエネルギー)
3.2.3 バネの振動エネルギー(弾性振動エネルギー)
3.3 エネルギー保存の法則
3.4 仕事率
演習問題
過去問題に挑戦
4.応力と固体材料のひずみ:材料力学
4.1 応力とは
4.2 ひずみ
4.2.1 縦ひずみと横ひずみおよびポアソン比
4.2.2 せん断ひずみ
4.3 フックの法則とヤング率(縦弾性係数)
4.4 体積弾性率
4.5 応力―ひずみ曲線
4.6 応力の集中
4.7 安全率
演習問題
過去問題に挑戦
5.粘弾性体
5.1 粘弾性体とは
5.2 粘性とニュートン流体
5.3 弾性体と粘性体および粘弾性体のモデル化
5.3.1 弾性体モデル
5.3.2 粘性体モデル
5.3.3 粘弾性体モデル
演習問題
過去問題に挑戦
6.圧力
6.1 圧力とは
6.2 圧力の単位
6.3 圧力と仕事
6.4 パスカルの原理
6.5 絶対圧とゲージ圧
演習問題
過去問題に挑戦
7.熱
7.1 熱と温度
7.2 比熱と熱容量
7.3 熱の伝わり方
7.3.1 熱伝導
7.3.2 対流(対流熱伝達)
7.3.3 熱放射(放射伝熱,放射)
7.4 人体の熱輸送と体温調整
7.5 温度と相変化
7.6 固体の熱膨張
7.7 熱力学の法則
7.7.1 熱力学の第一法則
7.7.2 熱力学の第二法則
7.8 ボイル・シャルルの法則
7.9 カルノーサイクルとエントロピー
7.9.1 等温膨張
7.9.2 断熱膨張
7.9.3 等温圧縮
7.9.4 断熱圧縮
演習問題
過去問題に挑戦
8.流体
8.1 理想流体
8.2 流線と定常流
8.3 連続の式
8.4 層流と乱流
8.5 トリチェリーの式とグレアムの法則
8.6 ベルヌーイの定理
8.7 レイノルズ数
8.8 ハーゲン・ポアズイユの法則
8.9 ローラポンプと遠心ポンプ
8.9.1 ローラポンプ
8.9.2 遠心ポンプ
演習問題
過去問題に挑戦
9.音と超音波
9.1 横波と縦波
9.2 波の基本式
9.2.1 時間に対して波がxの正方向に進む場合
9.2.2 時間に対して波がxの負方向に進む場合
9.3 音速
9.4 ドプラ効果
9.4.1 観測者が移動したとき
9.4.2 音源が移動したとき
9.4.3 ドプラ効果のまとめ
9.5 音のエネルギー
9.5.1 運動エネルギー E_k
9.5.2 位置エネルギー E_p
9.5.3 振動のエネルギー E
9.6 音響インピーダンス
9.6.1 空気と水の音響インピーダンス
9.6.2 人体の音響インピーダンス
9.7 音の反射
9.8 音波や超音波の減衰
演習問題
過去問題に挑戦
10.光の反射と屈折
10.1 光(波)の反射と屈折
10.1.1 反射
10.1.2 屈折
10.2 光のいろいろな現象
10.2.1 回折
10.2.2 散乱
10.2.3 干渉
10.3 偏光と自然光
10.4 凸レンズと実像の倍率
演習問題
過去問題に挑戦
解答
引用・参考文献
索引