医療従事者のための基礎物理学

医療従事者のための基礎物理学

物理学の理論を織り交ぜながら,医療の現場で起こる様々な現象や医療機器の原理を解説。

ジャンル
発行年月日
2024/04/26
判型
A5
ページ数
240ページ
ISBN
978-4-339-06670-8
医療従事者のための基礎物理学
在庫あり
2営業日以内に出荷致します。

定価

3,630(本体3,300円+税)

カートに入れる

購入案内

  • 内容紹介
  • まえがき
  • 目次
  • レビュー
  • 著者紹介
  • 広告掲載情報

【読者対象】
医学における現象を物理学の視点から解き明かしたい医師、医療従事者、そしてそれを目指す志望者を対象にした一冊です。

【書籍の特徴】
医学の奥深さを探求する際、物理学は欠かせない要素です。なぜならば、すべての現象は物体やエネルギーの作用によって生じるからです。本書では物理学の理論を織り交ぜながら、医療の現場で起こる様々な現象や医療機器の原理を解説しています。高校物理の基礎から応用までを丁寧に解説し、数式も分かりやすく提示しています。また、日常の身近な事象から医療技術までを取り上げ、物理学の応用範囲を幅広く示しています。索引に数式を組み込むなどの工夫を凝らし、高校物理を学んだ人にも学んでいない人にも役に立つ一冊にしました。

【内容】
「なぜエアバッグは怪我を防ぐのか?」「骨折や感電のメカニズムは?」「MRIや電気メスの原理はどうなっているのか?」本書ではこれらの疑問に答えながら、医療現場で役立つ物理学の知識を提供しています。医学分野における物理学の重要性を体感し、その応用の幅広さを実感できる一冊です。興味のあるテーマから読み始めることもでき、学習教材としても優れた利用価値があります。
医療従事者やそれを目指す学生、物理学に興味のある一般読者にとって、本書は理論と実践を融合させた貴重な一冊となることでしょう。

物理学は,私たちの世界の仕組みと法則を理解するための学問です。自然現象,物体の運動,エネルギー,光,電気,音などの出来事が,私たちの世界においてどのような法則に基づいているのかを理解するためのものです。

一般的な物理学の教科書では,力学,エネルギー,波,電気などの物理現象ごとに章立てされています。しかし,その中に物理現象を説明する式の意味や,それらが現実社会でどのように活用されるかについて詳しく触れる教科書はほとんどありません。しかし,本書では,医療従事者の方々が日常的に使用する医療機器の名前を目次に掲載し,例えばパルスオキシメーターや電気メス,X線撮像装置などの具体的な医療機器に焦点を当てています。

医療従事者としての実務経験を積む際,これらの医療機器がどのような物理現象に基づいて機能しているかを理解することはきわめて重要です。本書は,筆者自身が学生時代に,なぜこれらの知識が将来の実務で役立つのかに疑問を抱いた経験から生まれました。そのため,本書はこれらの疑問に答えつつ,物理学の実用的な応用例を提供し,その原理を説明する形式で読者に物理学を学んでいただくことを目指しています。

医療従事者として,患者の診断,治療,ケアに責任を負う皆さんにとって,物理学の理解は不可欠です。物理学の知識を活用することで,正確な診断を行い,患者の病状を理解し,治療法を選択する際の判断材料となります。また,医療機器の正確な操作やトラブルシューティング,安全な環境での作業が可能になります。物理学は単なる学問ではなく,医療の現場で実践的に活用される知識です。本書を通じて,物理学の基本原理とその医療分野への応用方法を学ぶことは,未来のあなたが患者の健康と安全を保護するための大きな一歩となるでしょう。

本書は,高校で物理学を学んでいない学生でも理解できるように記述していますが,物理学を学ぶためには数学的アプローチや物理学的な概念の理解が必要です。本書では,数学的概念や物理学の原理をやさしく説明し,章末問題を通じて物理現象の理解を深める機会を提供します。高校までの学習は問題を解くこと自体に重点を置いて学習していたかもしれませんが,本書では問題解決を通じて物理現象を理解する能力を養っていただくことを目指しています。医療現場での安全性と実務スキルを向上させるために,読者が実践的なスキルを磨くのに役立つ情報を提供しています。

最後に,本書の執筆に貢献していただいた多くの方々に感謝申し上げます。また,本書が医療従事者としての素晴らしいキャリアを築くための助けになることを願っています。

2024年2月
髙塚伸太朗・西村生哉・井上雄介

0. 物理学を簡単にするために
0.1 物理量の次元と単位
0.2 物理量の精度
コラム 質量が保存されるからではありません
0.3 SI接頭語と指数を使った表現
0.4 微分積分
0.5 ベクトルとスカラー
章末問題

1. 遠心分離機~力とは何か~
1.1 遠心分離機と運動
1.2 ニュートンの運動法則
1.3 物体の運動
1.4 いろいろな力
1.5 回転運動
1.6 遠心力
コラム コップの氷が溶けると水面はどうなる?
章末問題

2. エアバッグ~運動量とエネルギー~
2.1 運動量と力積
2.2 エネルギーの定義
2.3 運動エネルギーと位置エネルギー
2.4 エネルギー保存の法則
2.5 エアバッグとの衝突
コラム 缶ジュースを凍らせるとゆっくり転がる?
章末問題

3. 骨折
3.1 弾性体
3.2 応力とひずみ
3.3 有限要素法
3.4 応力-ひずみ曲線
3.5 さまざまな変形
3.6 弾性エネルギーと骨折
コラム 単位のない物理量
章末問題

4. ドップラー血流計~波とその物理量~
4.1 波
4.2 音波と超音波
4.3 波の物理量
4.4 ドップラー効果
4.5 ドップラー血流計
コラム 普通の波は特殊
章末問題

5. 超音波診断装置~音の反射とエネルギー~
5.1 音で距離を測る
5.2 波の反射
5.3 音のエネルギーと聞こえ方
5.4 超音波診断装置
コラム ヘリウムでなぜ声が変わる
章末問題

6. ファイバースコープ~光の反射と屈折~
6.1 光
6.2 屈折率とスネルの法則
6.3 光ファイバー
6.4 ファイバースコープ
コラム 波の重なりを利用したチューニング
章末問題

7. パルスオキシメータ~光の色と吸収~
7.1 波の吸収
7.2 色
7.3 ヘモグロビンの吸光度
7.4 パルスオキシメータ
コラム ガラスは何色
章末問題

8. 非接触体温計
8.1 温度
8.2 熱
8.3 熱の伝わり方
8.4 体温計
コラム 1カロリーは1カロリー?それとも1キロカロリー?
章末問題

9. 電気メス
9.1 電気メスの原理
9.2 電気が持つエネルギー
9.3 キルヒホッフの法則とオームの法則
9.4 直列回路と並列回路
9.5 ジュール熱
9.6 電気メスが狙ったところだけ切れる理由
コラム いろいろなメス
章末問題

10. ペースメーカー
10.1 生体内の電気
10.2 クーロンの法則
10.3 電場と電束密度
コラムペースメーカーの歴史
10.4 電気のエネルギーが蓄えられる仕組み(コンデンサ)
10.5 コンデンサに蓄えられたエネルギー
10.6 細胞が電気を起こす仕組み
章末問題

11. 感電
11.1 感電とは
11.2 交流
11.3 交流での電圧と電流の関係
11.4 交流の複素表現
11.5 電気メスで感電しないのはなぜか
コラム 電磁血流計
章末問題

12. フィルタ回路
12.1 フィルタ
12.2 スペクトル
12.3 重ね合わせの理
12.4 ローパスフィルタ
12.5 いろいろなフィルタ
コラムフィルタいろいろ
12.6 受動素子と能動素子
章末問題

13. 電子レンジ
13.1 電気と磁気
13.2 電気から磁気,磁気から電気
13.3 電磁波
コラム 電子レンジの思い出
章末問題

14. 放射線
14.1 原子
コラム放射能
14.2 崩壊
14.3 X線
章末問題

15. MRI
15.1 体内を知るためには
15.2 光の放出とゼーマン効果
15.3 MRIの画像化の原理
コラム 見えないが強い作用をおよぼす強磁場
章末問題

参考文献
章末問題解答
索引

読者モニターレビュー【 からあげ 様(業界・専門分野:制御工学、強化学習)】

本書は医療従事者の方が普段使用される機器などについて、物理学の観点からその背景を説明するものです。
各章ではまずそれぞれの基本的な内容からはじまり、おおむね章末で「医療従事者の方が関わる具体的な例」を示しています。例えば、波の章ではその基本的な内容を説明したのちにドップラー効果に触れ、救急車の音と「ドップラー血流計」について述べています。
本書では当然数式での説明もなされていますが、あまり難しい印象は受けませんでした。丁寧な語り口で微細にわたって説明がなされており、また図での説明も多いため数学・物理学が苦手な方でもとっつきやすいように感じます。医療従事者の方だけでなく、物理学を学びたい学生の方などにもおすすめできる書籍だと感じました。

掲載日:2024/05/14

第63回日本生体医工学会大会プログラム広告