改訂 臨床工学技士のための 機械工学

改訂 臨床工学技士のための 機械工学

臨床工学技士国家試験と第2種ME技術実力検定試験の機械工学分野の問題に特化した内容。

ジャンル
発行年月日
2022/09/28
判型
A5
ページ数
224ページ
ISBN
978-4-339-07277-8
改訂 臨床工学技士のための 機械工学
在庫あり

定価

3,190(本体2,900円+税)

カートに入れる

電子版を購入

購入案内

  • 内容紹介
  • まえがき
  • 目次
  • 著者紹介
  • 広告掲載情報

臨床工学技士国家試験と第2種ME技術実力検定試験に出る機械工学分野の問題を解くために特化した内容で出題傾向に準じて改訂した。付録に二つの試験の過去問と選択形式ならではの解答のテクニックを習得できるような解説をした。

改訂版にあたって

本書初版は,幸いなことに多くの学生に好意的に受け入れられた。しかし自分自身,初版を使って学生に講義をしているうちに,この部分は説明が冗長だな,とか,ここは説明不足だな,などと思うことが多くなってきた。そこで全面的な改訂版の作成を行うこととした。

大きな改訂部分は二つある。まず初版にはなかった「0章 基礎知識」を追加した。ここでは単位の話や大きな(小さな)数の表し方,三角関数,微分など,機械工学(というより工学系科目全般)で必要となる基礎知識をまとめた。初版では必要に応じて各単元にバラバラに説明していた内容を,一か所にまとめたわけである。

もう一つは10章の内容をまったく変更した。初版では「10章 その他」で,あまり試験に出ない内容であったが,改訂版では「10章 光・電磁波・放射線」とした。光・電磁波・放射線が機械工学かといわれれば微妙なところであるが,これらは試験に出るにもかかわらず対応する講義が曖昧だったからである。


これらの変更を受けて各章の説明もブラッシュアップして,よりわかりやすくするように努めた。そして初版からの方針である「あくまでME2種試験と国家試験の問題にフォーカスする」という点は堅持した。初版と改訂版の同じ単元を見比べて,なくなった部分はあまり試験に出ない内容,新しく追加された部分はここ数年で試験に登場した内容である。

付録のME2種・国家試験過去問解答集の解答・解説も見直しを行い,よりわかりやすい説明に改めた。本書発刊後のME2種・国家試験問題に関しては従来どおりコロナ社のWebページの本書の書籍紹介(https://www.coronasha.co.jp/np/isbn/9784339072778/)に掲載する予定である。

本書で勉強して過去問をやりこめば,ME2種・国家試験に対応できる力は充分に養われるはずである。本書がME2種・国家試験合格の一助になれば幸いである。

2022年7月
西村 生哉


初版のまえがき

本書のタイトルは「臨床工学技士のための機械工学」であるが,内容的には「臨床工学技士(を目指す人)のための機械工学」である。多くの場合,臨床工学技士国家試験(以下,国家試験とする)を受験する人は,その前段階として第2種ME技術実力検定試験(以下,ME2種とする)も受験する。本書は,この二つの試験に徹底的に焦点を当て,試験に出る機械工学分野の問題を解くために特化した内容となっている。

本書で扱った分野は「質点の運動」,「材料力学」,「熱力学」,「流体力学」などであるが,本来これらは,それ単体で1冊の本が書け,15~30回の講義時間を要する内容である。それらを1冊にまとめて15回の講義で消化できるようにするとなると,当然,おのおのの分野の説明は中途半端なものにならざるを得ない。どこを削ってどこを残すか。その基準を“機械工学にとって重要な内容”や“臨床工学技士として身につけておくべき機械工学分野”ではなく,“ME2種と国家試験に出る機械工学分野”に求めた(これらは必ずしもイコールではない)。そのため,類書にありがちな「医療現場における機械工学の役割」(たいてい1章あたりに置かれている)といった啓蒙的な内容は一切省いた。

このような姿勢は,学術分野の諸先生方からお叱りを受けるものであるかもしれない。しかし,臨床工学技士を目指して機械工学以外にも多くの分野を勉強しなければならない受験生諸君にとっては歓迎されるものであるはずだと考えるし,本書を書こうと思った動機も,機械工学(もっと広くいえば理系)を専門としない人が読んでもわかりやすく有意義な解説書を作りたいと考えたからである。

このような本書の性格を象徴するものが,本書の半分を占める付録(ME2種と国家試験の過去問題と解答・解説)である。過去10年以上の問題から機械工学分野の設問を抜粋し,詳しい解説を加えた。ME2種,国家試験の問題は(少なくとも機械工学分野においては)パターン化している。要するに,同じような問題が数年おきに繰り返し出題されるわけである(それは別に悪いことではない)。また,ME2種,国家試験は選択形式の出題であり,選択形式ならではの解答テクニックというものもある。しかし,通常の教科書は「教科書」であるがゆえにそういうことについて解説されているものはほとんどないように思う。どの分野でもそうだが,きれいにまとまった教科書的内容と泥臭い現場での常識は必ずしも一致しないことが多い。教科書と試験問題の間でも同じことがいえる。本書の付録はそのギャップを埋めるべく作成した。

上で述べたように試験問題にはパターンがあり,したがって過去問題をやり込んでコツをつかめばある程度の得点を期待できる。臨床工学技士を目指す理系学生にとっては,本書の本文解説は甘すぎると思うかもしれないが,そういう学生にとっても,この過去問題の解答・解説は試験突破の糸口になるはずである。過去問題を解いてみて「またこの手の問題か,ワンパターンだな」と感じたら,勝ったも同然である。なお,本書発刊後のME2種,国家試験に関しては,コロナ社のWebページ(http://www.coronasha.co.jp/)の本書の書籍紹介に掲載する予定である。本書と合わせて活用していただきたい。

本書は臨床工学技士を養成する大学・専門学校などの教科書として使用されることを想定しているが,独学で勉強する学生にとっても十分に利用できるように配慮したつもりである。本書がME2種,国家試験の合格の一助になれば幸いである。

2012年11月
西村 生哉

0.基礎知識
0.1 単位 
 0.1.1 基本単位 
 0.1.2 組立単位 
0.2 指数 
0.3 SI接頭辞 
0.4 三角関数 
0.5 ラジアン 
0.6 微分

1.力
1.1 力とは 
 1.1.1 力の定義 
 1.1.2 重力加速度 
1.2 合力と分力 
 ・斜面上の物体に働く力 
1.3 力のモーメント 

2.材料力学
2.1 応力とひずみ 
 2.1.1 材料の変形 
 2.1.2 応力 
 2.1.3 ひずみ 
 2.1.4 フックの法則とヤング率 
2.2 ポアソン比 
2.3 応力-ひずみ曲線 
2.4 体積弾性率 
2.5 応力集中 
2.6 安全率 

3.粘弾性
3.1 粘性の定義 
3.2 ニュートン流体と非ニュートン流体 
3.3 血液の粘性的性質 
3.4 固体の粘性 

4.力と運動
4.1 落下運動 
4.2 等速円運動 
4.3 バネの振動 
 4.3.1 バネ定数 
 4.3.2 バネの振動 
 4.3.3 振動における速度と加速度 
4.4 摩擦のある面上での運動 
4.5 浮力 

5.エネルギー
5.1 仕事(エネルギー)の定義 
5.2 運動エネルギーと位置エネルギー 
 5.2.1 運動エネルギー 
 5.2.2 位置エネルギー 
5.3 エネルギー保存の法則 
5.4 仕事率 

6.熱
6.1 温度 
6.2 比熱 
6.3 熱エネルギー 
6.4 熱の移動 
 6.4.1 熱伝導 
 6.4.2 対流 
 6.4.3 放射 
 6.4.4 熱伝導の式 
 6.4.5 体組織での熱輸送 

7.圧力
7.1 圧力の定義 
 7.1.1 圧力の単位 
 7.1.2 圧力の単位変換 
7.2 ボイル・シャルルの法則 
7.3 パスカルの原理 

8.流体力学
8.1 理想流体 
8.2 流線 
8.3 連続の式 
8.4 ベルヌーイの定理 
8.5 レイノルズ数(層流と乱流) 
8.6 ポアズイユの式 

9.音波と超音波
9.1 音波と超音波の関係 
 9.1.1 超音波の定義 
 9.1.2 横波と縦波(疎密波) 
9.2 波の基本式 
9.3 音速 
9.4 ドップラー効果 
9.5 音のエネルギー 
9.6 音響インピーダンス 
9.7 音の減衰と直進性 
9.8 超音波エコー 
9.9 生体関係の音響特性 

10.光・電磁波・放射線
10.1 電磁波の分類 
10.2 光の屈折 
10.3 光の回折,干渉,分散 
10.4 放射線 
 10.4.1 原子 
 10.4.2 放射線(a線,b線,c線) 
 10.4.3 放射線の単位 

付録
A.第2種ME技術実力検定試験 
A.1 問題 
A.2 解答・解説 
B.臨床工学技士国家試験 
B.1 問題 
B.2 解答・解説 
索引 

掲載日:2022/11/15

「生体医工学」60巻4-5号