数学ラーニング・アシスタント 常微分方程式の相談室

数学ラーニング・アシスタント 常微分方程式の相談室

常微分方程式について計算できるだけでわかったつもりにならず、頭の中で具体的なイメージを思い描くトレーニングをしていく。

ジャンル
発行年月日
2019/01/10
判型
B5
ページ数
318ページ
ISBN
978-4-339-06116-1
数学ラーニング・アシスタント 常微分方程式の相談室
在庫あり

定価

4,180(本体3,800円+税)

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・書籍の特徴
 本書は「式は数学の文法で書いた文」という立場で, 常微分方程式の読み方と立て方, 解の求め方と解釈を理解することをめざした解説書である. 解法を覚えて計算するだけではなく, 数学の発想力を向上するために「どのように考えを進めるのか」「なぜこのような方法に気づくのか」を, 読者とともに確かめながら説明を進めている.
 随所に「書式に注意せよ」「感覚をつかめ」「用語を理解せよ」「イメージを描け」「舞台裏」「式には表情がある」「Stop!」「線型代数との結びつき」という注釈を挿入した. 式の書き換えを並べるだけでなく, 計算の意味がわかるように配慮した. 微分方程式と線型代数とは, 根本で同じ考え方・概念に基づいていることを理解して, 数学の視野を広げるようにした.
 演習問題は, 何を理解することを意図して作問したかを明確にして,「問題の由来」「着眼点」「解法」「現象の実例」の順に解説した. この組立は, 論文の序論・方法・結果・考察の構造につながることもめざしている. 読者に検算の習慣を身につけていただくために,「検算」の項目を設けたことは, 類書に例が見つからない. 微分方程式を解くねらいは, 求めた解の振舞を知ることだから, ほぼすべての微分方程式の解曲線を図示した.
 微分方程式の解説だけでなく, ワープロでレポート・論文などを書くときの文字の使い方, 数学の説明文の書き方, 数学記号・数式の表し方, 英語表現も整理してある. 索引を用語集・和英辞典として活用できるようにした.

・各章の特色
 第0講を設け, 微分・積分の意味から出発した. 微分・積分のイメージを描くために, 局所座標を導入し, 数値解析の方法と関連付けたり, 幾何的意味を描いたりした. グラフのたて軸の表す意味に注意しないと, いつでも「積分=面積」と思い込むおそれがあるので,「積分で何をつなぎ合わせるのか」を読解する問題も取り上げた. 第1講以降で, この基礎にしたがって解説を工夫した. 第4講では, 小学算数, 中学数学の積み上げで全微分が無理なく理解できるように配慮した. 第5講では, 複素数平面で Euler の関係式のイメージを描き,「sinθをθで微分するとcosθになり, cosθをθで微分すると-sinθになるのはなぜか」が納得しやすい解説を試みた. 第6講では, 逐次近似の舞台裏を見るために, 微分方程式と直接関係ないが, 連分数展開と比較した.

・期待している読者層
 公式を暗記して指示どおりに計算することでは満足できず, 数学のカラクリに興味を持ち,「なぜ」にこだわる読者と数学を楽しみたい. 高校・高専の教員をめざす方々にも関心を持っていただけると幸いである.

・本書を読むと向上する数学力とは
 「式と記号を読解する」「式と記号で表現する」「式の姿を図で描く」とはどういうことかを実感して, 微分方程式を数理モデルに活かす力が向上するはずである. 暗記した解法をあてはめるのではなく, 意味を確認しながら作文するような感覚で式を操れるようになることを期待する.

ラーニング・アシスタント
数学の書式

第0部 積分・微分への案内
0. プロローグ―微分方程式とは何か
0.1 なぜ接線を考えるのか
0.2 接線の表し方
0.3 曲線から接線の傾きが決まる規則―導関数
0.4 接線の傾きから曲線を探る方法―積分
0.5 微分方程式の名称と階数・次数
計算練習
探究演習

第I部 1階常微分方程式の求積法
1. 変数分離型―接線の傾きのタイプI
1.1 微分方程式の基本型―変数分離型
1.2 変数分離型の常微分方程式の解法
計算練習
探究演習

2. 同次型―接線の傾きのタイプⅡ
2.1 初期条件による解曲線のちがい
2.2 同次型―変数分離型に帰着する型
計算練習
探究演習

3. 線型1階微分方程式―接線の傾きのタイプⅢ
3.1 線型常微分方程式―斉次方程式と非斉次方程式
3.2 定数変化法の発想
計算練習
探究演習

4. 完全微分型―接平面の傾き
4.1 接平面の表し方―接線の表し方の拡張
4.2 曲線を求める問題と曲面を求める問題
4.3 完全微分方程式―接平面の傾きから曲面を探る方法
計算練習
探究演習

第Ⅱ部 高階常微分方程式の求積法
5. 連立常微分方程式
5.1 連立常微分方程式と高階微分方程式との関係
5.2 高階斉次線型常微分方程式
5.3 高階非斉次線型常微分方程式
計算練習
探究演習

第Ⅲ部 常微分方程式論への入り口
6. エピローグ―常微分方程式の解の振舞
6.1 1階高次常微分方程式
6.2 解の存在と一意性
6.3 ベキ級数による解の展開
6.4 解の安定性―ベクトル微分方程式
計算練習
探究演習

付録 初期値問題を微分演算子で解く方法
A.1 微分演算子と逆演算子
A.2 不連続な関数を微分する方法

索引

掲載日:2019/12/01

「現代思想」2019年12月号 広告