工学のための 微分方程式入門

工学のための 微分方程式入門

本書は工学にとって必須である多変数定数係数の微分方程式や拡散・波動現象などの物理的モデルに関する数値シミュレーションの基礎を,学生が短期間で身に付けられるよう配慮している。各章に演習問題を載せ,巻末に詳しい解答を示した。

ジャンル
発行年月日
2004/10/08
判型
A5
ページ数
192ページ
ISBN
978-4-339-06075-1
工学のための 微分方程式入門
在庫あり

定価

2,530(本体2,300円+税)

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本書は工学にとって必須である多変数定数係数の微分方程式や拡散・波動現象などの物理的モデルに関する数値シミュレーションの基礎を,学生が短期間で身に付けられるよう配慮している。各章に演習問題を載せ,巻末に詳しい解答を示した。

微分方程式の解法を学習・習得するのはたいへん難しいといわれている。しかし,一方で実在のさまざまな応用分野における学問の精緻化の現状を考えると高度な知識を短期間で習得することが要求されている。特に工学の諸分野では多変量の定数係数のモデルがMATLABなどの数式処理ソフトウェアを用いて解析されることが多くなってきており,また,大規模な多変量システムモデルの数値解析も必須の素養として定着している。実学とのギャップは増大の一途をたどっており,この現状を打開するために初等的な微分積分や線形代数の知識で読み通せる微分方程式の教科書が欲しいが,適当なものは必ずしも多く
ない。

この本は1学期間の10コマ程度の講義とそれに付随した10回程度の演習で終了する分量を念頭に,上記のような工学で要請されている基礎知識を与えるよう準備したものである。章末の演習問題は講義と対応した内容であり,解法の考え方や解の導出過程をわかりやすく初等的な方法で詳しく示してある。また,同じ微分方程式の解を異なるいくつかの方法で導出してみせている。これは,解法は唯一でなく,「異なる解法を呈示することは高度な微分方程式の数理数値解析に関する重要な知見と指針に関する情報を与える」ことを読者に認識してもらうためである。学生諸君は,演習問題を必ず自分で考えて解いてみてから答えを確認していただきたい。

偏微分方程式にも言及したが,空間1次元の問題に限定し,工学で必須の「境界のあるシステム」の解法にもページを割いて説明している。高度で特殊な微分方程式や空間高次元の偏微分方程式などの紹介やその解き方は分量や応用に関する汎用性を配慮して割愛した。主として工学分野で現れる定数係数の微分方程式の解き方や,拡散と波動現象の物理的・数学的背景が身に付くように配慮している。計算を実行し,解法の考え方を確認しながら通読すれば,線形代数,ラプラス変換,フーリエ変換,数値解析,差分法,微分・差分方程式など,工学の応用解析に必要な基礎知識をこれ1冊で身に付けることができる。また,本格的な微分方程式や確率微分方程式の数値解析などの教科書を読む前に通読すれば,理解の大きな助けとなると信ずる。

2004年8月
金野秀敏

1.微分方程式と差分方程式
 1.1 ニュートンの方程式
 1.2 実在のシステムのモデル化
 1.3 差分方程式によるモデル化
 1.4 差分方程式の解
 1.5 まとめ
 演習問題

2.定数係数の微分方程式
 2.1 1階の微分方程式
  2.1.1 斉次微分方程式の解法
  2.1.2 非斉次微分方程式の解法
 2.2 2階の微分方程式
  2.2.1 差分方程式の行列解法
  2.2.2 連続変数極限
  2.2.3 非斉次方程式の形式解
  2.2.4 単振り子の例
 2.3 まとめ
 演習問題

3.N階微分方程式の解法
 3.1 3階の微分方程式
 3.2 4階の微分方程式
 3.3 2質点の連成振動
 3.4 N階の微分方程式
 3.5 まとめ
 演習問題

4.変数係数の微分方程式
 4.1 1階の変数係数微分方程式
 4.2 2階の変数係数微分方程式
 4.3 線形安定性
 4.4 まとめ
 演習問題

5.ラプラス変換・フーリエ変換による解法
 5.1 ラプラス変換による解法
 5.2 フーリエ変換による解法
 5.3 まとめと応用例
 演習問題

6.境界値問題の解法
 6.1 境界値問題
 6.2 最も簡単な例題
 6.3 糸の変位と梁のたわみ
 6.4 前節の問題の別解
 6.5 まとめと応用例
 演習問題

7.偏微分方程式の解法Ⅰ
 7.1 拡散方程式Ⅰ
 7.2 拡散方程式Ⅱ
 7.3 拡散方程式Ⅲ
 7.4 まとめ
 演習問題

8.偏微分方程式の解法Ⅱ
 8.1 波動方程式Ⅰ
 8.2 波動方程式Ⅱ
 8.3 波動方程式Ⅲ

 8.4 まとめと応用例
 演習問題

9.数値解法の基礎
 9.1 基本的な差分化法
 9.2 高度な差分化法が必要な理由
 9.3 生存競争の方程式の差分化
 9.4 偏微分方程式の差分化Ⅰ
 9.5 偏微分方程式の差分化Ⅱ
 9.6 まとめと応用例
 演習問題

10.リカッチ方程式の解法
 10.1 リカッチ方程式
 10.2 リカッチの微分方程式の従属変数変換
 10.3 行列リカッチ方程式とその解
 10.4 応用例
 演習問題

付録 便利な公式集
引用・参考文献
演習問題詳解
索引

金野 秀敏(コンノ ヒデトシ)