電気回路の基礎

電気回路の基礎

回路関係諸分野への入り口となる,電気回路における定常解析と回路の基本定理について解説

ジャンル
発行年月日
2021/02/22
判型
B5
ページ数
192ページ
ISBN
978-4-339-00940-8
電気回路の基礎
在庫あり

定価

3,300(本体3,000円+税)

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【書籍の紹介】
本書は,大学の学部電気系学科の低学年および高専学生向けの電気回路の教科書である。電気回路における定常解析および回路の基本定理について,習得するべきポイントが明らかになるよう必要最小限の記述に抑えて解説し,その直後には解説したポイントに関連する例題を用意して,読者が多くの例題を解きながら理解を深めることができるスタイルとした。また,各章の章末問題は全部で206問を用意し,読者が各章ごとに習熟度を確認することで,着実に回路解析法を習得できるように配慮した。なお,章末問題については,略解を巻末に掲載するとともに,詳解をコロナ社のWebページに示した。

また,本書で紹介する回路解析法のうち回路方程式を使う方法だと,経験やひらめきがなくても与えられた回路から機械的に方程式を立てることができる。この方程式を手計算で解くのは困難な場合があるが,近年では計算機を使って簡単に(数行のコードを書くだけで)方程式を解くことができるようになっている。こういった観点から,計算機を使った連立方程式の求解法の例としてPythonを使う方法をコラムで紹介した。求解の補助や得た解の正しさの確認のために活用してほしい。

本書は全9章から構成される。第1章では,回路素子の電気的特性と回路素子間の接続構造の数理モデルについて記述する。第2章以降は大きく分けて二つの部分から構成される。
前半の第2章から第4章までは,直流回路を用いて回路解析の基本について記述する。第2章では回路の基本法則であるキルヒホッフの法則について記述した後,そこから導かれる電気回路の基本法則について記述する。第3章では,回路方程式による回路解析について記述する。第4章では,テブナンの定理など回路の基本定理について記述する。
後半の第5章から第9章までは交流回路の定常状態における回路解析について記述する。第5章で交流電圧・電流の複素数表現であるフェーザおよびイミタンスを導入した後,第6章では,第2章から第4章で記述した事項の交流回路における取り扱いについて記述する。第7章では交流電力,第8章では共振回路,第9章では結合インダクタについてそれぞれ記述する。

【読者へのメッセージ】
回路って,それ自体は目に見えても,電圧や電流は見えないので,取っ付きにくいですよね。また,回路と名がつく科目の多さに戸惑われるかもしれません。でも,基本原理はいたって単純なのです。まずは本書で基礎をしっかり固めていただき,電子回路,集積回路,・・・と続く回路理論の奥深さを,楽しみながら学習してもらえれば,大変うれしく思います。

回路とはいくつかの回路素子を導体で接続してできるシステムである。回路の電気的振る舞いを定める基本原理は,回路素子の電気的特性と回路素子間の接続構造である。回路理論とは,回路を回路素子の電気的特性を表す関数と回路素子間の接続構造によって定まる数理モデルとして表現し,回路の電気的振る舞いを数理的に解明するための理論である。回路解析のおもな興味の対象は,回路内のある点における電圧や電流を,実験ではなく数理モデルを用いて,計算により求めることにある。

本書は,大学の電気系学科に所属する低学年の学生向けに書かれた電気回路の教科書である。電気系学科で学ぶべき回路関係分野は,電気回路(直流・交流回路の定常解析および過渡解析),電子回路(ダイオード,トランジスタなどの能動素子,アナログ電子回路,ディジタル電子回路),集積回路,フィルタ回路,分布定数回路,電気機器,電力工学など多岐にわたる。本書では,それらの入り口となる電気回路における定常解析および回路の基本定理について記述する。のちに学ぶであろう回路関係分野の基礎となる事項ばかりであるので,しっかりと理解してほしい。

本書は全9章から構成される。第1章では,回路素子の電気的特性と回路素子間の接続構造の数理モデルについて記述する。第2章以降は大きく分けて二つの部分から構成される。

前半の第2章から第4章までは,直流回路を用いて回路解析の基本について記述する。第2章では回路の基本法則であるキルヒホッフの法則について記述したあと,そこから導かれる電気回路の基本法則について記述する。第3章では,回路方程式による回路解析について記述する。第4章では,テブナンの定理など回路の基本定理について記述する。

後半の第5章から第9章までは交流回路の定常状態における回路解析について記述する。第5章で交流電圧・電流の複素数表現であるフェーザおよびイミタンスを導入したあと,第6章では,第2章から第4章で記述した事項の交流回路における取り扱いについて記述する。第7章では交流電力,第8章では共振回路,第9章では結合インダクタについてそれぞれ記述する。

本書では,要点が明らかになるよう本文の記述は必要最小限に留めている。例題を多く入れているので,例題を解きながら理解を深めてほしい。

回路解析のための手法は一つではない。したがって,ある回路を解析する場合に答えにたどりつくまでの道は一つではない。当然,どの道を選ぶかによって途中の困難さが異なる。なるべく簡単な道を選ぶべきであるが,最良の選択のためにはある程度の経験とひらめきが必要である。本書を用いて回路解析法を習得しようとする方の理解が深まるよう,できるだけ多くの例題・章末問題を挿入している。章末問題については,略解を巻末に掲載するとともに,詳解をコロナ社のWebページに示した。なお,各例題・章末問題において,本書で示す解法が最も簡単な道とは限らないことを了解してほしい。

一方で,本書で紹介する回路解析法のうち回路方程式を使う方法だと,経験やひらめきがなくても,与えられた回路から機械的に方程式を立てることができる。人手で連立方程式を解こうと思うのは3次ぐらいまでが限界であろうから,回路方程式を使う方法は簡単な道ではないかもしれない。しかし,線形連立方程式となるため,計算機での処理向きである。計算機を使って方程式を解くならば次数なんて関係ない。近年では計算機を使って簡単に(数行のコードを書くだけで)方程式を解くことができるようになっている。計算機を使った連立方程式の求解法の例としてPythonを使う方法を紹介するので,求解の補助や得た解の正しさの確認のために活用してほしい。

また,別の回路解析法として回路シミュレーションがある。本書では回路シミュレーションまでは詳述できなかったが,さまざまな書籍が発行されている。パソコンさえあれば導入できるので上手に活用してほしい。

本書は著者が大阪大学において学部2年生に対して行っている講義内容をまとめたものである。執筆にあたっては,コロナ社から出版されている『回路理論I』を参考にさせていただいた。また,大阪大学において回路関係の講義を担当されている先生方にもさまざまなコメントをいただいた。関係する皆様に記して謝意を表する。最後に,本書の出版に際してお世話になったコロナ社の方々に感謝する。

2020年12月
宮本俊幸

1.電気回路の基本概念
1.1 電流,電圧および電力
1.2 集中定数回路と分布定数回路
1.3 回路素子
1.4 抵抗器
1.5 キャパシタ
1.6 インダクタ
1.7 電圧源
1.8 電流源
1.9 従属電源
1.10 回路の接続構造
1.11 定常解析と過渡解析
章末問題

2.電気回路の基本法則
2.1 キルヒホッフの法則
 2.1.1 キルヒホッフの電流則
 2.1.2 キルヒホッフの電圧則
2.2 キルヒホッフの法則による回路解析
2.3 直列接続と並列接続
 2.3.1 直列接続
 2.3.2 並列接続
2.4 分圧と分流
 2.4.1 分圧
 2.4.2 分流
2.5 ブリッジ回路
2.6 Y–Δ変換
2.7 電源の削減と変換
 2.7.1 電源の削減
 2.7.2 電圧源と電流源の等価変換
章末問題

3.回路方程式
3.1 節点解析
 3.1.1 節点方程式
 3.1.2 KCL方程式から節点方程式への変換
 3.1.3 電圧源や従属電源がある場合の節点解析
3.2 網目解析
 3.2.1 閉路方程式
 3.2.2 KVL方程式から閉路方程式への変換
 3.2.3 電流源や従属電源がある場合の網目解析
章末問題

4.回路の基本定理
4.1 重ね合わせの理
4.2 テブナンの定理
4.3 ノートンの定理
章末問題

5.フェーザ法
5.1 複素数
5.2 正弦波形の電圧と電流
5.3 正弦波電圧・電流のフェーザ表示
5.4 インピーダンスとアドミタンス
章末問題

6.フェーザによる交流回路解析
6.1 複素数領域等価回路
6.2 キルヒホッフの法則
6.3 直列接続と並列接続
6.4 分圧と分流
6.5 ブリッジ回路
6.6 Y–Δ変換
6.7 電圧源と電流源の等価変換
6.8 節点解析
6.9 網目解析
6.10 重ね合わせの理
6.11 テブナンの定理とノートンの定理
章末問題

7.交流電力
7.1 有効電力と無効電力
7.2 実効値
7.3 複素電力
7.4 最大電力伝送
章末問題

8.共振回路
8.1 直列共振回路
8.2 並列共振回路
章末問題

9.結合インダクタ
9.1 結合インダクタのモデル
9.2 結合インダクタの等価回路表現
9.3 理想変圧器
章末問題

付録
A.1 単位記号
A.2 電気用図記号
A.3 過渡解析
 A.3.1 直流回路
 A.3.2 交流回路
A.4 自己インダクタンスと相互インダクタンス

引用・参考文献
章末問題の略解
索引

コーヒーブレイク
・線形回路
・Pythonを使った回路解析(連立方程式①)
・Pythonを使った回路解析(連立方程式②)
・修正節点解析とSPICE
・Pythonを使った回路解析(複素数計算①)
・Pythonを使った回路解析(複素数計算②)
・Pythonを使った回路解析(代数計算)
・デシベル

宮本 俊幸(ミヤモト トシユキ)

掲載日:2021/04/21

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