確率論的リスク解析の数理と方法
確率論的リスク解析のアドバンストなテキスト。定量的な解析を実行するための数理的方法の提供を目的としている。数理モデルの理論的背景や数理構造を整理したのち,多くの適用例を示しつつ応用時の諸問題を解説する。
- 発行年月日
- 2010/10/28
- 判型
- A5
- ページ数
- 188ページ
- ISBN
- 978-4-339-07926-5
- 内容紹介
- 目次
- 書籍紹介・書評掲載情報
確率論的リスク解析のアドバンストなテキスト。定量的な解析を実行するための数理的方法の提供を目的としている。数理モデルの理論的背景や数理構造を整理したのち,多くの適用例を示しつつ応用時の諸問題を解説する。
第1 部 基礎編
1. 数理的基礎概念との関係
1.1 確率論的リスク解析
1.2 非線形,非定常,非正規,非マルコフ
1.3 数理モデル構造
1.4 逆問題の解法
1.5 リスク解析で使われる変数
1.6 本書の目的
2. 離散変数の確率過程
2.1 均一ポアソン過程
2.2 不均一ポアソン過程
2.3 複合ポアソン
2.4 その他のさまざまなポアソン過程
2.5 一般化ポリア過程
2.5.1 ユール・ファリー過程
2.5.2 ポリア過程
2.6 さまざまな生成過程の平均と分散
2.7 生成過程から生成・死滅過程へ
3. 連続変数の確率過程
3.1 正規過程
3.2 対数正規過程
3.3 超ガンマ過程
3.3.1 ガンマ過程
3.3.2 ワイブル過程
3.3.3 ガンベル過程
3.4 指数過程
3.5 一般化コーシー過程
3.6 レビー過程
3.7 確率過程の多様性
3.8 累積分布関数と密度関数
4. 確率分布とパラメータ推定
4.1 分布を情報エントロピーと変分原理で定める
4.1.1 正規分布
4.1.2 一般化コーシー分布
4.1.3 その他の分布
4.2 ベイズの定理とベイズ推定
4.2.1 ベイズの定理
4.2.2 ベイズ推定
4.3 尤度と最尤推定
4.4 モーメント法
4.5 混合分布とパラメータ推定
4.6 EM アルゴリズム
5. 寿命の数理
5.1 ワイブル解析
5.2 さまざまな方法
5.3 打切りがあるときの取扱い
5.4 さまざまな寿命分布
5.4.1 正規寿命
5.4.2 対数正規寿命
5.4.3 ガンマ寿命
5.4.4 超ガンマ寿命
5.4.5 混合分布
5.5 信頼度関数,危険度関数,生存関数
5.6 損失余命
5.7 絶滅確率
6. 極値の理論
6.1 極値理論と応用の背景
6.2 最大/最小値の分布と期待値
6.2.1 標本最大値の分布と期待値
6.2.2 最小値の分布と期待値
6.2.3 m 番目の順序統計量の分布と期待値
6.2.4 確率表現関数
6.3 極値の極限分布
6.3.1 最大値の極限分布
6.3.2 最小値の極限分布
6.4 一般化極値分布
6.5 一般化パレート分布
6.6 m 番目の順序統計量の超過確率
6.7 まとめ
7. ロジスティック回帰分析
7.1 多重リスク因子の概念
7.2 多重ワイブル解析
7.3 多重ロジスティック回帰分析
7.4 解析理論の発展可能性
8. 多変量リスク因子の従属性
8.1 リスク因子の従属性
8.2 2 変量分布と従属性
8.3 従属故障
8.3.1 ベータ因子モデル
8.3.2 多重ギリシャ文字モデル
8.3.3 アルファ因子モデル
8.3.4 数値確率評価
8.3.5 パラメータの推定
8.4 競合リスク解析
8.5 コピュラ
8.5.1 コピュラの定義
8.5.2 コピュラの性質(1)裾依存性
8.5.3 コピュラの性質(2)順位相関
8.5.4 コピュラのいくつかの例と裾依存性
8.5.5 パラメータ推定
8.5.6 コピュラの適用例
第2 部 応用編
9. 感染症の流行過程とリスク解析
9.1 感染症流行の力学モデル
9.1.1 SIR モデルの変数の縮約
9.1.2 ロジスティック近似
9.1.3 流行の動態の厳密解
9.1.4 力学モデルの精緻化
9.2 確率SIR モデルと最尤推定
9.2.1 確率SIRモデル
9.2.2 初期段階での単純生成・死滅過程
9.2.3 単純伝染過程
9.2.4 マルチンゲール理論と計数過程
9.3 現実問題に適用するための拡張
9.3.1 潜伏期
9.3.2 2 次感染パタンの異質性
9.3.3 年齢構成
9.3.4 実効再生産数
9.3.5 individual-based model (ibm)
9.4 今後の展開
10. 発がんの数理モデルとリスク評価
10.1 研究の背景
10.1.1 年齢別がん死亡率
10.1.2 発がん過程のモデル
10.2 アーミテージ・ドールモデルとその一般化
10.2.1 一般論
10.2.2 大量一時被曝
10.2.3 事故後の継続的長期被曝
10.2.4 喫煙,アスベスト,化学物質被曝
11. 突然死のリスクとモデルおよび予知
11.1 突然死の背景
11.2 突然死のマーカー
11.3 心室頻脈・細動のモデル
11.3.1 アルキメデスのらせん
11.3.2 興奮波の不安定性と非線形モード
11.3.3 回転らせん運動の動的モデル
11.4 今後の展開
12. 認知症の発症過程とリスク解析
12.1 認知症脳波の数理モデル
12.2 局所標本エントロピー
12.3 位相速度の分布
12.4 今後の展開
13. 余震の発生過程とリスク解析
13.1 地震の発生度数
13.2 宇津の公式
13.3 余震活動の数学的記述
13.4 ETAS モデル
14. スペースシャトル事故のリスク解析
14.1 事故の背景
14.2 ロジスティック回帰分析
14.3 モデル選択による結果の違い
14.4 今後の展開
15. 海洋構造物の極値応答の推定
15.1 荒れた海のモデル
15.2 海洋構造物の振動モデル
15.3 極値応答の推定と予測
15.4 今後の展開
16. 原子炉出力の発振現象とリスク解析
16.1 研究の背景
16.2 ゆらぎ信号の解析方法
16.2.1 確率複素ギンスブルグ・ランダウ方程式
16.2.2 動力学パラメータの推定
16.2.3 雑音源強度の推定
16.2.4 独立成分の分離
16.3 中性子ゆらぎへの適用
16.3.1 振幅の空間従属性
16.3.2 位相の従属性
16.3.3 独立な非線形基準モード
16.4 非線形基準モードに関する議論
引用・参考文献
索引