金属疲労の基礎と疲労強度設計への応用
本書は企業の設計技術者が利用することを目的とした。疲労強度に及ぼす影響因子,実働荷重下の疲労強度と疲労き裂進展挙動を説明し,疲労寿命推定法がわかるようにした。また,実機の疲労強度評価の著者らの経験したことをまとめた。
- 発行年月日
- 2008/09/26
- 判型
- A5
- ページ数
- 252ページ
- ISBN
- 978-4-339-04592-5
- 内容紹介
- 目次
- レビュー
本書は企業の設計技術者が利用することを目的とした。疲労強度に及ぼす影響因子,実働荷重下の疲労強度と疲労き裂進展挙動を説明し,疲労寿命推定法がわかるようにした。また,実機の疲労強度評価の著者らの経験したことをまとめた。
1. 疲労強度設計の基礎
1.1 疲労強度設計の枠組み
1.2 疲労限度設計
1.3 疲労寿命設計
1.4 損傷許容設計
2. 金属疲労強度の基礎知識
2.1 材料の変形と破壊
2.1.1 金属材料の機械的性質
2.1.2 破壊の微視的様相
2.2 疲労破壊の特徴
2.2.1 微視的挙動と疲労き裂の発生
2.2.2 疲労き裂の進展
2.2.3 疲労破面の特徴
2.3 疲労に関する用語
3. 疲労強度の影響因子
3.1 機械的性質と疲労強度
3.1.1 引張強さと疲労限度
3.1.2 硬さと疲労限度
3.2 応力集中の影響
3.2.1 切欠係数 β
3.2.2 切欠感度係数 η
3.2.3 切欠係数 β の実験式
3.2.4 切欠材の分岐点
3.3 平均応力の影響
3.3.1 基本的視点
3.3.2 平均応力評価式
3.3.3 耐久限度線図
3.4 表面粗さの影響
3.5 表面硬化処理の影響
3.5.1 高周波焼入れ
3.5.2 タフトライド処理
3.5.3 表面薄膜処理
3.5.4 浸炭・窒化処理
3.5.5 その他の表面処理
3.6 腐食環境と疲労強度
3.6.1 腐食環境下の疲労強度
3.6.2 材料の引張強さと腐食疲労強度
3.6.3 腐食疲労破壊防止法
3.7 高温環境,低温環境の影響
3.7.1 高温環境
3.7.2 低温環境
4. 実働荷重と疲労寿命
4.1 実働荷重下の疲労強度
4.1.1 実働応力波形と疲労試験波形
4.1.2 変動応力振幅疲労試験
4.1.3 重畳波形疲労試験
4.1.4 間欠負荷応力波形疲労試験
4.2 線形累積損傷則
4.2.1 ヒステリシスループと疲労損傷
4.2.2 線形累積損傷則
4.3 重畳波形下の疲労試験結果
4.4 間欠負荷応力波形下の疲労試験結果
4.5 疲労寿命推定法
4.5.1 疲労寿命推定の手順
4.5.2 応力頻度読取り法
4.5.3 疲労寿命の計算
5. 疲労き裂進展と疲労寿命
5.1 応力拡大係数
5.2 疲労き裂進展特性
5.3 疲労き裂進展に影響する因子
5.4 疲労き裂進展寿命推定
5.5 き裂進展の下限界
5.6 内部欠陥からのき裂進展
6. 機械部品の疲労と疲労強度設計
6.1 ボルトの疲労強度と設計
6.1.1 ボルトに発生する応力
6.1.2 内力係数の計算
6.1.3 ボルトの疲労強度に影響する因子
6.1.4 大型ボルトについての疲労試験結果
6.2 歯車の疲労強度と設計
6.2.1 歯車の応力測定結果
6.2.2 実測応力から見た歯車の疲労強度
6.2.3 疲労寿命の検討
6.2.4 交番荷重の取扱い
6.2.5 交番荷重下の疲労損傷評価法
6.2.6 小形試験片と歯車の疲労強度比較
6.2.7 パルセータ疲労試験とランニング疲労試験
6.3 ディーゼル機関燃焼室壁部材の疲労寿命設計
6.3.1 燃焼室壁部材の疲労強度問題
6.3.2 鋳鋼,鍛鋼の疲労強度
6.3.3 疲労寿命推定法
6.4 舶用プロペラの疲労と寿命
6.4.1 二軸船プロペラ翼の実働応力と疲労寿命
6.4.2 可変ピッチプロペラの実働応力と疲労寿命
6.4.3 応力拡大係数を使った検討
6.5 クランク軸の疲労強度
6.5.1 クランク軸の疲労強度
6.5.2 クランク軸の実働応力
6.5.3 実物クランク軸のき裂進展と評価
6.6 車軸の疲労強度と設計
6.6.1 車軸の強度設計
6.6.2 車軸の損傷例
6.6.3 車軸の疲労寿命設計
6.6.4 高周波焼入れ車軸の残留応力分布
6.6.5 圧入軸の疲労強度(寸法効果)
6.7 ねじり軸の疲労強度
6.7.1 ねじり疲労試験結果
6.7.2 寸法効果,切欠効果の検討
6.7.3 キー溝部の応力集中
6.7.4 疲労き裂の発生状況
6.8 車両用台車枠の疲労強度と設計
6.8.1 疲労強度評価基準(JIS E4047)の使用例
6.8.2 疲労寿命推定のS-N線図
6.8.3 溶接試験片と実物台車枠の比較
6.8.4 日本鋼構造協会指針(JSSC)
引用・参考文献
索引