スライディングモード制御 - 非線形ロバスト制御の設計理論 -

スライディングモード制御 - 非線形ロバスト制御の設計理論 -

非線形ロバスト制御の代表的な理論である可変構造制御理論の中で最も有力なスライディングモード制御を,実システムへ適用する立場から記述した入門書。例題および応用例を詳しく紹介し,また最新の設計法を網羅して体系化を図った。

ジャンル
発行年月日
1994/10/20
判型
A5 上製
ページ数
274ページ
ISBN
978-4-339-03157-7
スライディングモード制御 - 非線形ロバスト制御の設計理論 -
品切・重版未定
当面重版の予定がございません。

定価

3,850(本体3,500円+税)

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非線形ロバスト制御の代表的な理論である可変構造制御理論の中で最も有力なスライディングモード制御を,実システムへ適用する立場から記述した入門書。例題および応用例を詳しく紹介し,また最新の設計法を網羅して体系化を図った。

1. スライディングモード制御とはなにか
1.1 スライディングモード制御の基本的考え方と理論史
  1.1.1 スライディングモード制御の基本的考え方
  1.1.2 スライディングモード制御問題の記述
  1.1.3 スライディングモード制御の理論的背景
  1.1.4 スライディングモード制御の歴史
1.2 線形系に対するスライディングモード制御
  1.2.1 基本的な定義
  1.2.2 切換方式
  1.2.3 到達条件と到達モード
  1.2.4 制御則
1.3 スライディングモード制御の性質
  1.3.1 到達モードの特性
  1.3.1 スライディングモードの特性
  1.3.3 スライディングモードのチャタリングと定常状態モード
1.4 サーボ系などへの拡張
1.5 非線形系のスライディングモード制御
  1.5.1 正準系
  1.5.2 正準系のスライディングモード制御
1.6 スライディングモード制御理論の拡張
  1.6.1 大規模システム
  1.6.2 離散時間系
  1.6.3 分布定数系
  1.6.4 むだ時間系
  1.6.5 その他のシステム
2. スライディングモード制御の基本構造
2.1 スライディングモードの存在条件
2.2 等価制御法による解析
2.3 スライディングモードのロバスト性
2.4 スライディングモード零点
2.5 スライディングモード領域
2.6 スライディングモードと切換周波数
3. 連続時間系のスライディングモード制御の設計法
3.1 切換超平面の設計
  3.1.1 極配置法を用いた設計法
  3.1.2 固有ベクトル配置による設計法
  3.1.3 最適な切換超平面の設計法
  3.1.4 システムの零点を利用する設計法
  3.1.5 周波数成形による設計法
  3.1.6 H∞制御理論による設計法
3.2 スライディングモードコントローラの設計
  3.2.1 対角化法による設計
  3.2.2 固定階層制御法
  3.2.3 自由階層制御法
  3.2.4 最終スライディングモード制御法
  3.2.5 線形制御法と非線形制御法
  3.2.6 非線形な系に対する制御法
3.3 チャタリングの防止策
  3.3.1 飽和関数を用いる設計法
  3.3.2 平滑な関数による方法
  3.3.3 非線形連続制御法
4. 不確かな系のスライディングモード制御の設計法
4.1 不確かさの上界値が既知でマッチング条件を満たすスライディングモード制御系の設計
4.2 不確かさの上界値が既知でマッチング条件を満たさないスライディングモード制御系の設計
4.3 不確かさの上界値を同定する適応ロバストスライディングモード制御の設計
  4.3.1 適応上界値を有するスライディングモード制御
  4.3.2 適応スライディングモード制御入力
  4.3.2 上界値を同定するスライディングモード制御
  4.3.4 適応ロバストスライディングモード制御
5. スライディングモードサーボ制御系の設計法
5.1 目標値に追従するスライディングモードサーボ制御系の設計
  5.1.1 積分項を有するスライディングモードサーボ制御系統の設計
  5.1.2 適応追従形スライディングモード制御系の設計
5.2 モデル規範形適応制御系のスライディングモード制御
  5.2.1 不確かさの上界値が既知のモデル規範形スライディングモード制御
  5.2.2 不確かさの上界値が未知のモデル規範形スライディングモード制御
6. VSSオブザーバの設計法
6.1 一般的な最小次元オブザーバの設計
6.2 ロバストVSSオブザーバの設計法
  6.2.1 基本的なロバストとVSSオブザーバの設計
  6.2.2 ロバスト最小次元VSSオブザーバの設計
6.3 適応VSSオブザーバの設計
6.4 出力フィードバックによるスライディングモード制御系の設計
  6.4.1 基本的な定義
  6.4.2 超平面の設計
  6.4.3 出力フィードバックによる制御入力の設計
  6.4.4 出力フィードバックによる観測器の設計
7. 離散時間系のスライディングモード制御の設計法
7.1 一般的な離散時間スライディングモード制御の設計
  7.1.1 超平面の設計
  7.1.2 一般的なVSSコントローラの設計
  7.1.3 チャタリングを低減させるコントローラの設計
7.2 サーボ系の離散時間スライディングモード制御
8. スライディングモード制御の応用
8.1 弾性ロータ系・磁気軸受系の連続時間スライディングモード制御
  8.1.1 弾性ロータ系・磁気軸受系のモデリング
  8.1.2 スライディングモード制御系の設計
8.2 弾性ロータ系・磁気軸受系の離散時間スライディングモード制御
  8.2.1 等価制御系
  8.2.2 超過平面の設計
  8.2.3 VSSコントローラの設計
  8.2.4 実験装置と実験結果
8.3 アクティブ動吸振器を有する塔状構造物のスライディングモード制御
  8.3.1 モデリング
  8.3.2 スライディングモード制御系の設計
  8.3.3 シミュレーションおよび実験
8.4 宇宙ロボットの姿勢制御へのスライディングモード制御の適用
  8.4.1 運動方程式
  8.4.2 離散時間スライディングモード制御系の設計
  8.4.3 離散時間PD制御系の設計
  8.4.4 姿勢制御シミュレーションと実験
8.5 磁気歯車伝達系のスライディングモード制御
  8.5.1 磁末密度および伝達トルクの解析
  8.5.2 スライディングモード制御の構成
  8.5.3 数値シミュレーションおよび実験
8.6 工作機械送り駆動系のスライディングモード制御
  8.6.1 実験装置およびそのモデル
  8.6.2 スライディングモード制御系の設計
  8.6.3 制御実験
8.7 ベンチマーク問題─スライディングモード制御とH∞制御の比較─
  8.7.1 3慣性系ベンチマーク問題
  8.7.2 H∞制御系の設計
  8.7.3 スライディングモード制御系の設計
  8.7.4 性能比較
参考文献
索引

野波 健蔵

野波 健蔵(ノナミ ケンゾウ)

専門は制御工学,ロボット工学,メカトロニクス。略歴は,1979年東京都立大学大学院工学研究科博士課程修了,1985年米航空宇宙局(NASA)研究員・シニア研究員,1988年千葉大学助教授,1994年千葉大学教授,2001年10㎏クラスの小型無人ヘリコプタの完全自律制御に日本で最初に成功,2008年千葉大学理事・副学長(研究担当),2008年千葉大学産学連携知的財産機構長,2011年日本学術会議連携会員,2012年ミニサーベイヤーコンソーシアム会長,2013年大学発ベンチャー「(株)自律制御システム研究所」を創業し,代表取締役社長,2014年千葉大学特別教授(千葉大学名誉教授),2017年一般社団法人日本ドローンコンソーシアム会長,2018年(株)自律制御システム研究所が東証マザーズ市場に上場,取締役会長,2019年一般財団法人先端ロボティクス財団を設立し,理事長に就任。2023年福島国際研究教育機構ロボット分野長に就任。

田 宏奇(デン コウキ)